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第6章~ラグナロクの始まり~
第14話
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本気なのか冗談なのかわからないことを言われ、アクセルもつい頬が熱くなった。赤面したのをごまかすように、ぷいとそっぽを向いて足を速める。
「ま、またそういうことを言う……! ヴァルハラならともかく、ここは死者の国なんだぞ! 戯れている暇はない!」
「そうだね、だから早く地上に戻ろう? そしたらいっぱいイイことできるし」
「っ……」
冗談混じりに言われた台詞だが、身体の中心がズキンと疼いた。ここ数ヶ月兄に触れられていないせいか、あの痺れるような感覚を思い出してドキドキしてしまう。
――あああもう……! そんなこと考えている場合じゃないのに!
いやらしい考えを振り払うように、アクセルはぶんぶんと首を振った。
一刻も早くバルドルを見つけて地上に戻らないといけないのに、いくらなんでもこんなところでやらかすわけにはいかない。平常心、平常心……。
「ところで、バルドル様はこっちにいそう?」
「え? あ……ああ、多分……?」
我に返り、アクセルは気配を辿った。
先程より確実に気配は強くなっている。が、これが本当にバルドルなのか、やや自信がなくなってきた。
何しろ、もうひとつの気配と濃密に接しているように感じたから。
――いやでも、さすがにこんなところで交わってはいないんじゃ……?
バルドルとホズは相思相愛だ。一緒に死んだから、同じタイミングで死者の国に来たことも知っている。
だからと言って、あの二名がこんなところで人目もはばからずイチャイチャしているとは思えないんだが……。
「ま、またそういうことを言う……! ヴァルハラならともかく、ここは死者の国なんだぞ! 戯れている暇はない!」
「そうだね、だから早く地上に戻ろう? そしたらいっぱいイイことできるし」
「っ……」
冗談混じりに言われた台詞だが、身体の中心がズキンと疼いた。ここ数ヶ月兄に触れられていないせいか、あの痺れるような感覚を思い出してドキドキしてしまう。
――あああもう……! そんなこと考えている場合じゃないのに!
いやらしい考えを振り払うように、アクセルはぶんぶんと首を振った。
一刻も早くバルドルを見つけて地上に戻らないといけないのに、いくらなんでもこんなところでやらかすわけにはいかない。平常心、平常心……。
「ところで、バルドル様はこっちにいそう?」
「え? あ……ああ、多分……?」
我に返り、アクセルは気配を辿った。
先程より確実に気配は強くなっている。が、これが本当にバルドルなのか、やや自信がなくなってきた。
何しろ、もうひとつの気配と濃密に接しているように感じたから。
――いやでも、さすがにこんなところで交わってはいないんじゃ……?
バルドルとホズは相思相愛だ。一緒に死んだから、同じタイミングで死者の国に来たことも知っている。
だからと言って、あの二名がこんなところで人目もはばからずイチャイチャしているとは思えないんだが……。
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