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2巻
2-1
しおりを挟む第一章 娘ができたようだ
異世界に迷い込んだ猟師兼料理人の俺――真田日向は、親切な女騎士のユリアや、龍人族のエギルなどの助けを借りつつも、辺境都市ナイゼルで新しい生活を軌道に乗せていた。
そんな中、鳥族のアイザックとカズラというハンター達に、俺が保護した子フェンリルのセツが攫われるという事件が発生する。
家族同然のセツの命を脅かされ、俺は自らの手でアイザック達を始末した。
その日から、およそ一週間。
俺は休暇を取りつつ、世話になったみんなに料理を振る舞って、お礼をしたいと考えていた。
メニューが決まったので、みんなに知らせ……いよいよその日を迎えた。
俺は昼から宿の厨房に立ち、調理に取り掛かる。みんなが集まるのは夜だが、今回のメニューは時間がかかるので、今のうちから仕込みを始めるのだ。
ちなみに、俺が世話をしているフェンリルの子供のセツは、庭で日向ぼっこ中だ。
あの事件以降、急速に成長していて、大きさも五十センチを超えている。随分逞しくなってきた気がする。
ハンターギルドのマスターをやっているエルフのクラリスにそのことを聞いたら「セツはヒュウガを守りたいんじゃない?」と言われた。
俺から離れて行動することも、少しずつ増えてきた。多分、自立しようとしているのかもな……寂しいけど、これも親の務めだと思って我慢しよう。
もちろん、まだまだ甘えん坊なのは、変わらないようだけど。
トントントンと小気味よい包丁の音が、厨房内に鳴り響く。
「ああ、やはり良い」
落ち着くというか、心が穏やかな気持ちになる。やはり俺は料理が好きなようだ。
「それにしても、料理が好きで良かったよな。これなら、どこの世界でもできるし」
今仕込んでいるのは、以前作った赤ワインソースだ。
エギルがこの味をいたく気に入ったみたいで、せがまれてしまった。
俺はここ数日で揃えた食材を、まな板に並べる。
メインディッシュは牛鬼のローストビーフだ。付け合わせとスープは、みんなが美味しく、楽しく食事ができるように、シンプルなものにするか。
全てのメニューが決まったところで、階段を上る足音が聞こえてくる。
厨房に入ってきたのは、以前セツと一緒にアイザックに攫われていた兎族の女の子だ。
「おはよう、ノエル」
「お、おはようございます! お、お父さん!」
……そうなのです、ついに娘ができました。
身寄りがなく、孤児院暮らしだった彼女を、俺が引き取ることにしたのだ。
助けたからには、最後まで責任を取れ――というのが、祖父の教えだからな。
「ノエル……〝お父さん〟は勘弁してくれるかな?」
恥ずかしくてついそう言うと、ノエルは今にも泣き出しそうな表情で訴える。
「ダ、ダメですか……? ぼ、僕……お父さんに憧れていて……」
マ、マズイ! こんな健気な女の子を泣かせたら、俺は祖父さんに殺される!!
そして――俺の気持ち的には――社会的にも死ぬ!!
「え、いや……わ、わかった! わかったから、泣かないでくれ!」
「ホントですか!? わーい! あっ、僕も手伝います!」
「はは、じゃあお願いしようか。ノエルは、何ができるんだい?」
「小さい子達のために食事を作ってました! だから、それなりにできると思います!」
「そうか、ノエルは偉いな」
先ほどとは一転、笑みを浮かべて張り切るノエルの頭を撫でてやる。
おお、時折触れる兎耳がふわふわだ……などと考えていると、彼女の呟きが聞こえてきた。
「えへへ、お父さんってこんな感じなのかな……」
そうか、この子には父親が……親の愛に飢える気持ちは痛いほどわかる。
「……辛かったな。俺も親を早くに亡くしてな。俺でよかったら撫でてあげるから、いつでも来るといい」
「え!? いいんですか!? うぅ……ありがとうございます……」
結局ノエルは泣いてしまったけど、嬉し涙だと思うから……いいよね、祖父さん?
