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大勢の気配を感じる中、桐は夢中で琵琶の演奏をしておりました。
物語の冒頭は平家が西国から京に上り、天子様に召され、日が昇る勢いで栄華を極めていく様子が語られます。
鎧の男たちはがしゃがしゃと音を立て、それを興奮して聞いておりました。
ぷんと甘い酒の匂いがしました。
どうやら随分酒が進んでいるようです。
桐はこのように自分の琵琶を聞いてもらったことがなかったので、とても嬉しくなり、ますます力を込めて弾き語りました。
ふぅっと何かが抜けた気がしました。
気がつくと桐は大きな部屋の真ん中に座っておりました。
振り向くと、若い男が懸命に琵琶を弾いているではありませんか。
歌う声は紛れもなく、自分の声です。
驚いて辺りを見回すと、赤糸の美しい鎧の男たちがやんやと酒を飲みながら琵琶を聞いておりました。
そこで、桐は気づきました。
今、桐は琵琶を演奏している自分とそれを聞いている男たちが見えていたのです。
なんとも不思議なことがあるものだ、と桐は驚きました。
するとすぅっと音もなく前の御簾が上がりました。
中から白い着物を着た、長く白い髪の男が出て桐の前にやってきました。
高貴なかおりが一層、強くなりました。
桐はこのお方が御屋形様だと悟り、額を床にこすりつけ平伏しました。
「顔を上げよ」
玉のような声がしました。
桐は素直に顔を上げると、白磁の肌をした美しい御屋形様の顔が見えました。
御屋形様は着物の合わせを開き、憤った男根を取り出しました。
桐が驚いていると、玉の声が降ってきました。
「舐めよ」
どうしたらよいのかわからず桐が動けずにいると、白磁の腕が伸び桐の顎をとらえて口を開かせ、男根をねじ込みました。
御屋形様はそのまま腰を動かしました。
桐は苦しくてたまりませんでしたが、怖ろしくてそのままでいました。
また玉の声が響きました。
「慣らせ」
桐の後ろからしゃがれた声が返事をしました。
自分の手を引いてきた男だと思いましたが、後ろを振り向いて顔を見ることはできませんでした。
後ろの男は桐の尻を突き出させ、するりと褌を取り去ると、瓶子《へいじ》を傾けとろみのある酒をかけると熱くて太い指をすぼまりに沈めました。
桐は痛くてたまりませんでしたが、御屋形様の男根を咥えているので叫ぶことすらできません。
指は何度もすぼまりを行き来すると、抜かれました。
ほっとする間もなく、今度はもっと太いものが入れられました。
桐はなにが起こっているのかわかりませんでした。
聞こえるのは、自分が朗々と弾き語る「源平合戦」であり、前と後ろから響く水音であり、そして大勢の男の舌なめずりと音がするはずもない熱く淫らな視線だけでした。
御屋形様も後ろの男も腰を動かすので、桐は身体がばらばらになりそうでした。
後ろの男がうめき声を上げると、生温かいものが中に注がれたのを桐は感じました。
すると御屋形様も後ろの男も桐から憤りを抜きました。
その場に倒れてしまいましたが、今度は御屋形様が後ろに回り、先ほど男が出入りしていたすぼまりに突き入れてきました。
中は酒のとろみと男が注いだものとで大変滑りがよくなっておりました。
御屋形様は桐の腰を掴むと、激しく腰を打ちつけました。
桐は苦しくて苦しくて息もできませんでしたが、いつしか気がつくと桐も御屋形様や男と同じように腰を振っておりました。
やがて御屋形様もうめき声を上げ、そして桐の中から出て行きました。
大きくばちが弦に振り下ろされました。
「源平合戦」の最初の戦の段を桐がかき鳴らしておりました。
「皆の者、これへ」
玉の声が大きく響くと、鎧の男たちの戦《いくさ》に出る直前の雄叫びを上げ、館を震わせました。
そして我こそが、と桐に襲いかかり、粗末な着物は瞬く間に脱がされました。
身体中に無数の手や舌が這い回り、両手には太くて熱いものを掴ませられ、口も後ろのすぼまりも幾つもの憤りが貫き、何度も何度も熱くどろりとしたものが桐に注がれました。
初めは悲鳴しか上げなかった桐は、次第に甘い声を上げ、腰を振り、自らもまた幾度もとろみを吐き出しました。
はっと気がつくと、自分は戦の段を弾き終えたところでした。
先程までくっきりと見えていたものはなにもなく、すべてが闇の中で鎧の男たちの熱い息遣いが聞こえました。
そして男たちは割れんばかりに手を叩いておりました。
凛とした玉の声がしました。
「桐とやら、素晴らしい琵琶であった。
物語は長く、まだまだ聞きたい。
また我らを慰めてくれぬか」
桐は自分の琵琶が褒められたことに気がつき、嬉しく思いました。
「もったいないお言葉、ありがとうございます。
わたくしでよければお呼びくださいませ」
桐は平伏しながら言いました。
「では知《とも》を使いにやる。
次も待っておる」
衣擦れの音がし、御屋形様が御簾の奥に入られました。
桐はまた知の大きく熱い手に引かれ、寺に帰ってまいりました。
そして布団に入った途端、和尚が寄合から帰ってきた音がしました。
和尚が桐の様子を見に来ましたが、桐は懸命に寝たふりをしました。
和尚が去ると、桐はほっとしました。
そして自分の内側や身体中に注がれた熱いとろみを思い出すと、自然と身体が熱くなり腰が揺れました。
