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【原作】始動
特別な『女の子』に…【ヒロイン視点】
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恋愛小説【アルティナの真珠】の主人公コレットの幼少期は『不幸であった』と記されている。まだ赤ん坊の頃に孤児院のドアの前に置かれていた彼女は、年を追うごとにその美貌を増した。
特に金髪緑眼の特徴が一目を引き、外ではロープを被ることを徹底させられた。孤児院の収入のために真冬に手が凍えようと花籠を持たされ売りに出た。
それでもコレットはまだ幼い下の子達の為、積極的に働いた。呑み込みが早く頭の回転も良いのか孤児院の中でも唯一読み書きができた。彼女は皆に慕われていた。たとえすきま風に吹かれ皆集まって夜を乗り越えようと、確かに『家族』があった。
だけどコレットは憧れている。自分の本当の父や母に…。捨てられていたとき唯一一緒に残された首飾り。とても綺麗なそれは何かつらいことがあったときや悲しいことがあったとき、いつも私を支えてくれた。私は捨てられた訳じゃない。ちゃんと理由があったのだと、この首飾りだけが証明してくれるから。
私はこれからもこの首飾りと一緒にどんな困難でも乗り越えていける。そう、思っていた。
「コレット。特別にお前を愛妾にしたいと申し出てくださった御方がいる。十五の誕生日当日、迎えの馬車に乗りなさい」
院長室に呼ばれ、唐突に告げられた内容に理解が追い付かない。
「ま、待ってください! そんな急、にっ…」
「年々孤児院の経営ご厳しくなっているのはお前もよく分かっているだろう。それともなんだ。まだ幼い子供達が冬を乗り越えられず命を落としてもいいのか?」
「それはっ…。でも、そんな…っ」
「お前の上の子達も通った道のりだ。お前だけを特別扱いするわけにはいかない」
どう言っても聞き入れてはくれない院長に退室を促されその場は一旦引き下がったけど、私の十五歳の誕生日まであと二週間もない。
ろくに解決策もでないまま、部屋でひっそりと泣いてしまった。顔も知らない貴族の愛妾になんか絶対嫌よ。すぐに迫った未来に怯えながら、私は日々を過ぎ行くのを感じた。
私の誕生日前の一週間、帝国は建国祭を迎える。この期間は花の売れ行きも上々で祭りを楽しむ余裕もない孤児達は花売りに駆け出される。
街に出歩く人は皆着飾っていて、とても綺麗だ。それに比べて私は…、みずぼらしくて折角の金髪も薄汚れている。
もしかしたら、私を救い出してくれる人が現れるかもしれない。そんな淡い夢を祭りの熱に浮かされ一日目には思っていた。だけどそんな訳はなくて、約束の日まで刻々と時は流れていった。
そして建国祭最終日。私はもう明日のことで頭がいっぱいいっぱいになって、ろくに売り上げることができなかった。もう祭りも納め時なのか大量に籠に残ってしまった花を見ながら、私は孤児院に帰る時間を出来る限り遅くしようとその場に止(とど)まっていた。
私はまだ夢を見ている。私もあんな煌びやかに、普通でいいから幸せになりたい。一度でいいから私も、特別な『女の子』になってみたい…。
まだ重みのある花籠を抱え、私は待っていたのかもしれない。そして、…出会った。
…まるで貴族のお忍びのような格好の二人組。一人が体調が悪いのか膝をついている。人のことを言えた義理じゃないけど、心配になって話しかけた。
「あのっ…。大丈夫、ですか?」
見た目だけみればボロいロープに騙されるけど、その身なりや立ち振舞いは間違いなく貴族のものだった。体調の悪そうな女の子の方は意識が朦朧としているのか返事はなかったけど、男の人は私が近寄ったことにあからさまな邪見を抱いている。
「結構だ。立ち去ってくれ」
「ぁ、でも…っ」
