7 / 216
第一章 学園編
7話 『最弱』たらしめるもの
しおりを挟む
「ただいま戻りました!」
「あら、思ったより早かったのね。おかえり」
ガイナと別れて俺はまっすぐ家に帰った。
早くイザベラさんに合格を見せたかったのと、雷属性について聞きたくてかなり早足になってた気がする。
「で、どうだったの?」
心配そうな顔で見てくるイザベラさん。俺はニヤッと笑って紙を見せる。
「……全部合格じゃない! 良かったわね!」
「はい、ありがとうございます! ……で、イザベラさん。これなんですけど……」
「魔術属性ね……そっか、雷かぁ!」
イザベラさんはエリーさんやガイナ達と全く違う反応を見せた。少し嬉しそうな、それでいてワクワクしたような顔で俺を見る。
「やったわね!」
「やった……? 良いんですか? 雷って。エリーさんやガイナ達は心配するような、残念そうな表情で……」
「エリーさん? ガイナ? 誰?」
「あ、エリーさんは今日適性検査と魔術属性判別の時にお世話になった係員の人で、ガイナは今日出来た友達です! あとマナも」
「へぇ! もう友達が出来たのね」
「はい!」
「よかったわね! あ、で、雷属性だけど、もちろんいいわよ!」
「じゃあ何故ガイナ達は?」
「うーん、じゃあ魔術属性について話しておくわね。まず、魔術属性は大きく三つに分けられるの」
イザベラさんは三本指を立てる。
「まず四大基礎属性と呼ばれてる火、水、風、土。そして二大上位属性の光と闇。最後が三大下位属性の雷、泡、砂。名前の通り、基本の四属性とより強力とされる上位の二属性。そしてそれらよりも劣っているとされる三属性。事実として泡と砂は確かに他の属性より劣るわ……でも雷は別よ」
「別……?」
「雷が弱い理由は使う側に問題があるの。自然界のエネルギーを魔力を用いて再現する魔術において雷は属性としての力が強すぎるのよ。雷が強すぎて生半可な魔力量では雷を出す事さえ出来ない。前にも話したけど現代人の魔力量は衰退していているからね。だから現代の人は全く使えない上に大量に魔力を使う雷属性を三大下位属性に加えたの」
「……てことは魔力さえあれば……?」
「ええ、その通りよ。普通の人なら手にほんの少しの雷を発生させただけで魔力切れ……でも私はその魔力問題を解決する方法を知ってるわ」
「たしか、人間は持っている魔力の一部しか使えてなくて、身体の奥に眠る魔力をすべて使う方法があるんですよね」
「ええ! 善は急げ、早速訓練行くわよ!」
「え、あっ、はい!」
◇
イザベラさんに連れられ、いつもどおり訓練所に来た。
「さて、やり方はさっき説明した通りよ」
「初めて魔力を感じたように魔力を探し出す 色でいうと赤……ですよね。俺、初めて魔力を感じた時に赤い魔力も見たので行けると思います」
俺は目を閉じ魔力を探る。
二回目と言うこともあり簡単に赤い魔力を見つける事が出来た。今回は青い魔力に隠れていないという事もあってその膨大さが伺える。
赤い魔力は青い魔力と量も濃度も桁違いに違う。
これを引っ張り出して自分のものにするのか。しかし、自分の身体の中にある魔力なのに引っ張り出さないと使えないってのはどういう仕組みなんだろう……
まぁ考えても仕方ないか。さっさと引っ張り出すぞ。
なかなかイメージが難しいが、簡単に言うなら真っ暗な空間に俺がいて目の前に膨大な量の赤い煙のような魔力がある。
それを俺は引っ張って自分のテリトリーまで持っていくって感じだ。
簡単そうに言ったがこれが中々難しい。
魔力は暴れるし常に流動的で勝手に違うところに行こうとするから、自分の今ある魔力で包んで引っ張らないといけない。
かなりの精神力と集中力が必要だ。正直かなり辛い。が、この魔力を利用出来なければ俺はろくな魔術が使えない。
ここが正念場だ。
◇
魔力を引っ張り始めて早一時間。ようやく赤い魔力を引き釣り出すことに成功した。
「……っ!?………………はぁはぁ」
なんだこれ……この力、すごい。
赤い魔力を自分のものにした瞬間、全身からものすごい量の魔力が溢れだす。それこそ魔力を纏ってすらいないのに魔装衣を纏っているような感覚だ。
「す、すげぇ、これが」
「……古代魔力。ふふ、お疲れ様」
「イザベラさん。この力、凄いですね。体の底から力が溢れるみたいです」
「ええ、現代の人間全員が持っているにも関わらず殆どの人が気づかずに一生を終える……故に古代魔力なんて呼ばれてるわ」
と苦笑しつつも目はウズウズしてる。
「試してみたいです」
