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断章Ⅱ〜最終兵器にアイの花を〜
Side-セン: 鬼血覚醒
被ってしまった。
血を。
頭から。
その額にある、ツノに向けて。
吸い寄せられるように、着水する。
血の、味だ。
血の、匂いだ。
そうだ、僕はコレが好きで好きで好きで仕方なかった。
奥歯を強く噛み締める、鉄の味が頭全体に霧のように広がる。
「ふへ……ふふふは……っ!」
すぐさま前方にて巻き起こる、紅の魔力斬撃。
項垂れるようにゆらゆらと歩き始める。
「…………鬼の血か、つくづく厄介な者どもだ」
「……僕、は……そう、だ……この血だ、この血の味を求めていた、この血が欲しくて欲しくて仕方なかったんだ、僕のツノは!」
とてつもない高揚感。
瞬く間に身体を支配した興奮。
率直に言おう。
おいしかった。
「さあ……来いよ、来いよ来いよ来いよ……!……僕を殺すんだろう、殺してみせるんだろう、その首を差し出すつもりだったんだろう?!……ならばさっさと来いよ、僕もはやくやりたくて仕方がないんだ……!」
全身の神経が逆立つ。
首の筋はいつもより鋭く引き締まり、額のツノは更に肥大化する。
眼前が、血の紅で飲まれてしまう。
「『祝福儀礼の爆剣』、貴様にはこの意味が分かるか?」
「ヒトならざるモノに対する特効武装、だろ、それがどうした?」
「…………既にヒトとしての自分を見失った今の貴様には、この剣が最も効く———そんな話をしているのだ」
「だからなんだよ……お前とは後腐れなく殺し合うだけだ、エクソシストっ!!!!」
動いた。
自分の主観じゃ、たったの一歩、踏み出しただけだというのに。
既に僕は、その肉塊の前まで迫っていた。
「にぃ……!」
「…………くだらん」
瞬間、肉塊は直下に爆剣3本を投げつける。
だが、だがだ。所詮は———当たらなければ良い話なのだから。
「ふんっ!」
ありったけの力を込めた———いつの間にか込もっていた拳を乱雑に地に打ち付け、爆剣の刺さった地面ごと抉り取る。
「なん……だと……っ?!」
そのまま爆剣は、飛び上がった地面と共に真上にて爆発四散。
壮観だった。
飛び散る破片も、あまりの速さに驚く肉塊の顔も、全てが面白くて仕方なかった。
だって、あまりにも弱過ぎるのだから。
弱い、弱い、弱い!
「……お前のような雑魚が、僕の前に立つ資格なんて———!」
「強制拘束制御用神術式、断片解除」
瞬間、肉塊———レインのその黒き修道服の下より、何やら奇妙な蒸気が噴き出る。
———この蒸気……もしや元々は神力か?
いいやそんなことは関係ない、後にやることはコイツを僕がズタズタに引き裂いて嬲り殺すだけだ、むしろそうしなきゃ———僕の、僕たちの怒りは収まらない!
…………あれ。
僕は、何の為に———戦っていたんだっけ。
その迷いは、絶望へと切り替わるスイッチだった。
血を。
頭から。
その額にある、ツノに向けて。
吸い寄せられるように、着水する。
血の、味だ。
血の、匂いだ。
そうだ、僕はコレが好きで好きで好きで仕方なかった。
奥歯を強く噛み締める、鉄の味が頭全体に霧のように広がる。
「ふへ……ふふふは……っ!」
すぐさま前方にて巻き起こる、紅の魔力斬撃。
項垂れるようにゆらゆらと歩き始める。
「…………鬼の血か、つくづく厄介な者どもだ」
「……僕、は……そう、だ……この血だ、この血の味を求めていた、この血が欲しくて欲しくて仕方なかったんだ、僕のツノは!」
とてつもない高揚感。
瞬く間に身体を支配した興奮。
率直に言おう。
おいしかった。
「さあ……来いよ、来いよ来いよ来いよ……!……僕を殺すんだろう、殺してみせるんだろう、その首を差し出すつもりだったんだろう?!……ならばさっさと来いよ、僕もはやくやりたくて仕方がないんだ……!」
全身の神経が逆立つ。
首の筋はいつもより鋭く引き締まり、額のツノは更に肥大化する。
眼前が、血の紅で飲まれてしまう。
「『祝福儀礼の爆剣』、貴様にはこの意味が分かるか?」
「ヒトならざるモノに対する特効武装、だろ、それがどうした?」
「…………既にヒトとしての自分を見失った今の貴様には、この剣が最も効く———そんな話をしているのだ」
「だからなんだよ……お前とは後腐れなく殺し合うだけだ、エクソシストっ!!!!」
動いた。
自分の主観じゃ、たったの一歩、踏み出しただけだというのに。
既に僕は、その肉塊の前まで迫っていた。
「にぃ……!」
「…………くだらん」
瞬間、肉塊は直下に爆剣3本を投げつける。
だが、だがだ。所詮は———当たらなければ良い話なのだから。
「ふんっ!」
ありったけの力を込めた———いつの間にか込もっていた拳を乱雑に地に打ち付け、爆剣の刺さった地面ごと抉り取る。
「なん……だと……っ?!」
そのまま爆剣は、飛び上がった地面と共に真上にて爆発四散。
壮観だった。
飛び散る破片も、あまりの速さに驚く肉塊の顔も、全てが面白くて仕方なかった。
だって、あまりにも弱過ぎるのだから。
弱い、弱い、弱い!
「……お前のような雑魚が、僕の前に立つ資格なんて———!」
「強制拘束制御用神術式、断片解除」
瞬間、肉塊———レインのその黒き修道服の下より、何やら奇妙な蒸気が噴き出る。
———この蒸気……もしや元々は神力か?
いいやそんなことは関係ない、後にやることはコイツを僕がズタズタに引き裂いて嬲り殺すだけだ、むしろそうしなきゃ———僕の、僕たちの怒りは収まらない!
…………あれ。
僕は、何の為に———戦っていたんだっけ。
その迷いは、絶望へと切り替わるスイッチだった。
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