乙女ゲームに転生したらチートだったけど平凡に生きたいのでとりあえず悪役令息付きの世話役になってみました。

おでかけ

34.タイトルつけるの面倒くさい…。

「ソレ、とりあえず人型になってよ。黒い獣とかほんと目立つんだ。」

〘ふむ。〙


素直に大きな狼は黒のロング髪の見麗しい美青年となった。来ている服はどっちかと言うと中国のチャイナより。でも顔とかはヨーロッパ風である。


「ほぅ。」と女性のリーシャならずフレドリックまでもが息をつく程に。


「んんっ、これで良いか。」

脳内に響くような声は人間の声器を手に入れ鈴のような美声となっている。

「まぁ、これは私の使い魔のソレです。」


「これとはなんだ。」


「勝手に使い魔になったくせに。」


フレドリックは今まで一緒にいたのに初めて見るイオの使い魔に複雑な心境だった。


(僕のイオなのに…。)

なんかとても楽しそう。




「しかし、リーシャさんの話だと随分と長いこと封じてた見たいですがまだ800年も経ってないんですね。」


ぽーんとそんな大きな数字をまだと言い張るのか。

「この龍生まれた時母龍がいなかった為の癇癪が大きくて、つい膨大に魔力を放出してしまったらしいんです。
強がってるけど、人間の年齢だとまだ9歳にも満たない子どもです。」



『な、私を侮辱するの……』

言い終わらないうちに、龍の方へ顔を向けたイオをみて、赤い龍は真っ青になる。


(一体どんなことしたら龍に恐れられるんだよ。)


ほんとこいつは…。