HOTEL L'ÉTOILE NOIRE(金色の虹彩 Ⅱ)
銀杏並木のカフェでの再会。その裏側で、高瀬葉月と相沢拓磨は、高級ホテルのスイートルームで密会を重ねていた。しかし、二人が溺れるのは情欲ではない。行われていたのは、拓磨による葉月の「記憶の解剖」だった。
かつてラグビー部のスターだった拓磨は、ある特異な因果によって、論理と引き換えに圧倒的な感性を得る「ロゴシス遺伝子」を発現させていた。その証である「金色の虹彩」に見つめられ、葉月は己の過去を、誰にも見せたことのない冷酷で狡猾な本性を、一つずつ告白していく。
幼少期の避暑地での滑落事故。自分を救い、右手に消えない傷を負った幼馴染・裕也への、感謝と支配が入り混じった歪んだ愛。 高校時代、観客の視線を奪うために自ら負傷を演じた、あの日。 そして、親友・綾から拓磨を奪うために、彼女に近づき「完璧な友人」を演じ続けた歳月――。
「私はハンターなの。獲物を追い詰め、標本にするのが最高の快感」
葉月の語る物語は、拓磨が執筆する「小説」のプロットとして再構築されていく。拓磨は葉月をモデルにした主人公が、綾との絆を断ち切るための「残酷な台本」を書き上げていく。それは、葉月にとって屈辱的な解剖であると同時に、至上の悦びでもあった。
ホテルの創業記念品として渡された、シリアル番号「044」と「045」のレザーストラップ。 それが第1部『Café Lumière』で綾が見つけた「疑惑の証拠」へと繋がっていく。 すべては拓磨の描く筋書き通りなのか。それとも、葉月の狂気が彼を動かしているのか。
愛と羨望、知性と直感。 二組の夫婦の運命が、夕陽に染まる「ホテル・レトワール・ノワール(黒い星)」で決定的に狂い始める。 人間の本質(エッセンシャル)を抉り出す、衝撃のミステリー・サスペンス第2幕。
かつてラグビー部のスターだった拓磨は、ある特異な因果によって、論理と引き換えに圧倒的な感性を得る「ロゴシス遺伝子」を発現させていた。その証である「金色の虹彩」に見つめられ、葉月は己の過去を、誰にも見せたことのない冷酷で狡猾な本性を、一つずつ告白していく。
幼少期の避暑地での滑落事故。自分を救い、右手に消えない傷を負った幼馴染・裕也への、感謝と支配が入り混じった歪んだ愛。 高校時代、観客の視線を奪うために自ら負傷を演じた、あの日。 そして、親友・綾から拓磨を奪うために、彼女に近づき「完璧な友人」を演じ続けた歳月――。
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ホテルの創業記念品として渡された、シリアル番号「044」と「045」のレザーストラップ。 それが第1部『Café Lumière』で綾が見つけた「疑惑の証拠」へと繋がっていく。 すべては拓磨の描く筋書き通りなのか。それとも、葉月の狂気が彼を動かしているのか。
愛と羨望、知性と直感。 二組の夫婦の運命が、夕陽に染まる「ホテル・レトワール・ノワール(黒い星)」で決定的に狂い始める。 人間の本質(エッセンシャル)を抉り出す、衝撃のミステリー・サスペンス第2幕。
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相沢綾は、ささやかな幸せと、拭いきれない劣等感の狭間にいた。 眩いほどに美しく、すべてを兼ね備えた「王女」のような親友・高瀬葉月。 一方、綾の夫・拓磨は、かつてのラグビー部のスターとしての輝きを失い、今は閑職に追いやられ、自室に籠もって不可解な「小説」を書き続ける日々を送っている。
二年前、銀杏が黄金に染まる頃、あのカフェで、何かが狂い始めた。
久しぶりに再会した葉月は、以前と変わらず優雅に綾を包み込む。しかし、綾の心には微かな違和感が芽生えていた。葉月の体から消えた、かつて記憶に深く刻まれたはずの「あの香水の匂い」。そして、夫・拓磨が「上司(葉月の夫)からもらった」と語っていた、限定品のレザー・ストラップ。
会話が進むにつれ、穏やかだった再会の場は、逃げ場のない心理的な檻へと変貌していく。 葉月が綾にくれる高価すぎるプレゼント、そして語られる「ロゴシス遺伝子」の衝撃的な真実。 数十万人に一人、青年期に発現し、論理や計算能力を奪う代わりに、圧倒的な感受性と表現力を与えるという特異な遺伝形質。その発現の証は、瞳の虹彩に浮かび上がる「薄い金色の環」だった。
「拓磨さんが書いているのは、男と女の愛の話よ」
葉月の口から語られる「夫の小説」の内容。それは、綾が信じていた友情の裏側に潜んでいた、凄絶な略奪の記録だった。学生時代からの羨望、二組の夫婦の交錯、そして秘められた情事。葉月の告白は、綾の精神を焼き尽くす炎となって襲いかかる。
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