転生竜と賢者の石な少年

ツワ木とろ

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2章

【45】2層目探索

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 2層目に降りる階段は両側を壁に塞がれていて、1層目の床越えたら飛び立とうと思ってたのにそうも行かない。
1番下の入口から出入りしなくちゃならない。

 高低差は9メートル。
2層目の床まで降りてから天井付近まで飛び上がり、帰りも一旦降りてからまた階段登るとか億劫だけど致し方無い。

 セドやグフリアがギリギリ通れる位の大きさしかない入口を入ると、2層目は広大で所々大きな柱が天井を支えている。
 他のダンジョンでも見る景色だが、他より明るい。
 昼の曇り空くらいの明るさ。そこに巨人がのそのそっと居る。

 3メートル位の屈強で、その大きさと目が1つなの以外は人にそっくり。
 この大きさだとモンスターが生物ではないと言われている理由がハッキリ確認出来る。

 魔素が集まって凝縮してモンスターになるから繁殖とかしないし、生物の肉じゃなくて魔力を喰らうから排泄もしない。って言うのが通説。
 現に目の前の巨人さんには繁殖と排泄器官が無い。

 生物じゃないならなんなんだって言う学問的な事は今のアタシにはどうでも良いので、巨人のお股を尻目になるべく目立たない様、壁沿いを飛び上がる。
 
 上から見渡すと20体弱は居る。

   「次の階段探せる?」

 ルーシから念話が届く。

   「見回ってみるね」
   「気を付けて」

 広さは直径2キロメートル位だからそんなに時間は掛からなそう。
 階段が何処にあるかだけど、おおかた反対側にあるだろうから取り敢えず真っ直ぐ進んでみましょ。

 巨人とアタシしか居ないと、逆にアタシが小さくなってしまったんじゃないかと思えてくる。

 それにしてもこんだけ明るいと、みんなでゾロゾロ進んでったら目立つわね。

 サイクロプス達はアタシには全然気が付かない。
 巨人を人間サイズで考えたら、体育館の天井で雀が飛んでる位なサイズ感かな。
 でも、それなら気が付きそうなものよね。
 目が悪いのかな。それか鈍感か。


 反対側の壁まで来たけど、階段らしき物は無かった。
 ここに無いとすると困ったわね。アタシの経験値だと他の候補が思い付かない。

   「見渡してもない?」

 ルーシが聞いて来る。たぶん誰かの質問を伝えてくれてるんでしょう。
 で、見渡しても登りの階段への入口しか見当たらないわ。

   「どっかに同じ様な入口あるかもってだって。」

 壁にそんな入口あれば目に付くと思うんだけどなぁ。
 まぁいっか。取り敢えず来た道戻りながら、もっかい見てみましょ。

   「無かったら討伐しながら探索するから戻って来て」
   「分かったわ」


 結局見当たらない。

   「ナナチャ戻っておいで」
   「ごめん、今度は低く飛んで壁際ぐるっと1周して見たいからもうちょっと待ってて貰えるかな」
   「分かった」

 伝えて貰ってる間に時計回りに進んどきましょ。

   「今日はナナチャが戻って来たら引き上げる事にするから気が棲むまで探索して良いって」

 お、グフリアかな、気が利くわ。

   「ボク達とグフリアさん以外は1層目で狩りしてるってさ」

 待機してるだけなんて退屈だものね。その方がアタシも気が楽だわ。

 とは言うものの、4分の1周で直ぐに見つけちゃった。
 壁から4メートル離れた辺りに立ってる柱。その根元に壁を向いて口開いてる。
 これは分かり辛い。最初から外周見回ってたとしても意識してないから気が付かなかったかも。

 以外と早く見つかったし、折角なので下の階層も覗いて見る。

   「無理しなくていいよ?」

 ルーシは心配そうに言うけど、覗くだけだし大丈夫でしょ。

 スッと柱に入るとそこは広間になってて、反対側にまた降りる坂がある。
 踊り場見たいな感じかな。モンスターも居ない。

   「もう1層行ってみるね」

 あれ?

   「ルーシ?」

 念話が通じない。何でだろう。
 アタシは急いで2層目に戻ってみた。

   「ナナチャ!どうしたの?ナナチャ!」
   「あぁ、良かった、聞こえた‥‥」
   「ナナチャ、大丈夫?」
   「深くまで行っちゃうと念話通じなくなるみたいね」
   「それだけ?」
   「ええ、それだけよ。危ない事は起きてないわ」
   「なら良かった‥‥ 早く戻って来て‥‥」

 全然まだまだ余裕だったけど、念話が通じないなら仕方ない。

 戻るとルーシがアタシを強く抱きしめる。
   心配掛けてごめんね。





 村に戻って食事を取りながら作戦会議をしてる。
 グフリアと副団長さんがメインに話を進めている。

 副団長さんの名前はレブル。
 ロングな濃茶の髪を後三つ編みに結わいてる。
 ポンチョ着てる所しか見てなかったけど、脱ぐと引き締まった体してて、グフリアとはまた違ったゴツさがある。

「囮役は私が仕切ろうか」

 レブルが言う。
 足の速い者が囮になってサイクロプス達を引き寄せてる間に他のみんなが下に降りるって作戦案が出たの。

「その時に倒さないで目を潰して仕舞おうと思うんだ」

 モンスターって色々と生物じゃないのに、回復力は普通。
 たまにダンジョンで傷付いたモンスターを見掛ける事があるから実証されてる。
 むしろ傷は癒え無いって噂。
 それなら煙らせて新しいモンスターが湧いて仕舞うよりも、無力化して生かして置いた方がその後が楽になるんじゃないかって話。
 たぶん今後何度も往来する事になるだろうからって。

「それなら私も空から弓で手伝おっか?」

 とリネットがそう言うなら、空飛べるもう1人のアタシも手伝うわ。

「ナナチャも手伝うって」
「ありがとう」

 リネットが微笑んでくれる。

「俺とヴィオラでレブルをサポートしようか?」
「セドは堅いし、わたしは1番足速いもんね」
「もしもの時は俺がガードに入るよ」
「それは助かるわ」
「ウチのメンバーが働いてるなら、ワタシは団体のシンガリしようかしら」

 とニコラ。

「悪いね。仕事増えちまって」

 グフリアが、申し訳なさそうに言う。
 本来ボス討伐だけって話だったものね。

「良いのよ。楽できる時は楽させて貰うから」
「もちろん。あたい達だけで太刀打ち出来る時は休んでもらうよ」
「決まったなら今日の内に小石集めときたいから出るわよ?」

 レブルがおもむろに立ち上がる。
 小石?何にも使うのかしら?
 ま、明日になれば分かるか。

 それよか早く寝ましょ。今日は飛び回ったから何だかんだ疲れちゃったわ。
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