はぐれ猟師の異世界自炊生活~フェンリル育てながら、気ままに放浪させてもらいます~

おとら@ 書籍発売中

文字の大きさ
表紙へ
17 / 48
2巻

2-1

しおりを挟む



 第一章 娘ができたようだ


 異世界に迷い込んだ猟師りょうし兼料理人の俺――真田さなだ日向ひゅうがは、親切な女騎士のユリアや、龍人族りゅうじんぞくのエギルなどの助けを借りつつも、辺境都市へんきょうとしナイゼルで新しい生活を軌道きどうに乗せていた。
 そんな中、鳥族とりぞくのアイザックとカズラというハンター達に、俺が保護した子フェンリルのセツがさらわれるという事件が発生する。
 家族同然のセツの命をおびやかされ、俺は自らの手でアイザック達を始末した。
 その日から、およそ一週間。
 俺は休暇を取りつつ、世話になったみんなに料理を振る舞って、お礼をしたいと考えていた。
 メニューが決まったので、みんなに知らせ……いよいよその日を迎えた。
 俺は昼から宿の厨房に立ち、調理に取り掛かる。みんなが集まるのは夜だが、今回のメニューは時間がかかるので、今のうちから仕込みを始めるのだ。
 ちなみに、俺が世話をしているフェンリルの子供のセツは、庭で日向ひなたぼっこ中だ。
 あの事件以降、急速に成長していて、大きさも五十センチを超えている。随分ずいぶんたくましくなってきた気がする。
 ハンターギルドのマスターをやっているエルフのクラリスにそのことを聞いたら「セツはヒュウガを守りたいんじゃない?」と言われた。
 俺から離れて行動することも、少しずつ増えてきた。多分、自立しようとしているのかもな……さびしいけど、これも親の務めだと思って我慢しよう。
 もちろん、まだまだ甘えん坊なのは、変わらないようだけど。
 トントントンと小気味よい包丁の音が、厨房内に鳴り響く。

「ああ、やはり良い」

 落ち着くというか、心が穏やかな気持ちになる。やはり俺は料理が好きなようだ。

「それにしても、料理が好きで良かったよな。これなら、どこの世界でもできるし」

 今仕込んでいるのは、以前作った赤ワインソースだ。
 エギルがこの味をいたく気に入ったみたいで、せがまれてしまった。
 俺はここ数日で揃えた食材を、まな板に並べる。
 メインディッシュは牛鬼ぎゅうきのローストビーフだ。付け合わせとスープは、みんなが美味おいしく、楽しく食事ができるように、シンプルなものにするか。
 全てのメニューが決まったところで、階段を上る足音が聞こえてくる。
 厨房に入ってきたのは、以前セツと一緒にアイザックに攫われていた兎族うさぎぞくの女の子だ。

「おはよう、ノエル」
「お、おはようございます! お、お父さん!」

 ……そうなのです、ついに娘ができました。
 身寄りがなく、孤児院暮らしだった彼女を、俺が引き取ることにしたのだ。
 助けたからには、最後まで責任を取れ――というのが、祖父の教えだからな。

「ノエル……〝お父さん〟は勘弁してくれるかな?」

 恥ずかしくてついそう言うと、ノエルは今にも泣き出しそうな表情で訴える。

「ダ、ダメですか……? ぼ、僕……お父さんにあこがれていて……」

 マ、マズイ! こんな健気けなげな女の子を泣かせたら、俺は祖父じいさんに殺される!!
 そして――俺の気持ち的には――社会的にも死ぬ!!

「え、いや……わ、わかった! わかったから、泣かないでくれ!」
「ホントですか!? わーい! あっ、僕も手伝います!」
「はは、じゃあお願いしようか。ノエルは、何ができるんだい?」
「小さい子達のために食事を作ってました! だから、それなりにできると思います!」
「そうか、ノエルは偉いな」

 先ほどとは一転、笑みを浮かべて張り切るノエルの頭をでてやる。
 おお、時折れる兎耳がふわふわだ……などと考えていると、彼女のつぶやきが聞こえてきた。

「えへへ、お父さんってこんな感じなのかな……」

 そうか、この子には父親が……親の愛にえる気持ちは痛いほどわかる。

「……辛かったな。俺も親を早くに亡くしてな。俺でよかったら撫でてあげるから、いつでも来るといい」
「え!? いいんですか!? うぅ……ありがとうございます……」

 結局ノエルは泣いてしまったけど、うれなみだだと思うから……いいよね、祖父さん?
 彼女が泣き止むのを待って、料理を再開する。

「さて。俺の料理はこの世界では珍しい手法を使うから、いきなりは作れないと思う。なので、野菜を切ったり、なべを混ぜたり、火加減を見たりしてほしい。できるかな?」
「はい! 僕、頑張ります!」

