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激震!勇魔最終戦争…!
先代の記憶/呪詛変源
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「……よくやった、我が遠き……子孫よ……貴公は、人類の可能性を、まだ人類は『永遠』を手にするべきでないと……証明できた……
だが……まだ残っている……『呪い』は……幹部の『呪い』、兄が仕込んだそれが、余からの最後の、試練だ……」
「……何が、試練だよ……なんで自分の事なのに、そこまで……達観的なんだよ……お前は結局、何が……したかったんだよ……」
互いに息は上がりきっている。これが、今俺の前でひざまずいているこの存在こそが、魔王なのかと再認識する。
「———余……は、既に人の理を超えた者……ゆえ、な……『人を……見極める…………者、として生きよ』…………と世界に釘を刺されたのだよ……!
貴公らは合格した。……人類は———人類は、永遠なんぞに縋るべきでは……ない、打ち砕いてくれ…………兄の野望を……!
そして———いや、コレは貴公らの代ではないな」
その時、魔王の記憶が流れ込む。
……自然と受け入れることができたのは、きっと———感覚だが、自然と『ザ・オールマイティ』を通して伝わったのだな、と分かったからだ。
何しろ、コイツは数千年間生きてきた、俺の先祖。
継承されてきた俺の神技、いや『鍵』が『先代の記憶』を映し出してくれた。
◆◆◆◆◆◆◆◆
———それは、遥か昔の出来事。
男は、世界の為に頑張った。
『救世主』であれと、そう世界に願われ、その想いの受け皿となった男の最期は、永遠に牢に繋ぎ止められるという、なんとも悲劇的にして皮肉なものだった。
『永遠の命』。赤き土より生まれた男と、その兄にはそれが最初から備わっていた。
……兄のモノは『未完成品』であったが。
だからこそ、他の人間から気味悪がられた。兄はその後どうなったかは知らない。
が、その男は世界を救う為に戦い、そして裏切られた。
だからこそ、人間に価値はないと一度は断じた。
それでも、兄の残した『プロジェクト:エターナル』なる計画を止める為———否、計画が本当に遂行する価値のあるものか、を確かめる為に、人類の一部を使って改造人間を生み出した。
後の魔族である。
その男の願いは簡単なもの。
「永遠なぞいらない」
永遠に苦しめられてきた兄とは違う答え。
それがこの男の偉業。
その結論こそがこの男の、唯一誇れるものであった。
◆◆◆◆◆◆◆◆
「……そっか、お前だって、色々あったんだな」
所詮は他人事。
だがしかし、見過ごす事はできない。
プロジェクト:エターナル。
それが何かは今の俺には分からないが、その男はそれを止めようとした、いや、その計画に賛同しなかった。
だからこその試練だったのか、と。
「……それにしても、傍迷惑な、試練だなあ、ご先祖さんよ……」
でも、そっか。兄の試練が、まだ残ってた」
———とりあえず、俺は……世界の危機から、世界を守り通した。……救世主として、そして勇者として。
今はまだ、俺は……救世主でいいんだ。
*◇*◇*◇*◇
同時刻、王城にて。
———王都はもはや、大混戦だった。
『ガイア・コンソール亜種』が落ち、地上は既に均されてしまったと言うのに、それでもどこからか湧いてきた魔王軍と人界軍の抗争は、今の今まで続いていたのだ。
「敵性反応……なし……守り通しました……後はマスターが帰還するのみでございます……!」
「勝っ……たぁ……!」
「こんな奴ら……この俺にかかれば……造作もない事だ……さあコック、アレンのもとへ……連れて行け! 俺様も一緒に戦って…………」
イデアは「アレンと一緒に戦う」などという感情が芽生えた事に戸惑っていたが、そんなイデアすらもすぐに戦場に赴くと決意を固めた頃。
「……超巨大魔力反応……消失……魔王が……魔王が倒されました……!」
コックの一言に、それまで戦っていた魔王軍残党、人界軍すらも攻撃の手を休める。
「魔王は……死んだ……本当ですか……コックさん……?」
「ええセン様、本当でございます。私たちは、勝ちました……マスターは、勝ちました……!」
コックのその報告に共鳴するように、各地より歓声が上がる。
残った魔王軍は呆然と突っ立っているだけであり、主が亡くなった今、もう戦う者は誰1人としていなかった。
城壁は崩れ去り、今や見る影もなくなった王城に、汚れながらも1人佇む人界王、ユダレイ・タッカーダル四世すらも、この出来事には笑みを溢さずにはいられなかった。
シェルターより民間人が解放され、勝利の宴が行われようとした頃。
「……現実存在強度……極端に低下———人類生存予測率、10%を下回った……? うそ……こんな事……あるはずが……呪術は既に廃れたはず……」
コックは、その自らが……否、人類の置かれた状況に絶望していた。
「コック、一体どうしたの……? 戦いが終わったんだから、別に楽にしたっていいじゃ……」
「……終わってません。いえ、むしろここからが始まりです。そう、世界の奥底から、何か最悪が込み上げてくるような……」
「?……貴方がそこまで言うなんて、一体何が………………何、コレ?」
サナすらも驚く、その代物とは。
見上げた空に広がっていたのは、暗黒。
光が完全に遮断され、世界が暗闇に包まれる。
「……何、アレ……何、何なの、一体何が……?」
「……そう、そう言う事、ですか……今がアレを使うチャンスと踏みましたか、オリュンポス!!!!」
西大陸の各地より込み上げるは、魔王軍幹部の遺体より放出される暗黒———否、この世全てを呪う最悪であった。
だが……まだ残っている……『呪い』は……幹部の『呪い』、兄が仕込んだそれが、余からの最後の、試練だ……」
「……何が、試練だよ……なんで自分の事なのに、そこまで……達観的なんだよ……お前は結局、何が……したかったんだよ……」
互いに息は上がりきっている。これが、今俺の前でひざまずいているこの存在こそが、魔王なのかと再認識する。
「———余……は、既に人の理を超えた者……ゆえ、な……『人を……見極める…………者、として生きよ』…………と世界に釘を刺されたのだよ……!