彼女が泣き止むのを待って、料理を再開する。
「さて。俺の料理はこの世界では珍しい手法を使うから、いきなりは作れないと思う。なので、野菜を切ったり、鍋を混ぜたり、火加減を見たりしてほしい。できるかな?」
「はい! 僕、頑張ります!」
作業を開始し、ノエルは手際よく野菜などを切っていく。
ふむ……悪くない。包丁使いも危なげなく、切り方も丁寧だ。
多分本人の言う通り、日頃からやっているな。これなら、目を離しても平気そうだ。
「俺も、自分の作業に取り掛かるとしますか」
まずは、大量の牛鬼の肉を、七百グラムくらいのブロックに切り分ける。
それぞれに塩、胡椒をして、すりおろした玉ねぎを満遍なく塗る。
この状態で、しばらく冷蔵庫の中で寝かせておく。
動作原理は違うとはいえ、こっちの世界にも冷蔵庫やコンロみたいな設備があるのは本当に助かる。
さて、次は具だくさんのトマトスープだ。
まずはトマトを湯剥きして、粗みじんする。それを鍋に入れ、作り置きしている動物系の骨の出汁でとったスープを加える。
よしよし、これで相当な旨味があるスープになるぞ。
次に、ノエルが切ってくれたベーコンをフライパンで炒める。
ベーコンから出た脂で、野菜類を炒めていく。
一度火を通した方が、スープが染み込むし、ジャガイモやナスは焼き目もつけたい。
タマネギ、ナス、ジャガイモ、キノコ類、ベーコン……具材はこんなところでいいか。
炒めた食材をトマトスープに入れ、あとは煮込んで味を調えれば、スープは完成だ。
付け合わせは、山菜やキノコ類、葉物野菜のバター醤油ソテーにする。
シンプルだが、一番素材の味が活きるからな。作るのはみんなが来てからでいいだろう。
最後に赤ワインソースを仕上げて、一度休憩にする。
「ノエル、助かったよ。それに上手だったな。おかげで、自分の料理に集中できたよ」
「ホントですか!? えへへ、良かったです。僕でもお役に立てたみたいで」
すると、キュルルーという可愛らしい音が聞こえた。
「はわっ!? いや、違うんです! 良い匂いを嗅いでいたから……はぅぅ……」
ノエルは顔を真っ赤にして俯いてしまう。
「ははっ! そうだな、もうお昼時だしな。じゃあ、セツの散歩ついでに食べ歩くとするか。手伝ってくれたお礼に奢るからさ」
「でも……悪いです」
「おいおい、俺はお父さんなんだろ? なら、遠慮することはない」
「で、でも……僕……」
「じゃあ、後でセツと遊んでくれるかな? あいつには大人の知り合いばかりで、子供の友達がいないからさ」
「セツちゃんと? ……うん! 僕も遊びたい!」
「そうか、ありがとう。では、庭に行くか」
フゥ……なんとか説得できたか。
しかし、まだ小さいのに、遠慮しがちな子だ。今までの環境でそうなったのか、元からこういう性格かはわからないが、子供が遠慮なんかするものじゃないからな……
庭に出ると、セツが日向ぼっこから起き上がり、こちらに駆け寄ってきた。
「セツちゃん! こんにちは! これからよろしくね!」
「キャン! キャン!」
少女とワンコが戯れている……うん、癒される。
「ほら、散歩に行くぞ」
「あ、あの……」
ノエルは遠慮がちにこちらを見て、もぞもぞと手を出したり、引っ込めたりしている。
「うん? どうした?」
「ふぇ!? い、いや、その……手を繋いでもらってもいいですか?」
「ああ、そんなことか。いいよ、はぐれたら大変だしな」
俺がそう応えると、ノエルは花が咲いたように笑顔になる。
「は、はい! ありがとうございます!」
ノエルの小さな手を握り、そのまま歩き出す。
「えへへ、お父さんの手は大きいです!」
なるほど、娘がいたらこんな感じなのか……
セツは、俺の足元に纏わりついてくる。うーん……嫉妬でもしているのか?
俺はセツを踏まないように慎重に歩いていると……住民とすれ違う度に挨拶された。
みんな笑顔で接してくれるけど……これ、俺とノエルだけだと捕まる案件だよな。
悲しいことに、少女誘拐犯にしか見えない。つくづくセツがいて良かった。
その後、俺達は屋台で軽食を購入し、広場で食べることにした。
どうやら、この散歩の間でノエルとセツは相当仲良しになったようだ。
「セツちゃんは、お父さんが大好きなんだね!」
「キャン!」
「うわっ! くすぐったいよー」
朝から好きな料理をして、散歩をして、広場で少女と戯れるワンコを見てほんわかする。
うん、今日は良い日だ。これが、スローライフってやつなのか?
