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第5話 装備と道具を買う
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「はぁ……はぁ……はぁ……や、やっとだ。やっと着いた」
俺はアディールという名のエスティーゼ王国に隣国に着いた。長い旅路だった。足がクタクタだった。
俺はその国に入国した。よくわからないのだが、その国に入るのはパスポートみたいな身分証明書は必要なかった。異世界っていうのはよくわからないものだった。誰でもウェルカムみたいな感じなのだろう。
剣や魔法が当たり前の世界だからか、持ち物検査みたいなものもなかった。
憲兵みたいなものが門に立っていて、そこで入国の目的を聞かれただけだった。
「少年、入国の目的は?」
「観光です……」
俺は適当に答えた。実際、観光で間違っているわけでもない。
「へー、仕事は何やってるの?」
仕事っていうのは要するに職業の事か……。俺はステータス画面の職業ステイタスを思い出す……。そうだ。この世界に用なく呼び出された俺にはそもそもの話として職業なんていうものはなかったのだ。
「……無職です」
俺は力なく答える。なんというか、現実世界だろうが、異世界だろうが、無職という言葉は罪悪感を覚えざるを得ないものであった。
「はは、無職で観光か……そいつはお気楽でいいな」
当然のように笑われた。
「はは……で、ですよね」
俺は愛想笑いをする。
「観光よりも仕事を探せよ、少年」
俺はそう、憲兵に励まされる。
ごもっともである。無職というのは世知辛いものだ。返す言葉もなかった。
こうして俺は隣国アディールに入国する事が出来たのだ。
◇
城壁に囲まれた国の中には様々な人々がいた。市場では様々な商品が売買されている。そして、多種多様な店や施設も存在していた。
「えーと……装備屋は……」
俺は言語習得のスキルなどは持ち合わせていないが、なぜか普通に会話もできるし、異世界世界の文字を読む事が出来た。それはもう、異世界召喚された特典みたいなものなのだろう。ともかく、不都合な事ではないので俺もまたさして気にしない事にした。
「あ、あった! ……。ここだ!」
俺は装備屋を見つけた。文字だけではなく、わかりやすく剣と盾が描かれている。間違いなく、ここが装備屋だろう。俺は装備屋に入った。
◇
「いらっしゃい! ここはアディールの装備屋だよ!」
店に入ると、店主と思しき男の快活な声が響き渡る。
「さあ、どうか見て行ってくれ。うちの自慢の装備の数々」
俺は物色する。それと同時にほっと胸を撫で下ろす。金額を見て回っていたが、決して装備を買えない程ではなかった。『500G』という資金にはそれなりの価値がありそうだった。
無論、どんな装備でも買い揃える事ができるとは決して言えないが……。
俺は装備品を吟味した上で、購入する装備品を決定する。
よし、これとこれだ。
俺は銅の剣と銅の防具を手に取る。それぞれ200Gの値段が付いている。
「すみません、これをください」
「銅の剣と銅の防具だね。合計で400Gになるよ」
俺はカウンターに400Gを置く。
「まいど、ここで装備していくかい?」
「ええ、そうします」
俺は早速、装備を身に着ける事にした。
銀の剣と銅の防具を身に着けた俺は、やっとの事でいっぱしのファンタジー世界の住人になれたような、そんな気になった。
今までの俺は学生服を身に着けていたのだ。このファンタジーの世界観とは程遠い、場違いな感じになっていた。だからこれでやっとの事、様になったように感じている。
まだ金は残っていた。100Gではあるが。これだけ金があればまだ回復アイテムを購入する事くらいならできるだろう。
俺は装備屋を後にし、道具屋へと向かった。
◇
「いらっしゃいませ! アディールの道具屋へようこそ!」
道具屋に入ると、今度は快活な女性の声が響き渡る。
「何をお求めでしょうか?」
道具屋の店主に訊かれる。まだ、若そうな女性だった。
「その……回復アイテムのポーションが欲しいんです」
