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断章Ⅱ〜最終兵器にアイの花を〜
まさかの再会
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「……やっぱりそうよね、ツバサちゃんよね?!」
「あーはいはい、ツバサで~す」
なんてテキトーにあしらったら、飛んで来たのはその超重量による全力ハグであった。
「あ~だだだだだだだだだだ!!……痛い、いったあああああああ!」
「ん~、拐われたからどうなってるか心配だったけど、ツバサちゃんとニトイちゃんが生きててよかったわ!!」
……それにしても疑問だ。
カーオはレイラと一緒にいた、とディルが口にしていたはずだが……?
「っおい、アテ……ニトイには抱きつくなよ、アイツが不機嫌になったら……」
「もちろん分かってるわ、あの子が『機神』だって事も、ね?」
「な……おい、なんで知ってんだ……?」
「おっ、図星ね~?……ただの仮説だったんだけど、どうやら本当だったみたい?……まあ、色々見てたし」
そんな事を言いながら———不機嫌になった時のリスクも考慮しながらも、カーオはアテナに近づき、その頬を2、3回ふんわりとつつく。
「……ういうい」
「キャー可愛い!……流石は3番隊の癒し枠ねーーっ!」
やたらめったらご機嫌そうだ、2人とも。
「あーーもう、ツバサちゃんもニトイちゃんも大好き!……ずーっと、こうしてたいわぁ……」
「……いつも通り、どうも理解できないキャラだな……」
「理解できない、ねえ……」
……あれ、もしかして……触れちゃいけない話題だったのか……?
「あ、ああ、ごめん……気に障ったなら……謝る」
「あらぁ、珍しいじゃない、ツバサ君が自分から謝ろうなんて言い出すなんて?……別に気に障っちゃいないけど?」
「……まあ、なんか……謝らないとな、って、衝動的に思って……それよりも、気に障ってないならなんでそんなこと……」
「少し———昔の話を思い出していたの……暇だし聞いてくかしら?……私たち、第3の話」
「…………気になりは……する」
……暇じゃないんだけどな。
ゴルゴダ機関、第3番隊。
所属こそしていたものの、その全貌———過去は全くもって分からなかったこの部隊だが、それを聞ける機会がやってくるなんて……
「まず、この隊は———皆が皆、『理解されないモノ』だったのよ」
そうか、だからさっきの言葉に反応して……
「隊長は……その能力、神技故に。レイラちゃんは、その全てに向けられた無関心さ故に。私は…………この身体と、まあちょっと心が、他の人からしたらおかしかったが故に。そしてディルちゃんは……その戦場での、経験故に。
……各々がそれぞれ、個々の理由で『理解』されず、『社会から排斥されたモノ』だった。……まるで、ディルちゃんがあの時連れてきた、ツバサちゃんみたいに」
「レイラが……無関心……?……アイツ、そんな風には見えなかったけど……」
「あら、そこが気になる?……レイラちゃんは……元々、この世界の全てに無関心だったのよ」
「あの子ねえ……小学校……4年くらい……までは、きちんと頑張ってたのよ。親の金という名の愛を一身に受けて育って、勉学にも励んで、親の期待にちゃんと答える。そんな、真面目で勤勉な子だった。……成績は2番だったけど……本当に、すごい子だと思ったわ。
……けど、あの子は———人生を『楽しむ』ことを知ってしまった。……親の期待などそっちのけで、あの子は自分の人生を謳歌する事を心に決めたの。……そうしたら、親はあの子をすぐに手放した。
成績が落ち始めた瞬間、その金という名の愛を与えることを、親はすぐにやめたのよ。……徐々に右肩下がりで成績は落ちていき、親から飛び交う多数の罵詈雑言、期待に応えられないプレッシャー……その果てに、楽になりたいって気持ちから……彼女は薬に、手を出した」
「薬?……薬草……だとかそんな類のモノ……なのか?」
「あー……西大陸の人々が思い浮かべるような、そんな生優しい代物じゃ、ない。……服用した者を、廃人にすらしてみせる———そんな、悪魔の薬よ」
俯いた顔でそう告げたカーオの目には、まるで何も映っていなかったかのような———虚が流れていた。
「そうして、廃人同然になったあの子は、文字通り捨てられた。……そんな子、家に置いておいてもただの忌み子だし。
……だから、捨てられた。まるで食べ終わった容器を、『もう用はないから』と、躊躇なく捨てるように」
「そんな過去が……?」
「……でも、そこであの子と私、そしてタルム元隊長は出会った、そうして、私たちはあの子を保護したの」
「タルム……元、隊長?」
驚いた、現隊長はイチゴ……だったが、その前の隊長の話が出てくるとは思ってもいなかったからだ。
そういえば前にも、そんな人がいるって言ってたような気もするな…………
「あーはいはい、ツバサで~す」
なんてテキトーにあしらったら、飛んで来たのはその超重量による全力ハグであった。
「あ~だだだだだだだだだだ!!……痛い、いったあああああああ!」
「ん~、拐われたからどうなってるか心配だったけど、ツバサちゃんとニトイちゃんが生きててよかったわ!!」
……それにしても疑問だ。
カーオはレイラと一緒にいた、とディルが口にしていたはずだが……?
「っおい、アテ……ニトイには抱きつくなよ、アイツが不機嫌になったら……」
「もちろん分かってるわ、あの子が『機神』だって事も、ね?」
「な……おい、なんで知ってんだ……?」
「おっ、図星ね~?……ただの仮説だったんだけど、どうやら本当だったみたい?……まあ、色々見てたし」
そんな事を言いながら———不機嫌になった時のリスクも考慮しながらも、カーオはアテナに近づき、その頬を2、3回ふんわりとつつく。
「……ういうい」
「キャー可愛い!……流石は3番隊の癒し枠ねーーっ!」
やたらめったらご機嫌そうだ、2人とも。
「あーーもう、ツバサちゃんもニトイちゃんも大好き!……ずーっと、こうしてたいわぁ……」
「……いつも通り、どうも理解できないキャラだな……」
「理解できない、ねえ……」
……あれ、もしかして……触れちゃいけない話題だったのか……?
「あ、ああ、ごめん……気に障ったなら……謝る」
「あらぁ、珍しいじゃない、ツバサ君が自分から謝ろうなんて言い出すなんて?……別に気に障っちゃいないけど?」
「……まあ、なんか……謝らないとな、って、衝動的に思って……それよりも、気に障ってないならなんでそんなこと……」
「少し———昔の話を思い出していたの……暇だし聞いてくかしら?……私たち、第3の話」
「…………気になりは……する」
……暇じゃないんだけどな。
ゴルゴダ機関、第3番隊。
所属こそしていたものの、その全貌———過去は全くもって分からなかったこの部隊だが、それを聞ける機会がやってくるなんて……
「まず、この隊は———皆が皆、『理解されないモノ』だったのよ」
そうか、だからさっきの言葉に反応して……
「隊長は……その能力、神技故に。レイラちゃんは、その全てに向けられた無関心さ故に。私は…………この身体と、まあちょっと心が、他の人からしたらおかしかったが故に。そしてディルちゃんは……その戦場での、経験故に。
……各々がそれぞれ、個々の理由で『理解』されず、『社会から排斥されたモノ』だった。……まるで、ディルちゃんがあの時連れてきた、ツバサちゃんみたいに」
「レイラが……無関心……?……アイツ、そんな風には見えなかったけど……」
「あら、そこが気になる?……レイラちゃんは……元々、この世界の全てに無関心だったのよ」
「あの子ねえ……小学校……4年くらい……までは、きちんと頑張ってたのよ。親の金という名の愛を一身に受けて育って、勉学にも励んで、親の期待にちゃんと答える。そんな、真面目で勤勉な子だった。……成績は2番だったけど……本当に、すごい子だと思ったわ。
……けど、あの子は———人生を『楽しむ』ことを知ってしまった。……親の期待などそっちのけで、あの子は自分の人生を謳歌する事を心に決めたの。……そうしたら、親はあの子をすぐに手放した。
成績が落ち始めた瞬間、その金という名の愛を与えることを、親はすぐにやめたのよ。……徐々に右肩下がりで成績は落ちていき、親から飛び交う多数の罵詈雑言、期待に応えられないプレッシャー……その果てに、楽になりたいって気持ちから……彼女は薬に、手を出した」
「薬?……薬草……だとかそんな類のモノ……なのか?」
「あー……西大陸の人々が思い浮かべるような、そんな生優しい代物じゃ、ない。……服用した者を、廃人にすらしてみせる———そんな、悪魔の薬よ」
俯いた顔でそう告げたカーオの目には、まるで何も映っていなかったかのような———虚が流れていた。
「そうして、廃人同然になったあの子は、文字通り捨てられた。……そんな子、家に置いておいてもただの忌み子だし。
……だから、捨てられた。まるで食べ終わった容器を、『もう用はないから』と、躊躇なく捨てるように」
「そんな過去が……?」
「……でも、そこであの子と私、そしてタルム元隊長は出会った、そうして、私たちはあの子を保護したの」
「タルム……元、隊長?」
驚いた、現隊長はイチゴ……だったが、その前の隊長の話が出てくるとは思ってもいなかったからだ。
そういえば前にも、そんな人がいるって言ってたような気もするな…………
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