悪役令嬢のafter story〜王子に婚約破棄されて公爵家からも勘当された少女は好きに生きていく事にしました〜

二章※1話以降現在推敲中

22話

22話
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　冒険者ギルドの方まで来た。

　彼らには、葉巻を10本ずつ渡してある。
　全部売ったとして1人銀貨2枚。
　合計で、銀貨10枚ってところか。

　結構少ないな……
　まぁ、とりあえずの初日のノルマだ。

　全部売り切ったやつには、報酬とは別に褒美もやることにした。
　分かりやすく取り分が2倍。
　だから、奴隷は最大銅貨20枚貰えるって事だ。

　20枚ってのは葉巻の値段と一緒。
　つまり、まともに冒険者やって生きてる奴が嗜好品に使える余剰金並みだ。
　好きなもの食べれるだろうし、安いものなら服も買えるかもしれない。

　1割渡すことになっちゃうが、それでも全然利益は出る計算だ。
　我ながら甘いとは思う。
　でも、最初のうちの成功体験は大切だ。

　私が魔法を頑張っていたのも、親に褒められたって成功体験のせいだったし。
　また褒められたいって思うっていた。
　結局売女のせいであまり褒められなかったけど、それでも無駄に頑張れた。

　明らかにアメは少なかったと思う。
　でも、それぐらい最初の成功体験は大切なのだ。
　コストが少なくて済むのだから。

　彼らにとって私は救世主に近い存在になれる。
　牢屋から出してくれて、まともな衣食住を保証してくれて、自由に使える金を与えてくれて。
　もしかしたら、奴隷って身分からすら解放してくれるかもしれない。

　身銭を切ってまでそのイメージを維持しようとは思わない。
　ただ、私への淡い期待は仕事の熱量に繋がる。
　そうであるならば、多少利益率が減っても利益の額を求めるべきだ。

「じゃあ、予定通り頼むよ」

　そっと耳打ちして、彼らのそばを離れる。
　私がずっと横にいたんじゃ、わざわざ奴隷を買った意味がない。

　当然だが、薬草自体はなんら違法な商品ではない。
　広く誰もが使用する品だ。
　加工品にまで広げれば、貴族庶民全体を見渡しても使ったことのない人間の方が少ないだろう。

　薬草を燃やして吸うこと自体も、別に禁止はされていない。
　じゃあ、全く後ろ暗くないのかと言われればそうでもないというのが現状だ。
　それなら奴隷を買ったりしないしね。

　麻薬ではない。
　とはいえ、麻薬と似たような効果はあるのだ。
　麻薬認定されて捕まる可能性はある。

　そもそも、許可を得てない時点で結構グレー。
　麻薬に近いもので合法なものといえばアルコールだが、あれにはかなりの税金がかかっている。
　それよりも依存性が高いもので稼ごうとすれば目をつけられる可能性はあるのだ。

　貴族の利益を阻害することになるからね。
　衛兵に取り締まられる。
　捕まって仕舞えば、麻薬と認定されずとも適当な罪をでっち上げられるかもしれない。

　まぁ、ギルドの中なならそのリスクも低いだろうけど。
　そう派手にやらなければ。
　少なくとも、奴隷に使った元金の回収は出来るはずだ。

　貴族と冒険者は仲が悪い。
　衛兵は別に貴族って訳じゃないけど、貴族側の人間だ。
　よほどのことがない限り入ってこない。

　だから、麻薬の取引も行われることがあるぐらいなのだ。
　人の目は大量にある。
　でも、その目は法の目としては機能してないってこと。

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