はぐれ猟師の異世界自炊生活~フェンリル育てながら、気ままに放浪させてもらいます~

おとら@ 書籍発売中

文字の大きさ
表紙へ
33 / 48
3巻

3-1

しおりを挟む



 第一章 異変が起きたようだ


 くすぐったい……重い。
 眠い目をこすり、目を開けると……子フェンリルのセツが俺にのしかかっていた。
 俺が起きたのに気づき、セツがうれしそうに顔をめ回してくる。

「おはよう、セツ。乗るのはいいが、俺の顔をべたべたにしないでくれ」
「ククーン?」

 そんな俺達の声に反応したのか、となりのベッドにいる兎族うさぎぞくの少女ノエルが目を覚ます。

「ふぁ……セツちゃん、お父さんも、おはよ」
「ワフッ!」
「ああ、おはよう」

 異世界に迷い込んだ猟師兼料理人の俺――真田さなだ日向ひゅうがは、マルクス王国の辺境都市ナイゼルの宿屋を拠点に、ハンターとして気ままに生活していた。
 母フェンリルに先立たれたセツと、孤児のノエルを家族に迎えたこともあり、最近ではそろそろ自分の家を購入し、料理店を始めようか……などと考えている。
 全員で軽くシャワーを浴び、弟分のゴランと合流して軽めの朝食をとっていると……龍人族りゅうじんぞくのエギルが顔を出した。

「ヒュウガ、元気そうだな」
「よう、エギル。まあ、なんとかな」

 セツとノエルも口の中のものを急いで呑み込むと、元気よく挨拶する。

「はぐはぐ……ゴクン……キャン!」
「もぐもぐ……おはようございます!」
「うむ、セツにノエル……ん? ゴラン? どこへ行く?」

 いつの間にか食事を済ませたゴランが席を立ち、忍び足で階段を下りようとしていた。
 おそらく、厳しい修業に付き合わされるのが嫌で、逃げるつもりだろう。
 しかしそれをエギルに見咎みとがめられ、ゴランは顔を引きつらせる。

「げげっ!? い、いや~、ちょいとトイレにでも行こうかと……」
「うむ、そうか。では、宿の入り口で待っているとしよう。さっさと済ませてくるがいい」
「えぇ!? い、いや~、時間がかかるかもしれないので。その、エギルを待たせるのは悪いかと……」
「我は気にしない」
「俺が気にするんだよぉぉー!! やってられるか! あばよ!」

 そう言い残して、ゴランは全速力で階段を下りていく。

「む? なるほど、追いかけっこで鍛錬たんれんか……それも悪くない。では、参る!」

 何やら一人で納得した様子のエギルも、すぐに風のように去っていった。
 少しすると、外から騒々そうぞうしい声が聞こえてくる。

「やめろぉぉー! 追ってくるなぁぁー!!」
「ほう! スピードが上がったではないか! ステータスアップも近いな!」

 ……うん、二人とも楽しそうで何よりだ。
 宿の外をまわるゴラン達を見て、セツとノエルが無邪気に応援する。

「ワフッ!」
叔父おじさん頑張って!」

 ゴラン、たくましく生きろよ……


 セツとノエルがうたた寝をする側で、俺は本を読みつつ、宿でいやしの時間を過ごしていた。

「ヒュウガ、今時間はあるか?」

 その声と共に現れたのは、マルクス王国の王女ユリア。いつも俺に親切にしてくれる素晴らしい女性だ。
 しかし、今日は何やら怖い顔をしている。
 また知らず知らずのうちに俺が何かやらかしてしまったのだろうか?

「見ての通りですね。今日はゆっくりしています」
「そうか……少し、会ってもらいたい人物がいる。すまないが、今から平気か?」
「え、ええ、よくわかりませんが……構いませんよ」
「感謝する。アイザック、許可が下りたぞ」

 ユリアに呼ばれて、精悍せいかんな顔つきの男が階段を上って現れた。
 身長と体格も俺と同じくらい、そして強者つわものの気配をまとっている。
 ――はっ! 会わせたいって……まさかユリアの婚約者とか!? 
 そ、そんな……! 遅かったというのか!

