81 / 256
断章Ⅰ〜アローサル:ラークシャサ・ラージャー〜
参戦
「コック、センたちの食糧、とってきた……!」
「あら家畜さん、ありがとうございます~!」
……今コックに家畜呼ばわりされた女の子は、世にも珍しい『獣人』の、くいなである。
獣人の特徴とも言えるモフモフの耳、尻尾! おまけに金髪!……そして貧乳。
露出の高い『着物』なる日ノ國の伝統の衣装を身につけた、和風の少女。
……ただ。
「ありがとう、くいな。いつも助かってるよ」
「……」
完全無視。
……コックのその魔力についてきたまでであり、この僕にはついてきたわけではない為、僕に対してはこの有り様である。
……ただ当の本人もコックからは家畜呼ばわりされているが。
このヘンテコ集団、いや、くいなは半分入っているようで入ってないものなのだが、今はこの4人で生活している。
僕たちも食糧がないからか、くいなが(なぜか)僕たちの分まで食糧とってきてくれるおかげで、生計を立てることができている。
だからこその金欠。僕たちは今、膨大な金を欲していた。
そんな最中に飛び込んで来た話———否、白さんが口にしたものは。
「魔武道大会、出るぞーーーーっ!」
「勝手に入ってこないでください、めちゃくちゃビックリしました」
僕には全くもって無縁だと思っていた、魔武道大会についての話だった。……と言うか、いきなり来るのは流石に少しビビる。
「……お?…誰だ、そいつら?……まあいっか、とりあえずセン、魔武道大会出て優勝するぞ!」
「……いや、僕が出たって勝てはしな……」
「大丈夫だって、バトルロイヤルなんだから俺がサポートする、優勝賞金だってお前らにやるからとりあえず出るぞ! 安心しろ、負けたって死にはしないから!」
「賞金が出るってなら……もちろんやりますよ、ただでさえコックの修復で金欠なんですから」
「マスター、いらしたのですね!」
「ああ———なあセン、コックの修復はいつになりそうだ? 修復が終わったら連れて行かせたい場所があってな」
「修復は……分かりません、後1年くらいはかかると……」
「おっけ、ありがとな、セン。それじゃまた2週間後、王都で会おう」
颯爽と、その人影は姿を消した。
********
そして、視点はまた白に移る。
……そう、魔武道大会は2週間後の王都にて。……否、王都を中心とした西大陸全域で行われる。
……まあ、まあ? 俺が出れば優勝は間違いなしだが?
だが、だがと、念の為にサナもセンも呼び寄せて、パーティを総動員させるのは、敵にあのイデア———兄さんとレイ……など、かつてしのぎを削って殺し合った化け物も混ざり込んでいるからだ。
……それにサナが、
「今の魔導大隊は私が育てたのよ! なんたって全員の力を合わせて黒騎士だって追い払えたくらいだから!」
……だとか言ってたし、そもそもこれはバトルロイヤル。相手が何人でチームを組んで、何人がかりで俺に襲いかかるか、だなんて分かりきったものじゃないからな……
……だからこそ、準備は怠るべきじゃない。確実に勝ってみせるさ……久しぶりだ、こんなにワクワクする戦いは…!
「あら家畜さん、ありがとうございます~!」
……今コックに家畜呼ばわりされた女の子は、世にも珍しい『獣人』の、くいなである。
獣人の特徴とも言えるモフモフの耳、尻尾! おまけに金髪!……そして貧乳。
露出の高い『着物』なる日ノ國の伝統の衣装を身につけた、和風の少女。
……ただ。
「ありがとう、くいな。いつも助かってるよ」
「……」
完全無視。
……コックのその魔力についてきたまでであり、この僕にはついてきたわけではない為、僕に対してはこの有り様である。
……ただ当の本人もコックからは家畜呼ばわりされているが。
このヘンテコ集団、いや、くいなは半分入っているようで入ってないものなのだが、今はこの4人で生活している。
僕たちも食糧がないからか、くいなが(なぜか)僕たちの分まで食糧とってきてくれるおかげで、生計を立てることができている。
だからこその金欠。僕たちは今、膨大な金を欲していた。
そんな最中に飛び込んで来た話———否、白さんが口にしたものは。
「魔武道大会、出るぞーーーーっ!」
「勝手に入ってこないでください、めちゃくちゃビックリしました」
僕には全くもって無縁だと思っていた、魔武道大会についての話だった。……と言うか、いきなり来るのは流石に少しビビる。
「……お?…誰だ、そいつら?……まあいっか、とりあえずセン、魔武道大会出て優勝するぞ!」
「……いや、僕が出たって勝てはしな……」
「大丈夫だって、バトルロイヤルなんだから俺がサポートする、優勝賞金だってお前らにやるからとりあえず出るぞ! 安心しろ、負けたって死にはしないから!」
「賞金が出るってなら……もちろんやりますよ、ただでさえコックの修復で金欠なんですから」
「マスター、いらしたのですね!」
「ああ———なあセン、コックの修復はいつになりそうだ? 修復が終わったら連れて行かせたい場所があってな」
「修復は……分かりません、後1年くらいはかかると……」
「おっけ、ありがとな、セン。それじゃまた2週間後、王都で会おう」
颯爽と、その人影は姿を消した。
********
そして、視点はまた白に移る。
……そう、魔武道大会は2週間後の王都にて。……否、王都を中心とした西大陸全域で行われる。
……まあ、まあ? 俺が出れば優勝は間違いなしだが?
だが、だがと、念の為にサナもセンも呼び寄せて、パーティを総動員させるのは、敵にあのイデア———兄さんとレイ……など、かつてしのぎを削って殺し合った化け物も混ざり込んでいるからだ。
……それにサナが、
「今の魔導大隊は私が育てたのよ! なんたって全員の力を合わせて黒騎士だって追い払えたくらいだから!」
……だとか言ってたし、そもそもこれはバトルロイヤル。相手が何人でチームを組んで、何人がかりで俺に襲いかかるか、だなんて分かりきったものじゃないからな……
……だからこそ、準備は怠るべきじゃない。確実に勝ってみせるさ……久しぶりだ、こんなにワクワクする戦いは…!
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
絶交した幼馴染と大学の合コンで再会した。
孤独な蛇
恋愛
中学生の浅野春樹は上級生と喧嘩騒動を起こしたことがあった。
その上、目つきが悪く地毛は茶髪のため不良少年のような扱いを受けて学校では孤立していた。
そんな中、幼馴染の深瀬志穂だけは春樹のことをいつも気遣ってくれていた。
同じ高校に行こうと声を掛けてくれる志穂の言葉に応えたい一心で受験勉強にも力を入れていた。
春樹にとって、学校で孤立していることは問題ではなかった。
昔から志穂が近くにいてくれるから……。
しかし、3年生なってから志穂の態度がよそよそしくなってきた。
登下校も別々になり、学校で話しかけてくることも無くなった。
志穂の心が自分から離れていってしまっている気がした春樹は焦っていた。
彼女と話がしたい。笑った顔が見たい。
志穂と一緒に帰ろうと、彼女が部活動を行っている体育館へ向かったのだが……。
そこで春樹が耳にしたのは、自分の悪口を言って部活の友達と楽しそうにしている志穂の声だった。
その瞬間、春樹の中で志穂に対する想いや信頼は……消滅した。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。