鋭い眼光に怯(ひる)んだけど、この貴族らしい女の子を助ければ私のことも助けてくれるかもしれないといった打算からか立ち去ることはできなかった。これが最後の賭けなのだ。
「わ、私良い回復薬屋さん知ってるんです!」
「必要ないと言ってるのが聞こえないのか」
一切合切を切り捨てる男の人にさらに恐怖が芽生える。だってこの人今にも私を殺しそうな目をしている。私は恐怖で段々と口が淀んでしまう。
「そのっ、だから…、」
思わず女の子の方へ手を伸ばしてしまったせいで、私は人生で初めて『殺気』というものを知った。まるで魔物のお腹の中にいるみたいだ。あまりのことに身体が反応できず身を固まらせていると、ふと女の子と目が合った。
「この御方に触れるな。その花籠ごと買い取ってやるからさっさと「まって…、」」
最後の警告と言わんばかりの気迫で告げる男の人に、制止の手をかざむけたのは女の子だった。男の人の腕に掴まって弱々しく顔を上げて彼女は私よりも少し身長が低い。それにロープの下に見えたのは素顔ではなくていかにも特注品の仮面だった。
彼女は男の人に支えられてもらいながら、私の腕の裾を掴んだ。まるで切実に訴えるかのように…。
「貴方を、探しておりました…」
声を震わせながら、私を探していたと言った女の子。何か起こっているのか全く意味がわからなかった私はあたふたと彼女に問いた。
「ぁ、あのっ、どいういう意味ですか…?」
「聖女様…?」
彼女を支える男の人も困惑している様子で、なぜか『聖女様』と言った。
「帝国の一つ星、コレット・フォン・ラグナロク皇女殿下。それこそ、貴方様の真名なのです」
「私が…、こ、うじょ…?」
嘘だと疑うことは、彼女の真摯な声を聞いてもできはしなかった。私の名前も知っていることだって、私を探していたことともつじつまが合ってしまうのだから…。
「まさか…、」
彼はその言葉と同時に私のロープを強引に外す。私は院長先生の言いつけに背いてしまったことへの罪悪感に震えたけど、男の人の反応はまるで違った。信じられないと打ち震えている。
「あぁ゛…、やっと、やっと…っ。貴方の存在を夢見ておりました…」
そして彼女はまさに光を見たかのように、少し怖いと思ってしまうほどの狂喜に涙している。
「あなたは…、何者なんですか、?」
「…っす、はぁ…。…ご紹介が申し遅れました。私はシルティナ・エメ・オリヴィア。アルティナ教の『聖女』の役目を負っています」
今度は綺麗に姿勢を正し立ち上がった彼女。フードを外して見えたシルクの髪は、私の金髪じゃ比べようのないほど光沢を放っている。
「せい、じょ…? っ、ぁ…、どうか私を助けて貰えませんか?! 今夜が過ぎれば私は貴族の愛妾として売られてしまいます! お願いします、どうかっ…」
彼女が聖女だとして、私はもう助けを乞うしかなかった。たとえ今の話が全て事実だったとして、孤児院にこのまま帰ってしまえばすくに売られてしまう。
どうか、どうか…っと助けを求める私の汚れた手を何の躊躇もなく取った彼女は私を安心させるように優しい言葉を言ってくれた。
なんとか落ち着くことのできた私を、彼女は軽く微笑み男の人に何やら伝えている。
「殿下、皇女様のことをお願いできますか?」
「…構いませんが、それでは聖女様の帰りがなくなってしまいます」
二人で会話しているけど、その名称は『殿下』になっている。まさか、まさかだけどこの人は…。
「大丈夫です。帰る手段はありますので、どうか皇女様のことをお願いします」
「…分かりました。ただし、また後日ご褒美を下さい」
「また後日、お会いしたときに機会があれば…」
二人の間には恋人とも従者とも違う不可解な距離がある。それはまだ出会って間もない私でも分かった。
彼女はまたフードを被りなおしこの場から立ち去ったけど、つまりそれは私とこの人とで二人きりになった訳で…。さぁあ…と血の気が引いていく。さっきまであんなに殺気を向けられていた相手となんて…。
「ぁ、えと…」