「……ガ……ヒュウガ! 何をぼーっとしている!?」
「うわっ!?」

 気がつくと目の前でユリアが俺の顔をのぞんでいた。
 相変わらず、とても綺麗きれいな顔だ。美人は三日できるというのはうそだな。

「むぅ……失礼ではないか? 人の顔を見てさけぶとは……」
「す、すみません、あまりに綺麗で……」
「な、なっ――!? いきなり何を言うか!?」
「コホン! 仲睦なかむつまじいところ、申し訳ないが……ご紹介を願えますかな?」

 ユリアが取り乱しはじめるが、アイザックと呼ばれた偉丈夫いじょうふ咳払せきばらいで我に返る。

「うむ……ヒュウガ、此奴こやつの名はアイザック・モーリス。この辺境の地を治める領主だ」
「……はぁ、それはどうも」

 領主と言われてもピンとこないが、市長みたいなものか?

「ほう。私を前にしておくした様子もない。さすがは龍人を負かしたとうわさされるだけの男だな」

 いや……ただ単に、よくわからないだけなんですが。

「えっと……それで、その領主さんがなんの用ですか?」

 俺が尋ねると、ユリアはどこか困った様子でアイザックさんに目を向ける。

「あぁー……アイザック、話していいぞ」

 アイザックさんが鬼気迫ききせまる表情で口を開く。これは何か危険な依頼があるのかも。

「ヒュウガ殿! おぬしに頼みがある! 聞いてもらえるだろうか!?」

 この都市にはお世話になっているし、俺の大事な場所だ。その領主さんが困っているというなら、話くらい聞くのがすじだろう。

「ええ、俺にできることであれば」
「では――パンケーキとやらを作ってくれ! この通りだ」
「…………はい?」

 どうしてここでパンケーキが出てくる? 俺はわけがわからずユリアに視線で尋ねる。

「アイザック、性急すぎる。まずは説明をしないと」
「そうでしたな、私としたことが……いささか冷静さを欠いていたようです」
「ヒュウガ、普段はこんな男ではないのだ。常に冷静沈着な……もういいか、お前達は勝手にやってくれ」

 とても疲れた表情をしているユリアを横目に、アイザックさんが語り出す。

「お主が騒動そうどうを引き起こしたと報告があった」
「あっ――その節はご迷惑をおかけしました」
「いや、いい。町の発展や活気につながるなら、悪いことではない。それでだな……その際に、証拠品として、部下が一つ持ち帰ってきたのだ」
「パンケーキをですか?」
「ああ、そうだ。毒味をさせた後、私も食べたのだが……あれはなんだ!? 私は今まで数々の料理を食べてきた! しかし、あんなものは知らない! ふわふわ! モチモチ! 濃厚な卵の味! ほんのり感じるミルク! それをいろどる二種のソース! ……一体、どんな王侯貴族が食していたのだ!?」

 ただのパンケーキだけど……この世界においては、庶民の味とは言えない。

「パンケーキは、私の世界では割とポピュラーでしたね。一応、高級ホテルの朝食なんかに出てくることもあります」
「なるほど、朝食か。詳しくはわからないが、朝に甘いモノを食べると頭が働く気がするからな」

 へぇ……この世界でも、そういうことを気にする人がいるんだな。確かに、糖分が足りないと脳も働かないからな。

「して、パンケーキなのだが……」
「実は、あれで材料を使い切ってしまいまして……」
「な、なんと! では、食べることができないと!?」
「わ、私も食べたかった……」

 俺の答えを聞き、アイザックさんが顔を引きつらせる。ついでにユリアもシュンとしている。まあ、彼女も食べたいって言っているし……もう一回狩りに行けばいいか。

「いえ、俺が狩りに行けば済む話です」
「「おおっ!!」」

 いつの間にか、ユリアの声も重なっている。

「ですが、ひとつ条件があります」
「「なんだ!?」」

 さすがに、なんでもタダで引き受ける男だと思われると、後々よろしくない。
 あまり無理を言うつもりはないが……夢の実現のためにも、一つ聞いてみよう。

「実は、家を探していまして。それも、一階で料理を作れるような」
「ヒュウガはな、料理屋を開きたいらしい」

 俺の言葉を、ユリアが補足してくれた。

「おおっ! あのような物を作れる料理人が店を……なるほど、領主である私の援助が欲しいということか」
「話が早くて助かります。もし空いている場所があり、そこを俺が気に入ったなら、事がスムーズに行くように手配をしてほしいのです」
「わかった。確約はできないが、手伝う方向で調整しよう。領主とは皆に平等でなくてはならないのだ」
「はい、それで大丈夫です」
「交渉成立だな。では、ハンターギルドにヒュウガ殿への指名依頼を出してくるとしよう。明日には受理されるはずだ」
「わかりました、では明日行ってみますね」

