鬼将軍はムッツリ宰相に抱かれたい

夏芽玉

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4.性欲*

 濃厚なキスをしながら、ダンカンはオレの身体のそこかしこを触ってきた。
 喘ぎ声すらキスに飲みこまれる。
 娼館のトップ男娼の技術は本物で、一瞬でオレのチンコは硬さを取り戻した。

 そのことに気付いたダンカンが、身体を起こして騎乗位で腰を振ってくる。その腰使いがまた絶妙な感じで、思わずオレの口から喘ぎ声が零れる。
 これじゃあ、抱いてんだかだかれてるんだかわっかんねぇ。
 いや、抱いてるのは間違いなくオレのほうだよな?

「なぁ、もう勃ってんだろ? サボってないで、さっさとオレを善がらせろや」

 オレに腰を振らせる隙を与えないようなエグイ腰使いをしながら、なんつーことをいうんだ、こいつは。
 この腰使いを知っているのがオレだけでないということに、今更ながら絶望を感じる。その絶望をあっさり上書きしてしまうくらいに気持ちいいのがなんだか腹立たしい。

「な……なんで、おまえは男娼なんてやってんだよ」
「だって、好きな奴がなかなか振り向いてくんなくてさー」

 な、なんだと……? ダンカンには好きな奴がいたのか……?
 そのことを知って、一瞬目の前が真っ暗になる。
 だけど、チンコに与えられる気持ち良さですぐに現実に引き戻された。
 やばいやばい。意識をしっかり保っておかねーと、またあっさりとイかされちまう。

「性欲発散のために武器をぶんまわしてても、いっこうにムラムラはおさまんねぇしよ」

 こいつの強さの原動力は、まさかの性欲だった。
 しかも、性欲が強すぎて将軍にまでなっちゃったってことか!? そんなのアリかよ……
 規格外の強さの理由にオレは呆れた。まぁそれでも、好きなものは好きなんだけど。

「オレは顔を見ただけでムラムラしちまうってのに、そいつは目の前で脱いでも、一緒に風呂に入っても、同じ布団で寝ても、全く反応しやがらねえ」

 誰だ。そんな不届きモノは。
 オレからすれば、そんなシチュエーションはご褒美以外のなにものでもないのに。
 いや、実際そんな場面に遭遇したら自分の性欲を押さえる苦行も当然ついてくるのだが、そんなのはもう慣れっこだ。

「だから、おまえは男には全く興味がねぇんだと思ってたんだがよ。初恋拗らせてこんなところまで来ちゃうくらいには、オレのこと好きだったんだな」
「は、はぁ……?」

 ここで、なんでいきなりオレの話になったんだ?
 話についていけなくて、オレは目をパチリと瞬かせた。

「ここまで言ってもまだ気付かない鈍感野郎のこと好きになっちゃったオレのこと可哀想だと思うなら、てめぇもちっとは動け」
「は、はぁっ……!?」

 なんでオレがダンカンを慰めてやんなきゃなんねーんだよ。
 どう考えても、可哀想なのはオレのほうだろうが。
 初恋を忘れるためにここに来たっていうのに、噂の男娼はまさにその相手で、しかもそいつには好きな奴がいて、振り向いてもらえないから慰めろだなんて……ああ、もうなんだかだんだんムカついてきた!

「はっ、それなら……今後オレ以外には抱かれないって約束できるなら、動いてやってもいーぜ」

 こうなりゃ身体だけの関係でもいい。
 ダンカンも男が好きだったなんてのは想定外だったが、それならオレが身を引く必要はないってことだ。そんな恋、オレが一生をかけて邪魔してやる。

「望むところだ。ちゃんとオレを満足させろよ」

 軽く腰を揺すられるだけで、腹が立つくらい気持ちがいい。
 そもそも、この体勢が良くない気がする。こいつを上に乗っけてるから主導権を握られるのだ。

「それじゃあ、まずはオレの上から退いてケツを出せ」
「え、このままじゃダメなのか?」
「重ぇんだよ!! てめぇ、自分の体格のこと考えろっ!! 日々デスクワークしかしてない中年男が自分より体格の良い相手を上に乗せてガシガシ腰が振れると思ってんじゃねぇ!! んなことしたら、イく前に腰が壊れるわっ!!」

