悪い冗談

鷲野ユキ

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死と再生

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『もう一度、ログインしてもらえますか?』

 そうメールで急かされて、私は再びスマホの画面をタッチする。しばらくのロード画面の後、イーグルは再びナルシサスの地に降り立った。

『おい、ひどいじゃないか、いきなり』

 投げやりな気持ちで作ったとはいえ、これは私の分身だ。わずか数分のプレイ時間とはいえ、なんとなく愛着も湧いてきたところだった。
 だというのに、敵にやられるならともかく、この世界に誘ってきた人間にやられるだなんて。裏切られた気分だった。

『すみません。彼女は、私がそういうことを本当にする人間かどうかを見定めたかったらしいんです』 

 そう返すエーオースの髪が、彼女の嫌う「ごついアメリカ人」みたいに金髪になっている。なんとなく鎧や剣も、先より黒ずんで見えた。まるで格闘ゲームの2Pみたいだ。

『Era of Bronzは、敵国同士で戦うファンタジー風FPSです。ベースはギリシャ神話で、オリンポス一二神の名を冠した国同士が争っている、という設定です。敵国に裏返れば、かつての味方を攻撃して殺すこともできる。いつ、自分の仲間が裏切るか。あるいは、決して裏切ることのない固い絆で敵国に立ち向かうか。それがこのゲームの醍醐味なんですよ』

 黒いエーオースが呟く。

『アリスタイオスは後者を選んだ。私も、そうでした。なにより裏切りで得るものより、信頼で得るものの方がこのゲームでは多いんです。経験値やアイテム、ゴールド。そのなかで私とアリスタイオスは固い信頼でつながっていたはずだった』

 いちいちアバターのポーズまで操作できるわけでもないのに、そう語るエーオースの姿は、たそがれて見えた。

『けれど、敵国に寝返るのは容易です。画面の左下にアイコンが見えるでしょう?』

 そう言われて、私は慌てて視線を移す。確かにそこには、悪魔のイラストのようなアイコンがあった。

『そう、それです。戦闘中にそれを押すだけで、任意の国に寝返ることが出来る。かつての仲間を倒した時、一時的にもらえる経験値やアイテムはいつもの倍以上になる。ゆえに常に緊迫感があるのがこのゲームの売りでもあるんですが……』

 なんとも世知辛いゲームだ。そんなの、やっていて楽しいのだろうか。私は内心思ったが、水を注すのは憚られた。画面の中のイーグルは、ただ立ち尽くしている。

『私がやったのはそれです。私が、アリスタイオスを殺した』

 彼女のセリフに合わせてではないだろうが、イーグルが身じろぎした。一定時間操作しないと、こうやって勝手にスクワットをしたり、腕を振ったりするらしい。落ち着きのないやつだ。同じく腕をまわしながら、まったく動作と合わないセリフをエーオースが吐いた。

『でも殺すと言っても、倒された相手は一定時間経過後に再度ログインすることが出来ます。失うのは多少のゴールドやアイテム、今までに得た経験値の一部くらい。でも、なにより裏切られた、という喪失感の方が多いかもしれない』

 喪失感。先ほど私が感じたのはそれだったのだろうか。にわかプレイヤーのくせに。

『私はアリスタイオスも、今まで所属していた国――アテナも裏切ってしまった。もうこのゲームに居場所などありません。だから、今私が操作しているのは、名前は同じですが、違う姿のアバターです。本来のエーオースは魔術師でしたから』

 独白を続ける彼女の元に、なにやら人影が忍び寄る。誰だ?みるみる画面の中で、それ――いや、小さな女の子だ、が近づいてくる。ほかのプレイヤーだろうか。キャラクターの上には、メリッサという文字。

『それでもアリスタイオスの行方を知りたくて、違うキャラを作って探していたんです。けれど彼と現実で会ったことのある人に、私の正体がバレてしまって』
『ヤッホー、エーオース!』

 いきなり、近づいてきた女の子がエーオースに襲いかかった。ツインテールの、やたら露出の多い子どもだ。私は訳も分からず立ちすくむ。激しい爆光があたり一面に広がった。

 また、イーグルは殺されてしまうのか?思わず顔をしかめたが、私のHPは一ミリたりとも減っていない。その一方、エーオースが膝を折るのが見えた。

『エーオースさん?』

 思わず叫ぶ私に、『駄目だよぉ、敵に味方するつもりぃ?』と女の子が声を掛けてきた。

敵?何を言っているんだ?

