Wit:1/もしも願いが叶うなら〜No pain, no live〜

月影弧夜見(つきかげこよみ)

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激震!勇魔最終戦争…!

『Ⅱ』の目覚め

*◇*◇*◇*◇

 オリュンポスにて。
 神々ですら、この異常事態には騒然としていた。……主神であるゼウスすら、

「何の異常事態だ、ポセイドン、海の様子は……ポセイドン、ポセイドン! 応答せよ!」

 このザマであった。
 とてもカミとは思えぬ揺らぎ様だが、裏を返せば、それほどまでに深刻な事態であるという証拠だった。

『███████』

 ———ポセイドンからの報告は、この通り。どこまでも黒いノイズに包まれていた。


「カイン、貴様が仕組んだか、この呪いは……!」
「ええ、終末戦争以来の素晴らしい機会。使わない訳がないでしょう。




 世界を呪いで染める為に。エターナル、プランBの開始です」


*◇*◇*◇*◇



「……なんだ、コレ。何で俺……何も見えない……?」

 突如として暗黒に染まった空に、全く辺りが見えず、白は慌てふためく。



 ……そこに。

「俺の声がわかるか?」

「……黒……!」

 炎魔術で辺りを照らし、手を差し伸べてくれたのは黒だった。

「よくやったな、白。だがお前には、もう一仕事———やるべき事が増えた」

「この事態の収拾、か」

「もちろんだ。まず状況を説明しておかなくてはな」



◇◇◇◇◇◇◇◇


「……それで、魔王軍幹部、総勢6体より吹き出た呪力が、この世界を包み、今現在全てこの世界の中心、大穴に吸い込まれている、という状況でございます」


 コックの迅速にも正確なる説明を、サナは集中して聞き込む。

「……いやコック、結局私にはその重大さが分からないんだけど」

「呪力です。しかもこの量ともなると、募らせた想いは『世界』そのものに向けられたものでしょう。

 まさにその存在すらも呪うような……」

「つまり放っておいたら……世界がヤバいって事?!」


◇◇◇◇◇◇◇◇


「……んで、俺は何をしろと。そんな呪いだなんて専門外。そもそも……刀で斬れるのか?」

「俺の師匠……お前の師匠でもある宗呪羅は、呪術に長けていたからこそ、少しその呪術を使ってもらった事があるんだが……斬れるには斬れる。だが、」


◇◇◇◇◇◇◇◇


「呪力に対して、物理攻撃は効きにくい。そこで、サナ様の出番でございます」

「私? え、もしかして、最大級の魔術で吹き飛ばすとか……」

「大正解でございます!」



◇◇◇◇◇◇◇◇


「……ともあれ、アレが呪いの中心部だ」

 浮遊法で浮かび上がり、黒が指差した先は…………暗黒だった。



「アレって言われたって、結局全部見えないんだから分かるわけないだろ……?」


「とりあえず、アレに触れでもしたら終わりだ。悪意に飲み込まれ、死ぬまで苦しむ羽目になるからな」


「じゃあ、どうすればいい……って……?」
 
「耐えるんだよ、現世界最強の魔術師の、到着までな」








*◇*◇*◇*◇

 ……そう、この騒ぎを巻き起こしたのは間違いなく、元魔王軍幹部、『ダークナイト』であり。
 元殺生院、現ゴルゴダ機関の長、である『刹那』でもあった。


「プランB……まさか貴様、を……この呪力反応……大穴か……っ!」

 オリュンポスの主神、ゼウスすらも、このプランの進行については全くの予想外だった。

「もちろん。使えるものは全て使わせてもらいます」

「しかし、ここまでの呪いをどうやって貴様は……」






 そう、世界中から降り注ぐ『呪い』であった。

「もうすぐにして、災厄の、呪詛の神は完成する。古き戦い終末戦争にて散ったと、雑兵の腐った命。

 そして先程散った魔王が、アベルがいつか置いてきた恨みの感情をもって。散った新たな一柱、そしてエターナルの完全遂行の為に」

「我が同胞を……貴様……っ!」



 大穴。魔王軍幹部、リーの死体が眠るその中にて。

「現在進行中の———戦争で散った怨念」、「大戦末期に死した軍神アレスの死体」、そしてそのカミを構成するに必要不可欠なマテリアルとして、「いつかの魔王が、アベル・セイバーが置いてきた、救世主としての怨み」。

 この3つを基盤とし、今ここに、新たなるカミを生み出す呪術式が完成しようとしていた。


 だからこそのプランB。
 カミのもたらす呪いが、この世界をのだ。


「歌え、破滅を。踊れ、の2番手よ。

 人類は、古き人類と時代は今日をもって、そのカタチごとへと向かう!!!!」


『Ⅱ』の、目覚め。
『終末』は、すぐ、そこに———。
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