転生竜と賢者の石な少年

ツワ木とろ

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4章

【101】入学②

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 人生初の連れしょん。学生の醍醐味?よね。

 トイレは教室の隣、1番奥にある。

「あのチョーク凄かったな。自由自在に動いてた」

 しれっとしてたけど、気になってたのね。

「魔法かなぁ」
「スキルじゃない?あぁ、オレのスキルもあんな感じだったら良かったのになぁ」

 カシウスは投擲の紋で、投げた物が手元に戻って来るんだっけ。
 武器を浮かせて操作するのを想像してるのかな?
 まさかチョークが良いとかじゃないわよね。
 カシウスは前に冒険者に成りたいって言ってたけど、今もなのかしら。
 ルーシがみそぎしてた頃からそんな事言わなくなってたと思うけど。

「カシウスのスキルもレベルアップしたらもっと凄いのに成るかもしれないよ?」
「そうかなぁ。スキルのレベルアップってどうしたらいいの?」
「分かんないけど、ボクはいっぱいスキル使ったらしたよ」
「へぇ。じゃぁオレもいっぱい使って見よっかな」


 トイレから出ると女生徒が6人立っていた。

「ルーシ君だよね」

 うーんと、全員クラスメイトだったかしら。

「うん」
「その子可愛いね」

 そう言って勝手にアタシに触れて来やがる。

「2人は仲良しなの?」

 あぁ、アタシを出しに近付いて来て、あまつさえルーシも出しにしてカシウスとお近づきに成ろうって魂胆ね。

「ああ、そうだよ」

 カシウスはそれが分かっているからか、はたまた女子だから意識しちゃってるのか、それともその両方なのか、かなり素っ気ない。
 周りから嫌悪の視線を感じる。
 カシウスに近付きたかったからか、女子に囲まれてるからか、どのみち嫉妬ね。
 入学当日から悪目立ちしたくないけど、こんな事で敵視してくる奴なんてルーシの友達になんてなって欲しくないから調度いっか。

 校庭に出ると、真ん中の校舎の前に教師が横並びで居て、その後ろに生徒が列をなしている。
 手前からs、a、bクラスって並んでるのかな。
 モキート先生の側に寄ると、

「出席番号順に並んで下さい」

 と言われたので1番後ろに進む。
 取り巻居ていた女子は真ん中辺りだったり、Cクラスの方に並んでる。
 全員クラスメイトって訳じゃ無かったのね。
 先生が歩いて来てルーシの後ろに並ぶ。
 他のクラスの教師もそうだから全員揃ってるって合図なのか、先頭に設営された台の上に中年男性が登り仕切り出してる。

「校長より挨拶を頂きます」
「皆さん、入学おめでとう」

 モキート先生よりは若そうな爺様が台に上がる。
 みんな、真面目に聞いてるなぁ。
 bより下は1クラスだいたい20人。sとaクラスは10人位か。
 1学年の人数としては普通だけど、クラスが多すぎる気がする。
 アタシの感覚でしかないけど。

 それに他の2校も似た様な人数だとしたら600人弱。
 この国の規模でそれは少な過ぎでしょ流石に。
 無料なのに、それでも通って居ない子も居るって事なのかな。
 そう思うとアタシ達は恵まれている。
 ディオとティチーノは通ってたのかしら。

「続いて理事長様からお言葉を頂戴します」

 あ、校長先生のお話聞いて無かった。

「皆様、御入学おめでとうございます。理事長のネイプ・ブルスです」
   げ、ネイプさんじゃない。

 彼女メルヴィルさんと仲悪くて、アタシ達ともお互い印象悪いのよね。
 それにしても司教様が理事長だなんて、だいぶ宗教色が強いのかな。
 国教で出資もしているのだから当然か。
 それが面白くない人も入学していないかもしれない。

 よくよく生徒を見渡すと、受紋で体が獣っぽくなってるナミルみたいな子が少ない。
 冒険者には多く居たから珍しい訳じゃないはずだけど、そう言う子も入学してないのかな。
 どうせ冒険者になるなら学園なんて通うだけ無駄っちゃ無駄だしね。

「では皆さん、良い学園生活をお送り下さい」

 おっと、ネイプさんの話も聞いて無かった。
 集会での先生の話って、どうも頭に入って来ないなぁ‥‥

 ネイプさんの話で集会は終わりで、また教室に戻って行く。

「カシウス君」

 校舎に入って直ぐ、階段の前で声を掛けられた。

「おお、みんな元気?」

 学園でカシウスがルーシ以外に初めて笑顔を向ける。

「教室に居ないから心配したよ」

 中等部からの友達なのかな。8人いる。
 ブレザーのピンバッチの色が違う。
 金色の子が2人と銀色の子が6人。
 sクラスとaクラスだ。

「オレ、高等部からbクラスなんだよ。言って無かったっけ」
「言ってたけど冗談だと思ってた」
「カシウス君がクラスに居ないとつまらないよ」
「そんな事ないでしょ。居ない方が平和になるよきっと」
「そんな事ないよ。遊びに来てよね、僕らも遊びに行くから」