「ええ! ……あ、そういえば魔術の発動法なんて教えてなかったわよね。こんな事は魔術学で教えてもらうんだろうけど先取りね」
と、イザベラさんに魔術基礎を教えてもらう。
「簡単な話、頭で具体的にイメージしながら魔力を込めれば自ずと魔術となって顕現する。大抵の場合は形状をイメージしながら魔力を体外に放出する事で、自分の属性に魔力が勝手に変換されて魔術となる。まずは一度、試してみなさい」
「よし、やってみます」
俺は両手を握りこぶし分間隔をあけ、手のひら同士を向かい合わせにして構える。手と手の間に小さい稲妻が行き交うイメージをし、魔力を込める。
俺のイメージに呼応するように予想通りの稲妻がバチッと音を立てながら発生する。
「や、やった!」
「流石ね! でも、発生させるだけでは戦えないわよ」
「まぁ見ててくださいよっと」
ニヤッと笑って俺はさらに魔力を込める。
流石にイザベラさんに当てるわけにはいかないので兵士が訓練に使う藁で出来た人型の人形を狙う。
「……ふぅー」
バチバチと稲妻が行き交う中に雷が凝縮された玉が現れる。名付けて雷丸。俺の魔力を凝縮して爆発寸前で抑えられたビー玉サイズの玉だ。
きっとこれをそのままぶつけてもかなりの威力があるんだろうが、俺も巻き込まれるかもしれないから今回は……こうする!!
〈雷術 雷砲〉
雷丸からレーザーの如く雷が放出される。一点に集中させた雷を、幕のような雷で包んだのが雷丸。そこに一点だけ放出口を開けてやれば雷は出口を求めてその放出口から一気に溢れ出す。
雷砲は訓練用の人形に直撃し……訓練用の人形を貫いて更に向こうの地面に着弾。雷を伴った爆発が起きる。
「………あ、あれ?」
俺の予想では人形に着弾した時点で爆発するはずだったんだけど……
「すごいじゃない! クロト! 初めてでこの威力の魔術が使えるなんて……雷属性って事もあるでしょうけど、本当に恐ろしい子ね!」
とイザベラさんが抱きついてくる。か、顔に柔らかい感触が……
だがそれと同時に不意に疲労感が襲ってくる。脱力感に逆らわずそのまま膝をつく。どうやら雷属性の大量の魔力消費問題はこれの事らしい。それもそのはずで自分を包んでいた魔力が雷砲一発打っただけでごっそり削られている。
これは最弱と呼ばれる理由が身に染みてわかる。
古代魔力を持ってしてもこれだけの魔力消費量……死活問題だ。何か対策を考えないとな。
「やっぱり魔力の消費はとんでもないみたいね。いくら古代魔力を使っているとは言っても、雷属性魔術の魔力消費量は全属性の中で一番多い。魔力量を伸ばす訓練や、無駄な魔力を使わないようにする訓練もしないといけないわね。……でも、今日はもう遅いからこの辺で終わりにしましょう。焦っても仕方ないし、いきなり魔力を使い過ぎたら魔力枯渇症になっちゃうわ」
「なにより初日にここまで出来るなんて快挙よ、今日はお祝いね!」と何故か俺よりも喜んでいるイザベラさん。まぁ喜ばれてるんだから嫌な気はしない。
母さん。父さん。ローガン師匠。リック。……俺、あの時より格段に強くなってる。まだまだこれからな部分ばっかりだけど、一歩ずつ確実に進んでいくからな。
あともう少しだけ待っててくれ。必ず仇は取る。
俺は空を見上げ心に誓う。
「クロトー? 早く!」
「あ、はい! 今行きます!」
「あら、思ったより早かったのね。おかえり」
ガイナと別れて俺はまっすぐ家に帰った。
早くイザベラさんに合格を見せたかったのと、雷属性について聞きたくてかなり早足になってた気がする。
「で、どうだったの?」
心配そうな顔で見てくるイザベラさん。俺はニヤッと笑って紙を見せる。
「……全部合格じゃない! 良かったわね!」
「はい、ありがとうございます! ……で、イザベラさん。これなんですけど……」
「魔術属性ね……そっか、雷かぁ!」
イザベラさんはエリーさんやガイナ達と全く違う反応を見せた。少し嬉しそうな、それでいてワクワクしたような顔で俺を見る。
「やったわね!」
「やった……? 良いんですか? 雷って。エリーさんやガイナ達は心配するような、残念そうな表情で……」
「エリーさん? ガイナ? 誰?」
「あ、エリーさんは今日適性検査と魔術属性判別の時にお世話になった係員の人で、ガイナは今日出来た友達です! あとマナも」
「へぇ! もう友達が出来たのね」
「はい!」
「よかったわね! あ、で、雷属性だけど、もちろんいいわよ!」
「じゃあ何故ガイナ達は?」
「うーん、じゃあ魔術属性について話しておくわね。まず、魔術属性は大きく三つに分けられるの」