 俺が返事をすると、アイザックさんは満足げにうなずいた。

「うむ、良い交渉であった。いずれにしろ、会わなくてはと思っていたところだ。この地を預かる身として、異世界人を放っておくわけにはいかないのでな。しかし……なるほど、皆が気に入ったわけだ。この強さにして、この腰の低さ……これが強者の余裕か。ユリア様が認めた男というだけのことはある」
「べ、別に……ヒュウガはいい奴だし」
「それでは、失礼する……ヒュウガ殿、楽しみにしている」
「ええ、わざわざありがとうございます。お届け先はどうしますか?」
「それもギルドに伝えておこう、ではな」

 話が済んだのか、アイザックさんは階段を下りて行く。

「領主なのに、随分ずいぶんとフットワークが軽いんですね。それに優しそうな方だ」

 俺の感想を聞いて、何故かユリアが苦笑する。

「……いや、アレは異常なのだ」
「どういう意味です?」
「あいつが笑うところなど、私は初めて見たよ。本国の重鎮じゅうちんすら恐れるアイザックを……私だって、話すのは緊張するくらいだ。一応、身分的には私が上なのだがな」

 どうやら、普段はもっととっつきにくい人のようだ。

「とにかく、話がまとまって良かった。あのアイザックに気に入られれば、ここでの生活も楽になるだろう」

 ひとまず、用事は終わったようだ。
 ユリアは急いでいる様子はないし……ここは勇気を出して聞いてみるか。

「ユリアは、この後の予定はありますか?」
「うむ、意外と早く話がまとまったから、時間に余裕はあるな」
「もし、よろしければ……スラム街に連れて行ってもらえませんか?」
「良い機会か。実は、一度は連れて行くつもりではあった。ヒュウガがこの場所に住むことを決めた以上、いずれは目に入るものだからな」
「ええ、それもあります。ですが、単純に住む場所としてどうなのか見ておこうと思って」
「確かに、それは大事だ。言っておくが、良いものではないぞ? セツは成長したが……ノエルには厳しいだろう」

 そう言って、ユリアは寝息を立てているノエルにちらりと目を向けた。

「ええ、わかっています」
「ふむ……とりあえず、行くとしよう」

 俺はユリアに頷くと、ノエルを起こさないように小声でセツを呼ぶ。

「セツ、悪いが出かけてくるから、寝ているノエルのことを頼めるか?」
「ワフッ」

 僕に任せろって顔だな。すっかりお兄ちゃんらしくなってきて、感慨深いものがある。


 宿を出た俺は、少し強張こわばった表情のユリアの後を追って歩く。
 いつもの商店街を抜けて、町の中心部から外れた方へと向かっていくと……やがて、高い柵が設置されている場所に到着する。
 そこでは、明らかに門兵とおぼしき人が立っており、出入りする人に目を光らせていた。

「あそこは、隔離されているのですか?」

 俺がそう問うと、ユリアは複雑な表情を見せる。

「ああ、差別をしているわけでは……いや、言い訳だな。我々は、彼らを差別している。理由はいくつかあるが……まずは元犯罪者や、それに近い者達が住んでいるからだ」
「それはどういった方々ですか? 仕方なく罪を犯した者ですか? それとも自らが望んで犯罪に手を染めた者ですか?」
「ほとんどが、やむを得ぬ事情でそうなった者達だ。敗戦国の兵士や、扶持ぶちがなくなった傭兵ようへい、怪我や年齢など、様々な理由でハンターとして食っていけなくなった者……だが、中には他人を食い物にしているような、根っからの悪党もいる」
「なるほど、だから隔離されていると」
「一般市民に被害が出てからでは遅いからな。この辺境の町ができてすぐにこの状態になっていて、私にも手の打ちようがない」
「領主さんは対処しないのですか?」
「アイザックは黙認しているな。そういう奴らを一箇所に集めることで監視下に置けるように。為政者いせいしゃとしては悪くない判断だ」

 ユリアはそう答えながらもくやしそうにくちびるんでいる。

「この中は無法地帯に近い。大勢での殺し合いや、一般市民に危害を加えることがなければ、黙認されている」
「確かに、下手に締め付けて暴動になっては、一般市民にも害が及ぶかもしれませんね」
「ああ。それに、たとえここから追い出したとしても、その者達が盗賊になって町や村を襲う可能性もある。だから、隔離という形をとらざるを得ないのだ」
「入るには、何か許可が必要ですか?」
「何があっても自己責任ということだけだ」
「わかりました。では……連れていってください」

