最弱属性魔剣士の雷鳴轟く

愛鶴ソウ

文字の大きさ
153 / 216
第六章 七星編

151話 強き愛の力

しおりを挟む
「この人が……ミスト」

『ん? 大半ハ初メマしてカ。噂ハ聞いテいるぞ。〈魔狩りの雷鳴ディアブロ・トニトルス〉』


 大男のシルエットに霧がまとわりついた様な姿をしたミストは、所々が曇ったような声で呟いた。手短にレオに事情を聞くと、どうやら俺達と合流する以前にミストと思わしき人物と遭遇していたらしい。


『アの辺りハ俺の居住区デナ。アまり争い事にもしタくナカっタのデ眠っテもラっタ』

「あまりいい思い出じゃないがな。手を貸すと言ったか。役に立つんだろうな?」

『少ナくとも、この二週間マスターボウに手を出サセナい程度マデにハ奴等を追い詰メタ』

「……ならいいが。話によればその三人組の中に剣士がいるらしいじゃねーか。そいつはおれがもらうぞ?」

『構ワん。マァ、剣士というよりハ斬レる竜巻のようナ男ダガナ』


 戦力の心配も、ミストが手を貸してくれるなら少しは安心か。レオは言わずもがなオリハルコンと対等にやり合えるだけの実力はあるだろう。リンリも自覚は無いが、俺やレオに追いつかんとする勢いで成長している。ミストやシエラの手助けがあれば、十分オリハルコン級とも渡り合えるはずだ。
 こっちの心配が無くなった以上、今度は俺達の方も考えないとな。準備を進めて、すぐに出発しよう。


「俺達は明日の朝にここを出発する。帰りはいつになるかわからないけど、とりあえずまたここに来るよ」

「アア。今日ハココニ泊マッテイクトイイ。何カ必要ナ物ガアレバ言ッテクレ」

「ありがとう、とりあえずは街を見て回るよ。もしかしたら目的の物もあるかもしれないし」

「ワカッタ」


 その後、〈シルク・ド・リベルター〉のメンバーと、意外に久しぶりだという話をしたり、シーゼロッタまでの道のりを確認して過ごした。
 〈鬼帝殺し三極柱〉組は何やら作戦会議をしているらしく、ずっと引きこもっている。〈鬼帝殺し三極柱〉組とは言っても好戦的なレオとミストのほぼ二人なのだが。
 雨刃とリンは己の実力不足を深く感じているらしく、あまり乗り気ではない。シエラは元々マスターボウを診るために残っているので可能であれば戦いには不参加。
 リンリはどうにも不安があるようで、表情を曇らせている。


「まぁ、皆が生き残ってくれればそれでいいが……」

「相手が相手だもんね。でもレオも居るし、心配はいらないかも」

「確かにな」


 少し時間が余ったので、予定通り街を見に来たわけだが、やはり賑わいがすごい。
 エルトリア帝国城下町やセントレイシュタンとほぼ同じだけの賑わいがあり、アルバレス公爵領最大の都市というのも名前だけではないと言うわけだ。
 リュウとサエはどこかに行ってしまったので別行動。なので例の如くエヴァと二人だ。


「えーっと、この通りは……」

「二番だって。あそこに書いてるよ!」

「お、本当だ」


 二番通りには武具店が多くある印象。エヴァはそんなに楽しくなさそうだが、ここは我慢してもらおう。


「そう都合良くは無いよな~」

「ずっと気になってたんだけど、何を探してるの?」

「テンペスターと同等の剣、あとは追加で……一言では説明出来ないけど、サエの為にちょっとな」

「何に使うの?」

「リンリに合った剣を用意してやろうかと思ってな。魔力が乗りやすい鉱石は希少だから、そう簡単には見つからないと思うけど」

「そういえばテンペスター貸しっぱなしだもんね。サエの方はどういう?」

「液体金属みたいなものがあればいいなって。サエの力は触れた液体の自在な操作って言ってたろ? 本人が言ってたみたいに川や海、操る液体が豊富な場所なら無類の強さを誇るだろうけど、戦場が常にそうなるとは思えない。だから、持ち歩けて、サエの戦力を補強出来る何かがあればいいなって」