イザベラさんは三本指を立てる。
「まず四大基礎属性と呼ばれてる火、水、風、土。そして二大上位属性の光と闇。最後が三大下位属性の雷、泡、砂。名前の通り、基本の四属性とより強力とされる上位の二属性。そしてそれらよりも劣っているとされる三属性。事実として泡と砂は確かに他の属性より劣るわ……でも雷は別よ」
「別……?」
「雷が弱い理由は使う側に問題があるの。自然界のエネルギーを魔力を用いて再現する魔術において雷は属性としての力が強すぎるのよ。雷が強すぎて生半可な魔力量では雷を出す事さえ出来ない。前にも話したけど現代人の魔力量は衰退していているからね。だから現代の人は全く使えない上に大量に魔力を使う雷属性を三大下位属性に加えたの」
「……てことは魔力さえあれば……?」
「ええ、その通りよ。普通の人なら手にほんの少しの雷を発生させただけで魔力切れ……でも私はその魔力問題を解決する方法を知ってるわ」
「たしか、人間は持っている魔力の一部しか使えてなくて、身体の奥に眠る魔力をすべて使う方法があるんですよね」
「ええ! 善は急げ、早速訓練行くわよ!」
「え、あっ、はい!」
◇
イザベラさんに連れられ、いつもどおり訓練所に来た。
「さて、やり方はさっき説明した通りよ」
「初めて魔力を感じたように魔力を探し出す 色でいうと赤……ですよね。俺、初めて魔力を感じた時に赤い魔力も見たので行けると思います」
俺は目を閉じ魔力を探る。
二回目と言うこともあり簡単に赤い魔力を見つける事が出来た。今回は青い魔力に隠れていないという事もあってその膨大さが伺える。
赤い魔力は青い魔力と量も濃度も桁違いに違う。
これを引っ張り出して自分のものにするのか。しかし、自分の身体の中にある魔力なのに引っ張り出さないと使えないってのはどういう仕組みなんだろう……
まぁ考えても仕方ないか。さっさと引っ張り出すぞ。
なかなかイメージが難しいが、簡単に言うなら真っ暗な空間に俺がいて目の前に膨大な量の赤い煙のような魔力がある。
それを俺は引っ張って自分のテリトリーまで持っていくって感じだ。
簡単そうに言ったがこれが中々難しい。
魔力は暴れるし常に流動的で勝手に違うところに行こうとするから、自分の今ある魔力で包んで引っ張らないといけない。
かなりの精神力と集中力が必要だ。正直かなり辛い。が、この魔力を利用出来なければ俺はろくな魔術が使えない。
ここが正念場だ。
◇
魔力を引っ張り始めて早一時間。ようやく赤い魔力を引き釣り出すことに成功した。
「……っ!?………………はぁはぁ」
なんだこれ……この力、すごい。
赤い魔力を自分のものにした瞬間、全身からものすごい量の魔力が溢れだす。それこそ魔力を纏ってすらいないのに魔装衣を纏っているような感覚だ。
「す、すげぇ、これが」
「……古代魔力。ふふ、お疲れ様」
「イザベラさん。この力、凄いですね。体の底から力が溢れるみたいです」
「ええ、現代の人間全員が持っているにも関わらず殆どの人が気づかずに一生を終える……故に古代魔力なんて呼ばれてるわ」
と苦笑しつつも目はウズウズしてる。
「試してみたいです」
「ええ! ……あ、そういえば魔術の発動法なんて教えてなかったわよね。こんな事は魔術学で教えてもらうんだろうけど先取りね」
と、イザベラさんに魔術基礎を教えてもらう。
「簡単な話、頭で具体的にイメージしながら魔力を込めれば自ずと魔術となって顕現する。大抵の場合は形状をイメージしながら魔力を体外に放出する事で、自分の属性に魔力が勝手に変換されて魔術となる。まずは一度、試してみなさい」
「よし、やってみます」
俺は両手を握りこぶし分間隔をあけ、手のひら同士を向かい合わせにして構える。手と手の間に小さい稲妻が行き交うイメージをし、魔力を込める。
俺のイメージに呼応するように予想通りの稲妻がバチッと音を立てながら発生する。
「や、やった!」
「流石ね! でも、発生させるだけでは戦えないわよ」
「まぁ見ててくださいよっと」
ニヤッと笑って俺はさらに魔力を込める。
流石にイザベラさんに当てるわけにはいかないので兵士が訓練に使う藁で出来た人型の人形を狙う。
「……ふぅー」
バチバチと稲妻が行き交う中に雷が凝縮された玉が現れる。名付けて雷丸。俺の魔力を凝縮して爆発寸前で抑えられたビー玉サイズの玉だ。
きっとこれをそのままぶつけてもかなりの威力があるんだろうが、俺も巻き込まれるかもしれないから今回は……こうする!!
