文字の大きさ
大
中
小
157 / 256
断章Ⅱ〜最終兵器にアイの花を〜
まさかの再会
「……やっぱりそうよね、ツバサちゃんよね?!」
「あーはいはい、ツバサで~す」
なんてテキトーにあしらったら、飛んで来たのはその超重量による全力ハグであった。
「あ~だだだだだだだだだだ!!……痛い、いったあああああああ!」
「ん~、拐われたからどうなってるか心配だったけど、ツバサちゃんとニトイちゃんが生きててよかったわ!!」
……それにしても疑問だ。
カーオはレイラと一緒にいた、とディルが口にしていたはずだが……?
「っおい、アテ……ニトイには抱きつくなよ、アイツが不機嫌になったら……」
「もちろん分かってるわ、あの子が『機神』だって事も、ね?」
「な……おい、なんで知ってんだ……?」
「おっ、図星ね~?……ただの仮説だったんだけど、どうやら本当だったみたい?……まあ、色々見てたし」
そんな事を言いながら———不機嫌になった時のリスクも考慮しながらも、カーオはアテナに近づき、その頬を2、3回ふんわりとつつく。
「……ういうい」
「キャー可愛い!……流石は3番隊の癒し枠ねーーっ!」
やたらめったらご機嫌そうだ、2人とも。
「あーーもう、ツバサちゃんもニトイちゃんも大好き!……ずーっと、こうしてたいわぁ……」
「……いつも通り、どうも理解できないキャラだな……」
「理解できない、ねえ……」
……あれ、もしかして……触れちゃいけない話題だったのか……?
「あ、ああ、ごめん……気に障ったなら……謝る」
「あらぁ、珍しいじゃない、ツバサ君が自分から謝ろうなんて言い出すなんて?……別に気に障っちゃいないけど?」
「……まあ、なんか……謝らないとな、って、衝動的に思って……それよりも、気に障ってないならなんでそんなこと……」
「少し———昔の話を思い出していたの……暇だし聞いてくかしら?……私たち、第3の話」
「…………気になりは……する」
……暇じゃないんだけどな。
ゴルゴダ機関、第3番隊。
所属こそしていたものの、その全貌———過去は全くもって分からなかったこの部隊だが、それを聞ける機会がやってくるなんて……
「まず、この隊は———皆が皆、『理解されないモノ』だったのよ」
そうか、だからさっきの言葉に反応して……
「隊長は……その能力、神技故に。レイラちゃんは、その全てに向けられた無関心さ故に。私は…………この身体と、まあちょっと心が、他の人からしたらおかしかったが故に。そしてディルちゃんは……その戦場での、経験故に。
……各々がそれぞれ、個々の理由で『理解』されず、『社会から排斥されたモノ』だった。……まるで、ディルちゃんがあの時連れてきた、ツバサちゃんみたいに」
「レイラが……無関心……?……アイツ、そんな風には見えなかったけど……」
「あら、そこが気になる?……レイラちゃんは……元々、この世界の全てに無関心だったのよ」
「あの子ねえ……小学校……4年くらい……までは、きちんと頑張ってたのよ。親の金という名の愛を一身に受けて育って、勉学にも励んで、親の期待にちゃんと答える。そんな、真面目で勤勉な子だった。……成績は2番だったけど……本当に、すごい子だと思ったわ。
……けど、あの子は———人生を『楽しむ』ことを知ってしまった。……親の期待などそっちのけで、あの子は自分の人生を謳歌する事を心に決めたの。……そうしたら、親はあの子をすぐに手放した。
成績が落ち始めた瞬間、その金という名の愛を与えることを、親はすぐにやめたのよ。……徐々に右肩下がりで成績は落ちていき、親から飛び交う多数の罵詈雑言、期待に応えられないプレッシャー……その果てに、楽になりたいって気持ちから……彼女は薬に、手を出した」
「薬?……薬草……だとかそんな類のモノ……なのか?」
「あー……西大陸の人々が思い浮かべるような、そんな生優しい代物じゃ、ない。……服用した者を、廃人にすらしてみせる———そんな、悪魔の薬よ」
俯いた顔でそう告げたカーオの目には、まるで何も映っていなかったかのような———虚が流れていた。
「そうして、廃人同然になったあの子は、文字通り捨てられた。……そんな子、家に置いておいてもただの忌み子だし。
……だから、捨てられた。まるで食べ終わった容器を、『もう用はないから』と、躊躇なく捨てるように」
「そんな過去が……?」
「……でも、そこであの子と私、そしてタルム元隊長は出会った、そうして、私たちはあの子を保護したの」
「タルム……元、隊長?」
驚いた、現隊長はイチゴ……だったが、その前の隊長の話が出てくるとは思ってもいなかったからだ。
そういえば前にも、そんな人がいるって言ってたような気もするな…………
「あーはいはい、ツバサで~す」
なんてテキトーにあしらったら、飛んで来たのはその超重量による全力ハグであった。
「あ~だだだだだだだだだだ!!……痛い、いったあああああああ!」
「ん~、拐われたからどうなってるか心配だったけど、ツバサちゃんとニトイちゃんが生きててよかったわ!!」
……それにしても疑問だ。
カーオはレイラと一緒にいた、とディルが口にしていたはずだが……?
