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2章

【閑話】鈴木君のお話

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【注意事項】今回はモブの鈴木君視点で書かせて貰いました、鈴木って誰やねん!!ごもっとも…お暇つぶしにお付き合い頂けると幸いです





キラキラ恋愛高等学園 1年c組 小野亜香里、背が低く少し茶色の地毛にセミロング、注意深くみるとクリクリした目は愛嬌がありチョコマカ素早く動き回る機敏さはまるでリスみたいな女の子だ。



僕の席の隣の彼女は、初対面からなかなかに失礼な奴だった



『鈴木君が隣で良かったわ』


『なんでだい小野さん?』


『鈴木君みたいな名前も容姿も中の中!モブオブザッモブの貴方の隣なら悪目立ちせず、穏やかな学校生活が送れそう♪』


『小野さん初対面から君なかなか失礼な人だね、君だって平凡とは君の様な人だと言える容姿をしているのに…』



つい剥きになって言い返せば、私はそんな事ない何言ってるのよ!キーーーと高飛車な返し罵倒を身構えていたら

彼女は嬉しいそうに僕の手を握りブンブン上下に振るって喜ぶのだ。

ニッコリ目を細めて笑う顔におもわず見惚れながら彼女の発言を聞けば



『鈴木君貴方とっても良い人ね♪そうなの私はモブ界のモブオブザッモブのモブ娘なのよ、目立ず大人しく己の信念を密かに突き進む。それだけで幸せを感じるモブ娘なの、さすがモブ男よくモブの事をわかっているわ♪』


『誰がモブ男だよ!!』


『褒め言葉なのに…残念…』



シュンとする小野さんが、ちょっぴり可愛いと思ったがモブ男と言われて面白くは無い、確かに僕の容姿はイケメンで無いが、自分的にはそこそこ整った顔をしてると思っていたから…

ま~そこからはお隣さん同士、教科書とか筆記用具とかお互いが忘れれば見せ合ったり貸し借りし合うぐらいには仲良しになった。



『小野さん…今日の君…臭いね…』


『鈴木君女子に向かって朝から臭いとはなかなか失礼な事を!』


『だってニンニク臭が、その鞄からモヤモヤと…』


『そうなの大好きな先輩が元気ないから、元気づけようと思ってねレバニラ炒めを作ってきたの♪』



大好きな先輩だって?おや自称モブ娘を名乗ってるわりに、なかなかに活発的に行動してるのかな?小野さんは部活にも委員会にも入ってないから先輩方と交流など無いと思うのだが…



『なぜ…元気の無い人にスタミナをつけようとするのかよくわからないけど…』


『はっっっ!?元気無い時にレバニラ炒めじゃないの?我が家は風邪やインフルエンザになった時には、レバニラ炒めをガンガン食べて元気になると小さい頃からそうやって育ってきて…ママにまた騙されたの私…』


『えっえっ…風邪やインフルエンザの時にそんな消化に悪いを食べてるの…?それも先輩は精神的に元気が無いだけなんじゃないの?』


『はぅぅぅ!?精神的になの?そうだったのピヨ男さんに何が…でも私元気になって貰え様に頑張るわ!!鈴木君も応援してね!』



ピヨ男さんが誰かも知らないが、小野さんが一生懸命作ったお弁当を渡す相手はどうやら男の先輩らしい。

彼女はクラスの中では女子にも男子にも静かで大人しいキャラを装って敬語でいる、しかし僕には砕けた会話をしてくれ、なかなかに良い友情を築いて居たとは思ってたが、僕の知らない友人関係を築いているようだ。





なにやら小野さんが最近キラキラしている、お昼休みになるのが待ち遠しいらしく、チャイムが鳴ればすごい勢いで食堂へと向かって走っていく。

男友達と食堂に行った時に、ふっと小野さんを探してみれば座席の端っこの方で、楽しげに男子と話して居た。瞳をキラキラと輝かせ終始笑顔の彼女は端からみてても恋する女の子だった…