〈雷術 雷砲〉
雷丸からレーザーの如く雷が放出される。一点に集中させた雷を、幕のような雷で包んだのが雷丸。そこに一点だけ放出口を開けてやれば雷は出口を求めてその放出口から一気に溢れ出す。
雷砲は訓練用の人形に直撃し……訓練用の人形を貫いて更に向こうの地面に着弾。雷を伴った爆発が起きる。
「………あ、あれ?」
俺の予想では人形に着弾した時点で爆発するはずだったんだけど……
「すごいじゃない! クロト! 初めてでこの威力の魔術が使えるなんて……雷属性って事もあるでしょうけど、本当に恐ろしい子ね!」
とイザベラさんが抱きついてくる。か、顔に柔らかい感触が……
だがそれと同時に不意に疲労感が襲ってくる。脱力感に逆らわずそのまま膝をつく。どうやら雷属性の大量の魔力消費問題はこれの事らしい。それもそのはずで自分を包んでいた魔力が雷砲一発打っただけでごっそり削られている。
これは最弱と呼ばれる理由が身に染みてわかる。
古代魔力を持ってしてもこれだけの魔力消費量……死活問題だ。何か対策を考えないとな。
「やっぱり魔力の消費はとんでもないみたいね。いくら古代魔力を使っているとは言っても、雷属性魔術の魔力消費量は全属性の中で一番多い。魔力量を伸ばす訓練や、無駄な魔力を使わないようにする訓練もしないといけないわね。……でも、今日はもう遅いからこの辺で終わりにしましょう。焦っても仕方ないし、いきなり魔力を使い過ぎたら魔力枯渇症になっちゃうわ」
「なにより初日にここまで出来るなんて快挙よ、今日はお祝いね!」と何故か俺よりも喜んでいるイザベラさん。まぁ喜ばれてるんだから嫌な気はしない。
母さん。父さん。ローガン師匠。リック。……俺、あの時より格段に強くなってる。まだまだこれからな部分ばっかりだけど、一歩ずつ確実に進んでいくからな。
あともう少しだけ待っててくれ。必ず仇は取る。
俺は空を見上げ心に誓う。
「クロトー? 早く!」
「あ、はい! 今行きます!」
0
あなたにおすすめの小説
娘を返せ〜誘拐された娘を取り返すため、父は異世界に渡る
ほりとくち
ファンタジー
突然現れた魔法陣が、あの日娘を連れ去った。
異世界に誘拐されてしまったらしい娘を取り戻すため、父は自ら異世界へ渡ることを決意する。
一体誰が、何の目的で娘を連れ去ったのか。
娘とともに再び日本へ戻ることはできるのか。
そもそも父は、異世界へ足を運ぶことができるのか。
異世界召喚の秘密を知る謎多き少年。
娘を失ったショックで、精神が幼児化してしまった妻。
そして父にまったく懐かず、娘と母にだけ甘えるペットの黒猫。
3人と1匹の冒険が、今始まる。
※小説家になろうでも投稿しています
※フォロー・感想・いいね等頂けると歓喜します!
よろしくお願いします!
