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03 バルでのお給仕
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仕事を終えて、約束通り迎えに来てくれたフレッドは、黒い細身のパンツにきれいめのジャケットを合わせていた。
たまにこうしてふたりで出かけることもあるので、彼の私服を見るのは珍しくない。けれどもキリッとした衛兵の制服を見慣れているユフェは、ラフな格好のフレッドに軽率にときめいてしまう。
「あれ? そのリップ、朝と色が違う?」
「う、うん。秋色の新作が出たから買ったんだけど、職場でつけるには少し派手かなと思って。でも、さっそく役に立っちゃった」
顔を合わせてすぐに告げられて、なんだか気恥ずかしい。なんともないように振舞うのは難しく、声が上ずってしまう。
だってフレッドの蕩けるようなまなざしが、ユフェのくちびるにじっと注がれているのだから。
「かわいー……それって俺のためにオシャレしてくれたってこと? 嬉しい、めちゃくちゃ似合ってる。ね、手繋いでもいい?」
「えっ」
ユフェの返事も待たずに右手を掬い取ると、フレッドは満面の笑みで歩き出してしまった。
「ふ、フレッドっ! さすがにここで、恥ずかしいわ」
戸惑いながら振りほどこうとするけれど、強く握られているわけではないのに離れない。現役の軍人の手は大きく節くれだっていて、そしてとても硬かった。
「あっ、ごめん。嫌だったよね」
「っ、嫌ってわけじゃ! ただその、フレッドだって知り合いに見られたら恥ずかしいでしょう?」
「俺は別に構わないけど……」
あからさまにしょんぼりと項垂れて、フレッドは名残惜しそうに手を離した。
恥ずかしいのは本当。それにいくら好意が透けて見えるとはいえ、付き合ってもいない男女が手を繋ぐなんてありえない。
(多分……いえ、きっとフレッドは私のことを好きだと思ってくれてるけど、はっきりと言葉にしていない今の関係は危険だわ)
それからは当たり障りのない話をしながら店まで歩いた。
白く可愛らしいバルは小洒落ていて、店内も賑わっている。通された席は半個室で、周りの目を気にすることなく食事ができそうだ。
「初めて入ったけど、いい感じのお店ね。お料理も期待できそう」
「いくらでも頼んでよ。今日は俺の奢りだから」
「そんなこと言って。大丈夫? 高いメニューから順番に頼んじゃうよ?」
「ユフェの食べる量なんてしれてるからなぁ。安い店でも遠慮なく飲み食いする後輩の方が高くつくよ」
「それは確かにそうかも」
身体が資本の軍人だ。ユフェは小食ではないけれど、到底彼らと比べられるものではない。
肉や魚介の煮込み料理を中心に注文し、冷えたエールで乾杯をする。明日はやっとの休日だと、互いに一週間の労を労い合った。
「は――――っ! うまっ!」
「んんっ、本当! よく冷えてて美味しい」
大きなジョッキを軽々と持ち上げて、フレッドは美味しそうにエールを流し込む。
ダンッ! と丸くて小さな机に勢いよく置いたジョッキの中身は、もう殆どなかった。
「もう一杯頼む?」
「うん。でも俺の事はいいから、ユフェが食べな。日頃のお礼なんだからさ。ほら、海老剥いてあげる」
「えっ! い、いいよそんな、手が汚れるじゃない」
「なら余計にユフェがすることないよ。俺海老剥くの上手だし」
ほら、と手慣れた様子で海老の殻を剥いていく。確かに上手い。
だが男性にこんなことをされるのは初めてだ。料理を取り分けるなんて些細なことも、してくれた男性はいなかった。
そんなことを考えていると、ものの数秒で赤い大きな身が姿を現して、フレッドはそれをユフェの目の前に差し出した。
「すごく美味そう。ほら、早く食べて」
「えっ、あ……お皿に」
「ソースたっぷりつけたから、このまま一気に食べて」
向かい合って座っていたはずなのに、いつの間にか椅子がぴったりとくっついている。
なにがどうなったのか理解が追いつかない。困って見上げると、フレッドはにこにこと楽しそうにユフェを見ている。
「早くユフェ、ソースが落ちちゃう」
「あっ、んむっ」