 旧友達は手を振って階段を上って行く。
 カシウスって問題ばかり起こしてるって聞いてたけど、案外慕われてるのね。
 ただ、今のでまた視線を集めてる。
 カシウスを知らない人からしたら、貴族と金持ちの子供に慕われてる庶民に見えただろうから、好奇の目で見られてる。
 こんな感じだと、ルーシは関係無いですとは行かないでしょうから、目立たない様にとか無理かもしれないわね。
 だったら優秀な成績とかで目立たせたいなぁ。

 教室に戻って、近々の授業のオリエンテーションを受けて解散。
 昼前に終わった。
 明日からは朝から夕方まで拘束されるみたい。

「ルー兄、家寄ってくだろ?たぶん姉さんも待ってるだろうし」
「うん。ガイウスさんは?」
「仕事で居ないと思うよ」

 テルティアはお留守番か。行かなかったら寂しがるかな。
 お昼ご馳走になってから帰りましょうか。
 既に校舎前で待っていたハマールと合流して、馬車で帰宅する。



「カシウスお帰り、あっルーシ、ナナチャちゃんも来てくれたんだ!今日は泊まってくの?」

 テルティアが畳み掛けてくる。

「ううん。向こうにも報告したいから夕方には帰るよ」
「そっかぁ、残念」

 テルティアがシュンとする。
 ホントに寂しかったのかちょっと子供返りしてない?

 ルーシとアタシの昼食がちゃんと用意されているのにビックリ。
 流石ピレティアさん。出来るメイド長だわ。

「学園はどうだった?」
「まだ良く分からないけど、ナナチャが他の子の視線気にしてた」
「ナナチャちゃんそうなの?」
「ミュー‥‥」
「好奇の目だったって。なんでだろ」
「王族の御子息がbクラスに入学すれば、誰だって興味を持ちますよ」

 エイミラットの感覚はアタシと同じようね。

「私もそうだったよ。それで中々友達出来なかったのよね」
「そんなんで出来ないなら仲良くしなくても良くないか?」

 カシウスも敵視には気付いてたのかな。アタシと同じ考えしてる。

「ボクはたくさん友達出来たらいいな。カシウスにも仲良くして欲しいな」
「‥‥ルー兄がそう言うなら」

 ルーシが笑顔で頷く。
 2人とも良い子ね。アタシも見習わなくちゃ。


 夕方になってもガイウスさん達は帰って来ないので、会えなくて残念だけどトーラカフェに帰る。
 ピレティアさんが馬車を用意してくれたので楽チンね。
 そう言えば、ルーシ1人で馬車に乗るのなんて初めてじゃないかしら。
 彼は外の景色を眺めている。

   「とうとう学園生活が始まるね」
「うん」

 どこか上の空で、念話してるのに声を出して応えてくる。

   「不安?それとも何か心配事でもあった?」
「そんな事ないよ」

 ルーシがアタシの方を振り返り喉をこちょこちょしてくれる。

「ナナチャもみんなと仲良くしてね」
   「あ‥‥ はい」

 心配されてたのはアタシの方だったのね。



「ただいま」
「あれ、ルーシ君お帰り。今日は帰って来ないと思ってた」

 カフェは平日の早い時間なのもあって閑散としている。

「ご飯は?」
「ここで食べたいな」
「分かった。お母さん」
「おや、ルーシお帰り」
「ルーシ君のまかないある?」
「ああ。だったら空いてる内にセルヴィも食べちゃなさいな」
「分かった。ルーシ君一緒に食べよ」
「うん!」

 トーラカフェの営業は増設した方で行ってて、元々宿内にあった方は社食見たいな扱いになっている。
 そこで丸テーブル囲んでセルヴィとご飯。
 セドリックが亡くなった頃は元気無かったけど、今は元通りなのかな。
 そんなだったからヴィオラと偽セドリックの事は話していない。

「学園楽しそう?」
「うん。たぶん楽しくなると思うよ」
「それは良かったね」

 ニコラが魔女認定されてパーティーメンバーの話も「リネットはどうしてるかなぁ」位しか無くなったし、みそぎしてた時は内容話せなかったしで話題に事欠いてたけど、これからはまたいっぱいお話出来そうだわ。

 ルーシも楽しそうに今日の出来事話してる。
 やっぱりご飯は人と楽しく食べた方が美味しいな。
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