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セリス視点
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お父様ってば、どういうつもりなのかしら?
ユウマを帰した後、私が応接室に戻ると……そこには、まだお父様がいた。
「お父様、送ってきましたわ」
「うむ、そうか……話があるのでお前も座りなさい」
「は、はい」
空気感がさっきとは変わり、真面目な表情だ。
私は対面座り、背筋を伸ばす。
「さて、第二王子カイル様……というより、国王陛下から正式に打診があった。うちの娘を、カイル様の婚約者にどうかと」
「っー!? ……ついにきたのですね」
「うむ、お主から簡単に話は聞いていたし驚きはなかった。悪い方ではないが、視野が狭く凝り固まった価値観を持ってる。故に、それを補えるお主をということだった」
「不敬を恐れずにいうなら……確かに、そういう面はありましたわ」
「それには同意だ。しかし、そうなると問題も生じる。周りからは、法務大臣である私が後ろに着くと思われるだろう。王位争いの火種になりかねん」
我が国には財務大臣、軍務大臣、法務大臣という役職がある。
それは、それぞれの職の頂点に立つ。
つまり、それだけの力を味方につけるということだ。
「はい、ですので明確なお答えはしませんでした」
「うむ、それでいい。さて、どうしたものか」
「お父様は、どのようにお考えですか?」
「私か……難しい問題だ。あの王子は危なっかしいので、鎖としてお主をやるのも悪くはない。あのままだと、暴走する可能性もある」
「はい、私もそれは危惧しておりますわ」
焦ってるのか人の話を聞く姿勢がないし、意固地になってる気もする。
もしくは、誰かに言われてるとか。
「あそこの母親は特権階級の思想が強い。切り離すことができればいいが……ちなみに、保留という返事はしておいた。まだ入学したばかりで時期尚早であると」
「やはり、そうですか。なるほど、わかりましたわ」
「して……ただの父として聞こう。お主はどうしたいのだ?」
「えっ? わ、私ですか?」
そんなことを聞かれるとは思ってなかった。
お父様は法の番人だけあって、そういうことには感情を挟まないと思ってたから。
「私とて、ただの父親だ。できる限り、娘の幸せを一番に考えているさ。今までのお主には浮いた話はなかったが、ユウマ殿と再会したからな。どうやら、仲が良さそうだ」
「ユ、ユウマとは何もありません! ただ、私は、その……気になってるといいますか。でも、彼には魅力的な女性が沢山いますから」
「うむ、報告は受けている。公爵令嬢に伯爵令嬢、獣人の女の子など……あの無自覚にモテるのも、エルバート譲りか。そういえば、私の幼馴染であるサラも苦労していたよ」
「幼馴染……私と立場は一緒ってことですね。も、もちろん、私は別にユウマを好きとかそういうアレではなくて……」
だ、だめ……考えると顔が熱くなってくる。
私、どんな顔をしてるのかな?
「くく、そういうところも同じだな。まあ、まだ猶予はある。お主にも、普通に学園生活でやりたいこともあるだろう。もし、意思が固まったら私に言いなさい」
「お父様……ありがとうございます。実は生徒会の件もそうですけど、色々とやりたいことがあるのです」
「うむ、学生の本分は本来そういうものだ。準備期間であり、成長する場でもある。その結果、答えが出たら……私も覚悟を決めよう」
「はいっ、それでは失礼します」
自分の考えをまとめるため、私は自分の部屋に戻る。
「私とカイル王子が付き合うと、バランスが崩れるか安定するか。そこは読めないってことよね。そして、私の気持ち……」
今日は、物凄く楽しかった。
大変なこともあったけど、私にも出来ることがあるんだって。
それを教えてくれたユウマには感謝してる。
はぁ……自分の気持ちだけを優先できたら楽なのに。
ユウマを帰した後、私が応接室に戻ると……そこには、まだお父様がいた。
「お父様、送ってきましたわ」
「うむ、そうか……話があるのでお前も座りなさい」
「は、はい」
空気感がさっきとは変わり、真面目な表情だ。
私は対面座り、背筋を伸ばす。
「さて、第二王子カイル様……というより、国王陛下から正式に打診があった。うちの娘を、カイル様の婚約者にどうかと」
「っー!? ……ついにきたのですね」
「うむ、お主から簡単に話は聞いていたし驚きはなかった。悪い方ではないが、視野が狭く凝り固まった価値観を持ってる。故に、それを補えるお主をということだった」
「不敬を恐れずにいうなら……確かに、そういう面はありましたわ」
「それには同意だ。しかし、そうなると問題も生じる。周りからは、法務大臣である私が後ろに着くと思われるだろう。王位争いの火種になりかねん」
我が国には財務大臣、軍務大臣、法務大臣という役職がある。
それは、それぞれの職の頂点に立つ。
つまり、それだけの力を味方につけるということだ。
「はい、ですので明確なお答えはしませんでした」
「うむ、それでいい。さて、どうしたものか」
「お父様は、どのようにお考えですか?」
「私か……難しい問題だ。あの王子は危なっかしいので、鎖としてお主をやるのも悪くはない。あのままだと、暴走する可能性もある」
「はい、私もそれは危惧しておりますわ」
焦ってるのか人の話を聞く姿勢がないし、意固地になってる気もする。
もしくは、誰かに言われてるとか。
「あそこの母親は特権階級の思想が強い。切り離すことができればいいが……ちなみに、保留という返事はしておいた。まだ入学したばかりで時期尚早であると」
「やはり、そうですか。なるほど、わかりましたわ」
「して……ただの父として聞こう。お主はどうしたいのだ?」
「えっ? わ、私ですか?」
そんなことを聞かれるとは思ってなかった。
お父様は法の番人だけあって、そういうことには感情を挟まないと思ってたから。
「私とて、ただの父親だ。できる限り、娘の幸せを一番に考えているさ。今までのお主には浮いた話はなかったが、ユウマ殿と再会したからな。どうやら、仲が良さそうだ」
「ユ、ユウマとは何もありません! ただ、私は、その……気になってるといいますか。でも、彼には魅力的な女性が沢山いますから」
「うむ、報告は受けている。公爵令嬢に伯爵令嬢、獣人の女の子など……あの無自覚にモテるのも、エルバート譲りか。そういえば、私の幼馴染であるサラも苦労していたよ」
「幼馴染……私と立場は一緒ってことですね。も、もちろん、私は別にユウマを好きとかそういうアレではなくて……」
だ、だめ……考えると顔が熱くなってくる。
私、どんな顔をしてるのかな?
「くく、そういうところも同じだな。まあ、まだ猶予はある。お主にも、普通に学園生活でやりたいこともあるだろう。もし、意思が固まったら私に言いなさい」
「お父様……ありがとうございます。実は生徒会の件もそうですけど、色々とやりたいことがあるのです」
「うむ、学生の本分は本来そういうものだ。準備期間であり、成長する場でもある。その結果、答えが出たら……私も覚悟を決めよう」
「はいっ、それでは失礼します」
自分の考えをまとめるため、私は自分の部屋に戻る。
「私とカイル王子が付き合うと、バランスが崩れるか安定するか。そこは読めないってことよね。そして、私の気持ち……」
今日は、物凄く楽しかった。
大変なこともあったけど、私にも出来ることがあるんだって。
それを教えてくれたユウマには感謝してる。
はぁ……自分の気持ちだけを優先できたら楽なのに。
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