[R-18] 火消しの火遊び:おっさん消防士はイケメン俳優に火をつける

山葉らわん

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第六章 親分はボディガード

夜の車両点検整備 ※【絡み:小川健悟x柳川健人】

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 健悟は、タオルで水気を拭くのもそこそこに柳川を抱きかかえ、浴室を出ると、そのまま寝室へ直行し、柳川をベッドに放り投げた。
 ――さて、相棒。こいつを今からどうしてやろうか?
 ――俺の出番だな。
 ――わかってんなら話は早い。
 健悟はベッド脇のスタンドライトを調整した。人の姿がようやく見えるほどの、ほの暗さになった。ついでベランダのほうへ行ってカーテンを全開にすると、ベッドへ戻ってきて柳川を見おろした。
 素っ裸かの青年が、ベッドのうえで仰向けに転がっている。浴室で散々可愛がってやったせいか、胸を上下させながら、ふぅふぅ、と息を整えようとしていた。一方、両手両脚はダラリと四方に投げ出した状態で、あられもない姿を健悟のまえに曝している。
 ――これが今をときめく若手イケメン俳優か……。
 健悟は、ゆっくりとベッドにあがった。
「親分……」柳川が掠れた声で健悟を呼ぶ。「俺……これから、どうなるんですか……?」
「ああん? 消防士になりてえんだろ?」健悟は膝がしらで柳川の両脚をはらうようにして大きく広げさせた。「俺が消防士にしやるよ。朝まで――」両脚のあいだに割ってはいりながら、片眉を吊りあげてニヤリと笑う。「――おめえのからだにたっぷりと教えこんでやるからな」
 柳川がこくりと頷いた。
 健悟は柳川に覆いかぶさりながら、
「まずは消防士の匂いを分けてやるよ」
「あ!」
「どうした?」
 健悟は知らぬ素振りで訊いた。いきり勃った相棒同士が重なりあっている。そのことで柳川は声をあげたのだった。
っとしてろ」
 と低い声で云って、健悟は柳川とシーツのあいだに両手を潜りこませると、左手を柳川の後頭部に添え、右手を柳川の尻の谷間に差しこんだ。それから全体重を預ける。ベッドが男ふたりの重みで沈みこんだ。
「親分……?」柳川が思い出したように訊いた。「親分も俺も、まだ濡れたままですけど、いいんですか?」
「構わねえよ」健悟は柳川の耳許に囁いた。「どうせこれからグチョグチョになるんだぜ? 汗やらいろんなものでな」
 健悟のしたで柳川の全身がビクッと小さく震えた。
 健悟は試しに右手の中指を動かした。すでに柔らかくなった肉の裂け目が、指の腹に吸いついてくる。指を少し奥に押しこんでやると、柳川が「ああっ」と声をあげた。
「凝っとしてろ」健悟は中指を抜き差ししながら云った。「出火場所を探してるところだ」
 柳川がそろりそろりと腰を揺らすような動きをした。健悟は中指をいったん引き抜いて、指の腹でそこに蓋をした。
 柳川の急くような吐息と健悟の荒い鼻息だけが寝室に流れる。ふたりは汗ばんでゆく。その汗が軀の隅々に広がって、健悟と柳川はもはや引きはがすことのできないくらいにピタリと重なりあった。
 ややあって、空気清浄機が大きな音を立ててフル稼働しはじめた。
 健悟は横目にチラリと柳川の顔を見た。長い柳川の睫毛の一本一本が暗がりのなかで震えている。しかしそれはおそおののいているからではないことが、健悟にもわかった。むしろ、これからわが身に起こることへの期待だ。めくるめく酩酊のなかに柳川はいるのだった。
 ――さて、はじめるか。
 健悟は柳川を抱きかかえたままゴロリと反転すると、両手を柳川から解き、頭のしたで組んだ。それから腰を突きあげながら、
「おい、消防士が毎日することあるよな」
「んん……」柳川はまだ酩酊のなかにいて、健悟が繰りだす腰の突きあげに酔いしれているようだ。「ああ……」
「車両点検整備だ」健悟は腰を大きく回すように揺らした。「はじめろ」
 柳川の車両点検整備がはじまった。
 しかしその動きは覚束ない。手のひらで健悟を撫でまわし、唇でその体毛に置かれた露のような汗を啜り、頬を毛深い肌に擦りつけているが、思いつくまま、目の赴くまま、といった感じだ。柳川には、手順というものがまるでなかった。
 ――ったく。下手くそだなあ、おい。
 ――しょうがねえだろ、健悟。こいつは童貞なんだぜ?
 と返しつつ、股間の相棒も柳川の点検整備を今か今かと待ちわびている。
 柳川の顔が、ゆるりゆるりと臍へ向ってゆく。あともう少しの辛抱で夜の車両点検整備がはじまる。
 来るぞ!
 と思ったつぎの瞬間、柳川が顔を健悟の右の腰に移した。唇で、チュッ、チュッ、と吸いつく音を立てながら、健悟のわき腹から腋窩へ向って、その悩まし気に両目を閉じた端正な顔を進めてゆく。柳川が鼻を鳴らした。そして、ああ、と声を洩らす。健悟の放つフェロモンに夢中になっているのだった。
 ――焦らすんじゃねえぞ、柳川……。
 堪えかねて健悟は、柳川を荒々しく抱きしめ、その巨軀を反転させた。そして柳川を組みしきながら、
「車両点検整備のやり方を教えてやる」
 と云って、柳川の首筋に舌を這わせた。
「ひぃっ……」
「こんくらいで騒ぐんじゃねえぞ、柳川」
 健悟は一度身を起こし、両膝立ちになって柳川を見おろした。
 いつの間にか寝室の暗さに目が慣れている。スタンドライトの薄明りに、ベランダから差しこむ月明りが手伝って、ベッドのうえに横たわる若い青年の、初々しい肉体の輪郭と起伏とが、くっきりと見えた。健悟は、これからこの軀を好きにしていいのだと、身勝手な慾望にひたった。
 ――キスが出来たら、最後までいく。いいな、相棒。
 ――キスは後回しでもいいだろ。
 ――ものには順序ってもんがあんだよ、このタコ。
 ――今までまともにキスしたことあったか?
 ――うっせぇ、黙ってろ!
 健悟は烈しく柳川を掻きいだいて唇を重ねた。そして自然にその肉厚の舌を柳川の口のなかに押しこんだ。柳川の唇は抵抗する間もなく、ただ柔らかく崩れて健悟の舌を受け容れた。健悟の舌が柳川の舌を捕らえた。すると申し合わせたように舌と舌とが絡みあい、柳川の口のなかで暴れまわった。
 柳川のうめき声が唇の隙間から洩れだした。健悟は唇を一度離してやった。しかし柳川が息を大きく吸おうとしたつぎの瞬間、健悟は荒々しく唇を重ね、ねじ込んだ舌で柳川をまたむさぼりはじめた。
 ――いけるな、こいつが相手なら。
 腹は坐った。
 空気清浄機がその夜、最大のパワー脱臭モードに入った……。
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