【証拠はいらない】ただそこに、いてくれれば

犬を亡くして、二年。
もう新しい犬は飼わないと決めた七十代の女性は、それでも空っぽになった家で立ち止まっていた。
失う怖さ、年齢のこと、残された時間。
それでも彼女が選んだのは、前に進むことではなく、
「そこに、いてくれた場所」を残すことだった。

悲しみは、消さなくていい。
愛していた証明も、正解もいらない。
ただ――そこに、いてくれれば。
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