少し口を開いた瞬間に、大ぶりな海老が差し込まれた。一口では到底食べきれないそれを噛み締めると、プリっとした弾力と共に旨味が口いっぱいに広がって、ユフェは声にならない声をあげた。
「~~~~! なにこれ美味しい! トマトソースと海老の相性がばっちりだわ!」
感激して横を向けば、思ったよりも近くに王子様のように整った顔があり、驚いてしまう。
しかしフレッドは更にユフェに顔を寄せ、耳元で悪魔のように囁いた。
「これ、絶対に冷えたエールと合うよ。ほら一気に飲んで」
「うっ……!」
そんな誘惑に抗えるはずもなく、ユフェは促されるままにエールを口に含んだ。
あまりの美味しさにどんどんとエールが進む。気付いた時にはアルコールのおかげで、ふわふわといい気分になってしまっていた。ユフェはそこまで酒に強くないのだ。
「はいユフェ。これが最後の海老だから、ゆっくり味わって」
「んぅ」
差し出されたのは小ぶりの海老だったから、一口で食べようとユフェは口を開く。もちろんお酒の力も手伝って、いつもより大胆になっている。
だが次の瞬間、海老だけではなく、フレッドの指も一緒に差し込まれてしまったのだ。
「なっ……」
口内に滑り込んだ人差し指は、ユフェの赤い舌をひと撫でして離れていく。
たったその一瞬のことで、ぞくりとした快楽が背中を駆け抜け、腰が砕けそうになってしまった。けれどもその、初めて与えられた卑猥な刺激に思考が停止して、ただただ目の前のフレッドを見つめるしかない。
「……ソースが垂れちゃった」
そう言って微かなリップ音を立て、フレッドは人差し指についたソースを舐め取った。それはたった今、ユフェの舌を擽った指先だった。
なんとも自然な仕草に、ユフェの身体はおかしくなる。どこもかしこも熱くてたまらない。恥ずかしくて目を逸らしたいのに、空色の瞳に吸い込まれてしまい、それができない。
「っ、ほら、お水あるから、早く洗って」
「ありがとうユフェ。顔が赤いけど、大丈夫?」
「だいじょ……」
「それとも、やっと俺を受け入れてくれる気になった?」
フレッドは丁寧に手を清めると、ユフェの白く華奢な右手に自らの左手を重ね、ギュッと握った。
大胆な触れ合いに、心臓が痛いくらい脈打っている。軽口を言おうにも交わる視線は真剣で、なにも言葉は出てこない。
「ねぇユフェ、ずっと好きだった。俺の、恋人になって」
たまにこうしてふたりで出かけることもあるので、彼の私服を見るのは珍しくない。けれどもキリッとした衛兵の制服を見慣れているユフェは、ラフな格好のフレッドに軽率にときめいてしまう。
「あれ? そのリップ、朝と色が違う?」
「う、うん。秋色の新作が出たから買ったんだけど、職場でつけるには少し派手かなと思って。でも、さっそく役に立っちゃった」
顔を合わせてすぐに告げられて、なんだか気恥ずかしい。なんともないように振舞うのは難しく、声が上ずってしまう。
だってフレッドの蕩けるようなまなざしが、ユフェのくちびるにじっと注がれているのだから。
「かわいー……それって俺のためにオシャレしてくれたってこと? 嬉しい、めちゃくちゃ似合ってる。ね、手繋いでもいい?」
「えっ」
ユフェの返事も待たずに右手を掬い取ると、フレッドは満面の笑みで歩き出してしまった。
「ふ、フレッドっ! さすがにここで、恥ずかしいわ」
戸惑いながら振りほどこうとするけれど、強く握られているわけではないのに離れない。現役の軍人の手は大きく節くれだっていて、そしてとても硬かった。
「あっ、ごめん。嫌だったよね」
「っ、嫌ってわけじゃ! ただその、フレッドだって知り合いに見られたら恥ずかしいでしょう?」
「俺は別に構わないけど……」
あからさまにしょんぼりと項垂れて、フレッドは名残惜しそうに手を離した。
恥ずかしいのは本当。それにいくら好意が透けて見えるとはいえ、付き合ってもいない男女が手を繋ぐなんてありえない。
(多分……いえ、きっとフレッドは私のことを好きだと思ってくれてるけど、はっきりと言葉にしていない今の関係は危険だわ)
それからは当たり障りのない話をしながら店まで歩いた。
白く可愛らしいバルは小洒落ていて、店内も賑わっている。通された席は半個室で、周りの目を気にすることなく食事ができそうだ。
「初めて入ったけど、いい感じのお店ね。お料理も期待できそう」
