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薬師登録。
しおりを挟むそう言われたのが昨日の事だ。
さっそく薬師登録をするためにギルドにやってきた。
「薬師登録のカウンター…薬師登録…」
ブツブツと独り言を言いながらカウンターを探すけれど見つからない。
ギルドの案内図を見てみても分からない。
薬師登録って何処でやるんだろう。
迷っていても仕方がないので案内係のお姉さんに訪ねてみた。
「薬師登録はギルドの別棟に移設しました。」
「ギルドに別棟があるんですか?」
「はい、本棟の三階に別棟に行ける連結通路がございます。新しく建てたばかりのため案内図に載っていなくて申し訳ありません。」
「いえ、とんでもないです。ありがとうございました。」
迷路の様なギルドの中をさ迷いながら別棟に到着した。
新しい棟のため近代的で綺麗だ。
まだ新築の匂いがする。
キョロキョロ見回すと登録はコチラと書かれた看板を見つけた。
「あった!」
あれが薬師登録のカウンターだ。
お気軽にお声掛けくださいと書かれた札が立ててある。
「こんにちは。薬師登録したいのですが。」
「何級の登録をご希望ですか?」
「3級です。」
「分かりました。」
登録の説明を受ける。
3級は実技試験があるみたいだけど、初級魔法を使えるのであればそれだけで合格になるそうだ。
魔法教室の卒業バッチを見せたら合格になったから何とも緩い基準だなあ。
「実技試験はバッチで免除できます。ですがギルドで初めて職業登録を行う場合は、属性判断テストを受けて頂くことになっています。」
「属性判断テスト?」
「はい。別室にて行いますのでコチラにどうぞ。」
案内されたのは重厚な扉の前だった。
真っ黒だけど、細かな彫刻が施されていて迫力がある。
「この部屋にお一人で入って頂き、中での出来事を報告して下さい。部屋は自動的に施錠されますが属性判断が終わると解除されます。この部屋は異空間になっておりまして、部屋での1時間はこの世界の1分です。時間は気になさらずお過ごしいただけます。」
「分かりました。」
本当は良く分かってないけど、そう答えておく。
何だか少し緊張するなあ。
「危険な事は起こりませんのでご安心下さい。」
そうなんだ。
じゃあ大丈夫かな。
恐る恐るドアを開く。
中は真っ暗だ。
よし、行こう。
暗い中を一歩一歩進んでいく。
「中では魔法は全て無効化されますので使用できません。」
何か声が聞こえた気がしたけど自動的にドアがバタンと閉まった音で分からなかった。
暗い中をとりあえず進む。
結構進んだ気がするけど、まだ何も起こらない。
「暗いなあ…っわ!」
少し不安になって呟いたら、僕の腰くらいの高さに、ふよふよと浮いたランタンが沢山出現した。
道を示すかのように僕を挟んで二列に整列して直進している。
このまま真っ直ぐってことかな。
二列のランタンの間を、ゆっくり進んだ。
「ん?…何かあるなあ。」
少し先に何か四角い物が見える。
何だろう。
そこだけスポットが当たってるみたいに明るい。
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