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第3章~新たなる試練~
第172話
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「はあ……」
こんな夢を見ると猛烈に兄に会いたくなる。今何をしているのか。ちゃんと無事でいるか。さすがにこんな夜中に会いに行くわけにはいかないし――というか、会いに行くこと自体ダメなのかもしれないが――気付かれないところから様子を窺うくらいなら、怒られないかも……。
「…………」
アクセルはパタリと枕に頭を落とした。
明日は死合いがある。兄の姿を見たら、感極まって死合いどころではなくなるかもしれない。気になるのはやまやまだが、いつまでも兄のことを考えているわけにはいかない。けじめはしっかりつけなくては。
そう自分に言い聞かせ、アクセルはもう一度目を閉じた。今度は朝まで何の夢も見られなかった。
次に目覚めた時には、窓から薄く朝陽が差し込んでいた。起きるにはまだ早かったが、目が覚めてしまったのでベッドから出ることにした。
ます顔を洗い、完全に覚醒したところで服を着替える。今日は死合いがあるので、最初から戦闘用の動きやすい服装を着た。
次に簡単に朝食の準備をし、ピピのご飯も用意して、テーブルに並べたところでピピが起きてきた。
「ぴー」
「おはよう、ピピ。ご飯食べたら山に帰ろうな」
「ぴー……」
「……そんな顔しないでくれ。また会いに行くから、な?」
しょぼーんと耳を垂らすピピを、アクセルは優しく撫でた。次に会う時はどれくらい大きくなっているんだろうか……と、少し想像した。いきなりカンガルーサイズになっていたら判別できるかどうか。
――死合いが入っていなければなあ……。
こんな夢を見ると猛烈に兄に会いたくなる。今何をしているのか。ちゃんと無事でいるか。さすがにこんな夜中に会いに行くわけにはいかないし――というか、会いに行くこと自体ダメなのかもしれないが――気付かれないところから様子を窺うくらいなら、怒られないかも……。
「…………」
アクセルはパタリと枕に頭を落とした。
明日は死合いがある。兄の姿を見たら、感極まって死合いどころではなくなるかもしれない。気になるのはやまやまだが、いつまでも兄のことを考えているわけにはいかない。けじめはしっかりつけなくては。
そう自分に言い聞かせ、アクセルはもう一度目を閉じた。今度は朝まで何の夢も見られなかった。
次に目覚めた時には、窓から薄く朝陽が差し込んでいた。起きるにはまだ早かったが、目が覚めてしまったのでベッドから出ることにした。
ます顔を洗い、完全に覚醒したところで服を着替える。今日は死合いがあるので、最初から戦闘用の動きやすい服装を着た。
次に簡単に朝食の準備をし、ピピのご飯も用意して、テーブルに並べたところでピピが起きてきた。
「ぴー」
「おはよう、ピピ。ご飯食べたら山に帰ろうな」
「ぴー……」
「……そんな顔しないでくれ。また会いに行くから、な?」
しょぼーんと耳を垂らすピピを、アクセルは優しく撫でた。次に会う時はどれくらい大きくなっているんだろうか……と、少し想像した。いきなりカンガルーサイズになっていたら判別できるかどうか。
――死合いが入っていなければなあ……。
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