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20 プルプラの宝石箱
光の花びらの様に開いた後
キラキラ輝きながら消えていく光の繭。
現れ出でたる女性は
そんな幻想的な輝きよりもっと眩く美しい…
「ル‥フス?」
「随分と変わってしまいましたが…
慣れて下さいますか」
赤かった髪は金銀がランダムに混ざり合い
緩やかなウェーブを優雅に描く。
茶色だった瞳は
美しい森の濃淡のあるグリーンと
清らかな泉の淡いブルーが輝きあう瞳に…
美しく整った目鼻立ち
白く細い首
豊かな――
「わわわッ」
ラルウァがいきなり立ち上がって
あっという間に自身のマントでルフスを包む。
「‥え?」
「いや君はまだ15才!
成人前だ」
「はい…もうすぐ16才になりますが」
「前の君も可愛かったが今はッ
その‥扇情的過ぎる!
他の誰にも見せたくない」
「ええ?」
赤い顔で説明するラルウァにルフスも真っ赤になる。
「わ‥私はアバズレな印象になってしまったのでしょうか?」
不安に慄くルフス。
鏡で確かめたいが
確かめるのも怖い…
「まぁ…いいえ!
とても気品があって
この上なく優雅で美しいわ!
息子ラルウァ…
今は母として言わせてね?
息子ラルウァは驚いた事に独占欲の塊になってしまった様だわ。
今まで何にも執着した事無いのにね…
ルフスちゃんが魅力的過ぎるからよ」
上手く説明出来ないラルウァの代わりに母である前辺境伯夫人が説明する。
「魅力的過ぎるのはラルウァ様です!
清廉潔白なお人柄、
強い責任感…
一時でも『閨勤侍女』を受け入れる御方なのかと疑った自分が恥ずかしいです。
私はソレを確かめに来たのですが
ラルウァ様にお会いしたら確認するまでもなく疑いが消えました」
「勿論私は『閨勤侍女』など受け入れない!
愛する人は生涯ただ1人
――君だけだ!」
熱い瞳で見つめられて
甘い言葉を囁かれれば
ルフスの頬は益々赤‥
「ちょっと待ってよ!
何よソレズルいわよ!
私と体交換してよ!」
せっかくいい雰囲気だったのに…
静かになっていたから
すっかり忘れていた
問題のサンド子爵家…
「体交換してくれたら
返してあげるわ!
叔母様の宝石箱!」
「プルプラの宝石箱?
何の事だ?」
意地悪★チャンス!
不思議そうな顔をするカーマイン子爵にエクリュは目をギラギラさせる。
「嫌だァ叔父様忘れちゃったのォ?
10年前叔母様が死んだ時カーマイン子爵家を訪ねてあげたでしょ?
その時ルフスが大事そうに抱えていたのを私が貰ってあげたのよ」
「そんな事あったか?
私はあの時絶望していて覚えていない…」
「まぁ驚いた!
『お母様の大切な形見だからこれだけは渡せない』
泣きながらそう言って宝石箱を抱え込んだルフスを打って無理矢理奪って私に渡したのはアーバン叔父様じゃない!」
「そッそんな嘘だ!
私がそんな事‥」
「本当の事だ」
美しくも圧のある声。
ビクッと体を震わせて
元父は元娘を見る。
う、美しい!
けど恐い!
元父は目を伏せる。
「随分都合のいい頭だ。
自分の非情な振る舞いを覚えていないとは。
あれは私がカーマイン子爵に頼んだ最初で最後の唯一の願いだった。
それを踏みにじっておいて記憶に無い?
呆れる。
縁を切って本当に良かった」
「そ、そんな!