私がどうすればいいのかしどろもどろしているとさっきまで彼女に見せていた笑顔は消え失せ、無機質なモノを見るかのように彼は私を映した。
「連いてこい」
「は、はいっ」
歩調を合わせる気など更々無いように彼は先を歩く。私は決してはぐれないように、急いで彼の後を追いかけた。
特に金髪緑眼の特徴が一目を引き、外ではロープを被ることを徹底させられた。孤児院の収入のために真冬に手が凍えようと花籠を持たされ売りに出た。
それでもコレットはまだ幼い下の子達の為、積極的に働いた。呑み込みが早く頭の回転も良いのか孤児院の中でも唯一読み書きができた。彼女は皆に慕われていた。たとえすきま風に吹かれ皆集まって夜を乗り越えようと、確かに『家族』があった。
だけどコレットは憧れている。自分の本当の父や母に…。捨てられていたとき唯一一緒に残された首飾り。とても綺麗なそれは何かつらいことがあったときや悲しいことがあったとき、いつも私を支えてくれた。私は捨てられた訳じゃない。ちゃんと理由があったのだと、この首飾りだけが証明してくれるから。
私はこれからもこの首飾りと一緒にどんな困難でも乗り越えていける。そう、思っていた。
「コレット。特別にお前を愛妾にしたいと申し出てくださった御方がいる。十五の誕生日当日、迎えの馬車に乗りなさい」
院長室に呼ばれ、唐突に告げられた内容に理解が追い付かない。
「ま、待ってください! そんな急、にっ…」
「年々孤児院の経営ご厳しくなっているのはお前もよく分かっているだろう。それともなんだ。まだ幼い子供達が冬を乗り越えられず命を落としてもいいのか?」
「それはっ…。でも、そんな…っ」
「お前の上の子達も通った道のりだ。お前だけを特別扱いするわけにはいかない」
どう言っても聞き入れてはくれない院長に退室を促されその場は一旦引き下がったけど、私の十五歳の誕生日まであと二週間もない。
ろくに解決策もでないまま、部屋でひっそりと泣いてしまった。顔も知らない貴族の愛妾になんか絶対嫌よ。すぐに迫った未来に怯えながら、私は日々を過ぎ行くのを感じた。
私の誕生日前の一週間、帝国は建国祭を迎える。この期間は花の売れ行きも上々で祭りを楽しむ余裕もない孤児達は花売りに駆け出される。
街に出歩く人は皆着飾っていて、とても綺麗だ。それに比べて私は…、みずぼらしくて折角の金髪も薄汚れている。
もしかしたら、私を救い出してくれる人が現れるかもしれない。そんな淡い夢を祭りの熱に浮かされ一日目には思っていた。だけどそんな訳はなくて、約束の日まで刻々と時は流れていった。
そして建国祭最終日。私はもう明日のことで頭がいっぱいいっぱいになって、ろくに売り上げることができなかった。もう祭りも納め時なのか大量に籠に残ってしまった花を見ながら、私は孤児院に帰る時間を出来る限り遅くしようとその場に止(とど)まっていた。
私はまだ夢を見ている。私もあんな煌びやかに、普通でいいから幸せになりたい。一度でいいから私も、特別な『女の子』になってみたい…。
まだ重みのある花籠を抱え、私は待っていたのかもしれない。そして、…出会った。
…まるで貴族のお忍びのような格好の二人組。一人が体調が悪いのか膝をついている。人のことを言えた義理じゃないけど、心配になって話しかけた。
「あのっ…。大丈夫、ですか?」
見た目だけみればボロいロープに騙されるけど、その身なりや立ち振舞いは間違いなく貴族のものだった。体調の悪そうな女の子の方は意識が朦朧としているのか返事はなかったけど、男の人は私が近寄ったことにあからさまな邪見を抱いている。
「結構だ。立ち去ってくれ」
「ぁ、でも…っ」
鋭い眼光に怯(ひる)んだけど、この貴族らしい女の子を助ければ私のことも助けてくれるかもしれないといった打算からか立ち去ることはできなかった。これが最後の賭けなのだ。
「わ、私良い回復薬屋さん知ってるんです!」
「必要ないと言ってるのが聞こえないのか」