俺は心が癒されるのを感じながら、そんなことを思った。
散歩を終えた俺は、宿の厨房に戻り、料理の仕上げをする。
セツとノエルは庭で遊ぶらしい。やはり子供は遊ぶのが一番良いよな。
冷蔵庫で寝かせておいた牛鬼肉の塊を取り出し、常温で置いておく。
調理の際に、冷えていると火の通りが良くないからだ。
「肉は良い感じに馴染んでいるから、ソースを作るか」
今回のメインディッシュに合うものを考えた結果、オレンジソースを作ることにした。
そういえば、よく祖母さんと作ったっけ。簡単だけど美味しいから、オススメだ。
未開の地で手に入れたオレンジを搾って、それに少量の水を足して、そこに砂糖を加えて火にかける。
あとはとろみをつけるために粉系を入れて……ソースは完成だ。
次に、用意したフライパンに油を引き、刻んだニンニクを入れる。
焦げないように、軽く混ぜながら、満遍なく加熱していく。
良い頃合いで取り出して……次に、肉の状態を確認する。
「よし、冷たくない。体感だけど、三十分は経過しているはずだ」
先程ニンニクが入っていたフライパンに肉を入れ、弱火で火にかける。
さらに、その周りに切ったタマネギを投入し、一緒に炒めていく。
これで肉が柔らかく仕上がる。
その後は、じっと待つわけだが……やはり、時計が欲しい。
職業的に体内時計は優れているとはいえ、完璧ではない。
またお金を貯めないとな。まったく、いつになったら自分の店を持てるのやら……
七分くらい経ったところで、確認のため、トングで肉を掴んで横にする。
「おっ、良い焼き色がついているな! これでよしと」
全ての面を五、六分ほど焼いて、焼き色をつける。
本来なら桜チップを使って燻したり、オーブンを使ったりして作るが、今回はお手軽に作れるフライパンのみでの調理方法にした。
これなら時間も早いし、洗い物も減り、何より失敗しないから良い。
「よし、完成だ。これだけあれば、足りないってことはないだろう。あとは余熱調理だな」
俺は耐熱用の紙で、それぞれの肉を隙間なく包み込む。
これで今日のおもてなしメニューが、ほとんど完成した。
残りの料理はそんなに時間はかからないから、直前でいい。
後片付けを済ませて庭に出ると、外では信じられない光景が広がっていた。
暇を持て余しているらしいエギルが、ノエル達の輪に加わっているのはいいのだが……
「行くよー。ファイアボール!」
「ガウッ!」
ノエルとセツが繰り出した火の玉と氷のブレスがぶつかり合い、弾ける。
その余波を、エギルが片足で蹴りを振り抜いて、消し去った。
幼女とワンコが戯れる和やかな光景を期待していたのだが……俺は一体、何を見ている?
「むっ? ヒュウガか。下準備とやらは終わったのか?」
「終わったが……エギル、これは一体?」
「うむ、あの少女がハンターになりたいようでな。何ができるのか聞いたところ、少し魔法が使えるというので、試していたのだ」
「へぇ、それは知らなかった。獣人族はみんな、魔法が使えるのか?」
「いや、そういうわけではない。ただ聞いたところ、父親が人間で魔法使いだったらしいぞ。それを受け継いだのだろう。鍛えれば、それなりの使い手になるやもしれん」
すると、ノエル達が俺に気づき、寄ってくる。
「お父さん! 僕、強くなりたいんです! もう虐められないように! そしてハンターになって、孤児院にいる友達に美味しい物を食べさせてあげたいんです!」
なんて友達想いな子だ! お父さんは、涙腺崩壊しそう……!
