無敵少女の意のままに

CHABO

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Marionette fantasia

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【previously on 無敵少女の意のままに】
遂に魔王と対面したソフィー達。
魔王はエメリーを無敵の勇者と知らず、アマテラスだけが全身の血の気が引いたのだった。

アマテラスは魔王を連れて奥へ引っ込んでしまった...。
「??何ですの?アマテラスおじさん、あんなに慌てて...」
アンちゃんにも説明しておかないと後々面倒くさそうだな、もう遅いけどw

「まおっ、魔王様っ!!むてっ、無敵の...」
「どうしたアマテラスよ。余は魔王だが無敵ではないぞよ」
「何故ピンと来ないんですか~!!少女ですよ、無敵の~~!!」
「少女...無敵の...?ま、まさか...うっ、うわわわわ~~~!!!」
この人、完全にプライベートモードになってて自分が魔王だって忘れてたなww
「ど、どうしよう、アマテラス!!よりによってアンゲロスと友達とは...」
「おち、落ち着いて下さい!!無敵の勇者だけでは我々に危害は皆無のはずです。冷静にやり過ごしましょう!!」
「そ、そうだな。アンゲロスも操られている様子はなかったしの...よし、平静を保ち、この場をやり過ごすぞ」

「あっ、戻ってきた」
「いやぁ~スマンスマン。牛乳が当たったのかのぅ、急にお腹が下ってな~なはは」
酷いクオリティのウソつくのねw
「で、アンちゃんはどうしてエメリー殿とお友達になったのかな?」
その質問も超不自然ww
でもそれはわたしも聞きたかったことだ。
「目、ですわ」
「ほう、目とな」
「純粋で真っすぐな瞳、それでいて奥深くに潜む苦難を乗り越えた力強い魅力。更には世界をひっくり返すほどの強烈で唯一無二な破壊性も秘めている瞳ですわ」
やっぱり勇者ではないか~~、怖いわ~~!!!
「そ、そうか。なか、仲良くするのだぞ、アンよ」
「で、ではそろそろ行きましょうか、魔王様」
「そ、そうだな、湯冷めしてしまうからな」
「すまない、魔王よ。最後にひとつだけ聞かせてくれないか?」
いやぁ、帰りたいんだが~~ww
「お、おう。何なりと聞くがいいぞ」
「魔王管轄モンスターが人と友好的なのは分かった。今後、人間とはどういう関係を築いていこうとお考えか?」
「ふむ。まだ余も若輩者だからのぅ、ぼんやりとしか決まっておらんが...余は人間に憧れておる」
「憧れ?」
「あぁ。人間は長く生きても数十年、我らモンスターよりも遥かに寿命が短い。反面、短期間にあり得ない文明の進化を成し遂げておる」
「まぁ人間は人の役に立つ事で生計立ててるからねぇ~」
「そう、それじゃ。その部分がモンスターに最も欠けておる部分じゃ。そこを何とかしたくてのぅ、毎日四苦八苦しておるよ」
周囲への配慮も欠かさず、自身の弱い面も隠さずさらけ出す...そこら辺の人間よりもはるかに魅力的だ。
「お答えいただき感謝する魔王よ。その考えは我ら人間にとっても好都合だ、わたしに出来る事があればお手伝いさせて欲しい」
「あっ、いや~~迷惑かけるのは申し訳ないからの。我らで頑張るとするよ」
こ奴と関わりを持つと勇者との接触が増えるではないか、無理無理無理!!
「で、ではな。アンをこれからも宜しくお頼み申す」
そう言い残すと魔王は転移魔法で去っていった(というか逃げ帰ったw)

「どうだった?ソフィーちゃん。魔王と会えて」
「うん。有意義だったよ。随分モンスターに対する印象が変わったな」
「とはいえ魔王様管轄モンスターの中にも人間に牙を剥く者は少なからずいますわ。さすがの魔王様も全てを統べる事は難しいようなので...」
「まぁ、それは人間とて同じだからな。それからアンちゃんにはエメリーの正体を明かしておく必要があるな」
「正体、ですの?」
「エメリーは勇者の生まれ変わり。しかも副人格含めると過去大魔王を討伐した3人分の能力を持っている」
「あぁ、だから無敵なのですね。さすがエメリーですわ」
「あんまり驚かないのね...」
「どうでもいいですわ~、わたしはエメリーが大好きなんですの、何者かなんて関係ありませんわ」
「ひひひ、うちもアン大好きだぞ!!」
かなり正反対の2人だからこそ惹かれ合う何かがあるんだろうな...。
「よし、じゃあ宝物殿に向かおうか」
「うん。秘伝の調合材料とかあるかしら~、楽しみねぇ~」
わたし達は温泉を後にした。

「どうだ?もういないか??」
「えぇ、出た後のようです」
魔王とアマテラスが戻ってくる。
「ふぃ~~、まさかの展開じゃったの。完全に湯冷めしてしもうた、温泉入り直しじゃな」
「と、いうことはもう一度風呂上がりの牛乳を楽しめるんですね」
「次はフルーツ牛乳、挑戦してみるか!?」
「行きましょう行きましょう♪」
それはそれとして魔王は再度温泉を満喫したのだったw

山の6合目。
「姉ちゃ~ん、腹減ったぞ~~」
「そうだな、そろそろ昼食にするか」
「わたし、調理場作っておくからソフィーちゃん食材取ってきてよ」
「分かった。エメリーも手伝ってくれ」
「おう、いいぞ」
わたし達は山菜やキノコ、動物を捕まえ食材を確保して周る。
「これくらいあればいいかな...戻ろうか、エメリー」
「姉ちゃん、何か周りが歪んでないか??」
確かに、周りの空間が歪んで見える...。
すると周りの水分が集まり、2体のモンスターが現れた。
「ひっひっひ、人間2人見~つけた」
マズイ、これが噂の無形族か!!
「弱そうだな~お前ら、大きい方は剣士か?」
物理攻撃はほぼ効かないって話だったな、ここはマァナの所まで何とか逃げるしかないな。
「おいエメリー、マァナ達の所まで逃げるぞ」
「がってん!!」
わたし達は走り出す。
「おっと逃さねぇよ!!」
奴らは威力の低い水弾を発射してくる。
わたし達は喰らいながらも必死にマァナ達の元に向かった。
「あの大きい方はダメージはあるみたいだがタフだな。小さい方は何故だ?手前で弾かれてる...」
これくらいの威力なら合流するまで喰らい続けても問題ない、走り続ければ大丈夫だ!!
よし、見えた、マァナ達だ!!
「ちっ、仲間と合流されそうだ。その前にあいつを操っとけ!!」
「あいよ『マニピュレーマ!!』」
片方の無形族がすごいスピードで向かってきた。
わたしは咄嗟にかわしたが、エメリーに直撃した。
「ひゃっひゃっひゃ、かわいそうに。お前が避けたせいであの子が直撃しちまったな~」
「へっ、あいにくわたしが喰らうより遥かに安全なんでな...」
マァナ達がわたし達を見つけ、駆け寄ってきた。
「ソフィーちゃん、エメリーちゃん、大丈夫!!」
「あぁ、何とかな。エメリーが無形族の体当たりを喰らったが、まぁ大丈夫だろう」
ところが...。
「わわわ、姉ちゃ~~ん、体が勝手に動くぞ~~」
何!?
エメリーに何らかの攻撃が効いただと!?
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