あの時は愛するプルプラを失くしたばかりで
私は自暴自棄状態‥」
言い訳ばかりを繰り返す元父は放っておき。
ルフスはエクリュに目を向ける。
「サンド子爵令嬢。
どうやって母の宝石箱を私に返す?」
「え?どうって‥
普通によ」
「今どこにあるか把握しているのか?」
「私の部屋のどこかか
物置でしょ」
「そちらも残念頭だ。
私から母の宝石箱を奪い取った後
ご機嫌でサンド子爵邸へ帰る途中
骨董店へ立ち寄って売り払っただろう」
「………………………
えぇ!?嘘ッ!」
「そうだった。
お前は馬車から見掛けた骨董店を指差して
『大した物入ってないから売っちゃおう』と
思っていたより高値で売れて大喜びして
その金で別のアクセサリーを買っていた…
もう潰れている店だ」
サンド子爵がボソボソと証言する。
「ちょ!
私1人でやったみたいに!
私なんかまだ9才だったんだから
売るのも買うのもお父様を通してだったわ!
――ああクソ、
思い出した…」
「お前は大切なプルプラの形見を!
『憧れの叔母様の形見を欲しいの。
一生大切にするから』
と言うから私は‥」
激昂するカーマイン子爵だがエクリュは怯む事はない。
どうせ父の下僕だ。
「何よ叔父様ちゃんと覚えているじゃない」
「必死に思い出しているんだ!
返せ!
骨董店主を捜し出して
宝石箱を取り返せ!」
「ムリよバッカじゃない潰れた骨董店主捜すなんて!
爺さんだったしもう死んでるわよ!」
≪バシッ!≫
エクリュの体が宙を飛び床に倒れる。
カーマイン子爵が頬を張ったのだ。
「許さない!
今すぐ捜しに行け!
そしてルフスに返せ!
あれはルフスが持つべきものだ!
ルフスにだけ相応しい
‥あぁ私は本当にどうかしていたんだッ‥」
「なッ何よ!
お父様ッ!
アイツこの私を殴りやがった!
下僕のくせに!
早く叱り飛ばしてやってよ!
100倍返しにして!」
だがサンド子爵は目を逸らしている。
自分が言うまでもなく下僕を懲らしめてくれるはずと思っていたエクリュは父の態度が信じられない。
「お父様何でッ‥」
「まぁまぁ落ち着きなさい」
「宝石箱は私が持っている」
――え!?
キラキラ輝きながら消えていく光の繭。
現れ出でたる女性は
そんな幻想的な輝きよりもっと眩く美しい…
「ル‥フス?」
「随分と変わってしまいましたが…
慣れて下さいますか」
赤かった髪は金銀がランダムに混ざり合い
緩やかなウェーブを優雅に描く。
茶色だった瞳は
美しい森の濃淡のあるグリーンと
清らかな泉の淡いブルーが輝きあう瞳に…
美しく整った目鼻立ち
白く細い首
豊かな――
「わわわッ」
ラルウァがいきなり立ち上がって
あっという間に自身のマントでルフスを包む。
「‥え?」
「いや君はまだ15才!
成人前だ」
「はい…もうすぐ16才になりますが」
「前の君も可愛かったが今はッ
その‥扇情的過ぎる!
他の誰にも見せたくない」
「ええ?」
赤い顔で説明するラルウァにルフスも真っ赤になる。
「わ‥私はアバズレな印象になってしまったのでしょうか?」
不安に慄くルフス。
鏡で確かめたいが
確かめるのも怖い…
「まぁ…いいえ!
とても気品があって
この上なく優雅で美しいわ!
息子ラルウァ…
今は母として言わせてね?
息子ラルウァは驚いた事に独占欲の塊になってしまった様だわ。
今まで何にも執着した事無いのにね…
ルフスちゃんが魅力的過ぎるからよ」
上手く説明出来ないラルウァの代わりに母である前辺境伯夫人が説明する。
「魅力的過ぎるのはラルウァ様です!
清廉潔白なお人柄、
強い責任感…
一時でも『閨勤侍女』を受け入れる御方なのかと疑った自分が恥ずかしいです。
私はソレを確かめに来たのですが
ラルウァ様にお会いしたら確認するまでもなく疑いが消えました」
「勿論私は『閨勤侍女』など受け入れない!
