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番外編
その後の話・7
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困ったと、言う割に全く困った感じはしない。見上げる凪沙を見つめながら一哉は言う。
「俺もなんだよな」
「んっ」
頬にチュッと口づけて、そのくちびるが耳たぶに耳裏となぞるように口づけられて首筋を這ってくる。甘く優しい痺れが凪沙を襲う、その悶えるような口づけに声ばかり漏れる。
「ん、あ……」
「離せなくなってるのは俺の方だし。凪沙の人生を……縛りつけていく」
「え、あっ……!」
「責任取るよ」
「あ、まっ……んんっ」
一哉の指が熱くなった部分をなぞって奥に差し込まれる。長い指が凪沙の敏感に反応する部分を的確に突いてくる。その刺激に凪沙は身を震わせながら一哉の首裏に腕を回してしがみついた。
「ぁんっ、いっくん、待って……ンン」
「えー? でも凪沙欲しいってなってたからさ。気持ち良さそうだけど?」
「んんっ、気持ち、いぃけどぉ!」
指の動きが緩やかにでも止まらなくて凪沙は息を乱す。その吐き出される艶のある声に一哉もまた触発されて……。
「感じてる声かわいーなー。欲しいって言ってみ?」
「んっ……は、ぁっ」
「指でイキたいの?」
「んーっ」
「指でイキたいのか」
そう言いながら口を塞いでくる。その深い口づけに凪沙は一瞬で脳がショートしかける。
「んー!」
イキそうになるところでいきなり指を抜かれて身体が激しく震えた。その痺れるような余韻だけ残されて完全におあずけ状態、凪沙は涙目で一哉を睨みつけた。
「ひど……なん、ひどいいっくんっ!」
「欲しいって言わないから」
「~っ!」
最近の一哉はこんな風にいじめてくるので凪沙はいろんな意味で身体を震わせている。こんな風に試して言わせてばかりの一哉に凪沙だって言い返したくもなるのだが。
「……いっくんだって、私のこと、欲しいくせにっ」
キッと睨みながらもそう言ってやる。なのに……。
「欲しいよ?」
「……」
「凪沙、欲しい」
あっさり言われて眉を顰めてしまう。
――ほんとにズルいんだからっ……!
「私も……だよ」
結局言わされて、言ったら言ったで照れて……一哉に笑われるだけ。
「私ももっと、いっぱい……それこそずっといっくんのこと感じたい」
「……」
「外では触れ合えないから……家ではいっぱい触れさせて?」
「それ、俺のセリフ」
――え、は声にならなかった。
「んんっ」
「目の届くところにいてよ……もうずっと、俺の手の届く場所にいてよ」
「あ……っ」
「俺がもう離せないから……凪沙をずっと、俺のそばにいさせたい」
一哉の腕に抱きしめられながら耳奥に震わせるように囁かれて凪沙は息を呑む。胸が詰まるような思いと共に嬉しさが込みあがり、抱きしめられる腕に包まれながら凪沙も自分の腕に力を込めたら一哉が言った。
「俺の我儘だって、わかってるよ。凪沙には凪沙の時間があって、場所があるって。頭ではわかってる、でも……気持ちがそこに追いつかない」
一哉が見つめながらそんなことを言うのだ。
「俺のそばにいてよ」
まるで甘えるみたいにそんな言葉をこぼされて凪沙の胸はキュンと締めつけられた。
「いっくんのそばにいる……」
この腕の中で、この先もずっと凪沙だって我儘を言い続ける。
離さないから離さないで。
抱きしめたいから抱きしめさせて。
ずっと、ずっと……好きと伝えさせて。
「凪沙、もう我慢できないよ」
「んっ……私もっ」
「可愛いな、凪沙……可愛い」
「あ、ん……いっくん」
「……凪沙、好きだよ」
昨日より今日が、今日よりも明日が。
刻まれる時間と共にお互いの想いが強くなる。お互いの想う気持ちが深まっていく。
抱き合うたび、見つめ合うほど……好きが溢れだしていくから。
「あ、んっ」
静かな夜に凪沙の甘く悶える声が溶けていく。その声に胸を昂らせながら一哉が熱い息を吐く。
熱を孕む瞳で見つめ合いながら重ねる肌の熱に酔いつつ、ふたりは身体の奥深くで繋がり合う。
「凪沙……」
「ふ、ぁ……ん…なに?」
「キスしてよ」
「え……?」
「朝言ってたじゃんか」
朝……一哉の言葉に凪沙は朝を思い返す。朝、キス……それはいつどこの……そう思いつつオフィスのあのふたりの秘密の時間に記憶が戻り一哉の瞳を見つめ返す。
「帰ったら凪沙からキスするって言ったよ?」
「……」
愛おしそうに見つめながら甘い声で一哉がそんな風に言うから凪沙も一哉が愛しくなる。見惚れるほど大好きなその顔にそっと手のひらをかざして頬を包むように触れる。
「帰ってきたよ、凪沙のところに」
伝えてくれる一哉にまた胸を震わせながらもその思いも受け止めて、導かれるように一哉のくちびるに自分のくちびるを引き寄せていく。
「おかえり……待ってたよ、いっくんが帰ってきてくれるの……ずっとずっと待ってた」
もうひとりにしない、一哉は必ず凪沙の……自分の元へと帰ってきてくれるのだ。
「おかえり」
信じて待てる、一哉のことを。