「いくらでも頼んでよ。今日は俺の奢りだから」
「そんなこと言って。大丈夫? 高いメニューから順番に頼んじゃうよ?」
「ユフェの食べる量なんてしれてるからなぁ。安い店でも遠慮なく飲み食いする後輩の方が高くつくよ」
「それは確かにそうかも」
身体が資本の軍人だ。ユフェは小食ではないけれど、到底彼らと比べられるものではない。
肉や魚介の煮込み料理を中心に注文し、冷えたエールで乾杯をする。明日はやっとの休日だと、互いに一週間の労を労い合った。
「は――――っ! うまっ!」
「んんっ、本当! よく冷えてて美味しい」
大きなジョッキを軽々と持ち上げて、フレッドは美味しそうにエールを流し込む。
ダンッ! と丸くて小さな机に勢いよく置いたジョッキの中身は、もう殆どなかった。
「もう一杯頼む?」
「うん。でも俺の事はいいから、ユフェが食べな。日頃のお礼なんだからさ。ほら、海老剥いてあげる」
「えっ! い、いいよそんな、手が汚れるじゃない」
「なら余計にユフェがすることないよ。俺海老剥くの上手だし」
ほら、と手慣れた様子で海老の殻を剥いていく。確かに上手い。
だが男性にこんなことをされるのは初めてだ。料理を取り分けるなんて些細なことも、してくれた男性はいなかった。
そんなことを考えていると、ものの数秒で赤い大きな身が姿を現して、フレッドはそれをユフェの目の前に差し出した。
「すごく美味そう。ほら、早く食べて」
「えっ、あ……お皿に」
「ソースたっぷりつけたから、このまま一気に食べて」
向かい合って座っていたはずなのに、いつの間にか椅子がぴったりとくっついている。
なにがどうなったのか理解が追いつかない。困って見上げると、フレッドはにこにこと楽しそうにユフェを見ている。
「早くユフェ、ソースが落ちちゃう」
「あっ、んむっ」
少し口を開いた瞬間に、大ぶりな海老が差し込まれた。一口では到底食べきれないそれを噛み締めると、プリっとした弾力と共に旨味が口いっぱいに広がって、ユフェは声にならない声をあげた。
「~~~~! なにこれ美味しい! トマトソースと海老の相性がばっちりだわ!」
感激して横を向けば、思ったよりも近くに王子様のように整った顔があり、驚いてしまう。
しかしフレッドは更にユフェに顔を寄せ、耳元で悪魔のように囁いた。
「これ、絶対に冷えたエールと合うよ。ほら一気に飲んで」
「うっ……!」
そんな誘惑に抗えるはずもなく、ユフェは促されるままにエールを口に含んだ。
あまりの美味しさにどんどんとエールが進む。気付いた時にはアルコールのおかげで、ふわふわといい気分になってしまっていた。ユフェはそこまで酒に強くないのだ。
「はいユフェ。これが最後の海老だから、ゆっくり味わって」
「んぅ」
差し出されたのは小ぶりの海老だったから、一口で食べようとユフェは口を開く。もちろんお酒の力も手伝って、いつもより大胆になっている。
だが次の瞬間、海老だけではなく、フレッドの指も一緒に差し込まれてしまったのだ。
「なっ……」
口内に滑り込んだ人差し指は、ユフェの赤い舌をひと撫でして離れていく。
たったその一瞬のことで、ぞくりとした快楽が背中を駆け抜け、腰が砕けそうになってしまった。けれどもその、初めて与えられた卑猥な刺激に思考が停止して、ただただ目の前のフレッドを見つめるしかない。
「……ソースが垂れちゃった」
そう言って微かなリップ音を立て、フレッドは人差し指についたソースを舐め取った。それはたった今、ユフェの舌を擽った指先だった。
なんとも自然な仕草に、ユフェの身体はおかしくなる。どこもかしこも熱くてたまらない。恥ずかしくて目を逸らしたいのに、空色の瞳に吸い込まれてしまい、それができない。
「っ、ほら、お水あるから、早く洗って」
「ありがとうユフェ。顔が赤いけど、大丈夫?」
「だいじょ……」
「それとも、やっと俺を受け入れてくれる気になった?」
フレッドは丁寧に手を清めると、ユフェの白く華奢な右手に自らの左手を重ね、ギュッと握った。
大胆な触れ合いに、心臓が痛いくらい脈打っている。軽口を言おうにも交わる視線は真剣で、なにも言葉は出てこない。
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