無敵少女の意のままに

CHABO

文字の大きさ
上 下
43 / 76

Gimme some truth

しおりを挟む
【previously on 無敵少女の意のままに】
魔王に招待された宴は大盛況のまま幕を閉じた。
ソフィーは魔王から様々な情報を得る事ができたのだが...。

「おはようございますソフィー様、朝食の用意が整ってございますので昨夜の会場までお越しください」
明らかに凶悪そうな顔をしたモンスターが丁寧に朝食の案内をしてくれる。
「腹減ったぁ~~」
「そうね~、わたしも飲んでばっかりだったからお腹すいたわ~」
「さっ、行きましょうみなさん」
わたし達は昨夜の会場に入る。
机の上には昨日よりも豪華な食事の数々が...
「朝からこんなに食えんわっ!!ww」
「おぉ、諸君おはよう。さっ、遠慮なく食べてくれよ~」
魔王が他のモンスター相手に給仕しているw
「なぁアンちゃん、魔王って威厳とか大丈夫なのか?」
「心配ありませんわ。どこまでいっても世界最強ですから」
部下に遠慮させたくないために頑張っているんだな、凄い努力だ...。
「お姉さま、あれは努力ではありませんよ、地です」
地なんかいw

食事を済ませた後、魔王が話しかけてくる。
「では皆さん、昨日お話出来なかった本題をバルコニーでさせてもらえんかのぅ?」
わたし達はバルコニーに案内される。
そこには神話級モンスター4人が待っていた。
「今更だろうが自己紹介だ、魔王軍聖歌隊長、天使族ケルビムだ」
本当、今更だよw
「城では迷惑かけたな、魔王軍団長、巨人族キュクロープスだ」
「おぉひとつ目のおっさん。元気か?」
「あぁ、あの時はすまなかったなお嬢ちゃん」
「わたしも久しぶりだな、魔王軍料理長、悪魔族ルシファーだ」
「あ~~、あのおべんとくれたお兄さんだ~、あれ美味かったぞ~(8話参照)」
「ほ、本当か!?どれが、どれが美味しかったんだ??」
「ルシファー様、それくらいに...久しぶりねお嬢ちゃん、ルシファー様の娘、ステンノーよ」
「お前、こっちは石化させられて大変だったんだぞ、全く...(8話参照)」
「本当にごめんなさい。調子に乗ってしまったわ、反省してる」
「6団長の内3人は出張っておっての、全員紹介できず残念じゃ」
「ちなみに他の3人は何をしているんだ?」
「その...アイドルのライブに行っておる」
魔王軍、アイドルに骨抜きにされてるなw
「特にあのクトゥルフが一番ハマってしまっててなぁ~」
「えっ!!あのクトゥルフ様が、でございますか?」
「アンちゃん、どんな奴なんだ?クトゥルフって」
「魔王様に並ぶ実力の持ち主ですわ。おそらく他の軍団長が束になっても敵わないほどの強さですわ」
「そうなんだよ~、あいつわけわかんないくらい強くてな~...でも今なら勝てるかもしれんな、アイドルにどっぷりだから」
「今度後ろから不意打ちしてみましょうか、ふふふ」
「やったれステンノー、意外とあっさり倒せるかもだぞww」

魔王級か...どんな奴か見てみたかったな。
「まぁ我が軍は行動に一切の制限を掛けておらんし、休みも自由じゃ、許してやってくれ」
ホワイト企業だなぁ~~w
「さて...話の前に、どうやらお客さんのようじゃな」
「ほ~~う、こりゃまた凄い数の下級モンスターだこと」
バルコニーの外には数百体のモンスターが魔王城を取り囲んでいた。
「なっ、何だこの数は!!」
「やはり無敵少女の位置は何らかの方法で知られているようじゃの。とりあえず入ってこられるのもあれだし、ルシファー頼めるか?」
「お任せを、『スクリーン・アウト!!』」
光の壁が魔王城を取り囲んだ。
「初めて聞く魔法だな」
「この世の殆どの魔法は悪魔族が作った物じゃからな。あらゆる知識を有し魔法や武具の開発で悪魔族に及ぶ者はおらんよ」
「世に知れてない例外的な魔法はまだまだたくさんあるぞ。興味があったらいつでも尋ねてくれ。ステンノー、奴らを殺さずに退去させよ」
「はっ!!『ポンプフェイクβベータ』」
ステンノーが魔法を唱えると下級モンスター達は振り返り、退散していく。
「へぇ~、ポンプフェイクは上位版だと命令を与えられるのか、メリアの能力みたいだな」
「メリア??」
しまった、口が滑った!!
「もう1人の勇者のことじゃろ?大丈夫、その情報も把握しておるから気に病むことはない」
「わたしがウルズで見ておりましたから(15話参照)。実は今の魔法はあの時の状況を再現するために開発したのよ」
「そうか、すまない。隠すつもりはなかったが変に怯えさせても悪いと思ってな...」
「メリアと会うか?魔王くん」
「魔王くんw 魔王で良いよエメリーちゃん。まぁ、メ、メリアさんに悪いからそこまでせんで良いよ」
あっ、こりゃビビってるなww

「で、では本題に入らせてもらおうかの。我々魔王軍はソフィーさん一行と業務提携を組みたいと考えておる」
業務提携ww
「でも何で?エメリーちゃんはもう魔王管轄モンスターに危害を加える気はないのよ」
「実はの...少し前から嫌な雰囲気を余は感じ取っておってな...」
「嫌な雰囲気??」
「3年前『トーキョー』という町が滅んだのはご存知か?」
エメリーが反応した、何だ??
「知ってるわ。一夜にして跡形も無くなった町よね?今は立ち入り禁止になってるとか...」
「規制を張っているのは我々魔王軍じゃよ。調査が済むまで人もモンスターも入ると危険じゃからな」
「そうだったんだ...」
「あぁ、しかもどうやら町を消し飛ばすに要した攻撃はたったの一撃だったそうでな。そんな真似は余にも不可能じゃ」
「一撃で町を消し飛ばしただと!?あり得るのかそんな力...」
「分からんが調査の結果ではそう出ておる。しかもその当事者はどこかに消えてしもうてな...それ以来、野良モンスターからの余の管轄モンスターや人間への攻撃が急に苛烈になったのじゃ」
「しかもトーキョーに派遣した魔王軍モンスターの何人かが裏切り行為をし始めた...。わたしは野良モンスターをまとめ上げた第2の勢力が育ちつつあるのではないかと考えている」
「私もルシファー様と同意見です」
「聡明な悪魔族の2人が出した仮説じゃからな、ほぼ間違いないのではないかと思っているよ。そして明確な目的は不明だが、エメリーちゃんを狙っていることは分析の結果、明白なんじゃ。彼女を守る手助けをさせてほしい」
エメリーが下を向いている。
壮大な話になってきたが...
後ろでケルビムとキュクロープスがバレないようにオタ芸の練習をしていたのをわたしは見逃さなかったw
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

ある公爵令嬢の生涯

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:5,779pt お気に入り:16,126

手乗りドラゴンと行く追放公爵令息の冒険譚

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:4,587pt お気に入り:2,524

最初に私を蔑ろにしたのは殿下の方でしょう?

恋愛 / 完結 24h.ポイント:21,763pt お気に入り:1,965

1年後に離縁してほしいと言った旦那さまが離してくれません

恋愛 / 完結 24h.ポイント:4,487pt お気に入り:3,767

契約結婚しましょうか!~元婚約者を見返すための幸せ同盟~

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:42,963pt お気に入り:1,077

悪役令息の義姉となりました

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:23,244pt お気に入り:1,355

処理中です...