『アリスタイオスを殺したやつに、とりあえずは復讐しないと気が済まないの』

 女の子が、画面いっぱいの火炎球をエーオースに向かって投げつける。どう考えても私も巻き添えを喰らっているはずだが、不思議と無傷だ。

 敵にしか攻撃が効かない、というこのゲームシステムゆえだろうが、美麗なグラフィックの割に現実感がなく、私は拍子抜けしてしまった。そうして、黒こげになったエーオースの身体が、キラキラと光り空へと消えて行く。

 ああ、ゲームの中で死ぬとああなるのか。

 それを眺めながら、私は不思議な気持ちとなった。本来死とは、おぞましくて汚くて、気持ちの悪いものだ。
 だがここでの死は美しい。まさか、死んだらきれいに消えられるだなんて、本気でゲーム中毒者は思っているのだろうか。

 残されたのは、エーオースを殺した女の子と、立ちすくむ私だけ。この闖入者になんと話しかけたらよいのかわからないでいると、しばらくしてエーオースが再び現れた。

『どう?PKされた気分は』
『あまりいい気分じゃないですね。イーグルさんもすみませんでした』

 どうやら女の子とエーオースは知り合いらしい。この子が、アリスタイオスの手がかりを知る人、なのだろうか。見た目はどうやってもかわいらしい……というにはこの年にしては露出が多く心配になるような恰好をしているが、小さな女の子だ。頭の両側で結んだ髪の毛はピンクで、いかに周りの景色が現実顔負けでも、確かにここが現実ではないことを認識させる。

 確かエーオースは、メリッサと呼んでいた。

『あなたが、アリスタイオスさんと会ったことのあるメリッサさんですか?』
『そうだけど、キミは?』

  小さな女の子にキミ呼ばわりされて、私は気色ばんでしまった。だが、さすがに私の表情まで画面の中のイーグルは再現しない。ただ突っ立っているだけの彼は、『アリスタイオスさんの行方を探す手伝いをしていまして』と返しただけだった。

『でもそれって、この世界でじゃなくて、現実でってことでしょ?』

 手にした杖を弄りながら、メリッサが返す。『わざわざエーオースが連れてきたってことは、もしかして探偵さんとか?』
『いえ、そういうわけじゃ』

 なんと説明したら良いのだろう。アリスタイオスさんは樹海で自殺している可能性が高くて、その遺体の身元の確認をしにわざわざゲーム内にまでやってきました、と馬鹿正直に説明してよいものなのだろうか。

『まあ、そんな感じです。それよりメリッサ。やっぱりEoBにアリスタイオスは現れませんか?』

 助け舟、とばかりにエーオースが口を開いた。その発言に納得したのか、メリッサが首を左右に振りながら口を開いた。

『もしかしたらエーオースみたいにアバターの姿を変えて、まったくの別人としてログインしてる可能性はある。それだともうお手上げだね、見つけようもない。キミみたいに目立つようなことをしてないと』

 姿の違うエーオースにメリッサが気が付いたのは、最近めっきり現れなくなったアリスタイオスについてこそこそと嗅ぎまわるやつがいる、と知ったからだそうだ。

『けれど、アタシだったらあんな無敵なアバター、消したりなんてしないなぁ。レベルはカンスト、伝説級の武器防具もザクザク持ってて。なにしろいくら課金したと思う?そのデータをあっさり捨てられるわけないじゃない』

 メリッサがあり得ない、と言ったように口を尖らせた。

『PKされたところで、今さらアリスタイオスに失うものなんてないだろうし。というより驚きだったのは、よくエーオースがアリスタイオスをPK出来たよね。向こうの方が強いのに』
『ガイアの荒れ地に誘ったの。イージスを見つけたと。あそこなら、アリスタイオスからの攻撃を逃げ切れると思って』
『あの、なんですか、それ。ガイアだの、イージスだの』

 二人の話に付いていけず、私は口を挟む。

『このゲームには、オリンポス一二神それぞれの持つ最強の武器が隠されているんです。例えばポセイドンにはトライデント、ヘルメスにはケリュケイロン。それらは神器と呼ばれていて、手にした時に初めて人は神を凌駕し、神の国を人が支配することが出来る』

 エーオースが親切に解説してくれた。

『プレイヤーの目的は、その神器を見つけて一二ある神の国を支配すること。最初は皆ゼウスの国に落とされるけれど、雷鳴の剣だなんていきなり見つかるわけがない。その時々で神器が見つかりそうな国に移動するの』
『移動と言うか、まあ寝返るんだよね』

