最弱属性魔剣士の雷鳴轟く

愛鶴ソウ

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第四章 傷痕編

121話 獅子竜vs〈猿狩り〉

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 再び戦意を奮い起こし、団員達がレオに迫る。
 レオも迎え撃つように抜刀の構えを取るが、流石に限界が近いのか一瞬だけふらっと倒れかける。なんとか踏みとどまるが無意識に集中力が切れてしまったため、技が出ない。


「……ッ!」


 迫ってくるナイフや矢を単純な運動神経と銀月のみで受け切る。
 右から飛んでくる矢をかわし、左後ろから刺してくるナイフを銀月で上に弾き、そのまま回転に合わせて横一文字に振り切る。
 とはいえ技のないただの斬撃ではこの人数は相手しきれない。


至天破邪剣征流してんはじゃけんせいりゅう 薙払の型 『狂乱の太刀』〉


 無理矢理放った四連撃が、迫り来る団員達を跳ね飛ばすが、それでも攻勢が緩む事は無い。なにせ相手はまだまだいるのだ。
 矢やナイフを避ける為に少しずつ下がっているが、とうとう森の木に背がついてしまう。団員の一人が狙いを定めるようにナイフを構えながら、ジリジリとにじり寄る。


火竜砲カノン・オブ・サラマンダー


 レオが一か八かの賭けに出ようとした時、とある声が響き、敵が視界から消える。レオの視界を右から大砲のような衝撃で業火が横切り、団員達をまとめて吹き飛ばした。
 レオを追い詰めていた状況が、たった一度の攻撃で一変する。


「お、おーい……大丈夫かー?」


 先程の声とは違い、弱々しい声が聞こえてくる。レオはその方向を一目見て新手ではないことだけを確認し、肩を落とす。


「お前、クロトの所に帰ったんじゃなかったのか」


 木の影から顔の半分だけを覗かせているのはリュウだ。


「だって……仕方ねーだろ。あんなもん見ちまったら……」

「ああ?」





 遡る事約一日。
 レオと別行動を取ることになったリュウは最初はレオの身勝手に怒りながら森を進んでいた。


「ったく、なんだよ強い奴強い奴って! いくら顔見られたからってわざわざ追いかけることないだろ!相手の規模もわからないのに。そもそも一人で行くことないだろ! 仲間連れて行けよ!! ……ん? レオの仲間は俺なんだから、俺が一緒に行かなきゃいけなかったのか? いやいや、あんなのに付き合ってたら命がいくつあっても足りねーよ! ……いや、待てよ、レオが一人という事は……お、俺も一人って事じゃねーか! こんな所で一人!? う、嘘だろ……だってウェヌス盗賊団が他にいる可能性だって……レ、レオはどっちに……」


 大声で独り言の文句を叫びながらも、今の現状を再確認したリュウは、途端怯えたように周りを見渡す。
 こうなれば全てが恐怖の対象になる。ただ木が揺れる音でも、自分が後ずさった時に踏んでしまった木の枝が折れる音でも……


「レオを探さないと……いやでもあいつはウェヌス盗賊団に喧嘩売りに行ったんだよな。じゃあどっちにしろ駄目じゃねーか! クロトだ、クロトの所に……ってどこにいんだよ!!」


 自問自答、いや自ボケ自ツッコミをかました時に地面に投げつけた荷物から食料や寝袋等が溢れ、特に慌てた様子もなくそれをせっせと片付ける。
 その時、手を伸ばした先に人間の足の様な物が目に入る。


「…………フゥフィンッ!?」


 飛び上がりながら、後ろへ下がり、木の後ろに隠れる。


「ななななななんだよ今の……人の足!? 足だよな足……でもなんで足? 人? え、死んでる!? いや、まだそうと決まったわけじゃ……とりあえずもう一回……」


 もう一度確認するようにさっきの足を見る。裸足の足が見える。脛より上は木に隠れてしまって見えない。


「誰か……居るの?」


 その時、丁度若い女の人の声がしてリュウは再び飛び上がる。


「お、おい……どうしたんだよ?」


 とはいえ生きているとわかれば最悪の事態を想定していたリュウにとっては少し気持ちが楽になった。
 意を決して木の影から出て、未だ足しか見えない女性に話しかける。


「まさか……こんな所で……最期に人に会えるなんて……」


 生気のない声色と「最期」という言葉にただならぬ気配を感じ、女性に近づく。
 女性は赤毛を肩程まで伸ばしているが、その髪はボサボサで、着ている服も所々が破れていたり、泥で汚れていたりと綺麗とは言えない。さっきまで怖がっていたリュウだが、すぐに女性の頭を少し上げ、無事を確かめる。