「っおい、アテ……ニトイには抱きつくなよ、アイツが不機嫌になったら……」
「もちろん分かってるわ、あの子が『機神』だって事も、ね?」
「な……おい、なんで知ってんだ……?」
「おっ、図星ね~?……ただの仮説だったんだけど、どうやら本当だったみたい?……まあ、色々見てたし」
そんな事を言いながら———不機嫌になった時のリスクも考慮しながらも、カーオはアテナに近づき、その頬を2、3回ふんわりとつつく。
「……ういうい」
「キャー可愛い!……流石は3番隊の癒し枠ねーーっ!」
やたらめったらご機嫌そうだ、2人とも。
「あーーもう、ツバサちゃんもニトイちゃんも大好き!……ずーっと、こうしてたいわぁ……」
「……いつも通り、どうも理解できないキャラだな……」
「理解できない、ねえ……」
……あれ、もしかして……触れちゃいけない話題だったのか……?
「あ、ああ、ごめん……気に障ったなら……謝る」
「あらぁ、珍しいじゃない、ツバサ君が自分から謝ろうなんて言い出すなんて?……別に気に障っちゃいないけど?」
「……まあ、なんか……謝らないとな、って、衝動的に思って……それよりも、気に障ってないならなんでそんなこと……」
「少し———昔の話を思い出していたの……暇だし聞いてくかしら?……私たち、第3の話」
「…………気になりは……する」
……暇じゃないんだけどな。
ゴルゴダ機関、第3番隊。
所属こそしていたものの、その全貌———過去は全くもって分からなかったこの部隊だが、それを聞ける機会がやってくるなんて……
「まず、この隊は———皆が皆、『理解されないモノ』だったのよ」
そうか、だからさっきの言葉に反応して……
「隊長は……その能力、神技故に。レイラちゃんは、その全てに向けられた無関心さ故に。私は…………この身体と、まあちょっと心が、他の人からしたらおかしかったが故に。そしてディルちゃんは……その戦場での、経験故に。
……各々がそれぞれ、個々の理由で『理解』されず、『社会から排斥されたモノ』だった。……まるで、ディルちゃんがあの時連れてきた、ツバサちゃんみたいに」
「レイラが……無関心……?……アイツ、そんな風には見えなかったけど……」
「あら、そこが気になる?……レイラちゃんは……元々、この世界の全てに無関心だったのよ」
「あの子ねえ……小学校……4年くらい……までは、きちんと頑張ってたのよ。親の金という名の愛を一身に受けて育って、勉学にも励んで、親の期待にちゃんと答える。そんな、真面目で勤勉な子だった。……成績は2番だったけど……本当に、すごい子だと思ったわ。
……けど、あの子は———人生を『楽しむ』ことを知ってしまった。……親の期待などそっちのけで、あの子は自分の人生を謳歌する事を心に決めたの。……そうしたら、親はあの子をすぐに手放した。
成績が落ち始めた瞬間、その金という名の愛を与えることを、親はすぐにやめたのよ。……徐々に右肩下がりで成績は落ちていき、親から飛び交う多数の罵詈雑言、期待に応えられないプレッシャー……その果てに、楽になりたいって気持ちから……彼女は薬に、手を出した」
「薬?……薬草……だとかそんな類のモノ……なのか?」
「あー……西大陸の人々が思い浮かべるような、そんな生優しい代物じゃ、ない。……服用した者を、廃人にすらしてみせる———そんな、悪魔の薬よ」
俯いた顔でそう告げたカーオの目には、まるで何も映っていなかったかのような———虚が流れていた。
「そうして、廃人同然になったあの子は、文字通り捨てられた。……そんな子、家に置いておいてもただの忌み子だし。
……だから、捨てられた。まるで食べ終わった容器を、『もう用はないから』と、躊躇なく捨てるように」
「そんな過去が……?」
「……でも、そこであの子と私、そしてタルム元隊長は出会った、そうして、私たちはあの子を保護したの」
「タルム……元、隊長?」
驚いた、現隊長はイチゴ……だったが、その前の隊長の話が出てくるとは思ってもいなかったからだ。
そういえば前にも、そんな人がいるって言ってたような気もするな…………
感想 203
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさんパーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
200万年後 軽トラで未来にやってきた勇者たち
半道海豚本稿は、生きていくために、文明の痕跡さえない200万年後の未来に旅立ったヒトたちの奮闘を描いています。
最近は温暖化による環境の悪化が話題になっています。温暖化が進行すれば、多くの生物種が絶滅するでしょう。実際、新生代第四紀完新世(現在の地質年代)は生物の大量絶滅の真っ最中だとされています。生物の大量絶滅は地球史上何度も起きていますが、特に大規模なものが“ビッグファイブ”と呼ばれています。5番目が皆さんよくご存じの恐竜絶滅です。そして、現在が6番目で絶賛進行中。しかも理由はヒトの存在。それも産業革命以後とかではなく、何万年も前から。
本稿は、2015年に書き始めましたが、温暖化よりはスーパープルームのほうが衝撃的だろうと考えて北米でのマントル噴出を破局的環境破壊の惹起としました。
第1章と第2章は未来での生き残りをかけた挑戦、第3章以降は競争排除則(ガウゼの法則)がテーマに加わります。第6章以降は大量絶滅は収束したのかがテーマになっています。
どうぞ、お楽しみください。
黄金の艦隊 マネー・パワーで歴史を変える男
俊也「平和を金で買えるなら、それに越したことはない。
戦争が避けられないなら、せめて日本が負けない力を金で買おう」
1930年代より世界経済の混乱に乗じて自らの海運会社を急成長、新興財閥を立ち上げた男の、重課金架空戦記!??
姉妹作
「零戦戦記」
「総統戦記」
も、よろしくお願いします。