 エーオースの説明に、アリスタイオスが相づちを打った。

『言い方は何だけど、まあそうなりますね。このゲームにはテイレシアスという、運営の操作するNPCがいて、それが今あの国に神器が出現しそうだ、って預言をしてくれるんです。で、それに基づいて、多くのプレイヤーはその国に寝返る。けれど、その神器を他国が奪うことも可能なんです。例えばアテネの人間がヘルメスの国の武器を奪えれば、アテネがヘルメスの国も統治することになる。統治するのは、ヘルメスの武器を奪ったプレイヤー』
『で、最終的に〈審判の洪水〉が起こって青銅の時代が終わるとき、神器を多く保有する国が生き残る、っていうストーリーなの』
『その、青銅の時代っていうのは何なんです?』

 先からの良くわからない単語に辟易し、私は口を挟んだ。

『〈Era of Bronz〉つまり青銅の時代。このゲームのタイトルにもなっています。アリスタイオス曰く、この時代までは、まだ世界は神の統治下にあったというんです』
『ああ、神の国を人が支配する、ってのがこのゲームの目的でしたっけ』
『ええ。そうして、ヒトは神になる。永遠の命を手に入れるんです』
『永遠の命ねぇ』

 なんとも罰当たりなゲームだ。

『でも、ゲーム内の話でしょう?永遠なんて、そんなもの手に入れてどうするんです』

 私にはわからなかった。架空の世界でしか通用しないアイテムや経験値。そんなものに時間や金を割く必要などみじんも感じられない。

『そうでしょうか』

 エーオースが呟いた。『確かにまだ、現実には永遠と言うものは無いようです。肉体が滅びれば、ヒトは死ぬ。けれど、ゲームの中のアバターは?この姿には、寿命もありませんし、死んだって蘇る』

 ニヤリ、と彼女が笑った気がした。もちろん、そんなのは気のせいだ。

『たとえ現実の肉体が滅んでも、ゲーム内のデータは生きている』
『まあ、そんなこと言ったって、〈審判の洪水〉が起こったら全部終わりだけどね』

 やれやれとメリッサが口を挟んだ。

『かっこよくは言ってるけどさあ、それが起きたらこのゲームの終わりってことでしょ?案外、運営元が経営破綻した時の言い訳にでも使われるんじゃない?』

 妙に現実的なことを言う。メリッサの言葉に私は危うく納得しかけてしまった。なるほど、確かにうまい言い訳だ。この世に永遠なんてあるはずがない。

 とりあえずアプリゲームとしては珍しい、終わりの設定があるのだと言う事は理解した。

『とはいえそれだけじゃゲームのモチベーションが下がっちゃうでしょ。一回誰かが神器を見つけたら、このゲームの醍醐味が無くなっちゃう。だから運営は、それらに近いくらいの伝説の武器をイベントごとに放出してるの。さすがに神器ほど強くないけど、それでもその辺のやつより十分に強い。そういう強力な武器を保有してるプレイヤーが多い国ほど強いってことになる』

 メリッサの説明にエーオースがうなずきながら――実際はそうではないのだが、私にはそう見えた――付け加えた。

『ですが、その強い武器を持つプレイヤーが寝返ればすべては終わりです』
『そ。その辺も、このゲームの醍醐味ったらそうなのかなぁ。強力な武器を持つプレイヤーがその国の仮の王として君臨できるんだけど、当然下剋上を目指すやつは出てくる。まあ、大半のプレイヤーはそんなことお構いなしに、マイペースでのんびりやってるんだけどさ、一部のガチ勢は我こそが王にと必死だよ。そんなとき、討ちかえすもよし、あるいは逃げて弱国の王になるもよし。ま、アリスタイオスはそんなことしなかったけどね。強い武器もたくさん持ってたし、信頼できる王として、アタシたちの国を束ねてた』

 聞けば彼らの言うチームやギルドとは、国として機能しているらしい。

『アリスタイオスさんは、エーオースさんやメリッサさんの所属する国の王だったと』
『ま、そんなとこになるかな。その王をオトしたくらいだもん。エーオースもアタシなんかより十分強いんだけどさ、でもそれにしたってアリスタイオスは別格だったよ。一二国のなかでもアテネはかなりの大国だったし』

 どうやらアリスタイオスは、よほどのゲーマーだったらしい。無料で出来るアプリゲームの大半が、金を掛けたほうが有利に進むであろうことは私にも容易に推測できる。大国の王にのし上がるほどだ。よほど金と時間を掛けたとしか思えない。

