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4章
【107】
しおりを挟む「僕、急いでるから」
スフインは挨拶もそこそこに教室を出て行く。
たぶん今までノーパンだろうから気持ち悪いんでしょう。
「あいつ、家遠いのかな」
「いや、俺もスフインも寮だからすぐそこだよ」
3人が教室を出るとアルが待っていた。
「みんなは通い?」
「オレとルー兄はそうだよ」
「俺は寮だ」
「僕も寮だから、リドー君一緒に帰ろっ」
玄関まではカシウスも、正門まではルーシも一緒だけどね。
「寮って何処にあるの?」
「裏門出て直ぐの所だよ」
「なのに正門から下校するのか?」
「裏門は生徒は通行禁止だからな。だりぃけど遠回りしなきゃなんないんだは」
「でも、友達と登下校する時間が出来るから僕は楽しいな」
「‥‥まぁそうだな」
下校時間は全学年一緒だから混雑していて、馬車も順番待ちかな。
家紋付の馬車が優先みたいで家紋無しの馬車の前に割り込んだりしてる。
カシウスのお迎えは家紋無しだから待つか、探しに行くかだけど、テルティアがまだ来てないから取り敢えず待ちね。
「カシウス君は馬車なの?」
アルが驚いている。
そっか、クラス違うからまだ知らないんだっけ。
「こいつ、こんなで王族らしいぜ」
「こんなって何だよ」
「悪い悪い。でも、俺的には誉め言葉だは」
リドーの口調はなんだかジークリットさんに似ているなぁ。
「ルーシ君も御貴族様なののですか?」
「ボクは違うよ」
「貴族だろうがクラスメートだし、同級生なんだから改まった喋り方すんなよ」
リドーが言うなしとも思ったけどカシウスも頷いてるし、逆に彼が言ってくれた方が受け入れ易いかも。
「姉さん待たなきゃだから先に帰っていいぞ」
「ううん、僕達も待ってるよ。リドー君いいでしょ?」
「ああ。折角だしな」
「おやおや、姉に続いて弟まで一般クラスとは、いよいよ破門されたのか?」
嫌みったらしい言葉が投げ掛けられる。
聞き覚えの無い声ね。
振り替えるとニヤニヤした少年と少女が居た。
傍らには大型犬位の大きさの飛竜。
ワイバーンて奴かな。陸上は不慣れなのか拙い動きで歩いてる。
「なんだお前らは!」
リドーが凄む。
「下民の下級生が口を慎め!」
リドーは体育会系なのか、先輩と聞いて口を紡ぐ。
でも、歯を食い縛ってる音がアタシには聞こえた。
「オレの友達に偉そうな口聞くなよ」
今度はカシウスが凄む。
「平民が友達なんて、親子揃って面汚しね。本当に破門になれば良いのに」
少女も残念ながら嫌な奴みたい。
「貴族の友人望めないから平民と仲良しこよししか?」
リドー達の第一印象が可愛く思える位、コイツ等が嫌い。
ってか誰なのよ。貴族なんでしょうけども。
「貴族もなにも、親がそうなだけでオレ達は何の爵位も持ってない平民じゃないか」
カシウスの握り締めた拳にルーシがそっと手を添えている。
それがカシウスの冷静さを留めさせている。
「君はそうかもな。でも僕は既に子爵を受けている」
「世襲で授与された位で偉そうにするなよ格好悪い」
「なんだと」
「しかもそれで言うと後々オレの方が高位になるな」
「それはどうかしら。彼は私と婚約するから公爵の地位も授かるわよ」
「それは飛ぶ鳥の献立じゃないか?」
「筆頭公爵に辺境伯でドラゴンまで使役してたら、次の国王になっちゃうんじゃないかしら」
「おい、めったな事言うもんじゃないぞ」
今のは不敬罪にあたりそうね。
「ふん。行きましょ」
2人は1番上等な馬車に乗って去って行った。
「なんだ今の奴ら」
「嫌な人達だったね。貴族様ってみんなあんな感じなの?」
「いや、アイツ等が特殊なんだよ」
「うん。カシウスのお父さんも伯父さんもすっごく優しい人だもんね」
リドーとアルは、カシウスの伯父さんが貴族なのは察しが付いただろうけど、それが国王の話だとは思っていなさそう。
「カシウス、あの子達は誰なの?」
「男の方がマリスってバカルシエナ辺境伯の長男だ。子爵になったって言ってたからルングス卿なのかな。」
ルングスって1度訪れた事ある街よね。
校長のネイプ司教と関わり深いんじゃなかったかしら。
テルティアとカシウスが楽しいだけの学園生活を送って居なかったのが伺える。
「あ、お待たせ」
テルティアとラトリアが現れた。
ラトリアの伏せ目がちは仕様なのかしら。
「どうかしたの?カシウス機嫌悪そう」
「マリスとアンティパティエが居たんだよ」
察するにアンティパティエってのが女の子の方の名前。
公爵云々言ってたから親戚か?
「あぁ、それは災難ね。だから私は会わないように遅く来てる」
「それ教えといてくれよ」
「ごめんごめん」
リドーにアル、ラトリアの紹介を軽く済ませると2人の馬車が到着した。
お迎えはエイミラットね。
「ルーシは、今日ウチ来る?」
「ううん。今日はこのまま帰るよ」
「そっか。じゃぁみんなまた明日ね」
2人を見送るとラトリアはみんなに向かって会釈して先に行ってしまう。
見てたら別に待ち合わせた見たいで、その子と合流していた。
「あ、あの子同じクラスの子だ。似てるから姉妹なのかなぁ」
とアル。
確か似ている。美人姉妹ね。
妹の方は伏せ目がちじゃない様で、姉の手を引いて歩いて行った。
「ルーシ君てカシウス君のお家に行った事あるの?」
正門まではリドーとアルと一緒に帰る。
その内みんなで下校途中にお茶出来たらいいなぁ。
スクールライフの醍醐味はそこよね。
「別邸なら知ってるよ」
「やっぱり大きいのか?」
「そうだね、おっきいね」
「いいなぁ。行ってみたいなぁ」
「ボクは2人の部屋に行ってみたいな」
「俺達、寮だからな。大した事ないし、規則で人呼ぶの難しいらしいは」
「そっか‥‥」
「それだとカシウス君のお家はもっと厳しいんじゃない?」
「だろうなぁ。そうなるとルーシの家しかないか」
「うん!家に来て。家のご飯美味しいよ」
ルーシが嬉しそうにトーラカフェについて話す。
「そんなんだぁ。じゃぁ今度みんなで時間作ってご飯だけでも食べに行きたいね」
「そん時ゃカシウスの馬車に乗せて貰いたいもんだな」
なんならアタシが引いてってあげてもいいわね。
正門を出て2人とはお別れ。
「また明日ね」
ルーシが先に歩き出し、振り替えるとアルがまた手を振ってくれた。
「いい子達ね」
「うん」
「明日からも楽しみね」
「うん!」
ルーシは軽快な足取りで帰路についた。
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