無敵少女の意のままに

CHABO

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Mysterious eyes

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【previously on 無敵少女の意のままに】
不穏な空気を感じ取っている魔王。
エメリーを守ろうと人間とモンスターがついに手を組む。

『本日の公演は終了しました。気を付けてお帰り下さい』

クトゥルフは変装してアトランティック大陸NO1アイドル、キャニーのライブに参加していた。
「はぁ~~、良かったのぉ~、途中何度か目が合ったわい。うん、間違いなく合った!!」
辺りはもう夜。
クトゥルフは他の観客の前で転移魔法を使う訳にはいかないため、人気のない所まで歩いていた。
「...で、さっきからストーキングしているお前さんは何者じゃい??」
「あら、バレてたのね」
「ふむ、人間のようだが...ただ者ではなさそうじゃの」
「若い娘にただ者じゃないとか言わないでもらえます~?あなたは魔王軍6大幹部の1人、クトゥルフさんね?」
「ほう、我を知っておるのか?博識じゃのう」
「えぇ、わたしの部下、シュブ=ニグラスに聞いたの」
「あの裏切り者にのぅ。それにしても部下とは...おぬし相当な強さとみえる」
「でぇ~、事情があって今は全く魔法が使えないのよ~。代わりに剣を習得しようと頑張ってるからおじいさんお相手願えるかしら?」
「よかろう。では勝った方は何でも言う事聞く、というのはどうじゃの?」
「それいいねぇ~、わたしが勝ったらわたしの部下になってよ~」
「いいじゃろ、勝ったら、な」
「決まり~~、じゃあ行くよ~~!!」
謎の人間はコートを脱ぎ捨てる。
あれは刀...か。
しかも両腰に差しておる、2本使いってところかの?
だが刀の差し方も知らぬド素人...に見えるが、我をたばかっておるのか?

「ミヤモトムサシ、って知ってる~~?」
「はて?聞いたことないのぅ」
「その人が好きでね~、2刀流を極めたいと思って、ねっ!!」
謎の女はその場でステップから突進してくる。
「ほっ、なかなかの速さじゃ!!」
クトゥルフは軽くかわし、念じる。
「殺しはせんからの...」
「いやぁぁぁ~~、何!!頭が...割れる!!」

「すまんのぅお嬢さん。我の真の強さは直接戦闘ではなくてのぅ」
クトゥルフの強さは生き物の内部に干渉する能力が真骨頂だ。
「今、お主の頭の血管を拡張させておる。頭痛で何も出来んじゃろうて」
「くそじじぃ~~、こんな...能力...反則じゃねぇか~~!!いたい~~!!」
「まぁ直接やりあってもまず負けはせんけどな、せっかく楽しいライブの帰りじゃ、早く済ましたいのでのぅ」
「ぐっあぁぁぁぁぁ~~!!」
断末魔と共に謎の女は液体となり消えていった。
宝石のような眼球だけがその場に残る。
「何じゃと??ホムンクルス人造人間か!!にしてもなんちゅう高精度のホムンクルスじゃ!!」
人語を話し、強さもおそらく上級モンスタークラス...。
そんな存在をもし量産出来るような敵だとしたら...。
「これは厄介じゃの...魔王様に報告せねば…あ~~~勝ったら何でも言う事聞く約束~~!!」
クトゥルフは悲しい叫びを残し、転移魔法で魔王城に戻っていったw

魔王に業務提携を持ち掛けられたその後。
「まさか魔王軍と提携するとは...」
「まぁもともと人間側だけどねぇ~、でも後ろ盾があんな化け物連中だと安心するわ~」
「エメリー...大丈夫ですか?」
「んっ、何がだ?全然大丈夫だぞ」
ここまで観察して分かった。
エメリーは負の感情を維持できない。
怒ったり辛かったりといった感情を抱くことはあるが、一瞬で消え去る...これも強靭の効果か?
「とにかく今後も調査を続けるからわたし達はこれまで通り旅を続けてくれ、とのことだからな。わたしはその通りにしようと思っている」
「そうねぇ~、それ以外わたし達に出来ることないしねぇ~」
「魔王にしたらもはや敵ではなくなった勇者を操られることが最も恐れている出来事のようだからな、真剣に対処してくれるだろう」
「では次はどこに行くんですの?」
「目的地決める時が一番ワクワクするのよねぇ~♪」
「霊峰から一番近い港町はどこだ?」
「西のペイサンね、でも徒歩で行くのは現実的ではない距離よ~~」
「お馬さん借りよう、あれ楽しい♪」
「そうね~、国を救ったんだし最後のわがまま聞いてもらいましょうか」
「決まりですわね」

またやたら豪華な昼食後w
「決めたよ魔王。あなた方の申し出、謹んでお受けしようと思う」
「そうか!!ではこれより我々は同盟同士じゃ、仲良くしような!!」
ニッコニコだ、おもちゃ買って貰ったガキンチョの顔にしか見えないw
「具体的にはどんな同盟なの~?」
「魔王軍は調査を続け、そなたらは普通に旅をして襲ってくるモンスターから情報を聞き出してくれ。ステンノーを都度そちらと接触させるのでその際に情報を共有してほしい」
「よろしくお願いしますわ、皆さん」
「あぁ、よろしく」

「でも少し不安だわ~、物凄いモンスターに襲われないかしら...」
「そこはちと不安ではあるがな...まぁアンちゃんもいるし大丈夫じゃろう。彼女はまだまだ強さを隠し持っとるからな」
「魔王様、おしゃべりが過ぎましてよ。奥の手は見せないからこそ奥の手なんですわ」
「はっはっは、悪い悪い」
アンちゃんまだ何か奥の手持ってんの?
もうあんたが魔王で良くない?ww
「じゃあな、アンちゃんをよろしく」
ケルビム、何だかんだあんたはしょっちゅう会いそうな気がするよw
「道中、気を付けてな」
キュクロープス、お前こん棒どうした、光る棒になってんじゃねぇかw
「ほら、お弁当だ、夜にでも食べるといい」
「おっほ~~、悪魔の兄ちゃんありがとう!!」
ルシファー、10段弁当はやりすぎだってw
「ウキッ!!」
いや、この猿...誰!!!?ww

「帰ったかハヌマーン。6団長の一角、演劇団長、猿族ハヌマーンじゃよ」
「おサルさんだぁ~~!!」
「ウキキッ!!俺の素敵なショー見せられなくて残念だ~、また遊びに来いよ~」
こいつ、すっげぇ弱そうだけど大丈夫か?w
「ハヌマーン!お久しぶりですわぁ~」
「おぉアン!!大きくなったなぁ~」
「小さい頃、たくさん遊んでもらったんですのよ」
「一番医務室に運ばれたのが多いのもお前だったな、ハヌマーンw」
「ごめんなさい...」
アンちゃん6団長全員病院送りにしてるっぽいww

こうして和やかなムードの中、わたし達は帰還した。
なお、お土産に、とゴリアテが使用していた魔法を反射する盾をくれようとしたが...
ソフィー「両手を使う戦闘スタイルだからいらない」
マァナ「わたしも銃撃てなくなっちゃうから~、パス」
アン「デザインがダサすぎます、いりませんわ」
エメリー「邪魔」
魔王は数時間、落ち込んだとのことだw
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