転生竜と賢者の石な少年

ツワ木とろ

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4章

【100】入学①

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 トーラカフェは昼間の営業を臨時休業。
 今日から入学するルーシをトーラ親子が見送ってくれる。

「どう?」

 ルーシが腕を広げて真新しい制服を2人に見せてる。

「似合ってるじゃないか」
「ホント、良く似合ってる」

 ブレザーにネクタイに長ズボン。
 ボトムはスカートと選べるらしいけど、男子はズボンで女子はスカートってのが通例らしい。
 男子でもスカート選んでいいなんて良い学園じゃない。
 アタシとしては履きたくても履けない子も居るだろうから全員スカートでも良い位だけど。

「それじゃぁ行ってきます!」

 何はともあれ今日から学園生活の始まりね。

「行ってらっしゃい」

 この見送りの為だけにお店を休んでくれたトーラ親子の心意気には正直感激しちゃう。
 素敵な大家さんだわ。

 登校中に同じ制服を着た子をちらほら見掛ける。
 今日は1年生だけ登校のはずだから、みんな同級生なんだろうなぁ。
 歩いて登校してる位だから庶民なんでしょう。
 貴族やお金持ちの子供は真ん中の校舎の前まで馬車で来て、そこで降りて校舎の中へ。
 中でクラス分けが分かるんだけど、ルーシは玄関前に立ってる。
 それが珍しいのか通る人達に見られてるけど、そんなのお構い無しよ。
 だってカシウス待ってなくちゃならないんだもの。

「ルー兄、おはよう」
「おはようカシウス、ハマール」

 貴族らしき馬車は大概家紋が付いてて豪華なのに、そんな見栄を張らないガイウスさんだからかカシウスが乗って来た馬車は簡素な見た目だった。

「そんじゃぁルーシ君、カシウス様の事お願いするだ」

 ハマールはここまで。
 校内での護衛任されてるけど、特段危険があるわけでもないみたいだし、ルーシには勉強もあるからアタシが見張っておこうかな。
 カシウスが何か仕出かしたらルーシに止めて貰うけどね。

 校舎に入るとbクラスからの組分けが張り出されていた。
 sとaクラスの分は無く、たぶん待機している大人に声掛ければそのクラスの人は案内されるんだと思う。
 クラス分けを見ながら一喜一憂する子達。
 入試での点数順に組分けられているから、アタシ達の所為でbに成れなかった子が居ると思うと少々申し訳ない気もする。
 お、鷲を使役している子が居るなぁ。
 でも、羊飼いの紋は珍しくないはずなのにあまり見掛けないのは何でだろう。

「分かんないけど、馬とか大きな動物を従魔にしてたりするんじゃないかな」

 カシウスに聞いて貰うとそんな答えが来た。
 連れ回せる位の動物を使役しているのが珍しいのかな。

「鷲とかは斥候探索に便利だから、軍への入隊狙いの奴なんだと思うよ」

 なるほどね。愛玩目的で使役したりはしないって事ね。
 って事はさっきから色んな子がこっちを見てるのってアタシの所為?
 リュックから顔出してるアタシが只の可愛いウサギに見えてるからかしら。

「あった。オレもルー兄もbクラスだ」

 bクラスの欄の1番下にルーシ、その上にカシウスの名前がある。
 みんなルーシよりも点数よかったのかしら。凄いわね。
 それかカシウスの件があるから忖度されて、あえて1番下なのかもしれない。

「教室は隣の1階だって。カシウスいこ」


 入試で訪れた時の逆側の校舎。作りは同じ感じだけど横幅が短い。
 各階4教室なのかな、玄関の先の階段を挟んで右に1c、左に2cって表札の教室。
 右の奥にアタシ達の1bの教室がある。
 中に入ると生徒達は既に着席していて、アタシ達が最後な様子。

 教壇後ろの黒板に席順が書いてあるけど、自ずと空いている席は2つだけ。
 1番後ろの列の廊下側2席の廊下側がルーシで、隣がカシウス。
 ルーシがアタシの入ったリュックを背もたれに掛けてから椅子に座る。
 それだとアタシは前が見えないなぁ。
 カシウスは見えるから問題ないけど、ずっとこのままじゃ飽きて仕舞いそう。
 どうしたものか。

   「机に乗る?」
   「そうさせて貰おうかな。邪魔になったら戻るから言ってね」
   「大丈夫だよ」

 ルーシが気遣ってくれるのでお言葉に甘えてリュックから出て机に飛び移る。

「ナナチャもリュックの中じゃ窮屈だったろ」

 伸びするアタシを見てカシウスが言う。
 返事したかったけど、教師だろう男性が入って来たので私語は慎んどいた。


「皆さん初めまして、このクラスの担任のモキート・ジャスと申します」

 モキート先生は、結構お年を召してそう。
 背中も少し曲がってて杖を着いている。
 定年とか無いのかしら。

「早速ですが今日の流れを説明します」

 先生は早々に教壇から降りて窓際の角にあった椅子に腰掛ける。
 その際に勝手に黒板消しが動いて座席表を消し、チョークが自動でスケジュールを書いていく。
 魔法なのかスキルなのか。スキルだったら教師に成るために生まれて来た見たいな人ね。
 それを見てた生徒達は一瞬驚いてだけど直ぐに順応してる。
 みんなそれぞれスキルを持ってるものだからそれぐらいの反応が普通なのかしら。

 黒板に書かれたスケジュールは、まず学園のシステム説明。
 授業時間や休憩時間だったり、進級毎にクラス編成があるとかを先生が説明してくれた。
 ただ、口頭だったからアタシは全部は覚えてられなかったわ。
 次に自己紹介でそれが済んだら全クラスで集会らしい。

「前列の窓側から順に名前と出身地を述べて下さい」

 簡単な自己紹介ね。
それなら言う事考えないで済むし緊張もしないですみそう。

 1列目の窓側から廊下側の生徒まで終わると2列目の窓側からまた始めていく。
 1列に5席で4列しかないからあっという間にカシウスの番になるわ。
 サクサク進み過ぎて全然クラスメイトの名前が覚えられない。
 先生はファイルと本人を照らし合わせながら聞いてるのが羨ましい。
 アタシもあのファイル見せて欲しいなぁ。
 でも、とりあえずこのクラスに従魔持ちは居ないっぽいのは分かった。

 カシウスが立ち上がる。

「カシウス・サンペリエ、出身は王都です」

 生徒達がどよめく。
 一般のクラスで王家の名字聞いたら無理もない。
 みんな振り返ってるし、後で寄って来そうね。注意しとかなくちゃ。

「ルーシ・ペレグリノです。この子はナナチャ。」
「ミュー」

 アタシまで紹介してくれたから挨拶すると、ぼそぼそっと「可愛い」って声が聞こえた。

 それはアタシ?それともルーシかな?
 出身地言い忘れてるけど良いのかな‥‥ 良いみたいね。

「ではこれより校庭に移動します。私は先に行ってますので、各々トイレなど済ませてから向かって下さい」 

 そう言うと先生は教室を出て行った。

「ルー兄、トイレ寄ってから行こうよ」

 カシウスは直ぐに立ち上がり、ルーシを誘う。
 クラスメイトが近付いて来ない様にしてるのかも。
 まぁ、このタイミングで寄って来るのは下心ありありの奴だろうし、とっとと出ちゃって良いんじゃないかな。

 後でゆっくり友達作りましょ。
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