なかなかそれが鎮まらず幾度も寝返りを打ち、暁の頃、桐はようやく眠ることが出来ました。
物語の冒頭は平家が西国から京に上り、天子様に召され、日が昇る勢いで栄華を極めていく様子が語られます。
鎧の男たちはがしゃがしゃと音を立て、それを興奮して聞いておりました。
ぷんと甘い酒の匂いがしました。
どうやら随分酒が進んでいるようです。
桐はこのように自分の琵琶を聞いてもらったことがなかったので、とても嬉しくなり、ますます力を込めて弾き語りました。
ふぅっと何かが抜けた気がしました。
気がつくと桐は大きな部屋の真ん中に座っておりました。
振り向くと、若い男が懸命に琵琶を弾いているではありませんか。
歌う声は紛れもなく、自分の声です。
驚いて辺りを見回すと、赤糸の美しい鎧の男たちがやんやと酒を飲みながら琵琶を聞いておりました。
そこで、桐は気づきました。
今、桐は琵琶を演奏している自分とそれを聞いている男たちが見えていたのです。
なんとも不思議なことがあるものだ、と桐は驚きました。
するとすぅっと音もなく前の御簾が上がりました。
中から白い着物を着た、長く白い髪の男が出て桐の前にやってきました。
高貴なかおりが一層、強くなりました。
桐はこのお方が御屋形様だと悟り、額を床にこすりつけ平伏しました。
「顔を上げよ」
玉のような声がしました。
桐は素直に顔を上げると、白磁の肌をした美しい御屋形様の顔が見えました。
御屋形様は着物の合わせを開き、憤った男根を取り出しました。
桐が驚いていると、玉の声が降ってきました。
「舐めよ」
どうしたらよいのかわからず桐が動けずにいると、白磁の腕が伸び桐の顎をとらえて口を開かせ、男根をねじ込みました。
御屋形様はそのまま腰を動かしました。
桐は苦しくてたまりませんでしたが、怖ろしくてそのままでいました。
また玉の声が響きました。
「慣らせ」
桐の後ろからしゃがれた声が返事をしました。
自分の手を引いてきた男だと思いましたが、後ろを振り向いて顔を見ることはできませんでした。
後ろの男は桐の尻を突き出させ、するりと褌を取り去ると、瓶子《へいじ》を傾けとろみのある酒をかけると熱くて太い指をすぼまりに沈めました。
桐は痛くてたまりませんでしたが、御屋形様の男根を咥えているので叫ぶことすらできません。
指は何度もすぼまりを行き来すると、抜かれました。
ほっとする間もなく、今度はもっと太いものが入れられました。
桐はなにが起こっているのかわかりませんでした。
聞こえるのは、自分が朗々と弾き語る「源平合戦」であり、前と後ろから響く水音であり、そして大勢の男の舌なめずりと音がするはずもない熱く淫らな視線だけでした。
御屋形様も後ろの男も腰を動かすので、桐は身体がばらばらになりそうでした。
後ろの男がうめき声を上げると、生温かいものが中に注がれたのを桐は感じました。
すると御屋形様も後ろの男も桐から憤りを抜きました。
その場に倒れてしまいましたが、今度は御屋形様が後ろに回り、先ほど男が出入りしていたすぼまりに突き入れてきました。
中は酒のとろみと男が注いだものとで大変滑りがよくなっておりました。
御屋形様は桐の腰を掴むと、激しく腰を打ちつけました。
桐は苦しくて苦しくて息もできませんでしたが、いつしか気がつくと桐も御屋形様や男と同じように腰を振っておりました。
やがて御屋形様もうめき声を上げ、そして桐の中から出て行きました。
大きくばちが弦に振り下ろされました。
「源平合戦」の最初の戦の段を桐がかき鳴らしておりました。
「皆の者、これへ」
玉の声が大きく響くと、鎧の男たちの戦《いくさ》に出る直前の雄叫びを上げ、館を震わせました。
そして我こそが、と桐に襲いかかり、粗末な着物は瞬く間に脱がされました。
身体中に無数の手や舌が這い回り、両手には太くて熱いものを掴ませられ、口も後ろのすぼまりも幾つもの憤りが貫き、何度も何度も熱くどろりとしたものが桐に注がれました。
初めは悲鳴しか上げなかった桐は、次第に甘い声を上げ、腰を振り、自らもまた幾度もとろみを吐き出しました。
はっと気がつくと、自分は戦の段を弾き終えたところでした。
先程までくっきりと見えていたものはなにもなく、すべてが闇の中で鎧の男たちの熱い息遣いが聞こえました。
そして男たちは割れんばかりに手を叩いておりました。
凛とした玉の声がしました。
「桐とやら、素晴らしい琵琶であった。
物語は長く、まだまだ聞きたい。
また我らを慰めてくれぬか」
桐は自分の琵琶が褒められたことに気がつき、嬉しく思いました。
「もったいないお言葉、ありがとうございます。
わたくしでよければお呼びくださいませ」
桐は平伏しながら言いました。
「では知《とも》を使いにやる。
次も待っておる」
衣擦れの音がし、御屋形様が御簾の奥に入られました。
桐はまた知の大きく熱い手に引かれ、寺に帰ってまいりました。
そして布団に入った途端、和尚が寄合から帰ってきた音がしました。
和尚が桐の様子を見に来ましたが、桐は懸命に寝たふりをしました。
和尚が去ると、桐はほっとしました。
そして自分の内側や身体中に注がれた熱いとろみを思い出すと、自然と身体が熱くなり腰が揺れました。
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