愛する人は生涯ただ1人
――君だけだ!」
熱い瞳で見つめられて
甘い言葉を囁かれれば
ルフスの頬は益々赤‥
「ちょっと待ってよ!
何よソレズルいわよ!
私と体交換してよ!」
せっかくいい雰囲気だったのに…
静かになっていたから
すっかり忘れていた
問題のサンド子爵家…
「体交換してくれたら
返してあげるわ!
叔母様の宝石箱!」
「プルプラの宝石箱?
何の事だ?」
意地悪★チャンス!
不思議そうな顔をするカーマイン子爵にエクリュは目をギラギラさせる。
「嫌だァ叔父様忘れちゃったのォ?
10年前叔母様が死んだ時カーマイン子爵家を訪ねてあげたでしょ?
その時ルフスが大事そうに抱えていたのを私が貰ってあげたのよ」
「そんな事あったか?
私はあの時絶望していて覚えていない…」
「まぁ驚いた!
『お母様の大切な形見だからこれだけは渡せない』
泣きながらそう言って宝石箱を抱え込んだルフスを打って無理矢理奪って私に渡したのはアーバン叔父様じゃない!」
「そッそんな嘘だ!
私がそんな事‥」
「本当の事だ」
美しくも圧のある声。
ビクッと体を震わせて
元父は元娘を見る。
う、美しい!
けど恐い!
元父は目を伏せる。
「随分都合のいい頭だ。
自分の非情な振る舞いを覚えていないとは。
あれは私がカーマイン子爵に頼んだ最初で最後の唯一の願いだった。
それを踏みにじっておいて記憶に無い?
呆れる。
縁を切って本当に良かった」
「そ、そんな!
あの時は愛するプルプラを失くしたばかりで
私は自暴自棄状態‥」
言い訳ばかりを繰り返す元父は放っておき。
ルフスはエクリュに目を向ける。
「サンド子爵令嬢。
どうやって母の宝石箱を私に返す?」
「え?どうって‥
普通によ」
「今どこにあるか把握しているのか?」
「私の部屋のどこかか
物置でしょ」
「そちらも残念頭だ。
私から母の宝石箱を奪い取った後
ご機嫌でサンド子爵邸へ帰る途中
骨董店へ立ち寄って売り払っただろう」
「………………………
えぇ!?嘘ッ!」
「そうだった。
お前は馬車から見掛けた骨董店を指差して
『大した物入ってないから売っちゃおう』と
思っていたより高値で売れて大喜びして
その金で別のアクセサリーを買っていた…
もう潰れている店だ」
サンド子爵がボソボソと証言する。
「ちょ!
私1人でやったみたいに!
私なんかまだ9才だったんだから
売るのも買うのもお父様を通してだったわ!
――ああクソ、
思い出した…」
「お前は大切なプルプラの形見を!
『憧れの叔母様の形見を欲しいの。
一生大切にするから』
と言うから私は‥」
激昂するカーマイン子爵だがエクリュは怯む事はない。
どうせ父の下僕だ。
「何よ叔父様ちゃんと覚えているじゃない」
「必死に思い出しているんだ!
返せ!
骨董店主を捜し出して
宝石箱を取り返せ!」
「ムリよバッカじゃない潰れた骨董店主捜すなんて!
爺さんだったしもう死んでるわよ!」
≪バシッ!≫
エクリュの体が宙を飛び床に倒れる。
カーマイン子爵が頬を張ったのだ。
「許さない!
今すぐ捜しに行け!
そしてルフスに返せ!
あれはルフスが持つべきものだ!
ルフスにだけ相応しい
‥あぁ私は本当にどうかしていたんだッ‥」
「なッ何よ!
お父様ッ!
アイツこの私を殴りやがった!
下僕のくせに!
早く叱り飛ばしてやってよ!
100倍返しにして!」
だがサンド子爵は目を逸らしている。
自分が言うまでもなく下僕を懲らしめてくれるはずと思っていたエクリュは父の態度が信じられない。
「お父様何でッ‥」
「まぁまぁ落ち着きなさい」
「宝石箱は私が持っている」
――え!?
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