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
慈愛と復讐の間
レクフル
ファンタジー
とある国に二人の赤子が生まれた。
一人は慈愛の女神の生まれ変わりとされ、一人は復讐の女神の生まれ変わりとされた。
慈愛の女神の生まれ変わりがこの世に生を得た時、必ず復讐の女神の生まれ変わりは生を得る。この二人は対となっているが、決して相容れるものではない。
これは古より語り継がれている伝承であり、慈愛の女神の加護を得た者は絶大なる力を手にするのだと言う。
だが慈愛の女神の生まれ変わりとして生を亨けた娘が、別の赤子と取り換えられてしまった。
大切に育てられる筈の慈愛の女神の生まれ変わりの娘は、母親から虐げられながらも懸命に生きようとしていた。
そんな中、森で出会った迷い人の王子と娘は、互いにそれと知らずに想い合い、数奇な運命を歩んで行くこととなる。
そして、変わりに育てられた赤子は大切に育てられていたが、その暴虐ぶりは日をまして酷くなっていく。
慈愛に満ちた娘と復讐に駆られた娘に翻弄されながら、王子はあの日出会った想い人を探し続ける。
想い合う二人の運命は絡み合うことができるのか。その存在に気づくことができるのか……
精霊が俺の事を気に入ってくれているらしく過剰に尽くしてくれる!が、周囲には精霊が見えず俺の評価はよろしくない
よっしぃ
ファンタジー
俺には僅かながら魔力がある。この世界で魔力を持った人は少ないからそれだけで貴重な存在のはずなんだが、俺の場合そうじゃないらしい。
魔力があっても普通の魔法が使えない俺。
そんな俺が唯一使える魔法・・・・そんなのねーよ!
因みに俺の周囲には何故か精霊が頻繁にやってくる。
任意の精霊を召還するのは実はスキルなんだが、召喚した精霊をその場に留め使役するには魔力が必要だが、俺にスキルはないぞ。
極稀にスキルを所持している冒険者がいるが、引く手あまたでウラヤマ!
そうそう俺の総魔力量は少なく、精霊が俺の周囲で顕現化しても何かをさせる程の魔力がないから直ぐに姿が消えてしまう。
そんなある日転機が訪れる。
いつもの如く精霊が俺の魔力をねだって頂いちゃう訳だが、大抵俺はその場で気を失う。
昔ひょんな事から助けた精霊が俺の所に現れたんだが、この時俺はたまたまうつ伏せで倒れた。因みに顔面ダイブで鼻血が出たのは内緒だ。
そして当然ながら意識を失ったが、ふと目を覚ますと俺の周囲にはものすごい数の魔石やら素材があって驚いた。
精霊曰く御礼だってさ。
どうやら俺の魔力は非常に良いらしい。美味しいのか効果が高いのかは知らんが、精霊の好みらしい。
何故この日に限って精霊がずっと顕現化しているんだ?
どうやら俺がうつ伏せで地面に倒れたのが良かったらしい。
俺と地脈と繋がって、魔力が無限増殖状態だったようだ。
そしてこれが俺が冒険者として活動する時のスタイルになっていくんだが、理解しがたい体勢での活動に周囲の理解は得られなかった。
そんなある日、1人の女性が俺とパーティーを組みたいとやってきた。
ついでに精霊に彼女が呪われているのが分かったので解呪しておいた。
そんなある日、俺は所属しているパーティーから追放されてしまった。
そりゃあ戦闘中だろうがお構いなしに地面に寝そべってしまうんだから、あいつは一体何をしているんだ!となってしまうのは仕方がないが、これでも貢献していたんだぜ?
何せそうしている間は精霊達が勝手に魔物を仕留め、素材を集めてくれるし、俺の身をしっかり守ってくれているんだが、精霊が視えないメンバーには俺がただ寝ているだけにしか見えないらしい。
因みにダンジョンのボス部屋に1人放り込まれたんだが、俺と先にパーティーを組んでいたエレンは俺を助けにボス部屋へ突入してくれた。
流石にダンジョン中層でも深層のボス部屋、2人ではなあ。
俺はダンジョンの真っただ中に追放された訳だが、くしくも追放直後に俺の何かが変化した。
因みに寝そべっていなくてはいけない理由は顔面と心臓、そして掌を地面にくっつける事で地脈と繋がるらしい。地脈って何だ?
もしかして寝てる間にざまぁしました?
ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。
内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。
しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。
私、寝てる間に何かしました?
帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる