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断章Ⅱ〜最終兵器にアイの花を〜
Side-セン: せめぎ合い
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「よくできているが———それ止まりだ」
『イデアさん、フォロー頼みます!』
……と、爆剣両手に突進してくるレインを横目に援護を要請するが———。
『……イデアさん?……イデアさん?!』
既にそこには、イデアさんの姿はなく。
代わりにあったのは、おそらく人を飲み込んだであろう影。
『うっ……そ……』
既に間合いは完全に詰められていた、完璧に呆気に取られていたのだ。
既に後退しても遅い。
ならば。
『魔力障壁、展か———』
『……んうっ……さっさとしろっ!』
悠長に障壁展開システムを稼働させる機械音声に対し、珍しく声を荒げる。
カァン!
魔力障壁と接触した爆剣より、甲高い音と火花が響き渡る。
防御は成功、機体損傷はなし。
持った爆剣を振り翳したレインも、その反動に仰け反り返っている。
……が、イデアさんはどうなった?
いつの間にいなくなって/飲み込まれていた?
『いいや、今はそんなこと考えてる場合じゃ———』
ないのだ。
幸い、レインは体制を崩している。
この一瞬、この一撃、この一擲に全てを込める。
狙う時間は僅か0.3秒。
その間にCキャノンを大口径弾専用機構に変形させる。
それらを考慮した、次に撃ち出すまでの時間は———僅か2秒。
『残り弾数———』わかってるよ。たったの1発だろ。
どちらも後退している。
だが、既にCキャノンを構えた僕の方が有利だ。
後退しながら———体を後ろにのけぞらせながらの爆剣による攻撃、及び防御、それらが人間にできるとは思えない。
だからこそ、姿勢が崩れた今こそチャンスだ。
Cキャノンに装填済の概念弾は神力障壁貫通式だ、爆剣も塞いだ、この攻撃、この一撃さえ当たれば、確実に———勝てる!
『……っふ……!』
確実に狙い澄ました、命中———したはずだ、だからこそ目の前で爆発反応が起こってもらわないと困るわけで———。
「んなっ?!」
勝った、命中だ。
放たれた弾はレインの右胸に命中。一瞬その弾による穴から血が吹き出すのが見えたが———それまでだ。
「っぶっ……?!」
爆砕。
一瞬にして白き閃光がディスプレイを覆い尽くすが、僕の心には安寧が広がりつつあった。
撃ち込んだ弾は———『神力障壁貫通式Cキャノン専用大口径爆裂刻印概念弾』。つまりは概念弾が機能した瞬間、いかなる状況であろうとその場に爆発という事象そのものをもたらすのだ。
瞬間。
『……る?…………える?……聞こえる?……こちら、こちら———15。……応答して?……応答、して?』
ノイズ混じりでトランシーバーより聞こえるその声は紛れもなく、くいなのものであった。
15、ソレはくいなの乗るサイドツーの識別番号だからだ。
『……了解。こちら01。繰り返す、こちら01。要件を———』
『了、解、状況報告…………異様な……回廊に……でた』
『了解、その他の状況を報告せよ。繰り返す、状況を報告せよ』
『…………青い……細長くて……光ってる通路、奥には……下への階段……が……あり……ある』
『了解。…………おそらくそこは神核への道だ。全軍、そこにて待機。全軍、そこにて待機だ。……敵を捕捉した場合は即座に迎撃を行え』
『…………了解。……いたら、銃口を口内に詰め込んで……乱射する。……ぶちまけた……脳漿は……踏み躙る。……どうぞ?』
少しばかり乱暴に言ってみたらこの様だ、加虐心がいささか強すぎるのではないか僕の嫁は。
『了解。…………あまりほどほどにしといてね……』
『了解。……さら———』
音声はそこで完全に途切れてしまった。
熱くなりすぎた、語尾までいつもの僕と入れ替わってしまった。
……やっぱダメだな、トランシーバーを持ったりするとつい心が踊って———待てよ?
『イデアさん、フォロー頼みます!』
……と、爆剣両手に突進してくるレインを横目に援護を要請するが———。
『……イデアさん?……イデアさん?!』
既にそこには、イデアさんの姿はなく。
代わりにあったのは、おそらく人を飲み込んだであろう影。
『うっ……そ……』
既に間合いは完全に詰められていた、完璧に呆気に取られていたのだ。
既に後退しても遅い。
ならば。
『魔力障壁、展か———』
『……んうっ……さっさとしろっ!』
悠長に障壁展開システムを稼働させる機械音声に対し、珍しく声を荒げる。
カァン!
魔力障壁と接触した爆剣より、甲高い音と火花が響き渡る。
防御は成功、機体損傷はなし。
持った爆剣を振り翳したレインも、その反動に仰け反り返っている。
……が、イデアさんはどうなった?
いつの間にいなくなって/飲み込まれていた?
『いいや、今はそんなこと考えてる場合じゃ———』
ないのだ。
幸い、レインは体制を崩している。
この一瞬、この一撃、この一擲に全てを込める。
狙う時間は僅か0.3秒。
その間にCキャノンを大口径弾専用機構に変形させる。
それらを考慮した、次に撃ち出すまでの時間は———僅か2秒。
『残り弾数———』わかってるよ。たったの1発だろ。
どちらも後退している。
だが、既にCキャノンを構えた僕の方が有利だ。
後退しながら———体を後ろにのけぞらせながらの爆剣による攻撃、及び防御、それらが人間にできるとは思えない。
だからこそ、姿勢が崩れた今こそチャンスだ。
Cキャノンに装填済の概念弾は神力障壁貫通式だ、爆剣も塞いだ、この攻撃、この一撃さえ当たれば、確実に———勝てる!
『……っふ……!』
確実に狙い澄ました、命中———したはずだ、だからこそ目の前で爆発反応が起こってもらわないと困るわけで———。
「んなっ?!」
勝った、命中だ。
放たれた弾はレインの右胸に命中。一瞬その弾による穴から血が吹き出すのが見えたが———それまでだ。
「っぶっ……?!」
爆砕。
一瞬にして白き閃光がディスプレイを覆い尽くすが、僕の心には安寧が広がりつつあった。
撃ち込んだ弾は———『神力障壁貫通式Cキャノン専用大口径爆裂刻印概念弾』。つまりは概念弾が機能した瞬間、いかなる状況であろうとその場に爆発という事象そのものをもたらすのだ。
瞬間。
『……る?…………える?……聞こえる?……こちら、こちら———15。……応答して?……応答、して?』
ノイズ混じりでトランシーバーより聞こえるその声は紛れもなく、くいなのものであった。
15、ソレはくいなの乗るサイドツーの識別番号だからだ。
『……了解。こちら01。繰り返す、こちら01。要件を———』
『了、解、状況報告…………異様な……回廊に……でた』
『了解、その他の状況を報告せよ。繰り返す、状況を報告せよ』
『…………青い……細長くて……光ってる通路、奥には……下への階段……が……あり……ある』
『了解。…………おそらくそこは神核への道だ。全軍、そこにて待機。全軍、そこにて待機だ。……敵を捕捉した場合は即座に迎撃を行え』
『…………了解。……いたら、銃口を口内に詰め込んで……乱射する。……ぶちまけた……脳漿は……踏み躙る。……どうぞ?』
少しばかり乱暴に言ってみたらこの様だ、加虐心がいささか強すぎるのではないか僕の嫁は。
『了解。…………あまりほどほどにしといてね……』
『了解。……さら———』
音声はそこで完全に途切れてしまった。
熱くなりすぎた、語尾までいつもの僕と入れ替わってしまった。
……やっぱダメだな、トランシーバーを持ったりするとつい心が踊って———待てよ?
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