一哉を信じる自分を信じられるから。
「いっくん、大好き」
溢れ出る想いを伝えながら凪沙は一哉にキスを捧げるのだった。
「俺もなんだよな」
「んっ」
頬にチュッと口づけて、そのくちびるが耳たぶに耳裏となぞるように口づけられて首筋を這ってくる。甘く優しい痺れが凪沙を襲う、その悶えるような口づけに声ばかり漏れる。
「ん、あ……」
「離せなくなってるのは俺の方だし。凪沙の人生を……縛りつけていく」
「え、あっ……!」
「責任取るよ」
「あ、まっ……んんっ」
一哉の指が熱くなった部分をなぞって奥に差し込まれる。長い指が凪沙の敏感に反応する部分を的確に突いてくる。その刺激に凪沙は身を震わせながら一哉の首裏に腕を回してしがみついた。
「ぁんっ、いっくん、待って……ンン」
「えー? でも凪沙欲しいってなってたからさ。気持ち良さそうだけど?」
「んんっ、気持ち、いぃけどぉ!」
指の動きが緩やかにでも止まらなくて凪沙は息を乱す。その吐き出される艶のある声に一哉もまた触発されて……。
「感じてる声かわいーなー。欲しいって言ってみ?」
「んっ……は、ぁっ」
「指でイキたいの?」
「んーっ」
「指でイキたいのか」
そう言いながら口を塞いでくる。その深い口づけに凪沙は一瞬で脳がショートしかける。
「んー!」
イキそうになるところでいきなり指を抜かれて身体が激しく震えた。その痺れるような余韻だけ残されて完全におあずけ状態、凪沙は涙目で一哉を睨みつけた。
「ひど……なん、ひどいいっくんっ!」
「欲しいって言わないから」
「~っ!」
最近の一哉はこんな風にいじめてくるので凪沙はいろんな意味で身体を震わせている。こんな風に試して言わせてばかりの一哉に凪沙だって言い返したくもなるのだが。
「……いっくんだって、私のこと、欲しいくせにっ」
キッと睨みながらもそう言ってやる。なのに……。
「欲しいよ?」
「……」
「凪沙、欲しい」
あっさり言われて眉を顰めてしまう。
――ほんとにズルいんだからっ……!
「私も……だよ」
結局言わされて、言ったら言ったで照れて……一哉に笑われるだけ。
「私ももっと、いっぱい……それこそずっといっくんのこと感じたい」
「……」
「外では触れ合えないから……家ではいっぱい触れさせて?」
「それ、俺のセリフ」
――え、は声にならなかった。
「んんっ」
「目の届くところにいてよ……もうずっと、俺の手の届く場所にいてよ」
「あ……っ」
「俺がもう離せないから……凪沙をずっと、俺のそばにいさせたい」
一哉の腕に抱きしめられながら耳奥に震わせるように囁かれて凪沙は息を呑む。胸が詰まるような思いと共に嬉しさが込みあがり、抱きしめられる腕に包まれながら凪沙も自分の腕に力を込めたら一哉が言った。
「俺の我儘だって、わかってるよ。凪沙には凪沙の時間があって、場所があるって。頭ではわかってる、でも……気持ちがそこに追いつかない」
一哉が見つめながらそんなことを言うのだ。
「俺のそばにいてよ」
まるで甘えるみたいにそんな言葉をこぼされて凪沙の胸はキュンと締めつけられた。
「いっくんのそばにいる……」
この腕の中で、この先もずっと凪沙だって我儘を言い続ける。
離さないから離さないで。
抱きしめたいから抱きしめさせて。
ずっと、ずっと……好きと伝えさせて。
「凪沙、もう我慢できないよ」
「んっ……私もっ」
「可愛いな、凪沙……可愛い」
「あ、ん……いっくん」
「……凪沙、好きだよ」
昨日より今日が、今日よりも明日が。
刻まれる時間と共にお互いの想いが強くなる。お互いの想う気持ちが深まっていく。
抱き合うたび、見つめ合うほど……好きが溢れだしていくから。
「あ、んっ」
静かな夜に凪沙の甘く悶える声が溶けていく。その声に胸を昂らせながら一哉が熱い息を吐く。
熱を孕む瞳で見つめ合いながら重ねる肌の熱に酔いつつ、ふたりは身体の奥深くで繋がり合う。
「凪沙……」
「ふ、ぁ……ん…なに?」
「キスしてよ」
「え……?」
「朝言ってたじゃんか」
朝……一哉の言葉に凪沙は朝を思い返す。朝、キス……それはいつどこの……そう思いつつオフィスのあのふたりの秘密の時間に記憶が戻り一哉の瞳を見つめ返す。
「帰ったら凪沙からキスするって言ったよ?」
「……」
愛おしそうに見つめながら甘い声で一哉がそんな風に言うから凪沙も一哉が愛しくなる。見惚れるほど大好きなその顔にそっと手のひらをかざして頬を包むように触れる。
「帰ってきたよ、凪沙のところに」
伝えてくれる一哉にまた胸を震わせながらもその思いも受け止めて、導かれるように一哉のくちびるに自分のくちびるを引き寄せていく。
「おかえり……待ってたよ、いっくんが帰ってきてくれるの……ずっとずっと待ってた」
もうひとりにしない、一哉は必ず凪沙の……自分の元へと帰ってきてくれるのだ。
「おかえり」
信じて待てる、一哉のことを。
一哉を信じる自分を信じられるから。
「いっくん、大好き」
溢れ出る想いを伝えながら凪沙は一哉にキスを捧げるのだった。
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