「そうか……偉いな、ノエルは」
「攫われた時は、怖くて体が動かなくて……だから、そんな自分を変えたいというか……セツちゃんも、お父さんにも心配かけないように、強くなりたいって」
「立派な心掛けだぞ。何かを変えたいと思い、行動に移すことは大変な労力が必要だ。今、ノエルはその一歩を踏み出したんだ。その時点で、もう変わっているということだ」
「そ、そうなのかな。えへへ、だったら嬉しいな」
「しかし、ハンターか……俺が言うのもなんだが、楽しいことばかりではないぞ?」
「それは、わかっているつもりです。この間みたいな、怖い目にあうこともあるかもしれないって、覚悟もしています」
うーん……考えようによっては、良い案かもしれない。
ノエルが一人になった時に色々心配ではあるし、魔法が使えるなら、俺の弱点も補える。
「そうだなぁ……ノエルさえよければ、俺とセツとパーティーでも組むか?」
「え!? でも、僕まだ弱いし……」
「誰でも最初は弱いさ。そして自分の弱さを知っている者は、間違いなく強くなれる」
「僕が強くなれる……? ホ、ホントにいいんですか?」
ノエルは躊躇して俯いてしまうが、俺は彼女の背中を押すべく、力強く頷く。
「ああ。後は、ノエルの意思次第だ」
「僕の意思? そんなこと聞かれたの初めて……でも、やりたいです! お願いします!」
「ああ、よろしくな。これからは親子で、そして仲間だ」
「キャン!」
こうして、新たな仲間が加わった。
三十路のおっさん、うさ耳少女、モフモフワンコ……カオスだが、楽しそうでいいか。
夕食までまだ時間があるので、早速ノエルを連れてハンターギルドに向かうことにする。
ギルドに入ると、クラリスがニコニコしながら迎えてくれた。
「あら、ヒュウガ? どうしたの? 食事のエスコートには早いわよね?」
これは……からかわれているな。
「クラリス、当店はそのようなサービスはしていないよ」
「あら、残念。それより、ちゃんと呼び捨てにしてくれたわね」
そう、以前と違って、俺はクラリスを呼び捨てにするようになっている。
「なんでユリアは呼び捨てで、私だけさんづけなの?」と、鬼の形相で迫られたので、大人しく従った方が身のためだと、覚悟を決めたのだ。
「だって、そうしないと許してくれそうになかったし」
「あら? 私のことがわかってきたわね。で、どうしたの?」
「この子を、ハンター登録してくれ。そして、パーティーを組もうかと」
俺の紹介でノエルが一歩前に出るが、ガチガチに緊張していて、動きがぎこちない。
「ひゃ、ひゃい! ノ、ノエルといいます!」
「どうした、ノエル? そんなに緊張して。クラリスは好い人だぞ?」
「だ、だってエルフさんですよ? それもギルドマスターの! 凄い方なんですよ!?」
「そ、そうなのか。うーん、いまいちピンとこないなぁ。俺にとっては、クラリスはクラリスだしなぁ……」
「フフ、嬉しいこと言うわね。まあ、ヒュウガの言う通り、緊張しなくていいわ」
「は、はい! 頑張ります!」
早速登録を済ませたところで、ステータス確認をする。
ノエル 十二歳 獣人族
体力:E+ 魔力:D
筋力:E 知力:D 速力:D+ 技力:D+
称号:なし
「これは……」
「ノエルは技力と速力に優れていて、体力と筋力が足りないか」
次にセツのステータスを見ると、知力と魔力が一つ上がり、Cになっていた。
これなら、一人前と言えるだろう。クラリスも感心している。
「さすがはフェンリルの子、成長速度が早いわね。まあ、修羅場を経験したことも関係していると思うわ」
「なるほど。機転を利かせた戦いをしたから知力が上がり、魔法やブレスを多用したから魔力が上がったという感じかもな。セツ、偉いぞ。お前の努力の証だな」
「セツちゃん、凄い! 僕より全然強いね!」
「キャン!」
みんなに褒められて、得意満面で尻尾を振るセツだった。
その後ハンターギルドを出て、宿に戻った俺達は、ディナーの最後の準備を整えた。
セツは宿の前でお客さんのお出迎え、ノエルは席への案内や給仕をやってもらう。
「……これでよし、と。ノエル、ありがとうな。凄く助かったよ」
「いえ! 僕、こういうの、好きかもしれません!」
「そうか、なら良かったよ」
ちなみに、割り増し料金を払って、今日は宿の厨房を貸し切りにしてもらっている。
そうこうしているうちに日が暮れて、最初のお客様がやってきた。
「ヒュウガ、邪魔するぜ」
入ってきたのは、肉屋のロダンさん。商店街を代表して、彼に来てもらった。
さすがに商店街の人達全員は呼べないので、彼にお土産のローストビーフを渡して、皆さんに配ってもらうつもりだ。
エギルがたくさんくれたから、肉の量は問題ない。
「ロダンさん、わざわざすみません」
「いいってことよ。むしろ、ありがとな。商店街のみんなもよろしくだってよ」
「ええ、後日改めて挨拶に行きますね。では、どうぞ」
次に来たのは、テイマー協会のトマスさんだ。
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