 作業を開始し、ノエルは手際てぎわよく野菜などを切っていく。
 ふむ……悪くない。包丁使いも危なげなく、切り方も丁寧だ。
 多分本人の言う通り、日頃からやっているな。これなら、目を離しても平気そうだ。

「俺も、自分の作業に取り掛かるとしますか」

 まずは、大量の牛鬼の肉を、七百グラムくらいのブロックに切り分ける。
 それぞれに塩、胡椒こしょうをして、すりおろした玉ねぎを満遍まんべんなくる。
 この状態で、しばらく冷蔵庫の中で寝かせておく。
 動作原理は違うとはいえ、こっちの世界にも冷蔵庫やコンロみたいな設備があるのは本当に助かる。
 さて、次は具だくさんのトマトスープだ。
 まずはトマトを湯剥ゆむきして、粗みじんコンカッセする。それを鍋に入れ、作り置きしている動物系の骨の出汁だしでとったスープを加える。
 よしよし、これで相当な旨味うまみがあるスープになるぞ。
 次に、ノエルが切ってくれたベーコンをフライパンでいためる。
 ベーコンから出たあぶらで、野菜類を炒めていく。
 一度火を通した方が、スープが染み込むし、ジャガイモやナスは焼き目もつけたい。
 タマネギ、ナス、ジャガイモ、キノコ類、ベーコン……具材はこんなところでいいか。
 炒めた食材をトマトスープに入れ、あとは煮込んで味を調ととのえれば、スープは完成だ。
 付け合わせは、山菜やキノコ類、葉物野菜のバター醤油しょうゆソテーにする。
 シンプルだが、一番素材の味が活きるからな。作るのはみんなが来てからでいいだろう。
 最後に赤ワインソースを仕上げて、一度休憩にする。

「ノエル、助かったよ。それに上手だったな。おかげで、自分の料理に集中できたよ」
「ホントですか!? えへへ、良かったです。僕でもお役に立てたみたいで」

 すると、キュルルーという可愛かわいらしい音が聞こえた。

「はわっ!? いや、違うんです! 良い匂いをいでいたから……はぅぅ……」

 ノエルは顔を真っ赤にしてうつむいてしまう。

「ははっ! そうだな、もうお昼時だしな。じゃあ、セツの散歩ついでに食べ歩くとするか。手伝ってくれたお礼におごるからさ」
「でも……悪いです」
「おいおい、俺はお父さんなんだろ? なら、遠慮することはない」
「で、でも……僕……」
「じゃあ、後でセツと遊んでくれるかな? あいつには大人の知り合いばかりで、子供の友達がいないからさ」
「セツちゃんと? ……うん! 僕も遊びたい!」
「そうか、ありがとう。では、庭に行くか」

 フゥ……なんとか説得できたか。
 しかし、まだ小さいのに、遠慮しがちな子だ。今までの環境でそうなったのか、元からこういう性格かはわからないが、子供が遠慮なんかするものじゃないからな……


 庭に出ると、セツが日向ぼっこから起き上がり、こちらに駆け寄ってきた。

「セツちゃん! こんにちは! これからよろしくね!」
「キャン! キャン!」

 少女とワンコがたわむれている……うん、いやされる。

「ほら、散歩に行くぞ」
「あ、あの……」

 ノエルは遠慮がちにこちらを見て、もぞもぞと手を出したり、引っ込めたりしている。

「うん? どうした?」
「ふぇ!? い、いや、その……手をつないでもらってもいいですか?」
「ああ、そんなことか。いいよ、はぐれたら大変だしな」

 俺がそう応えると、ノエルは花が咲いたように笑顔になる。

「は、はい! ありがとうございます!」

 ノエルの小さな手を握り、そのまま歩き出す。

「えへへ、お父さんの手は大きいです!」

 なるほど、娘がいたらこんな感じなのか……
 セツは、俺の足元にまとわりついてくる。うーん……嫉妬しっとでもしているのか?
 俺はセツを踏まないように慎重に歩いていると……住民とすれ違う度に挨拶あいさつされた。
 みんな笑顔で接してくれるけど……これ、俺とノエルだけだと捕まる案件だよな。
 悲しいことに、少女誘拐犯にしか見えない。つくづくセツがいて良かった。
 その後、俺達は屋台で軽食を購入し、広場で食べることにした。
 どうやら、この散歩の間でノエルとセツは相当仲良しになったようだ。

「セツちゃんは、お父さんが大好きなんだね!」
「キャン!」
「うわっ! くすぐったいよー」

 朝から好きな料理をして、散歩をして、広場で少女と戯れるワンコを見てほんわかする。
 うん、今日は良い日だ。これが、スローライフってやつなのか?
 俺は心が癒されるのを感じながら、そんなことを思った。


