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磨き磨かれ、綺麗になれ……宝石(私)よ
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「今日は、出かけるよ。準備しておいて!」
ジョージアからディナーのお誘いがあり、今日は、朝から侍女やメイドが忙しそうに動き回っている。
デリアによって髪を艶々にされ、体もピカピカに磨かれ、爪も……今日は、いったい何があるのだろうか。
ただ、外でジョージアとディナーってだけじゃないのだろうか……?
「デリア、今日は何かあるの?」
「今日は、ジョージア様と外にディナーに行かれるのですよね?」
私が質問したはずなのだが、逆に質問を返されてしまった。
「そうよ。ディナーに行くだけよ?」
「だから、主人を磨いているのですけど……」
私は、宝石か何かになったのだろうか?
こんな扱いを受けたことがなかったため、私は戸惑うばかりである。
「ディナーに行くだけで?」
「ディナーに行くだけでです!アンナリーゼ様は、筆頭公爵家の奥様になるのですよ?
みすぼらしい恰好で、よそにだせません!」
いつもみすぼらしいと言われているようで、傷つく……
真紅の薔薇のチェーンピアスを外そうとしたデリアを私は拒否する。
「これはダメ!」
「今日と結婚式の日だけでいいので、こちらにしてください!」
ジョージアにもらったサファイアの薔薇たち。私もかなり気に入っているのだが、でも、これは、私のお守りなのだ……外したくなかった。
「デリア……」
「そんな顔してもダメです。今日はこちらでお願いします!」
「どうしても……?」
「どうしてもです!」
とても逆らえない雰囲気になっていったので、しかたなく変えることにした。
チラッとケースにしまったピアスを見ると、少し光沢がなくなったような気がする。
「ねぇ、デリア。このピアス、洗浄ってできるのかしら?」
「そうですね。こちらに来てから、ずっとつけてますからね。ニコライに相談されては、いかが
ですか?宝飾職人を紹介してもらいましょう」
「そうね!そうするわ!」
光を失ってきたルビーにもちゃんと手入れをしないといけないな……と反省する。
◆◇◆◇◆
夕方になり、ドレスに着替える。
今日のドレスは、私の瞳の色に揃えて、ラベンダー色のドレスだ。
そして、ジョージアに新たに用意された一粒ダイヤのネックレスと卒業式にもらったサファイアのピアスと髪飾りをつける。
「素敵ですね!」
朝から、準備に取り掛かって、ようやくできたのが夕方であった。
私は、1日中、侍女やメイドに構われたことがなかったため、すでにぐったりしている。
扉がノックされ、入出許可をだすと、ジョージアが顔を出す。
「アンナ、準備できた?」
「できましたよ!」
こちらに入ってきて、正面に立つ。
ジョージアも着替えたようで今日も素敵な王子様だ。
「ジョージア様は、いつ見ても素敵ですね。私の知らないところで、モテるでしょ?」
「妬いてくれるの?そんなふうに言ってもらえると、俺も嬉しいな……」
最近、やたらとスキンシップが多い気がする。
今日もするっと腰に手が回って引き寄せられる。
「最近、スキンシップ多いですね?」
「いや?」
「うーん。嫌なら、投げ飛ばしてますよ?」
ふっくっくくぅ……ジョージアは笑い始める。
「なんですか?おもしろいことを言ったつもりはないんですけど?」
口をとがらせて怒っていると、ちゅっとキスされる。
「奥様、そう怒らないで。ほら、機嫌直して……」
すぅーっと、顎のラインを撫でられるとクイッと上を向かされ、再度キスをされた。
最近、ジョージアは、私をからかっているのだろうか?恋愛初心者の私を。
ジョージアにされるがままだが、キスされる前段階だけで多分、私は、真っ赤なのだが。
唇が離れ、瞼を上げるとジョージアのとろっとした蜂蜜色の瞳に私がうつっていた。
「アンナは可愛いね?」
「うるさいですよ!ジョージア様は、最近、キスでごまかしすぎですよ?何か悪いことでもしている
んでしょ?」
目がちょっと泳いでるけど……本当に何かしているのだろうか?
ソフィア以外に夫人ができるとかは、ちょっと勘弁してほしいな……とか思っていた。
「何もしてない。ほら、行こうか……」
「あやしいです!」
ほらほらと手を引かれ部屋を出ようとしたところだった。
「あ……あの……ちょっと、待ってください!」
部屋を出ようとした私たちを追いかけてきたのはデリアだった。
「ジョージア様、少しアンナリーゼ様をお貸しください」
そういって私に向き直るデリアは、手に口紅を持っていた。
さっき、口紅を引いたばかりだったのに……と思っていたが、こそっとデリアは教えてくれる。
「先ほどのキスで、口紅が取れていますので、塗りなおしますね。夕食後も、できれば塗りなおして
ほしいのですけど……」
「わかったわ!持って行ってもいい?」
「もちろんです!」
塗ってくれたあとに、薄いピンク色の口紅をデリアが渡してくれた。
「いきましょうか?」
ジョージアの腕に私の腕を絡め、上目づかいに見つめる。
「行くの、やめようか……」
「何言っているんです!私のどりょ……みんなの努力を無駄にしないでください!!」
私は、若干、ジョージアを引きずるように馬車にのったのであった。
ジョージアからディナーのお誘いがあり、今日は、朝から侍女やメイドが忙しそうに動き回っている。
デリアによって髪を艶々にされ、体もピカピカに磨かれ、爪も……今日は、いったい何があるのだろうか。
ただ、外でジョージアとディナーってだけじゃないのだろうか……?
