僕は本当に幸せでした〜刹那の向こう 君と過ごした日々〜

エル

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過去~高校生編2

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ーside 水野慶太ー


無事に共通テストも終わり次は本当に本番だ。

共通テストの結果は、全体の95%は取れてたからこのまま行けばT大は大丈夫だと思う。


玲人もS大に合格するだろう。


とりあえず二月後半にある前期試験。

これが今の僕が向かうべきところ。


ここで気を緩めるわけにはいかないので僕はひたすら勉強に取り組む。


玲人は今ではもう毎日僕と一緒に『勉強』をするようになってる。

学校は自由登校になってしまったから僕らは毎日一緒に図書館へ。



そして二月に入って、寒さもピークを迎える。

木枯らしがぴゅ-と吹いては身をすくめる僕。

そんな僕に玲人は優しく自分のマフラーを巻いてくれる。

初めは「いいよ。玲人が寒いでしょ?」と断ってたけれど、返される答えはいつも「慶太にして欲しい」だから。

もう僕は断る事もしなくなってた。



そんな日常が続いていたとある日。

「慶太…今日だけどさ。今日だけ、図書館やめないか?」

いつもの道を二人で歩いていると急に玲人がつぶやく。


「なに?何か用事あるの?」

「いやさ…今日だけ。…だめか?」

「…試験もうすぐなんだよ?分かってる?」

「分かってるよ、それは。でも今日だけ。頼むよ」

「……そんなに大事な事なの?」

「あぁ」

「…分かった」

玲人から感じ取れる空気感と言うか、雰囲気ががいつもと違って僕は断れなかった。


「マジで?じゃ…今からさ、俺んち来て?」

「いい…けど?」

「そっか、よかった。行こうぜ」

「…うん」


本当にどうしたんだろう。

最近の玲人は、優しいというよりも何かにおびえてるみたいだ。

それが何なのか僕にはまったく分かっていなかった。


玲人に言われるまま僕たちは玲人のマンションへと向かった。


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