 散歩を終えた俺は、宿の厨房に戻り、料理の仕上げをする。
 セツとノエルは庭で遊ぶらしい。やはり子供は遊ぶのが一番良いよな。
 冷蔵庫で寝かせておいた牛鬼肉のかたまりを取り出し、常温で置いておく。
 調理の際に、冷えていると火の通りが良くないからだ。

「肉は良い感じに馴染なじんでいるから、ソースを作るか」

 今回のメインディッシュに合うものを考えた結果、オレンジソースを作ることにした。
 そういえば、よく祖母ばあさんと作ったっけ。簡単だけど美味しいから、オススメだ。
 未開の地で手に入れたオレンジをしぼって、それに少量の水を足して、そこに砂糖を加えて火にかける。
 あとはとろみをつけるために粉系を入れて……ソースは完成だ。
 次に、用意したフライパンに油を引き、刻んだニンニクを入れる。
 げないように、軽く混ぜながら、満遍なく加熱していく。
 良い頃合いで取り出して……次に、肉の状態を確認する。

「よし、冷たくない。体感だけど、三十分は経過しているはずだ」

 先程ニンニクが入っていたフライパンに肉を入れ、弱火で火にかける。
 さらに、その周りに切ったタマネギを投入し、一緒に炒めていく。
 これで肉が柔らかく仕上がる。
 その後は、じっと待つわけだが……やはり、時計が欲しい。
 職業的に体内時計は優れているとはいえ、完璧ではない。
 またお金を貯めないとな。まったく、いつになったら自分の店を持てるのやら……
 七分くらい経ったところで、確認のため、トングで肉をつかんで横にする。

「おっ、良い焼き色がついているな! これでよしと」

 全ての面を五、六分ほど焼いて、焼き色をつける。
 本来なら桜チップを使っていぶしたり、オーブンを使ったりして作るが、今回はお手軽に作れるフライパンのみでの調理方法にした。
 これなら時間も早いし、洗い物も減り、何より失敗しないから良い。

「よし、完成だ。これだけあれば、足りないってことはないだろう。あとは余熱調理だな」

 俺は耐熱用の紙で、それぞれの肉を隙間なく包み込む。
 これで今日のおもてなしメニューが、ほとんど完成した。
 残りの料理はそんなに時間はかからないから、直前でいい。


 後片付けを済ませて庭に出ると、外では信じられない光景が広がっていた。
 暇を持て余しているらしいエギルが、ノエル達の輪に加わっているのはいいのだが……

「行くよー。ファイアボール!」
「ガウッ!」

 ノエルとセツが繰り出した火の玉と氷のブレスがぶつかり合い、弾ける。
 その余波を、エギルが片足で蹴りを振り抜いて、消し去った。
 幼女とワンコが戯れるなごやかな光景を期待していたのだが……俺は一体、何を見ている?

「むっ? ヒュウガか。下準備とやらは終わったのか?」
「終わったが……エギル、これは一体?」
「うむ、あの少女がハンターになりたいようでな。何ができるのか聞いたところ、少し魔法が使えるというので、試していたのだ」
「へぇ、それは知らなかった。獣人族じゅうじんぞくはみんな、魔法が使えるのか?」
「いや、そういうわけではない。ただ聞いたところ、父親が人間で魔法使いだったらしいぞ。それを受け継いだのだろう。きたえれば、それなりの使い手になるやもしれん」

 すると、ノエル達が俺に気づき、寄ってくる。

「お父さん! 僕、強くなりたいんです! もういじめられないように! そしてハンターになって、孤児院にいる友達に美味しい物を食べさせてあげたいんです!」

 なんて友達想いな子だ! お父さんは、涙腺崩壊るいせんほうかいしそう……!

「そうか……偉いな、ノエルは」
「攫われた時は、怖くて体が動かなくて……だから、そんな自分を変えたいというか……セツちゃんも、お父さんにも心配かけないように、強くなりたいって」
「立派な心掛けだぞ。何かを変えたいと思い、行動に移すことは大変な労力が必要だ。今、ノエルはその一歩を踏み出したんだ。その時点で、もう変わっているということだ」
「そ、そうなのかな。えへへ、だったら嬉しいな」
「しかし、ハンターか……俺が言うのもなんだが、楽しいことばかりではないぞ?」
「それは、わかっているつもりです。この間みたいな、怖い目にあうこともあるかもしれないって、覚悟もしています」