 スラム街の入り口に近付いて挨拶すると、門番達がユリアに気づいて驚愕きょうがくする。

「ユリア様!? こんな場所にどうしたのです? 何か問題が起きたのでしょうか?」
「いや、この男を案内しているところだ。悪いが、通してもらえるか?」
「あっ、いや、もちろん平気ですが……護衛の方々は?」
「それについては問題ない。最強の男が付いている。此奴は噂の異世界人だ、通達はいっているな?」
「最強かどうかは別として……ユリアのことは必ず守りますので、ご安心ください」

 俺が一歩前に出ると門番達は感嘆かんたんの声と共に道を空けてくれた。

「この方が!? 龍人エギル殿より強いという……では、安心ですね。どうぞ、お通りください」

 さすがに言いすぎだと思うが……とにかく、俺はスラム街に足を踏み入れたのだった。


 さて、いざスラム街に入ると……俺はその光景に目を疑った。
 道端みちばたにはやせ細った子供達が座り込んでおり、身なりの悪い大人達が地べたで寝ている。
 俺はこの町の現実を直視し、言葉を失うのだった。

「ヒュウガ、平気か?」
「え、ええ……まるで別の世界のようですね」
「ああ、ナイゼルの中心部と比べればそうかもな。だが、この世界では普通のことだ。弱い者や知恵を持たない者は、それを受け入れるしかない。だからといって、この光景を肯定するわけではないが」
「……難しい問題ですよね。こういった方々を援助すれば、それに甘える人も出てくるでしょうし……かといって、頑張る機会を与えられないのも問題かと」
「よくわかっているな。以前、お金や食料を支給する試みがあったのだが……ただ悲劇が起きただけだった。もっと寄越よこせと文句を言ってくる者、奪い合いを始める者……日々を精一杯生きるだけの彼らと、平和を享受きょうじゅする我々とでは、価値観に差がありすぎた」
「どうしたって価値観の違いはありますよね」

 俺にも、何かできるのだろうか?
 そんな思いを胸に、ユリアと並んでスラム街を歩いていく。

「ここの治安は、どうやって維持されているんですか?」
「基本的に、領主側は干渉しない。その時、スラムで力を持っている者がここを支配する。意外とお前が支配者になったりな。ここが俺の縄張なわばりだとか言って……」
「ちょっと!? ただでさえ、勘違いされそうな風貌ふうぼうなのに」
「ふふ、悪かったよ」

 その後、俺はユリアに連れられて、スラム街をあちこち見て回った。
 市街中心部と違ってあまり良い雰囲気ふんいきの場所とは言えないが、ここにはここで生活をいとなむ者達がいて、独自の社会やルールが形成されているようだ。
 途中、ゴロツキのような連中にからまれそうになったが、俺がにらみを利かせると、彼らは何も言わずに去っていった。
 しばらく歩いていると……とある二階建ての家が俺の目に留まった。
 一階部分に入り口はあるが、外階段がついていることから、きっと二階にも入り口があるのだろう。

「ん? どうかしたか?」
「いえ、あの建物が気になって」


「あそこは今空き屋になっているはずだから、見てみるとしよう」

 そう言って、ユリアは俺を建物に案内してくれた。
 鍵がかかっていなかったので、俺達はそのまま中に入る。

「造り的に、元々は何かしらのお店だったんでしょうね」

 一階のリビングスペースは一般家庭にしてはかなり広く、大体、三十人くらいは入れそうだ。
 しかも裏庭もあって、勝手口からも出入りができる。これならセツも喜びそうだ。
 しかも、道路に面しているから閉塞感へいそくかんもない。
 内装はすっかり荒れていて汚いが、色々と改装すれば使えそうだ。
 二階に上がって確認すると、八畳くらいの部屋が四つあった。
 廊下も広いし……うん、これは良いぞ。

「ユリア、ここで良いかもしれません」
「え? いや、しかし、ここは……」
「あくまでも候補ですから」
「うむ……そうだな。よし、では帰るとしよう」

 困惑気味こんわくぎみのユリアと共にスラム街を後にしたのだった。


しおりを挟む
表紙へ
感想 56

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな

七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」 「そうそう」  茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。  無理だと思うけど。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

私が死んで満足ですか?

マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。 ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。 全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。 書籍化にともない本編を引き下げいたしました

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。