「大丈夫か……?」

「私は……もう死ぬわ」

「な、何言ってんだよ。死なれても困る!!」

「少し前までは……冒険者としてそれなりに活躍してたんだけどね……」


 女性の目には涙が浮かんでおり、そこには後悔や絶望が色濃く出ている。


「ウェヌス盗賊団に手を出したのが間違いだった。……趣味だと言って散々拷問されて……苦しかったなぁ……」

「しっかりしろ! すぐに近くの街まで連れて行く。竜鎧……」

「お願い、聞いて……私の体はもう何をしても元には戻らない。あの魔石をもう三ヶ月以上も投与され続けたもの……一週間や二週間なら何とか出来るかも……しれないけど……」

「でも今は自由だろ? もう解放されたんだろ!?」

「そう、昨日私は解放されたの……今思えば死体を処理するのがめんどくさかったのかな……でも、嬉しかった……やっとこの地獄から解放されるんだって……でも違ったんだね。この三ヶ月間で私はここまで弱っていた」

「そ、そんなに何をされたんだよ……とにかく死なないでくれよぉ、俺の仲間もウェヌス盗賊団追って行っちまったしよ!」

「それは……早く追いかけた方が……ゴホッ……ゲホッゲホッ……これで……本当に解放だ」


 そのままカクンと首が垂れ、女性は眠る様に息を引き取った。
 リュウは内心パニック状態で、今すぐにでも走って逃げ出したいと思っていたが、リュウに宿る博愛の心がそれを拒む。たった数言話しただけの相手とは言え、そのまま放置は出来ない。
 済ませる事を済ませ、レオを追いかけるため一気に駆け出す。





「……そうか。ともかく助かった。休憩も終わりだ、構えろ!」

「えぇ、俺も戦うの!?」

「なんの為に来たんだよ、行くぞ」


 リュウの炎により多少は数は減ったが、それでも団員の数はまだまだ残っている。リュウが参戦したとしてもレオの疲労が回復するわけじゃない。


「これはこれは……三剣獣まで倒され、団員の数も半分を切っている。一人で乗り込んで来るだけはあります……と言っても今は二人ですか」

「誰だ?」


 団員達が道を開けるように立ち退くと、そこには四人の人影がいた。正面に立つはパンツェ。優しい表情を浮かべてはいるが、本性ではない。その後ろに赤髪の小柄な少女、ラスカ。緑髪のクレフィ。大剣を持った黒髪の大男、エルデナの三人が並ぶ。
 〈猿狩り〉の四人だ。


「パンツェ様だ!」

「助かった!」

「まだまだ行けるぞ!」


 〈猿狩り〉の登場にウェヌス盗賊団の士気が再び上がる。


「戦うしかないのかよ……」

「やらなきゃ死ぬぞ」

「わかってるよっ!」


〈竜鎧装 全身フルメイル
竜牙閃デストリカオ


 全身に竜の鎧を纏ったリュウが全身フルメイル時にのみ呼び出せる竜鎧装の槍、竜牙閃デストリカオを手の上に呼び出す。が、それは冷気を放っており、刃の部分も氷のようなものに覆われている。


「……グラキエースドラゴンの力が竜牙閃デストリカオに宿ってる?」

「なんでもいい、来るぞ」

「よーし、行くぞ!」


竜牙氷絶閃グラキエース・デストリカオ


 レオは抜刀の構えを取り、リュウも氷槍を構える。


「貴方達は下がっていて下さい。ここは私達が」

「てめぇも斬るだけだ!」


〈鉄術 足殺封印そくさつふういん


 パンツェの操る鉄の塊がレオの足首を拘束し、動きを止める。


「レオ!」

「あんたの相手はアタイ達っすよ!」


 ラスカの俊敏な動きでリュウとの距離を詰め、瞬時に数発の打撃を加える。鎧に守られているため、痛みは殆ど無いが、それでも衝撃は伝わる。
 鎧越しでも衝撃は大きく、それを避ける為、リュウは一気にジャンプし飛び上がる。強化された筋力でのジャンプは高さ五メートルを軽く超える。


