変異した世界で俺だけズルいスキルで無双タイム？

63. 肆之仙人《青龍》

「我こそが、四神獣にて東方を司る仙人《青龍》なり！
ここまで至ったことは…褒め讃えよう。
だが…我を打ち破れる者は誰にも居らん！
人の子よ、一度までは撤退をも許そう。だが、2度はないと思え」

〚一応気を付けろよ。実力と仙気だけで言えば、あれは四神獣最強だ〛

「安心しろ。問題ない」

不思議と、スラスラとその言葉が出た。それは、孫悟空がこちらに着いているからなのか、はたまたこれまで仙人と戦った結果、自信が着いたのかは分からないが…

さて、取り敢えず…外法衣仙術を試してみよう。外側に膜を張るような感じで…

「ﾊﾞﾁｯ（雷）…うおっ、そんなことも出来んのかよ」

〚仙気には、大雑把に分けると2種類あるのだ。
1つは、小僧も使っている内包仙技。
これは、仙気で肉体を操ることから、超人的な力を会得する技だ。
そして、2つ目。2つ目は、彼奴が使っている外包仙技。小僧が分かりやすいように言うなれば…魔法のようなものだ〛

どうやら、彼と龍が使用しているのは別物の力のようだ。
それを、詳しく孫悟空が説明をしたが、彼は何となくでその言葉を試してみよう捉えた。

「斬撃に…仙気を！」

「ｻﾞｼｭｯ…くっ…ならば、これならばどうだ」

…仙気を剣に纏い、斬撃を繰り出すと、龍の鱗を意図も簡単に斬ることが出来た。
しかし、龍は咄嗟に身を捩ったのか、思いの外小さな傷となり、対した攻撃にはならなかった。

「小賢しい真似を…」

龍は、自身よりも遥かに小さな彼が、自身の肉体に無数の傷を付けていくの気に食わなかった。
その言葉には、怒気混じり始め、攻撃乱暴になっていた。

「…ふぅぅ…」

さて、そろそろ…だろうか。何となく、相手の仙技に触れてみて外包仙技の力を理解出来てきた。
少しならば、真似できるかもな…

彼は龍の攻撃を防ぎつつ、少しずつ仙気を外包仙技へと変換していった。
すると、青龍と同じ雷撃がバチバチと鳴り響き、彼の手に宿った。

「…これと…外法衣仙術を組み合わせて…」

〚！ま、待て！それは…今すぐ止めろ！〛

「…ふぅ…それじゃあ、青龍。終わりにしよう」

そう、彼は真っ直ぐな瞳を龍に向け、戦いの終わりを告げ…全力で剣を振るった。
その剣は、ヤマタノオロチを倒した時に得た天叢雲剣だった。
そこから繰り出された斬撃は、仙気のオーラを纏いながら、龍の方へと加速し続ける。
そして、龍が避けようとすると、段々とその斬撃は巨大化していき、ついには龍を超えるほど大きくなり、龍の肉体に到達した。

「チェックメイト、ってな！」

『四神獣の守護堂をクリアしました。
これにより、四神獣が解放されました』

ワールドアナウンスは、世界中に鳴り響き、四神獣の存在を明らかにした。
この情報は、日本、中国、朝鮮の間で物凄く話題となった。
我先にと、神獣の庇護を求めようとしたのだ。
しかし、彼がその話を知るのは、まだ先の話だった…