 うーん……考えようによっては、良い案かもしれない。
 ノエルが一人になった時に色々心配ではあるし、魔法が使えるなら、俺の弱点も補える。

「そうだなぁ……ノエルさえよければ、俺とセツとパーティーでも組むか?」
「え!? でも、僕まだ弱いし……」
「誰でも最初は弱いさ。そして自分の弱さを知っている者は、間違いなく強くなれる」
「僕が強くなれる……? ホ、ホントにいいんですか?」

 ノエルは躊躇ちゅうちょして俯いてしまうが、俺は彼女の背中を押すべく、力強くうなずく。

「ああ。後は、ノエルの意思次第だ」
「僕の意思? そんなこと聞かれたの初めて……でも、やりたいです! お願いします!」
「ああ、よろしくな。これからは親子で、そして仲間だ」
「キャン!」

 こうして、新たな仲間が加わった。
 三十路みそじのおっさん、うさ耳少女、モフモフワンコ……カオスだが、楽しそうでいいか。


 夕食までまだ時間があるので、早速ノエルを連れてハンターギルドに向かうことにする。
 ギルドに入ると、クラリスがニコニコしながら迎えてくれた。

「あら、ヒュウガ? どうしたの? 食事のエスコートには早いわよね?」

 これは……からかわれているな。

「クラリス、当店はそのようなサービスはしていないよ」
「あら、残念。それより、ちゃんと呼び捨てにしてくれたわね」

 そう、以前と違って、俺はクラリスを呼び捨てにするようになっている。
「なんでユリアは呼び捨てで、私だけさんづけなの?」と、鬼の形相ぎょうそうで迫られたので、大人しく従った方が身のためだと、覚悟を決めたのだ。

「だって、そうしないと許してくれそうになかったし」
「あら? 私のことがわかってきたわね。で、どうしたの?」
「この子を、ハンター登録してくれ。そして、パーティーを組もうかと」

 俺の紹介でノエルが一歩前に出るが、ガチガチに緊張していて、動きがぎこちない。

「ひゃ、ひゃい! ノ、ノエルといいます!」
「どうした、ノエル? そんなに緊張して。クラリスは好い人だぞ?」
「だ、だってエルフさんですよ? それもギルドマスターの! すごい方なんですよ!?」
「そ、そうなのか。うーん、いまいちピンとこないなぁ。俺にとっては、クラリスはクラリスだしなぁ……」
「フフ、嬉しいこと言うわね。まあ、ヒュウガの言う通り、緊張しなくていいわ」
「は、はい! 頑張ります!」

 早速登録を済ませたところで、ステータス確認をする。


 ノエル 十二歳 獣人族
 体力:E+ 魔力:D
 筋力:E 知力:D 速力:D+ 技力:D+
 称号:なし


「これは……」
「ノエルは技力と速力に優れていて、体力と筋力が足りないか」

 次にセツのステータスを見ると、知力と魔力が一つ上がり、Cになっていた。
 これなら、一人前と言えるだろう。クラリスも感心している。

「さすがはフェンリルの子、成長速度が早いわね。まあ、修羅場しゅらばを経験したことも関係していると思うわ」
「なるほど。機転を利かせた戦いをしたから知力が上がり、魔法やブレスを多用したから魔力が上がったという感じかもな。セツ、偉いぞ。お前の努力のあかしだな」
「セツちゃん、凄い! 僕より全然強いね!」
「キャン!」

 みんなにめられて、得意満面で尻尾を振るセツだった。


 その後ハンターギルドを出て、宿に戻った俺達は、ディナーの最後の準備を整えた。
 セツは宿の前でお客さんのお出迎え、ノエルは席への案内や給仕をやってもらう。

「……これでよし、と。ノエル、ありがとうな。凄く助かったよ」
「いえ! 僕、こういうの、好きかもしれません!」
「そうか、なら良かったよ」

 ちなみに、割り増し料金を払って、今日は宿の厨房を貸し切りにしてもらっている。
 そうこうしているうちに日が暮れて、最初のお客様がやってきた。

「ヒュウガ、邪魔するぜ」

 入ってきたのは、肉屋のロダンさん。商店街を代表して、彼に来てもらった。
 さすがに商店街の人達全員は呼べないので、彼にお土産みやげのローストビーフを渡して、皆さんに配ってもらうつもりだ。
 エギルがたくさんくれたから、肉の量は問題ない。 

「ロダンさん、わざわざすみません」
「いいってことよ。むしろ、ありがとな。商店街のみんなもよろしくだってよ」
「ええ、後日改めて挨拶に行きますね。では、どうぞ」

 次に来たのは、テイマー協会のトマスさんだ。


しおりを挟む
表紙へ
感想 56

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな

七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」 「そうそう」  茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。  無理だと思うけど。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

私が死んで満足ですか?

マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。 ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。 全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。 書籍化にともない本編を引き下げいたしました

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。