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21 すれ違う理由
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暖炉を火かき棒でかき混ぜてカードが灰になった事を確認して。
ピウスは改めてベネウォルス商会に…商会の皆に感謝を感じる。
(ベネウォルス商会は人気の大商会…当然従業員は目が回るくらい忙しいのにウィースさんは6日間ずっと護衛を務めてくれると言う…頼んでなかった馬車も本当に助かっている…何より気遣ってくれるのが嬉しいわ…お弁当だってたくさん食料を差し入れてくれたから作れるのよね…)
今回、修道院長が小躍りするくらいたくさんの食料や服飾品(もしかしてお金も)寄付してくれたベネウォルス商会。
そこで特別な地位にいるっぽいウィースとアクーメン。
自由度の高い行動を許されている彼らの立場は謎だ。
立場は謎だが…
(服は勿論身につけている物は全て超一級品…きっと食事も豪華で美味なものを口にしているのでしょうに私の作ったものを褒めてくれるのは…お世辞でも嬉しいわ)
明日も二人の好物を作ろう…
多めに作って修道院の皆にお裾分けすれば皆も喜んでくれる。
カラクテリスティカ王国はアッロガーンス王国より食文化が進んでいてピウスの作るものは目新しい様で喜んでもらえるのだ。
「‥ラララ、ララララ~ララララ~♪」
明日何を作ろうかと考え楽しくて。
思わず鼻歌を口ずさむピウス。
(…不思議ね。お母様がご存命の頃の贅沢な暮らしよりここでの暮らしの方が満ち足りている…ここでは私でも役に立てる…喜んでもらえる…笑顔を貰えるのだもの)
ご機嫌なままピウスは
(明日はもっと頑張ろう!何とかテナークス殿下と距離を縮めなきゃね!)
と決意して眠りにつく。
だが…
その頃王太子は母である王妃にピウスの事を相談していて――
「ピウスが弁当を持って待ち伏せを?‥ハンッ!今更何なのよ?今まで散々殿下を蔑ろにして来たくせに――あぁそう、もうすぐ卒業だからね…やっと自分の立場が分かって殿下に媚を売って来たってワケ…澄ました顔して淫売婦並みのしたたかさだわねぇ…フンッ!いいこと?もしまた弁当を持って馬車留めで待ち伏せされても相手にしちゃダメよ?完全無視しておやりなさい」
「え…それは…せっかくの彼女の気持ちを踏みにじる事に…」
もしもまたピウス姫が手作り弁当を作ってくれたら絶対食べる、護衛なんかには渡さない!と意気込んでいた王太子は戸惑うが。
「今まで散々閨を断られた事忘れたの?殿下はあの子にコケにされてんのよ!?」
「そ、それは…」
「冷たくしなきゃダメよ!今までの事反省させなさい!お灸を据えてやるのよ!
――いいこと?女は優しくされるとすぐにつけあがる生き物なの。男女の関係は最初が肝心なんだからね?ここでイニシアチブを取っておけば、ピウスは一生殿下に従順に従う奴隷になるの!いいわね、最初が肝心なのよ!誰が偉いのか、ご主人様なのか、小生意気な王女に教えておやりなさい!」
ピウス姫を奴隷にしたいなんて思っていないが女性として人生経験豊富である母にそう言われてしまえば『なるほどそうなのかな』と納得してしまう王太子。
(うぅ…食べたい…ピウス姫の手作り弁当…だが…これから一生続く夫婦生活の為に…今は残念でも弁当を断るしかないのか…仕方ない…ぐぬうぅッ…本当に残念だがッッ)
爪が食い込むほど拳を握りしめる王太子である…
ピウスは改めてベネウォルス商会に…商会の皆に感謝を感じる。
(ベネウォルス商会は人気の大商会…当然従業員は目が回るくらい忙しいのにウィースさんは6日間ずっと護衛を務めてくれると言う…頼んでなかった馬車も本当に助かっている…何より気遣ってくれるのが嬉しいわ…お弁当だってたくさん食料を差し入れてくれたから作れるのよね…)
今回、修道院長が小躍りするくらいたくさんの食料や服飾品(もしかしてお金も)寄付してくれたベネウォルス商会。
そこで特別な地位にいるっぽいウィースとアクーメン。
自由度の高い行動を許されている彼らの立場は謎だ。
立場は謎だが…
(服は勿論身につけている物は全て超一級品…きっと食事も豪華で美味なものを口にしているのでしょうに私の作ったものを褒めてくれるのは…お世辞でも嬉しいわ)
明日も二人の好物を作ろう…
多めに作って修道院の皆にお裾分けすれば皆も喜んでくれる。
カラクテリスティカ王国はアッロガーンス王国より食文化が進んでいてピウスの作るものは目新しい様で喜んでもらえるのだ。
「‥ラララ、ララララ~ララララ~♪」
明日何を作ろうかと考え楽しくて。
思わず鼻歌を口ずさむピウス。
(…不思議ね。お母様がご存命の頃の贅沢な暮らしよりここでの暮らしの方が満ち足りている…ここでは私でも役に立てる…喜んでもらえる…笑顔を貰えるのだもの)
ご機嫌なままピウスは
(明日はもっと頑張ろう!何とかテナークス殿下と距離を縮めなきゃね!)
と決意して眠りにつく。
だが…
その頃王太子は母である王妃にピウスの事を相談していて――
「ピウスが弁当を持って待ち伏せを?‥ハンッ!今更何なのよ?今まで散々殿下を蔑ろにして来たくせに――あぁそう、もうすぐ卒業だからね…やっと自分の立場が分かって殿下に媚を売って来たってワケ…澄ました顔して淫売婦並みのしたたかさだわねぇ…フンッ!いいこと?もしまた弁当を持って馬車留めで待ち伏せされても相手にしちゃダメよ?完全無視しておやりなさい」
「え…それは…せっかくの彼女の気持ちを踏みにじる事に…」
もしもまたピウス姫が手作り弁当を作ってくれたら絶対食べる、護衛なんかには渡さない!と意気込んでいた王太子は戸惑うが。
「今まで散々閨を断られた事忘れたの?殿下はあの子にコケにされてんのよ!?」
「そ、それは…」
「冷たくしなきゃダメよ!今までの事反省させなさい!お灸を据えてやるのよ!
――いいこと?女は優しくされるとすぐにつけあがる生き物なの。男女の関係は最初が肝心なんだからね?ここでイニシアチブを取っておけば、ピウスは一生殿下に従順に従う奴隷になるの!いいわね、最初が肝心なのよ!誰が偉いのか、ご主人様なのか、小生意気な王女に教えておやりなさい!」
ピウス姫を奴隷にしたいなんて思っていないが女性として人生経験豊富である母にそう言われてしまえば『なるほどそうなのかな』と納得してしまう王太子。
(うぅ…食べたい…ピウス姫の手作り弁当…だが…これから一生続く夫婦生活の為に…今は残念でも弁当を断るしかないのか…仕方ない…ぐぬうぅッ…本当に残念だがッッ)
爪が食い込むほど拳を握りしめる王太子である…
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