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翌朝、珍しく俺と同じ早い時間に津田が起きてきた。朝弱いから、いつもギリギリの時間に起きて登校するのに。
「おはよう」
「………はよ」
声が少し枯れた津田は、ベッドに座りながら目を擦っている。横にぴょんと寝癖もついていた。
………なんか、可愛いな。
やたら顔がいいからなのか、不良だからなのか、よくわからないけど。ギャップってやつだろうか。
「この時間に起きるの珍しいね。何か用でもあるの?」
「……いや、ないけど。………高瀬と一緒に出ようかなと思って」
「……! じゃあ、食堂で朝ご飯食べようよ」
「うん」
すごい………。
津田と朝食を食べるなんて初めてだ。ただの同室相手じゃなくて、友達になれるのかな………。
のそのそと起き上がって支度しはじめた津田を見て、期待で胸が高鳴った。
食堂に移動して、津田と向かい合わせに座って朝食を食べる。
「……はー、眠い。よくこんな早く起きれるな」
「この時間なら食堂が混まないからね」
周りを見渡すと、学生の姿はまばらだ。一年生の中でも特に目立つ津田と一緒だから、普段よりも視線は感じるけど。
「ふーん。でも、もうちょい遅くすれば?」
「え? な、なんで」
「俺が毎日この時間に起きるのきついから」
………つまり、俺とまた一緒に食べたいってこと? そういうことだよね?
聞くの怖いけど、聞いてみたい。
「それって、また俺と食べたいってこと?」
「……まあ、そうだけど」
「……どうして?」
「…………変な誤解されないようにだよ」
「誤解?」
「昨日言ってただろ。俺が高瀬を嫌ってるって」
………確かに言ったけど。だから、今日は早起きしてくれたのかな。
「……何でそこまでしてくれるの?」
疑問が口を突いたら、津田の手が止まった。
「………なんとなく」
「え?」
「なんとなくだよ。理由なんてない」
津田はそう言い切った。ますます謎は深まるばかりだ。俺なんて面白い人間じゃないのに。
「そっか……まあ、俺は津田と朝ごはん食べれて嬉しいけどさ」
「なら、明日からもうちょい遅く起きて。ついでに俺も起こして」
「う、うん。わかった」
津田のお願いは不思議と嫌な気がしない。避けられるよりもよっぽどいい。理由はよくわからないけど、俺と仲良くしたいっていうのが伝わってくるからだろう。
「おはよう」
「………はよ」
声が少し枯れた津田は、ベッドに座りながら目を擦っている。横にぴょんと寝癖もついていた。
………なんか、可愛いな。
やたら顔がいいからなのか、不良だからなのか、よくわからないけど。ギャップってやつだろうか。
「この時間に起きるの珍しいね。何か用でもあるの?」
「……いや、ないけど。………高瀬と一緒に出ようかなと思って」
「……! じゃあ、食堂で朝ご飯食べようよ」
「うん」
すごい………。
津田と朝食を食べるなんて初めてだ。ただの同室相手じゃなくて、友達になれるのかな………。
のそのそと起き上がって支度しはじめた津田を見て、期待で胸が高鳴った。
食堂に移動して、津田と向かい合わせに座って朝食を食べる。
「……はー、眠い。よくこんな早く起きれるな」
「この時間なら食堂が混まないからね」
周りを見渡すと、学生の姿はまばらだ。一年生の中でも特に目立つ津田と一緒だから、普段よりも視線は感じるけど。
「ふーん。でも、もうちょい遅くすれば?」
「え? な、なんで」
「俺が毎日この時間に起きるのきついから」
………つまり、俺とまた一緒に食べたいってこと? そういうことだよね?
聞くの怖いけど、聞いてみたい。
「それって、また俺と食べたいってこと?」
「……まあ、そうだけど」
「……どうして?」
「…………変な誤解されないようにだよ」
「誤解?」
「昨日言ってただろ。俺が高瀬を嫌ってるって」
………確かに言ったけど。だから、今日は早起きしてくれたのかな。
「……何でそこまでしてくれるの?」
疑問が口を突いたら、津田の手が止まった。
「………なんとなく」
「え?」
「なんとなくだよ。理由なんてない」
津田はそう言い切った。ますます謎は深まるばかりだ。俺なんて面白い人間じゃないのに。
「そっか……まあ、俺は津田と朝ごはん食べれて嬉しいけどさ」
「なら、明日からもうちょい遅く起きて。ついでに俺も起こして」
「う、うん。わかった」
津田のお願いは不思議と嫌な気がしない。避けられるよりもよっぽどいい。理由はよくわからないけど、俺と仲良くしたいっていうのが伝わってくるからだろう。
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