悪役令嬢のafter story〜王子に婚約破棄されて公爵家からも勘当された少女は好きに生きていく事にしました〜

二章※1話以降現在推敲中

24話

24話
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　門番にカードを提示して、王都を出る。

　ゴブリンの討伐依頼。
　この依頼も、もうこれで3回目だ。
　やり慣れたものである。

　流れ作業と変わらない。
　ゴブリンの居場所は初めから見当がついているのだ。
　探し回る必要もない。

　が、今日は別にこの後予定がある訳でもない。
　急ぐ必要も無いだろう。
　日課の散歩みたいなものだ。

　狩場までの間。
　王都の外。
　ただ、道に沿って歩く。

　余裕がある時間というのも、悪くない。
　勘当されてからというもの、いやその前からずっとか。
　私の人生は何かに追われてた気がする。

　まだ登りきっていない日の光を浴び、草原を歩く。
　それだけでどれだけ気持ちがいいだろう。
　このゆとり、果たして今までの人生にあっただろうか。

　当面のお金の心配は闇ギルドのおかげで無くなった。
　うまく行くかどうかは別として、闇ギルドに依存しない商売も初めた。
　ようやっと自由に近いところまで来れたのかもしれない。

　道から外れ、森の方へ。
　中には入らず、その外周を歩く。
　私が見つけた狩場だ。

　と言っても、他の冒険者も知ってはいるんだろう。
　あんまり近づかないだけで。

　私の場合、ゴブリン程度なら群れで来られてもなんら問題ない。
　他の魔物でもほとんどの場合問題なく狩れるし、逃げられないなんて余程のことがに限りないわけで。
　遭遇率を重視するのは自然な流れだ。

　やはり、すぐ目についた。
　ゴブリンだ。
　1、2、……7匹か。

　この森の中は魔物の楽園なのだと思う。
　ゴブリンも、多分すごい数いる。
　王都のすぐ横にこれがあるってどうなのだろうか。

　冒険者ギルドの依頼。
　誰が出してるのかなんて依頼書には書いてないけど、貼りっぱなしの依頼はそういうことなのだろう。
　国がギルドに依頼を出しているのだ。

　たまに魔物が森から出てきて王都の周辺で被害が出る。
　王都の壁の外ではあるが、まるっきり無視という訳にも行かない。
　一応これで対応しているつもりになってるってわけだ。

　衛兵や騎士を使うつもりはない。
　あくまでポーズだ。
　だから、いつまでもたまに出る被害者が消えないのだろう。

　このやり方じゃ、多分魔物はあんまり減らない。
　それは冒険者ギルドは分かっている筈だ。
　ただ金額を見るに、国の方も本気で解決する気もないのだろうし。

　結果として、なぁなぁになっているってことだ。
　まぁ、私としてはこの依頼が出しっぱなしなのは助かるのでそれでいいのだけど。

　水の矢を浮かべる。
　数は5個。
　いつもの水魔法だ。

　それを一気に発射する。
　ゴブリンは抵抗するどころか気づくこともなく絶命する。
　森の外から魔法で仕留めるだけのお仕事。

　簡単。
　気疲れもしない。
　楽でいい。

　7匹の群れだったが、仕留めたのは5匹。
　別にミスした訳ではない。
　ただ、依頼の達成に必要な最低数を仕留めただけだ。

　このやり方だと、ゴブリンの数は全然減らないだろう。
　繁殖力はアホみたいに高いし。
　ただ、国もギルドもやる気ないのに私だけやる気を出しても仕方がない。

　これでいいのだ。
　むしろ、私としては増えてほしいぐらいである。
　森の外周にいてくれないと手間だし。

　もう、稼ぐ気もないのだ。
　ただのランク上げ。
　依頼を達成すること、それが大事。

　左耳を切り取り、買ってきた麻袋に詰める。
　これで依頼完了。
　本当にただの作業だ。

　もう依頼は終わったし、今すぐ冒険者ギルドに戻ってもいいのだが。
　流石に時間が短い気がする。
　どうせなら奴隷も一緒に回収しないと二度手間だ。

　戻る前に屋台にでも寄って行くか。
　まだ、今日はトードーを食べてないし。
　ちょうど時間もある。

　いや、いくら袋に入ってるとはいえゴブリンの耳を持ち歩くのは無しだな。
　仕方が無い。
　様子を見る意味でも、一旦ギルドに戻るか。

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