貴公らは合格した。……人類は———人類は、永遠なんぞに縋るべきでは……ない、打ち砕いてくれ…………兄の野望を……!
そして———いや、コレは貴公らの代ではないな」
その時、魔王の記憶が流れ込む。
……自然と受け入れることができたのは、きっと———感覚だが、自然と『ザ・オールマイティ』を通して伝わったのだな、と分かったからだ。
何しろ、コイツは数千年間生きてきた、俺の先祖。
継承されてきた俺の神技、いや『鍵』が『先代の記憶』を映し出してくれた。
◆◆◆◆◆◆◆◆
———それは、遥か昔の出来事。
男は、世界の為に頑張った。
『救世主』であれと、そう世界に願われ、その想いの受け皿となった男の最期は、永遠に牢に繋ぎ止められるという、なんとも悲劇的にして皮肉なものだった。
『永遠の命』。赤き土より生まれた男と、その兄にはそれが最初から備わっていた。
……兄のモノは『未完成品』であったが。
だからこそ、他の人間から気味悪がられた。兄はその後どうなったかは知らない。
が、その男は世界を救う為に戦い、そして裏切られた。
だからこそ、人間に価値はないと一度は断じた。
それでも、兄の残した『プロジェクト:エターナル』なる計画を止める為———否、計画が本当に遂行する価値のあるものか、を確かめる為に、人類の一部を使って改造人間を生み出した。
後の魔族である。
その男の願いは簡単なもの。
「永遠なぞいらない」
永遠に苦しめられてきた兄とは違う答え。
それがこの男の偉業。
その結論こそがこの男の、唯一誇れるものであった。
◆◆◆◆◆◆◆◆
「……そっか、お前だって、色々あったんだな」
所詮は他人事。
だがしかし、見過ごす事はできない。
プロジェクト:エターナル。
それが何かは今の俺には分からないが、その男はそれを止めようとした、いや、その計画に賛同しなかった。
だからこその試練だったのか、と。
「……それにしても、傍迷惑な、試練だなあ、ご先祖さんよ……」
でも、そっか。兄の試練が、まだ残ってた」
———とりあえず、俺は……世界の危機から、世界を守り通した。……救世主として、そして勇者として。
今はまだ、俺は……救世主でいいんだ。
*◇*◇*◇*◇
同時刻、王城にて。
———王都はもはや、大混戦だった。
『ガイア・コンソール亜種』が落ち、地上は既に均されてしまったと言うのに、それでもどこからか湧いてきた魔王軍と人界軍の抗争は、今の今まで続いていたのだ。
「敵性反応……なし……守り通しました……後はマスターが帰還するのみでございます……!」
「勝っ……たぁ……!」
「こんな奴ら……この俺にかかれば……造作もない事だ……さあコック、アレンのもとへ……連れて行け! 俺様も一緒に戦って…………」
イデアは「アレンと一緒に戦う」などという感情が芽生えた事に戸惑っていたが、そんなイデアすらもすぐに戦場に赴くと決意を固めた頃。
「……超巨大魔力反応……消失……魔王が……魔王が倒されました……!」
コックの一言に、それまで戦っていた魔王軍残党、人界軍すらも攻撃の手を休める。
「魔王は……死んだ……本当ですか……コックさん……?」
「ええセン様、本当でございます。私たちは、勝ちました……マスターは、勝ちました……!」
コックのその報告に共鳴するように、各地より歓声が上がる。
残った魔王軍は呆然と突っ立っているだけであり、主が亡くなった今、もう戦う者は誰1人としていなかった。
城壁は崩れ去り、今や見る影もなくなった王城に、汚れながらも1人佇む人界王、ユダレイ・タッカーダル四世すらも、この出来事には笑みを溢さずにはいられなかった。
シェルターより民間人が解放され、勝利の宴が行われようとした頃。
「……現実存在強度……極端に低下———人類生存予測率、10%を下回った……? うそ……こんな事……あるはずが……呪術は既に廃れたはず……」
コックは、その自らが……否、人類の置かれた状況に絶望していた。
「コック、一体どうしたの……? 戦いが終わったんだから、別に楽にしたっていいじゃ……」
「……終わってません。いえ、むしろここからが始まりです。そう、世界の奥底から、何か最悪が込み上げてくるような……」
「?……貴方がそこまで言うなんて、一体何が………………何、コレ?」
サナすらも驚く、その代物とは。
見上げた空に広がっていたのは、暗黒。
光が完全に遮断され、世界が暗闇に包まれる。
「……何、アレ……何、何なの、一体何が……?」
「……そう、そう言う事、ですか……今がアレを使うチャンスと踏みましたか、オリュンポス!!!!」
西大陸の各地より込み上げるは、魔王軍幹部の遺体より放出される暗黒———否、この世全てを呪う最悪であった。
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