転生竜と賢者の石な少年

ツワ木とろ

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2章

【43】パルイ村ふたたび

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 王都を出て3日後、マディナの街に着いた。
 ここからパルイ村までは4日くらい。
 ここで食糧を買い足せば、村に着いた後も数日は過ごせる。
村に着けば食糧はあるだろうけど、一応ね。
 余ったら帰り分に回すから日持ちのいい物のみを集める。
 当分彩りの悪い食事が続くわね。

 この先また野宿になるのに、ここで宿に泊まらない訳がない。
 みんな思う事は同じね。
 前に来た時と比べれば粗末な宿だけど、ベッドが有るだけ幸せ。
 夕食は酒場で新鮮な物を頂く。
 昔はペットフード見たいなのしか食べられなかったのに、贅沢になんったもんだわ。アタシ。

「西だか南だかで『ポーション飴』ってのが出回ってるらしぜ」

 酒が入っている所為か、男共が大きな声で話している。
 風貌から街の住民だと思う。

「なんだい?そりゃ」
「なんでも、それ舐めてりゃ疲れないし、ちょっとした傷なら治っちゃうらしい」

 いかがわしい匂いがするわね。

「それならポーションでよくないかい?」
「固形だから持ち運び安いし、値段も安いから転んだり、火傷で使っても後ろめたくないんだと」

 ポーションは1瓶、大銀貨5枚するんだっけ。
 まぁ高価ね。軽い傷ならチビチビ使うのも気が引ける。

「安いっていくら位なんだい?」
「1個、鉄銭10枚だってよ」
「やす!それなら1度試して見たいな」
「鉱山夫とか、肉体労働者には流行り出してるんだと」
「この辺でも誰か売ってくれないかなぁ」

 男共が大きな声だったのは酒の所為じゃないかも。
 行商人風な客も居るからか、あえて周りに聞かせてる節がある。

「怪しい話ね」

 男共の話を一通り聞いてからヴィオラが言った。

「偽ポーションの時と同じじゃない?」
「噂は噂よ。何処までホントの事なのか分かったもんじゃないわ」
「そうだね。もし本当ならまた教会から調査依頼くるんじゃないかな」

 みんな真に受けてない様子。
 他の客がどうだか分からないけど。
 今のアタシ達には関係の無い話だし、早く宿戻ってベッドで寝ましょ。



 1度ベッドで寝られたお陰でパルイ村までの道のりはだいぶ楽になったと思う。
 移動式ベッドなんてあったら素敵だろうなぁ。

 パルイ村の入口には沢山の馬車が止まっていた。

「おお、早かったねぇ」

 同じように馬車を止め、降りるとグフリアが出迎えた。

「あたし達も今朝着いたばかりだよ」

 パッと見、冒険者風なのが20人くらい。

「また人数増えた?」
「まぁね」
「ワタシ達居なくても大丈夫そうに見えるけど」
「はみ出しがコボルトだって話だから保険かな」

 はみ出しとは、ダンジョンから出て来てしまうモンスターの事。
 基本そのダンジョンの1番弱いモンスターが追い出されるって話だから、はみ出しが強ければダンジョン自体の危険度も高いって推測出来る。

「あ、皆さん!お久しぶりです!」
「ティチじゃない!久しぶり。元気?」

 クロンのダンジョンで会ったっきりね。

「はい。今はヴァルキリルでお世話になってます」

 前は魔法士見たいな格好だったのに、今では両腕に丸盾着けて、両腰に剣もぶら下げて、戦士のよう。

「グフリアさん、スジャさんが話まとまったから来て欲しいって言ってました」

 スジャって誰かしら。

「ああ。分かったよ。あんた達も来てくれるかい?」

 ギルドからの出向職員。それがスジャって人なんだとか。
 村に臨時ギルドを作って討伐の補佐をするらしい。

「彼女の護衛と手伝いに人数回さなきゃならないのも、あんた達を呼んだ理由の1つだわ」

 ギルドは1人しか職員寄越さないし、治安が悪い訳じゃないけど大金を扱うから、スジャの護衛は必須。

 村長宅の前でそれらしい女性が待っている。
 隣の護衛、あれディオだわ。

「グフリアさん、そちらの方々は?」

 黒髪、褐色肌の美人さん。
 ディオはアタシ達に気付いたみたいだけど、でしゃばらず長い会釈をしてきた。

「応援で呼んだツインブレスだよ」
「初めまして。私、ルングスギルド所属のスジャ・タと申します」

 ルングスってどっか近くの街の名前かしらね。

「初めまして。ツインブレスです」
「皆さんは今回のダンジョンにゆかりがあるとか」
「ゆかりって程じゃないですけど、ギルドに通報したのは俺達が1番だったんだと思います」
「なるほど。そうだったんですね」
「予定より早く来てくれたから、契約内容変えて参加して貰いたいんだけど良いかい?」
「俺達は構わないよ」
「それでしたら、村長様の承諾得てますので中でお話しましょうか」

 中には村長さんと孫娘が居た。

「あんた達も来てくれたのかい。それなら安心さね」

 前の一件以来この村の信頼度ならウチが1番ね。
 難しい話はセドとニコラに任せて世間話を始める。
 こう言う図よく見るけど、二手に別れて情報収集してるって側面もあるみたい。

 孫娘曰く、つい最近まで軍がダンジョンの周りに塀を作ってたらしい。
 それが出来上がって周囲のモンスターも一掃して、帰っていったとの事。
 コボルトを閉じ込めるくらいだから、さぞ立派な塀なんでしょう。
 長い間村に軍が滞在していた所為で村は疲弊しているみたい。

「あやつらは盗賊とおんなじよ」

 無賃でこき使われた見たいで恨みがこもってる。
 その点、ギルドは宿舎の提供と食材調達に調理位の仕事で、利益の出る様にしてくれるんだとか。

 元々、ダンジョン調査はヴァルキリルで遣っといて、ボス討伐間近でウチが参戦する予定だったみたいだけど、早く着いちゃったから調査から参加するように契約変えたらしい。
 なので明日からダンジョンに潜る。
 宿はまた村長宅なんだけど、ヴァルキリルの大所帯と雑魚寝になるので、男性陣は馬車で寝る事にした。
 ディオも護衛なのに締め出されちゃってる。

「今はクロンを起点にフリーで遣っています」

 フリーってのは人数合わせとかで色んなパーティーと行動するのソロの冒険者の事。

「これまでコミュニケーションとって来なかったので冒険者の繋がり増やそうと思ってやってます。後、後進が俺達みたいなバカな事しない様にしたいので‥‥」

 彼がフリーで居たからここに呼べたみたいね。

「護衛が女だけだと舐められて逆に助長しちゃう事あるから男が欲しかったんだわ。だけど、下手な男だとウチのメンバーに悪さしかねないからね。ディオがフリーで居てくれて助かったよ」

 とグフリアさんが言っていた。

 いくら真面目な子でも、スジャみたいな異邦人風美人とずっと一緒に居たら、魅了されかねないけどね。

「ディオが悪さするとしたら、ティチーノくらいでしょ」

 だって。
 そう言われたティチは顔真っ赤にして満更でもなさそうだった。

 若いっていいわねぇ。
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