「デリア、今日は何かあるの?」
「今日は、ジョージア様と外にディナーに行かれるのですよね?」
私が質問したはずなのだが、逆に質問を返されてしまった。
「そうよ。ディナーに行くだけよ?」
「だから、主人を磨いているのですけど……」
私は、宝石か何かになったのだろうか?
こんな扱いを受けたことがなかったため、私は戸惑うばかりである。
「ディナーに行くだけで?」
「ディナーに行くだけでです!アンナリーゼ様は、筆頭公爵家の奥様になるのですよ?
みすぼらしい恰好で、よそにだせません!」
いつもみすぼらしいと言われているようで、傷つく……
真紅の薔薇のチェーンピアスを外そうとしたデリアを私は拒否する。
「これはダメ!」
「今日と結婚式の日だけでいいので、こちらにしてください!」
ジョージアにもらったサファイアの薔薇たち。私もかなり気に入っているのだが、でも、これは、私のお守りなのだ……外したくなかった。
「デリア……」
「そんな顔してもダメです。今日はこちらでお願いします!」
「どうしても……?」
「どうしてもです!」
とても逆らえない雰囲気になっていったので、しかたなく変えることにした。
チラッとケースにしまったピアスを見ると、少し光沢がなくなったような気がする。
「ねぇ、デリア。このピアス、洗浄ってできるのかしら?」
「そうですね。こちらに来てから、ずっとつけてますからね。ニコライに相談されては、いかが
ですか?宝飾職人を紹介してもらいましょう」
「そうね!そうするわ!」
光を失ってきたルビーにもちゃんと手入れをしないといけないな……と反省する。
◆◇◆◇◆
夕方になり、ドレスに着替える。
今日のドレスは、私の瞳の色に揃えて、ラベンダー色のドレスだ。
そして、ジョージアに新たに用意された一粒ダイヤのネックレスと卒業式にもらったサファイアのピアスと髪飾りをつける。
「素敵ですね!」
朝から、準備に取り掛かって、ようやくできたのが夕方であった。
私は、1日中、侍女やメイドに構われたことがなかったため、すでにぐったりしている。
扉がノックされ、入出許可をだすと、ジョージアが顔を出す。
「アンナ、準備できた?」
「できましたよ!」
こちらに入ってきて、正面に立つ。
ジョージアも着替えたようで今日も素敵な王子様だ。
「ジョージア様は、いつ見ても素敵ですね。私の知らないところで、モテるでしょ?」
「妬いてくれるの?そんなふうに言ってもらえると、俺も嬉しいな……」
最近、やたらとスキンシップが多い気がする。
今日もするっと腰に手が回って引き寄せられる。
「最近、スキンシップ多いですね?」
「いや?」
「うーん。嫌なら、投げ飛ばしてますよ?」
ふっくっくくぅ……ジョージアは笑い始める。
「なんですか?おもしろいことを言ったつもりはないんですけど?」
口をとがらせて怒っていると、ちゅっとキスされる。
「奥様、そう怒らないで。ほら、機嫌直して……」
すぅーっと、顎のラインを撫でられるとクイッと上を向かされ、再度キスをされた。
最近、ジョージアは、私をからかっているのだろうか?恋愛初心者の私を。
ジョージアにされるがままだが、キスされる前段階だけで多分、私は、真っ赤なのだが。
唇が離れ、瞼を上げるとジョージアのとろっとした蜂蜜色の瞳に私がうつっていた。
「アンナは可愛いね?」
「うるさいですよ!ジョージア様は、最近、キスでごまかしすぎですよ?何か悪いことでもしている
んでしょ?」
目がちょっと泳いでるけど……本当に何かしているのだろうか?
ソフィア以外に夫人ができるとかは、ちょっと勘弁してほしいな……とか思っていた。
「何もしてない。ほら、行こうか……」
「あやしいです!」
ほらほらと手を引かれ部屋を出ようとしたところだった。
「あ……あの……ちょっと、待ってください!」
部屋を出ようとした私たちを追いかけてきたのはデリアだった。
「ジョージア様、少しアンナリーゼ様をお貸しください」
そういって私に向き直るデリアは、手に口紅を持っていた。
さっき、口紅を引いたばかりだったのに……と思っていたが、こそっとデリアは教えてくれる。
「先ほどのキスで、口紅が取れていますので、塗りなおしますね。夕食後も、できれば塗りなおして
ほしいのですけど……」
「わかったわ!持って行ってもいい?」
「もちろんです!」
塗ってくれたあとに、薄いピンク色の口紅をデリアが渡してくれた。
「いきましょうか?」
ジョージアの腕に私の腕を絡め、上目づかいに見つめる。
「行くの、やめようか……」
「何言っているんです!私のどりょ……みんなの努力を無駄にしないでください!!」
私は、若干、ジョージアを引きずるように馬車にのったのであった。
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