一切合切を切り捨てる男の人にさらに恐怖が芽生える。だってこの人今にも私を殺しそうな目をしている。私は恐怖で段々と口が淀んでしまう。
「そのっ、だから…、」
思わず女の子の方へ手を伸ばしてしまったせいで、私は人生で初めて『殺気』というものを知った。まるで魔物のお腹の中にいるみたいだ。あまりのことに身体が反応できず身を固まらせていると、ふと女の子と目が合った。
「この御方に触れるな。その花籠ごと買い取ってやるからさっさと「まって…、」」
最後の警告と言わんばかりの気迫で告げる男の人に、制止の手をかざむけたのは女の子だった。男の人の腕に掴まって弱々しく顔を上げて彼女は私よりも少し身長が低い。それにロープの下に見えたのは素顔ではなくていかにも特注品の仮面だった。
彼女は男の人に支えられてもらいながら、私の腕の裾を掴んだ。まるで切実に訴えるかのように…。
「貴方を、探しておりました…」
声を震わせながら、私を探していたと言った女の子。何か起こっているのか全く意味がわからなかった私はあたふたと彼女に問いた。
「ぁ、あのっ、どいういう意味ですか…?」
「聖女様…?」
彼女を支える男の人も困惑している様子で、なぜか『聖女様』と言った。
「帝国の一つ星、コレット・フォン・ラグナロク皇女殿下。それこそ、貴方様の真名なのです」
「私が…、こ、うじょ…?」
嘘だと疑うことは、彼女の真摯な声を聞いてもできはしなかった。私の名前も知っていることだって、私を探していたことともつじつまが合ってしまうのだから…。
「まさか…、」
彼はその言葉と同時に私のロープを強引に外す。私は院長先生の言いつけに背いてしまったことへの罪悪感に震えたけど、男の人の反応はまるで違った。信じられないと打ち震えている。
「あぁ゛…、やっと、やっと…っ。貴方の存在を夢見ておりました…」
そして彼女はまさに光を見たかのように、少し怖いと思ってしまうほどの狂喜に涙している。
「あなたは…、何者なんですか、?」
「…っす、はぁ…。…ご紹介が申し遅れました。私はシルティナ・エメ・オリヴィア。アルティナ教の『聖女』の役目を負っています」
今度は綺麗に姿勢を正し立ち上がった彼女。フードを外して見えたシルクの髪は、私の金髪じゃ比べようのないほど光沢を放っている。
「せい、じょ…? っ、ぁ…、どうか私を助けて貰えませんか?! 今夜が過ぎれば私は貴族の愛妾として売られてしまいます! お願いします、どうかっ…」
彼女が聖女だとして、私はもう助けを乞うしかなかった。たとえ今の話が全て事実だったとして、孤児院にこのまま帰ってしまえばすくに売られてしまう。
どうか、どうか…っと助けを求める私の汚れた手を何の躊躇もなく取った彼女は私を安心させるように優しい言葉を言ってくれた。
なんとか落ち着くことのできた私を、彼女は軽く微笑み男の人に何やら伝えている。
「殿下、皇女様のことをお願いできますか?」
「…構いませんが、それでは聖女様の帰りがなくなってしまいます」
二人で会話しているけど、その名称は『殿下』になっている。まさか、まさかだけどこの人は…。
「大丈夫です。帰る手段はありますので、どうか皇女様のことをお願いします」
「…分かりました。ただし、また後日ご褒美を下さい」
「また後日、お会いしたときに機会があれば…」
二人の間には恋人とも従者とも違う不可解な距離がある。それはまだ出会って間もない私でも分かった。
彼女はまたフードを被りなおしこの場から立ち去ったけど、つまりそれは私とこの人とで二人きりになった訳で…。さぁあ…と血の気が引いていく。さっきまであんなに殺気を向けられていた相手となんて…。
「ぁ、えと…」
私がどうすればいいのかしどろもどろしているとさっきまで彼女に見せていた笑顔は消え失せ、無機質なモノを見るかのように彼は私を映した。
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