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2章
【42】閑話に近い
しおりを挟む「ご指名入ったわよ」
ニコラが茶化し気味に言う。
ギルドのクエスト掲示板に指名依頼の通達が貼られている。
内容までは書かれて無いけど、指名をわざわざ貼り出すのね。
その方が冒険者のやる気が出るのかな。
「ヴァルキリルのグフリアさんから討伐クエストの応援依頼ですね」
受付はアリアが対応してくれた。
内容はパルイ村付近に発生したダンジョンのボス討伐の応援と緊急時の救助。
そのダンジョンてロジィさんと出会った時のやつじゃないかしら。
報酬はボスの魔石とクエスト報酬の1割。
それって割良いのかしら?
「旨味があるのか分からないわね」
ニコラも同じ事思った位だから割良い事は無さそうね。
「グフリアだから良い様にしてくれてるとは思うけどね」
10日後の日付にパルイ村集合とある。
「あら、受けるなら明日には出ないと間に合わないかも知れないわね」
「受けようと思うけど、いいかな?」
みんな頷く。
「あの時のダンジョンなら気になるし」
「彼女達にはお世話になったしね」
「それじゃぁ、これから旅の準備に入ろうか。ルーシともう1人で、ガイウスさんの所行って、長く出掛ける事伝えて欲しいんだけど」
「ボク1人でも大丈夫だよ。歩いて行けるし」
「それなら助かるよ。宜しくな」
「うん」
各々別れて買い出しに出て、それをセドが馬車で回収していく手はずになってるらしくって、
「最後にガイウス邸寄るから帰りは待っててくれ」
との事。
歩いて行けるとは言っても、ギルドからガイウス邸までは寄り道しないで1時間はかかる。
まぁ急ぎじゃないし、のんびり行きましょ。
馬車を引いてる馬の中には首輪のされているのもちらほら居る。
あれが全部テイムされてるんだとしたら、ホント一般的なスキルだわ。
ルーシのスキルはレアではないし一般職向きって言ってたけども、フィジカル面では冒険者の才能があると思うのよね。
スキルって進化するらしいから、もしかしたらもっと便利なスキルになるかもしれないし。
冒険者で居なくちゃならないとは思わないけど、ウチのメンバーみたいな良い人達と出逢えたのは幸運だし、出来たらずっとルーシと一緒に居て欲しいとは思う。
王都の大半を知らないからあれだけど、こう歩いてても王都でリネットやナミル見たいに体の1部が獣化した人を全然見かけない気がする。
ダンジョン街だったら良よく見かけるのに。
獣化は冒険者向きなのかしら。馬の脚とか持ってたら飛脚に成れそうだけど。
考えてみたら、首から下の獣化は見掛けたけど、頭が変化してる人も居ないなぁ。
ナミルの猫耳は偽物だし。
そんな事考えてたらガイウス邸まで後少し。
普段目に付かない事にも気付けたりして、たまにはのんびり歩くのも良いものね。
ガイウス邸の門に鳩が1羽とまってる。
鳩って冬眠しないのかな。
分からないけど、比較的暖かい気候だから関係無いのかも。
それにしても鳩をよく見るわね。
教会にもいっぱい居たから平和の象徴だったりするのかな。
「おや、ルーシさん。平日お越しとはお珍しい」
出迎えてくれたのはピレティアさん。
「クエストで遠出するから当分帰って来れないの。伝え様と思って、ガイウスさん居る?」
「畏まりました。主人に伝えますのでお上がりになって下さい」
「ルーシ、お帰り。」
リビングで待って居ると、ガイウスさんとロジィさんが入って来た。
「ルーシ殿、いらっしゃいませ」
サンペリエの人達はいつまでも『お帰り』って行ってくれるけど、側付や使用人さん達は拠点を変えてから『いらっしゃい』と言う様になった。
彼らは仕事だから、そこら辺ちゃんと線引きしてて、アタシは好き。
ルーシもアタシも勘違いしないで済むから。
「遠出するんだって?」
「うん。ダンジョン討伐だから着いても時間掛かるんだって」
「そうなのですね。何処に行かれるんですか?」
「パルイ村の近く」
「おお、皆様と出会った場所ですね。お懐かしい」
ウサギの体になったからなのか日付の概念が希薄けど、あれから半年以上はたったのね。
「今日は1人で来たのかい?」
「うん。帰りは迎えに来てくれるって」
「それは良いね。迎えが来るまでお茶しよう」
仕事は大丈夫なのか心配になるけど、サボる口実出来てガイウスさんは嬉しそう。
テルティアとカシウスは学園に行ってるので不在。
おのずと側付きの2人も。
「ルーシは学園に通いたいって思うかい?」
リビングでお茶をしながらそんな事をガイウスさんが切り出す。
そう言えば、前にもそんな事言ってたっけ。
「15歳の年の末に入試があるから受けるといいよ。推薦も出来るしね」
ずいぶん先の話だった。後、2年弱ある。
どうなんだろう、たぶん卒業したら就職に有利とかあるんだろうけど、冒険者で生計たてられてたら必要なさそうよね。
通い出したら平日潰れちゃうし。
「まだ分かんないや」
それもそうよね。
「ガイウス様はルーシ殿がテルティア様とカシウス様と一緒に学園に通って下さったら愉快だとお考えなのです」
なるほど。それは魅力的ね。
友達も増えるかな。
「まだまだ先の話だから頭の片隅にでも置いといてくれたらいいよ」
「ルーシさん。お迎えが参りましたよ」
ピれティアさんが知らせに来てくれたので、3人で玄関に行くとツインブレスのメンバーが外で待っていた。
こう遠目に見ると、スマートな人達ね。
メンバーは特にこれが根性の別れって訳でもないので、
「帰ったら、またみんなでお邪魔します」
と玄関先で挨拶だけして宿に帰る。
「馬が変わってる?」
操縦席の隣でルーシが気付く。
言われて見れば今朝より毛色が濃くて艶やかになってる。
「長旅になるからね。よく休養取ってる馬に変えたんだよ」
馬は馬屋から借り受けてるんだったわね。
「前の子達には頑張って貰ってて、そろそろ休ませたかったから丁度良かった」
アタシのイメージだと、馬って何時間でも猛スピードで走って馬車引っ張るんだと思ってだけどそんな事はない。
人と比べればそりゃ強いし早いけど、ちゃんと疲弊する。
長旅はそれも考慮して、普段より速度が遅くなるし、休憩も沢山取るようになる。
そう考えると、行く前に替えてあげるのはいい判断ね。
「宜しくね」
ルーシが2頭に声を掛ける。
耳がピクピクしてるから伝わってると思う。
トーラインに戻り、チェイオさんとセルヴィにも長く出掛ける事を伝える。
「帰ってきたら、またお話聞かせてね」
「うん」
ここの2人も良くしてくれるし、ルーシとアタシはホント出会いに恵まれてるわ。
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