 腹に力を入れて叫んだら、とりあえずは納得してもらえた。
 腰を上げてチンコを解放されたが、ダンカンのアナルはギリギリまで吸い付いてきて、最後にチュポンと音を立てた。くそぉ、何されても気持ちがいいなんて。

「んで、リクエストはこうか?」

 ベッドに腹ばいになって腰だけ高く上げたダンカンが、振り向いて言った。
 先程までオレが入っていた部分を見せつけるように突き出している。アナルは完全には閉じきっておらず、中までしっかり見えた。しかも、物欲しそうにクパクパとヒクついているじゃないか。どこからどう見ても、卑猥だ。卑猥すぎる。

「強くされるのが好きなんだ。遠慮は要らねぇぜ。思いっきり来いや」

 しかもダンカンは両手で尻タブを左右に拡げて煽ってくる。
 入口にチンコを押し付けた時までは、イイところを探し出してじっくりと苛めてやろうと思ったのに、先っぽがアナルに飲みこまれた瞬間、ズポンッと吸い込まれるみたいに一気に奥まで挿入はいってしまった。

「んんっ……!!」

 またぶっ放してしまいそうになるのを、唇を噛んで耐えた。
 流石に二連発でやらかすのは、バツが悪すぎる。
 だけど、勝手に腰が動いてしまうのは自分の意思じゃどうにも止めらんねえ。

「あー、この童貞の余裕のないカンジ。いいねぇ」
「くっ……、そりゃどーも」

 やっぱり、こいつの尻の具合は最高に良い。
 イきたい。早く全部ぶちまけて、楽になってしまいたい。
 そんな衝動に駆られるけれど、オレばっかりが気持ち良くなってるのがどうにも癪に障る。

「なかなかイイ腰つきするじゃねーか」
「はっ、まだまだこれからが本番だっつーの」

 激しく腰を振ればダンカンも感じているような反応をしてくれるが、まだ余裕がある様子が気に食わない。
 しかし経験豊富なこいつに対して、オレができることって何だ……?
 こいつが今までの客にされたことがなさそうなことは、何かねぇのか?
 早くしないと、このまままたオレだけ射精しイってしまいそうだ。
 少し悩んだ後、オレはダンカンの前に手を伸ばした。
 そして、腰を振りながらやわやわとチンコを扱いてやる。

「あっ、ちょっ!! まて!! そんな、一緒にだなんて……、んぁあっ!」

 切羽詰まった声が聞こえると同時に、ギュンギュンと中を締め付けられた。今までで一番エグイ吸い付きだ。
 だが、それよりも、予想が当たったことに、オレはニヤリと口元を歪めた。

 偽名を名乗ろうが変装しようが、こいつが鬼将軍のダンカンであることは疑いようもない。ということは。今までの客は、感じれば感じるほど委縮してしまい、こいつの性器に触れるなんてことはできなかったんじゃないだろうか、と思ったんだ。

「どーだ、気持ちいいか?」

 ダンカンの反応から余裕が消え去って、すげぇイイ気分だ。
 このままさっさとイきやがれ。じゃなきゃ、こっちが持たねぇ……
 オレは本気で腰を打ち付けながら、ダンカンのチンコを扱いた。

「ほんと、それヤバっ……んなことされたら、ムリだっ!! んぁっ、あっ……い、イク……!! ああ、ダメだ。おい、キスしろっ!! 早くぅっ!!」
「おっ……おぉ……っ、んんんんっ!!!!」

 なりふり構わない様子で振り向いてきたダンカンと唇を合わせる。
 その直後に、背中を震わせながらオレの掌にダンカンが精を放った。それと同時にぎゅうぎゅうと搾り取られて、オレもダンカンの中に射精したのだった。



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