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委員長…?
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「……誰?」
率直な感想を僕は言った。
「委員長じゃん、どしたの? 誠になんか用だった?」
「委員長……?」
まず思ったのが、こんな頼りなさそうな女の子が委員長でいいのか? という疑問だった。
身長は結構小さめで、小柄だ。小夜曲と同じく髪は短めで、おとなしそうな印象だった。
「サボるっていう言葉を聞いたから声をかけたんですよ。それで誠君、サボるんですか?」
「え、あ、うん。まぁサボるけど……」
「どうして?」
「めんどいから?」
「駄目です!」
全力で拒否られる。いやなに急にこの子怖い。見た目と裏腹にめっちゃ怖い。
「この宿泊研修はクラスメイトとの親睦を深めるためのものです! これ行かなかったらあれですよ、ぼっちになっちゃいますよ!」
「いや僕は別にぼっちでも……」
「だよね! 私もそれ思う! 行かないと損だよね! 親睦深めるのめっちゃ大事だし!」
委員長の言葉にすかさず小夜曲も同意する。なんなんだこいつら。
「いいですか? 来るんですよ? いいですね?」
ぐぃっと顔を近づけられながら言われる。ちょ近い近い、顔面近い良い匂い可愛いめっちゃ付き合いたい。
「鼻の下伸ばしてる」
「別に伸ばしてない」
小夜曲からジト目で見られつつ言われたので、僕は委員長から距離を取って呟いた。
「委員長もこいつと似てフレンドリーだな……」
「これから一年一緒のクラスなんですからそりゃフレンドリーですよ! というか、私の名前は委員長って名前じゃないんですけど」
「いいじゃん、委員長で」
「一彼方(にのまえかなた)です! 友達からはかっちゃんって言われてます!」
「変な名前だな」
「君が言えるような立場じゃないけどねー」
「お前にも言える立場はないとわかって言ってるのか?」
なんだこの変な名前三人衆。印象には残るだろうけど覚えられそうにない名前ばっかりだ。
「とりあえず、宿泊研修は絶対に来てください! そこにいる小夜曲さんからも見捨てられますよ!」
「ユキでいいよ~」
「ユキちゃんよろしくお願いしますねこれから~」
「こちらこそだよ~」
なにこの女の子の世界。完全に蚊帳の外なんだけど。
「というわけで!」
「どういうわけで?」
「貴方には来てもらいますからね! 宿泊研修!」
「無視ですか?」
「そうですかそうですか、やっと行く気になりましたか」
「話聞いてる?」
「それでは私はまだ昼ご飯を食べてないのでこれにて失礼!」
敬礼をした後自分の席に戻って行く。
「……小夜曲」
「なに?」
「僕あいつ苦手だ」
自分の席で弁当を美味しそうに食べる一彼方を見ながら、僕はそう言葉を零すのだった。
率直な感想を僕は言った。
「委員長じゃん、どしたの? 誠になんか用だった?」
「委員長……?」
まず思ったのが、こんな頼りなさそうな女の子が委員長でいいのか? という疑問だった。
身長は結構小さめで、小柄だ。小夜曲と同じく髪は短めで、おとなしそうな印象だった。
「サボるっていう言葉を聞いたから声をかけたんですよ。それで誠君、サボるんですか?」
「え、あ、うん。まぁサボるけど……」
「どうして?」
「めんどいから?」
「駄目です!」
全力で拒否られる。いやなに急にこの子怖い。見た目と裏腹にめっちゃ怖い。
「この宿泊研修はクラスメイトとの親睦を深めるためのものです! これ行かなかったらあれですよ、ぼっちになっちゃいますよ!」
「いや僕は別にぼっちでも……」
「だよね! 私もそれ思う! 行かないと損だよね! 親睦深めるのめっちゃ大事だし!」
委員長の言葉にすかさず小夜曲も同意する。なんなんだこいつら。
「いいですか? 来るんですよ? いいですね?」
ぐぃっと顔を近づけられながら言われる。ちょ近い近い、顔面近い良い匂い可愛いめっちゃ付き合いたい。
「鼻の下伸ばしてる」
「別に伸ばしてない」
小夜曲からジト目で見られつつ言われたので、僕は委員長から距離を取って呟いた。
「委員長もこいつと似てフレンドリーだな……」
「これから一年一緒のクラスなんですからそりゃフレンドリーですよ! というか、私の名前は委員長って名前じゃないんですけど」
「いいじゃん、委員長で」
「一彼方(にのまえかなた)です! 友達からはかっちゃんって言われてます!」
「変な名前だな」
「君が言えるような立場じゃないけどねー」
「お前にも言える立場はないとわかって言ってるのか?」
なんだこの変な名前三人衆。印象には残るだろうけど覚えられそうにない名前ばっかりだ。
「とりあえず、宿泊研修は絶対に来てください! そこにいる小夜曲さんからも見捨てられますよ!」
「ユキでいいよ~」
「ユキちゃんよろしくお願いしますねこれから~」
「こちらこそだよ~」
なにこの女の子の世界。完全に蚊帳の外なんだけど。
「というわけで!」
「どういうわけで?」
「貴方には来てもらいますからね! 宿泊研修!」
「無視ですか?」
「そうですかそうですか、やっと行く気になりましたか」
「話聞いてる?」
「それでは私はまだ昼ご飯を食べてないのでこれにて失礼!」
敬礼をした後自分の席に戻って行く。
「……小夜曲」
「なに?」
「僕あいつ苦手だ」
自分の席で弁当を美味しそうに食べる一彼方を見ながら、僕はそう言葉を零すのだった。
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