「なるほど……でも液体金属は扱いが難しいからね。常備出来て戦闘に応用できるものがあるかどうか……ん? あの人だかりはなんだろう?」


 見れば、数十メートル先にエヴァの言った通り人だかりが出来ており、何やら騒がしい。


「行ってみよ!」

「あ、ああ」


 エヴァに手を引かれ、近づくとどうやら人は冒険者ギルドの前に集まっているらしい。野次馬のように円形に広がった人々の中心に一人の女性が立っている。
 遠目から見ても並々ならぬ美貌の持ち主だとわかる。ピンク色の髪をなびかせ、これまであったどの人よりも強く美のオーラを感じる。


「……っと、どうした?エヴァ」


 気づくと足が勝手に動いており、エヴァにぎゅっと引っ張られて我に返る。


「い、いや、なんでもないんだけど……なんだか嫌な感じがして……」


 エヴァの感はよく当たる。というよりもエヴァの体内にある魔力は人よりも多く、魔力に関連する事へのセンサーが敏感なのだ。


「確かに、只者ではなさそうだけど……」


 キョロキョロと誰かを探すように首を振っていた女性と目が合い、女性がツカツカと歩み寄ってくる。今どき珍しいチャイナ服に身を包んだ女性は俺だけを捉えて近づいてくる。
 エヴァの掴んだ腕から若干の冷気が俺を正常にしているが、これが無ければ見惚れてしまいそうだ。


「……貴方、〈魔狩りの雷鳴ディアブロ・トニトルス〉のリーダーでしょ。少しお話しましょ?」

「『STRONGER』の効果は絶大だな。あんたは誰だ?」


 至って普通の返しだったと思うが、俺の返事を聞いた女性は驚いたように目を見開いた。


「私の術が効いてないのかしら?」

「術? 一体何の事だ」


 まさに予想外。といった表情を浮かべた女性は、少し面白そうに口角を上げる。それよりもエヴァさん。そろそろ俺の右腕が氷漬けになりそうなんですが……


「なるほど、これだけ噂になるだけの事はあるのね、貴方。私の術は……説明するよりも見てもらった方が早いか……『貴方達、散りなさい』」


 何か強い言霊の様なものが場に走り、周りにいた人だかりがまるで全員、同時に用事を思い出したように、各々がこの場を立ち去り始めた。蜘蛛の子を散らすとはまさにこの事だ。


「私が目を合わせ、魅了した者を自由に操る術。それが私の術よ」

「魅了……? だからこんなところで注目を集めていたのか?」


 何やら同じような能力を持った冒険者の話を聞いたことがあるような……


「そういう事」

「何のために?」

「この街に居る〈シルク・ド・リベルター〉の事は知ってるでしょ? あれがもしかしたら私達に攻撃を仕掛けてくるかもしれないから、その準備ね」


 魅了して操る。美貌。〈シルク・ド・リベルター〉と敵対関係。
 ……思い出した。人々を美貌で惑わせ自らの兵隊にする魔性の女。物量戦を得意とするオリハルコン級冒険者、〈女帝〉リエラ・アトラクス。


「へ、へぇ。じゃあ町の人を使って戦争でもするのか? 〈女帝〉は」

「それが私の戦い方だもの。貴方達が街に着いてすぐにサーキンが貴方達を調べ上げたわ。〈シルク・ド・リベルター〉に協力するつもりなのよね?」

「ああ、そのつもりだ」

「てことは私達と正面から戦うって事よ。いつまでも〈シルク・ド・リベルター〉の味方をしていると、大事なお仲間の一人や二人、死ぬわよ?」


 ぞわぞわと威圧感が首筋を撫でる。即席に軍隊を作り上げることが〈女帝〉の脅威であるとは聞いていたがこの威圧感はそのまま戦っても強いんだろう。


「俺の仲間は、強いぞ」

「ふうん、そうね。でなければあんなに注目される事もないもの」

「それに、その自慢の魅了は俺達に効いていないみたいだが?」

「この術の発動条件は私に少しでも心を奪われること……女性でも例外なく、ね。貴方達に効かないのは恐らく、私の美貌では揺らがない強い愛があるから、ってところかしら」


 効果を見たあとに言われると少し顔が熱くなる。そして右腕の氷が溶けていく。エヴァの言った悪い予感はこの事も含まれていたのかもしれない。


「それで? 町人を俺達にけしかけるか?」

「そうね。貴方達優しそうだからそれもいいけど……でも、やめておくわ。貴方達二人を相手に私一人じゃ厳しそう。それに久しぶりにいいものを見せてもらったもの。この術は私の意思とは関係なく発動して魅了してしまうから、どんなに仲の良い男女を見ても所詮は私の美貌で揺らいでしまう程度と思っちゃうのよね」