「ポーションと言っても回復量によって値段が違うんです。勿論、回復量が多い程値段が高いです。どの程度のポーションをお求めでしょうか?」
「一番安いポーションをお願いします」
今の俺のLVはあまり高くない。その為、ステータスも余り高くなかった。当然のようにHPもだ。一番安いポーションでも、十分に回復させる事ができた。
「一番安い普通のポーションですね。そこの青色のポーションになります。値段は20Gです」
20Gか。だったら5個買えるな。俺は脳内でそろばん勘定をした。それで無一文になるが、整った装備とアイテムでモンスターを討伐すれば、また資金を得られる。これは必要な先行投資だ。決して無駄な出費ではないと俺は考えた。
俺はポーションを5個購入する。そして、道具屋を後にした。
「ありがとうございます! またお越しくださいっ!」
俺は笑顔で見送られた。こうして俺は装備を慎重し、回復アイテムのポーションを購入したのだ。
============================
臼井影人 16歳 男 レベル:3
職業:無職
HP:15
MP:15
攻撃力:15
防御力:15
素早さ:15
魔法力:15
魔法耐性:15
運:15
装備:銅の剣 ※ 攻撃力+5 銅の防具 ※防御力+5 (NEW)
資金:0G (NEW)
スキル:『HP成長適正大』『MP成長適正大』『防御力成長適正大』『素早さ成長適正大』『魔法力成長適正大』『魔法耐性成長適正大』『経験値取得効率向上』『レベルアップ上限突破』『資金獲得効率大』『炎耐性大』『水耐性大』『雷耐性大』『地耐性大』『光耐性大』『闇耐性大』『全武器装備可能』『全防具装備可能』
『アイテム保有上限突破』『魔獣、聖獣使い(※ありとあらゆるモンスターを使役する事ができる)』『勇者の証(※勇者が取得できる全技が習得可能になる)』『解析(アナライズ)』※モンスターのデータを解析し、読み取れるスキル。
アイテム:
ポーション※回復力小のポーション。一回限りの使い切り。消耗品。×5(NEW)
============================
こうして俺は再び、次なる目的地へと向かうのであった。
俺はアディールという名のエスティーゼ王国に隣国に着いた。長い旅路だった。足がクタクタだった。
俺はその国に入国した。よくわからないのだが、その国に入るのはパスポートみたいな身分証明書は必要なかった。異世界っていうのはよくわからないものだった。誰でもウェルカムみたいな感じなのだろう。
剣や魔法が当たり前の世界だからか、持ち物検査みたいなものもなかった。
憲兵みたいなものが門に立っていて、そこで入国の目的を聞かれただけだった。
「少年、入国の目的は?」
「観光です……」
俺は適当に答えた。実際、観光で間違っているわけでもない。
「へー、仕事は何やってるの?」
仕事っていうのは要するに職業の事か……。俺はステータス画面の職業ステイタスを思い出す……。そうだ。この世界に用なく呼び出された俺にはそもそもの話として職業なんていうものはなかったのだ。
「……無職です」
俺は力なく答える。なんというか、現実世界だろうが、異世界だろうが、無職という言葉は罪悪感を覚えざるを得ないものであった。
「はは、無職で観光か……そいつはお気楽でいいな」
当然のように笑われた。
「はは……で、ですよね」
俺は愛想笑いをする。
「観光よりも仕事を探せよ、少年」
俺はそう、憲兵に励まされる。
ごもっともである。無職というのは世知辛いものだ。返す言葉もなかった。
こうして俺は隣国アディールに入国する事が出来たのだ。
◇
城壁に囲まれた国の中には様々な人々がいた。市場では様々な商品が売買されている。そして、多種多様な店や施設も存在していた。
「えーと……装備屋は……」
俺は言語習得のスキルなどは持ち合わせていないが、なぜか普通に会話もできるし、異世界世界の文字を読む事が出来た。それはもう、異世界召喚された特典みたいなものなのだろう。ともかく、不都合な事ではないので俺もまたさして気にしない事にした。
「あ、あった! ……。ここだ!」
俺は装備屋を見つけた。文字だけではなく、わかりやすく剣と盾が描かれている。間違いなく、ここが装備屋だろう。俺は装備屋に入った。