 そこまでして育てたキャラクターを、みすみす捨てるとは素人の私にも思えなかった。

『その、国の主を失って、メリッサさんたちはどうしていたんですか?』 

 気になって私は聞いた。

『そりゃ、必死にアリスタイオスを探したよぉ。一緒にエーオースも消えちゃうし、もしかしたら二人で裏切ったんじゃないかなんて言うやつも出てきてさ。でも、アリスタイオスがそんなことするだなんて思えなかった。だからアタシも、彼の手がかりを探してたんだ。それこそ、現実世界でだって。でもまるで駄目だね。全然音沙汰なし』

 そうだ。そもそも私は、現実世界で死んだ蜂蜜男が本当にアリスタイオスなのかを確認しに来たのだった。

『現実世界で会ったアリスタイオスさんはどんな人でしたか?どのくらいの年齢?どんな顔立ち?』

 矢継ぎ早に繰り出される私の質問に、メリッサが困ったように返した。

『そんなの、あんまり覚えてないよ。アタシと同じかちょっと上くらいかな。歳の割には結構イケてたと思うんだけど、でもなんか疲れた顔してたなぁ』
『ちょっと上……って、そもそもメリッサさんはいくつなんですか?』

 それがわからなければ意味がない。

『やだ、女の歳聞くなんて最低』

 小さい女の子の口から吐かれるセリフじゃないな。私は思った。少なくとも三十代以上の女性なのだろうか、メリッサは。だとするとずいぶんとゲーム内で若返ったもんだ。

『そもそも、なんでアリスタイオスさんと会ったんですか?』
『まあ、ちょっと商談で』
『商談?』 

 ゲームの話、ではなく?

『まあ、そんなことはいいじゃない。とにかくアタシがアリスタイオスに会ったのはそれが最初で最後だよ』
『アリスタイオスさんの本名はご存じないですか?』
『本名?そんなの、知るわけないじゃない』

 仮想キャラの表情は、眉一つ変わらない。けれど私には、なぜだかひどく動揺しているように見えた。

『本当に、知らないのですか?』

 イーグルが、ずいとメリッサに距離を詰めた。私としては特に操作した覚えはないのだが、手が画面に触れていたらしい。

『なによ、知らない言ったら知らないわよ。っていうか、アタシだって知ってたら』
『知ってたら?』
『……なんでもない』

 逃げるようにメリッサが離れた。

『とにかく、もうアタシはアリスタイオスについて知ってることなんてないの。それより探偵さん、そっちこそアリスタイオスの手がかり見つけたら教えてよね』

 そうメリッサが言い残した直後、彼女の姿が消えた。

『ログアウトしたみたいですね』

 やれやれと言ったように、エーオースが呟く。

『本当に、彼女はアリスタイオスについてなにも知らないのでしょうか』

 いや、限りなく怪しい。そうイーグルが口を開こうとしたところで、
 
「サボりか?」「うわっ!?」

 課長が小さな画面に夢中の私に声を掛けてきた。慌ててそれを背中に隠す。

「いえ、事件の手がかりを」

 言ってからしまった、と思った。事件だなんて、また刑事にでもなったつもりかと怒られるに決まっている。

「それのどこに、なんの事件があるっていうんだ?え?」

 ずい、と課長が私の背面をのぞき込もうとしたので、私は慌てて画面を消した。

「なにを見てたんだか知らないが、刑事にでもなったつもりか」

 私が想像したのと一文字と変わらぬセリフを放ち、課長が私を睨みつける。

「しかし、真面目なお前が珍しいな」

 ため息まじりに、課長が壁に掛けられた時計を見た。一七時。気づけば一時間以上、小さな画面を見つめていたことになる。

 定時、などあってないようなものまであと三十分。

「今日は定時で帰れ」

 それだけ言って、課長が私の元を離れていく。

「よい週末を過ごせよ」

 さらには、そう一言を添えて。ここに配属されてから、初めて投げかけられた言葉だ。

 これは、優しさなのか。あるいは仕事をサボった人間に対する、戦力外告知なのだろうか。

 どう捉えるべきか迷ったが、私はその言葉を額面通りに受け取ることにした。明らかに、メリッサは何かを知っている。気になって仕方がなかった。

 再び画面を付ければ、『充電してください』の文字が浮かんでいた。グラフィック処理に負荷がかかるのだろうか。再びゲーム画面を呼び出すことを諦め、私はパソコンに届いたエーオースからのメールに、電池切れで今日はゲームは出来ない旨と、携帯のメールアドレスを添付して送っておいた。
 これでいつでも彼女と連絡を取ることが出来る。いつゲーム世界に呼ばれても大丈夫だ。

 慌てて残りの業務を片すと、私は誰にも挨拶せずにタイムカードを押して、職場を後にした。
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