 飽き飽きするように言ったリエラからは悲しさの雰囲気が漂ってきた。過去に何かあったのだろうか?確かにどんな男女も無意識のうちに破局させてしまうというのは中々精神に来そうだし、恋愛というものに対する不信感は募りそうだ。


「貴方達に免じてここは退くわ。……それと、そうね。〈シルク・ド・リベルター〉との抗争にも参加しない。ほかの二人ベンケイとサーキンが敗れたら私も従うわ」


 手をひらひらと振りながら去って行くリエラを見てどうにも聞いていた印象との違いが気になってしまう。時折見せる強者の風格は確かに本物だった。ハザック達の時も感じた本能的な危険。それと同等だった。


「でも、それ以上に……とても噂に聞いてた〈鬼帝殺し三極柱〉の一角とは思えない雰囲気だ」

「強い悲しさや虚しさが見えた。確かに威圧感はあったけど……そんなに怖い人じゃないのかも?」


 リエラが術を解いたのか、さっきの命令を取り消したのかはわからないが次第に人も戻って来た。特に何か騒ぎになるわけでもなく、自然に戻って来ているところを見るにあの術のレベルの高さが伺える。


「とりあえずみんなのところに戻るか。一応報告を……どうした?」


 引き返そうとすると、服の端をギュッとエヴァが引っ張る。


「もうちょっとだけ、見て回ろ?」





 リエラの一件の後、エヴァのショッピングに付き合い、〈シルク・ド・リベルター〉のテントに帰ってくる時にはすっかり夜になっていた。


「ナ、〈女帝〉ト一戦交エタダ!?」

「よく生きていたな。二人だけで」


 テントの一角で俺とエヴァはレオ、リン、雨刃、ミストに今日の一件を報告していた。


「交えたって言っても殆ど私たちは何もしてないよ。強いて言うなら……」

「とりあえず〈女帝〉は〈シルク・ド・リベルター〉との抗争には参加しない。他の三極柱が敗れたら従うと約束してくれた。なかなかでかい収穫だろ」


 何やら顔を赤らめているエヴァが変なことを言う前に話の流れを変えておく。


「デカイドコロジャナイ」

「ある意味最強の一角ともいえるからな」

『一番の不安要素ガ消エタ。後ハ単純ナ力比ベダ。しカし、アの男ハ一人デアのベンケイとヤり合エるのカ?』

「……ぐー……ぐー」

「まぁ……レオなら大丈夫でありんすよ」

「俺達は明日の朝一番に出発する。こっちは任せたぞ」

「ああ」

「任セロ」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

娘を返せ〜誘拐された娘を取り返すため、父は異世界に渡る

ほりとくち
ファンタジー
突然現れた魔法陣が、あの日娘を連れ去った。 異世界に誘拐されてしまったらしい娘を取り戻すため、父は自ら異世界へ渡ることを決意する。 一体誰が、何の目的で娘を連れ去ったのか。 娘とともに再び日本へ戻ることはできるのか。 そもそも父は、異世界へ足を運ぶことができるのか。 異世界召喚の秘密を知る謎多き少年。 娘を失ったショックで、精神が幼児化してしまった妻。 そして父にまったく懐かず、娘と母にだけ甘えるペットの黒猫。 3人と1匹の冒険が、今始まる。 ※小説家になろうでも投稿しています ※フォロー・感想・いいね等頂けると歓喜します!  よろしくお願いします!