「その程度!」


 ラスカはエルデナの肩を飛び台に余裕で追いついてくるが、リュウはそこまで読んで次の行動に移っていた。


「てりゃ!」

「うぐっ……」


 リュウを追って飛んで来たラスカを迎え撃ち、槍の柄の部分で胴を薙ぎ払う。


「からの……うりゃぁぁぁぁ!!」


 そのまま落下に合わせて槍を振り上げ、パンツェ目掛けて振り下ろす。パンツェの眉間に槍が突き刺さるというところでクレフィの光の結界に阻まれる。


「これは中々」

「クソッ……」

「よそ見してんじゃねぇぞ!」


至天破邪剣征流してんはじゃけんせいりゅう 相殺の型 『幻像実斬』〉


 足を拘束されていたレオは煙の様に消え、パンツェの目の前に本物のレオが現れる。銀月を振り上げて斬り付ける。が、それも寸前の所でエルデナが間に入り、それを防ぐ。


「チィ……」

「甘い!」


 レオは大剣に弾かれ、リュウは結界に弾かれ、後ろに下がる。


「おらァ!」


 更にエルデナが距離を詰め、レオに斬り掛かる。地上に落ちたラスカも復帰し、リュウに打撃とクレフィの聖術が襲いかかる。


「よく聞け、侵入者」


 レオに斬り掛かっているエルデナが他には聞こえないように小声でレオに話しかける。


「あァ?」

「このアジトの地下に一人の娘が捕まってる。昨日捕まったばかりの……今ならまだ助かる。本気でここを潰すなら、助けてやってくれ」

「お前がそれを俺に教える意味がわからない。信用も出来ない」

「支部長もそこにいる。お前がこのアジトを潰したいと考えてるなら、どちらにしろ地下へ行く事になるだろう」

「……チッ」


至天破邪剣征流してんはじゃけんせいりゅう 薙払の型 『狂乱の太刀』〉


 エルデナを弾き、連撃を繰り出す。エルデナはガードする様に大剣を構え、それを受ける。ジリジリと後退しながらもそれを受け切る。


「こんな奴、相手してられるか」


 エルデナがレオに本気の攻撃を仕掛けて来ない事を感じ取り、すぐに狙いを変える。
 リュウに高速で打撃を与え続けている少女と隙を伺って魔術を撃ち込んで来る女。両方を視野に入れたまま技を繰り出す。


至天破邪剣征流してんはじゃけんせいりゅう 突破の型 『飛翔する鉤爪』〉
至天破邪剣征流してんはじゃけんせいりゅう 突破の型 『突き立てる牙』〉


 飛ぶ斬撃はクレフィの足元を直撃し、砂煙を巻き起こす。外れたもののこれで視界を塞げれば結果オーライである。続けざまに放った突きは寸前の所でラスカに回避される。
 改めて〈猿狩り〉vsレオ、リュウの構図が生まれた。


「リュウ、こいつらは俺がやる。お前はあの崖ん中にある地下に行け!」

「な、なんで!? それに、一人で四人なんて……こいつら強いぞ」

「いいから行け! そこに恐らく支部長とか言う奴がいる。強い奴をお前に渡すのは癪だが、気になる事も出来た。それに、この程度の奴ら四人まとめてやれないようじゃおれもまたその程度って事だ」

「……わ、わかったけど」

「行け!」


 レオの一声に後押しされ、リュウがアジトに向かって一直線に駆ける。だが、行く手には〈猿狩り〉も団員も多くいる。


「団員は自分でどうにかしろよ……」


至天破邪剣征流してんはじゃけんせいりゅう 突破の型 『至天失斬烈風斬り』〉


 ウェヌス盗賊団がリュウに注目している間に溜めを終わらせたレオがエルデナに強力な斬撃を浴びせる。
 とはいえエルデナも動きに対応し、それを受ける。だが、大剣がそれに耐えられずにポッキリと折れてしまう。


「お前は悪い奴に見えない。邪魔だから引っ込んでろ」


 レオはエルデナの肩を踏み台にしてパンツェに斬り掛かる。


「隊長には手を出させないっすよ~!」


〈聖術 聖なる一撃セイクリッド・バーレッジ


至天破邪剣征流してんはじゃけんせいりゅう 相殺の型 『廻し流し』〉


 ラスカの打撃とクレフィの弾幕をあらゆる関節を回転させて避け切り、二人をすり抜けてパンツェへ向かう。
 リュウも丁度パンツェを超える為に槍を回転させて勢いをつけている。


至天破邪剣征流してんはじゃけんせいりゅう 突破の型 『大空を舞う龍の轟爪ごうそう』〉


 銀月を持った右腕を左腕で支え、最大馬力で撃ち放つ大砲の如き斬撃。技の底上げを狙った際に副次的に身に付けた『飛翔する鉤爪』の上位互換に当たる技、『大空を舞う龍の轟爪ごうそう』。
 大和帝国を旅立つ前は習得出来ていなかったレオも、いくつもの戦闘を経験し、この前の修行で遂にこの技を習得した。
 銀月から放たれた斬撃が、龍の上半身を象りながら天を舞い、龍の腕が丁度地面に当たり着弾。大きな砂煙を起こし、パンツェの視界を塞ぐ。


「なんと……」

「うりゃぁ!」


 リュウはそのまま砂煙に突進し、槍の石突を横一文字に振り、パンツェの横腹を殴り飛ばして道を作る。
 〈猿狩り〉は抜けたが、団員達はまだ行く手を阻んでいる。


「どけぇ!」


火竜砲カノン・オブ・サラマンダー


 右手から噴出された業火が団員達を吹き飛ばし、リュウはわき目もふらずに直進する。


「ぐ……やってくれましたね……」

「まさかアタイら四人全員を同時に足止めするとは……驚きっすね」

「でもこれは、貴方が完全に不利になるんじゃないかしら?」


 クレフィの言う通り、周りは〈猿狩り〉の四人に加えて全体の約三分の二を失った団員達。三分の一しか居ないとはいえ、その数は一人で相手するような数ではない。


「いいや、そうでもない。この状況なら、お前らを一掃出来る」
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