僕と話す時に感じない、可愛いらしい女の子がそこには居た…


なんだか悔しくなって、小野さんと話す相手を偵察すれば頭をヒヨコの様にチョンマゲ結いし、牛乳瓶底眼鏡をかけた…僕が言うのもなんだそれはそれは見事なほどダサ男だった。


小野さんそんなダサ男より…モブオブザッモブのモブ男だけど僕にしなよっていい募りたくなり、なぜだか焦っている僕がいた。二人の邪魔してやろうかと悪戯心まで湧きだし、気付けば小野さんとダサ男に向かって歩いて行っていた。



「小野さんいつも此処でご飯してたんだね」


「おや鈴木君ではございませんか、存在感無しシールド全開!!にして空気みたいな存在感になっていたのに、さすがモブ男さんですね♪」


「それは誉めてるの?貶してるの?」


「勿論誉めてますよ」



ニコリと微笑む小野さんが可愛い…

僕も彼女とお昼ご飯を食べたい、彼女が作ったお弁当を食べてみたい。おもわずダサ男の方を向いて僕と彼女は仲良しなんだと見せつけてやる。



「あかりんお友達…?」


「はい!!モブオブザッモブの鈴木君です。彼には近親感が湧いて仲良くなりました♪」


「そうなんだ。初めてましてなってます。どうぞこれからも仲良くしてくださいね…」



なんだと…


ダサ男だし人見知りしてモゴモゴするかと思いきや、まるで宣戦布告するかの様に牛乳瓶底眼鏡ごしから睨まれてる気がするぞ、それに小野さんを呼びしやがって



「勿論仲良くしますよ…これからもっと親しくなるかもしれませんがね…」


「ほぇ…?鈴木君どったの…?」


「ふぅ~ん…なるほどね、君なかなか地味な容姿なわりに攻撃的なんだね…」



バチバチと睨み合うモサ男と僕…


ダサ男に地味な容姿と言われたくないし、小野さんをコイツに取られたくない。

無言で何秒間か睨み合い、小野さんはキョロキョロと僕とダサ男を交互に見て慌てる。

僕もなんでこんなにむきになってるんだろ…



「あぁぁぁぁぁ!?やめてぇぇぇーー!」



小野さんが慌てるように立ち上がる、僕とモサ男の喧嘩を止める様に立ち上がり、睨み付け合う僕達を制止する



「酷いよぉぉぉ!!鈴木君!」


「えっ!?」



僕…小野さんに酷い事したっけ?



「ピヨ男さんも酷いよぉぉぉ!?二人で熱い目線送り合っちゃって、ヤダヤダお互い一目惚れとかじゃないよね?ピヨ男さんは私の物だから取らないでぇぇ~鈴木君みたいなタイプはネコさんだからピヨさんの好みなのよぉぉ。」


「えっ!?」



小野さん何言ってるの…?

意味がわからなく首を傾ける…



「キィィィーー鈴木君の首傾けなんて、まんまピヨ男さんが虐めたくなる可愛さじゃない。まさかこんな所にライバルが、レッド以外にも私の友達まで魅了するピヨ男さんなんて恐ろしい子!!」


「あかりん…君はいつも僕を色んな人とくっ付けたがるね…」



小野さん…君の思考はどうなってるんだい?

何故僕がこのダサ男に一目惚れって話になるんだ、どう考えても君を取り合っていただろ。



「だってぇ~だってぇ~見つめ合ってたもん、鈴木君は良い人だけどノンケだからダメだよピヨ男さん…そこを教えこみたいとか考えちゃダメよ…」



小野さんが必死にダサ男の手を取り懇願している。



「僕はあかりん一筋だよ…だから邪魔しないでね鈴木君…」


「そうだーそうだー!鈴木君私のピヨ男さんを誘惑するのをやめてよね!」



なんだろう…無性にイライラする…

今ハリセンがあったら小野さんを力一杯殴りたい衝動にかられんですけど。


悔しいがどうやら僕がこの二人のお邪魔虫らしい…

しょうがないから今日の所は引くかな、でもダサ男 君と彼女に隙が出来たらその時は横から邪魔してかっさらってやる!!

モブオブザッモブのモブ男とモブ娘はなかなかにお似合いだと思うからね♪

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