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

慈愛と復讐の間

レクフル
ファンタジー
 とある国に二人の赤子が生まれた。  一人は慈愛の女神の生まれ変わりとされ、一人は復讐の女神の生まれ変わりとされた。  慈愛の女神の生まれ変わりがこの世に生を得た時、必ず復讐の女神の生まれ変わりは生を得る。この二人は対となっているが、決して相容れるものではない。  これは古より語り継がれている伝承であり、慈愛の女神の加護を得た者は絶大なる力を手にするのだと言う。  だが慈愛の女神の生まれ変わりとして生を亨けた娘が、別の赤子と取り換えられてしまった。 大切に育てられる筈の慈愛の女神の生まれ変わりの娘は、母親から虐げられながらも懸命に生きようとしていた。  そんな中、森で出会った迷い人の王子と娘は、互いにそれと知らずに想い合い、数奇な運命を歩んで行くこととなる。  そして、変わりに育てられた赤子は大切に育てられていたが、その暴虐ぶりは日をまして酷くなっていく。  慈愛に満ちた娘と復讐に駆られた娘に翻弄されながら、王子はあの日出会った想い人を探し続ける。  想い合う二人の運命は絡み合うことができるのか。その存在に気づくことができるのか……

精霊が俺の事を気に入ってくれているらしく過剰に尽くしてくれる!が、周囲には精霊が見えず俺の評価はよろしくない

よっしぃ
ファンタジー
俺には僅かながら魔力がある。この世界で魔力を持った人は少ないからそれだけで貴重な存在のはずなんだが、俺の場合そうじゃないらしい。 魔力があっても普通の魔法が使えない俺。 そんな俺が唯一使える魔法・・・・そんなのねーよ! 因みに俺の周囲には何故か精霊が頻繁にやってくる。 任意の精霊を召還するのは実はスキルなんだが、召喚した精霊をその場に留め使役するには魔力が必要だが、俺にスキルはないぞ。 極稀にスキルを所持している冒険者がいるが、引く手あまたでウラヤマ! そうそう俺の総魔力量は少なく、精霊が俺の周囲で顕現化しても何かをさせる程の魔力がないから直ぐに姿が消えてしまう。 そんなある日転機が訪れる。 いつもの如く精霊が俺の魔力をねだって頂いちゃう訳だが、大抵俺はその場で気を失う。 昔ひょんな事から助けた精霊が俺の所に現れたんだが、この時俺はたまたまうつ伏せで倒れた。因みに顔面ダイブで鼻血が出たのは内緒だ。 そして当然ながら意識を失ったが、ふと目を覚ますと俺の周囲にはものすごい数の魔石やら素材があって驚いた。 精霊曰く御礼だってさ。 どうやら俺の魔力は非常に良いらしい。美味しいのか効果が高いのかは知らんが、精霊の好みらしい。 何故この日に限って精霊がずっと顕現化しているんだ? どうやら俺がうつ伏せで地面に倒れたのが良かったらしい。 俺と地脈と繋がって、魔力が無限増殖状態だったようだ。 そしてこれが俺が冒険者として活動する時のスタイルになっていくんだが、理解しがたい体勢での活動に周囲の理解は得られなかった。 そんなある日、1人の女性が俺とパーティーを組みたいとやってきた。 ついでに精霊に彼女が呪われているのが分かったので解呪しておいた。 そんなある日、俺は所属しているパーティーから追放されてしまった。 そりゃあ戦闘中だろうがお構いなしに地面に寝そべってしまうんだから、あいつは一体何をしているんだ!となってしまうのは仕方がないが、これでも貢献していたんだぜ? 何せそうしている間は精霊達が勝手に魔物を仕留め、素材を集めてくれるし、俺の身をしっかり守ってくれているんだが、精霊が視えないメンバーには俺がただ寝ているだけにしか見えないらしい。 因みにダンジョンのボス部屋に1人放り込まれたんだが、俺と先にパーティーを組んでいたエレンは俺を助けにボス部屋へ突入してくれた。 流石にダンジョン中層でも深層のボス部屋、2人ではなあ。 俺はダンジョンの真っただ中に追放された訳だが、くしくも追放直後に俺の何かが変化した。 因みに寝そべっていなくてはいけない理由は顔面と心臓、そして掌を地面にくっつける事で地脈と繋がるらしい。地脈って何だ?

もしかして寝てる間にざまぁしました?

ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。 内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。 しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。 私、寝てる間に何かしました?

帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす

黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。 4年前に書いたものをリライトして載せてみます。

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

処理中です...