◇
「いらっしゃい! ここはアディールの装備屋だよ!」
店に入ると、店主と思しき男の快活な声が響き渡る。
「さあ、どうか見て行ってくれ。うちの自慢の装備の数々」
俺は物色する。それと同時にほっと胸を撫で下ろす。金額を見て回っていたが、決して装備を買えない程ではなかった。『500G』という資金にはそれなりの価値がありそうだった。
無論、どんな装備でも買い揃える事ができるとは決して言えないが……。
俺は装備品を吟味した上で、購入する装備品を決定する。
よし、これとこれだ。
俺は銅の剣と銅の防具を手に取る。それぞれ200Gの値段が付いている。
「すみません、これをください」
「銅の剣と銅の防具だね。合計で400Gになるよ」
俺はカウンターに400Gを置く。
「まいど、ここで装備していくかい?」
「ええ、そうします」
俺は早速、装備を身に着ける事にした。
銀の剣と銅の防具を身に着けた俺は、やっとの事でいっぱしのファンタジー世界の住人になれたような、そんな気になった。
今までの俺は学生服を身に着けていたのだ。このファンタジーの世界観とは程遠い、場違いな感じになっていた。だからこれでやっとの事、様になったように感じている。
まだ金は残っていた。100Gではあるが。これだけ金があればまだ回復アイテムを購入する事くらいならできるだろう。
俺は装備屋を後にし、道具屋へと向かった。
◇
「いらっしゃいませ! アディールの道具屋へようこそ!」
道具屋に入ると、今度は快活な女性の声が響き渡る。
「何をお求めでしょうか?」
道具屋の店主に訊かれる。まだ、若そうな女性だった。
「その……回復アイテムのポーションが欲しいんです」
「ポーションと言っても回復量によって値段が違うんです。勿論、回復量が多い程値段が高いです。どの程度のポーションをお求めでしょうか?」
「一番安いポーションをお願いします」
今の俺のLVはあまり高くない。その為、ステータスも余り高くなかった。当然のようにHPもだ。一番安いポーションでも、十分に回復させる事ができた。
「一番安い普通のポーションですね。そこの青色のポーションになります。値段は20Gです」
20Gか。だったら5個買えるな。俺は脳内でそろばん勘定をした。それで無一文になるが、整った装備とアイテムでモンスターを討伐すれば、また資金を得られる。これは必要な先行投資だ。決して無駄な出費ではないと俺は考えた。
俺はポーションを5個購入する。そして、道具屋を後にした。
「ありがとうございます! またお越しくださいっ!」
俺は笑顔で見送られた。こうして俺は装備を慎重し、回復アイテムのポーションを購入したのだ。
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臼井影人 16歳 男 レベル:3
職業:無職
HP:15
MP:15
攻撃力:15
防御力:15
素早さ:15
魔法力:15
魔法耐性:15
運:15
装備:銅の剣 ※ 攻撃力+5 銅の防具 ※防御力+5 (NEW)
資金:0G (NEW)
スキル:『HP成長適正大』『MP成長適正大』『防御力成長適正大』『素早さ成長適正大』『魔法力成長適正大』『魔法耐性成長適正大』『経験値取得効率向上』『レベルアップ上限突破』『資金獲得効率大』『炎耐性大』『水耐性大』『雷耐性大』『地耐性大』『光耐性大』『闇耐性大』『全武器装備可能』『全防具装備可能』
『アイテム保有上限突破』『魔獣、聖獣使い(※ありとあらゆるモンスターを使役する事ができる)』『勇者の証(※勇者が取得できる全技が習得可能になる)』『解析(アナライズ)』※モンスターのデータを解析し、読み取れるスキル。
アイテム:
ポーション※回復力小のポーション。一回限りの使い切り。消耗品。×5(NEW)
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こうして俺は再び、次なる目的地へと向かうのであった。
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