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158.夢と現の間で
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どろっとまとわりつく無意識の中で、肌を撫でる指の感触に肌がさざめき、意識がゆっくりと呼び戻されていく。
これ、は……夢?
それとも、現実?
けれど濃い靄がかかった頭は、上手く判断してくれない。瞼は相変わらず重く、美羽は深い漆黒の海を漂っているかのようだった。
唇に温かくて柔らかい感触を覚え、美羽の心に絶望が広がっていく。
重苦しい漆黒の闇の中からぼんやりと浮かび上がってくる、美羽と同じ顔がニヤリと笑う。
類が、復讐しに来たのだ。
る、い……やっぱり、私を許さないのね。
心臓が一瞬で凍りついた。
あんなことをしておきながら、無事でいられるなど思っていなかった。これから自分は、禍々しく激しい憎悪の感情をぶつけられ、甚振られ、嬲られ、凌辱されるのだと覚悟した。
だが、類の唇は触れたと同時にすぐに離れていった。荒々しさなどまるでない、羽のような柔らかい口づけに美羽が戸惑っていると、類の指がパジャマのボタンに掛かり、ゆっくりと開かれていく。
ぁ、ダメ……
心の中で叫ぶことしか出来ない。喉も、腕も足も拘束されているかのように動かせず、美羽の美しく張りのある柔らかな乳房はいとも簡単に露わにされてしまう。
美羽の胸に圧力が掛かる。けれど、押し潰すような感じではなく、優しく撫で回されている。先端の蕾が熱くなり、ヌルヌルと濡らされながら上下左右に揺さぶられる。
「クフッ……」
類の真っ赤な舌が、執拗に敏感な蕾を何度も何度も舐め上げる。その度に腰がヒクヒクと痙攣し、蜜壺から愛蜜がジュワリと溢れ出す。
どこまでも優しく、慈しむような愛撫に胸が締め付けられ、涙が込み上げてくる。
ーー違う。類じゃ、ない。
あんな酷い仕打ちをしてしまった私に対して、類がこんな優しい愛撫をするはずがない。
これは、そうなって欲しいと願う私の思い描いた夢なんだ……
類の舌が美羽の躰のラインをなぞりながら下りてくる。時折ほどこされる口づけに、ピクンと腰が跳ねる。
あ、類……お願い、もっと下……
夢だと思った途端、夢の中だけでもいいから類に愛されたいという思いが突き上げてくる。
ぬるついた花弁が指で優しく開かれ、花芽が尖らせた舌の先で触れられる。それだけで電気が走ったようなショックが走り、快感が突き抜ける。
舌先だけで与えられる刺激はむず痒く、肉欲を激しく掻き立てられる。
もっと、ちゃんと舐めて……類。
強請るように腰を揺らすと、類は微笑んで美羽の股をゆっくりと開かせた。
舌が触れる面積が次第に大きくなると同時に、花芽に与えられる刺激も強くなっていく。それでも激しさはなく、一定のリズムでじわじわと快感を押し上げるように揺さぶられる。
「ハァッ、ハァッ、ハァッ……」
呼吸が、乱れてくる。躰の奥がどんどん疼いてくる。堪らなく、欲しくなる。
その絶妙なタイミングで、指が蜜壺にズブリと挿入された。クチュクチュと厭らしい水音を立てながら、襞を擦られ、ビクビクと震えが走る。
「ウクッ」
舌と指からの刺激に、あっけなく美羽は達してしまった。
だが、収縮する襞が類の指をしっかりと絡めとり、奥へ奥へと引き摺り込む。美羽の肉欲は、収まらない。
類の愛撫はやむことなく、舌と指で何度も何度も美羽を絶頂へと押し上げる。
ハッ……ま、た……
夢の中だというのに、その感覚は鮮烈なほどにリアルで、押し寄せる快感の波に呑み込まれていく。
美羽の頭が、真っ白な世界に染められていく。
『ごめんね……』
薄れゆく意識の中、遠くからそんな声が聞こえてきた気がした。
謝るのは、私の方。
ごめんね、ごめんね……類。
現実の貴方を受け入れられなくて、ごめんなさい。
「ぅ……美羽! ほら、もう起きないと!!」
香織に声を掛けられ、美羽はぼんやりと意識を覚醒させていった。
あれ、どうしてかおりんがここに……
それから、昨夜の記憶が蘇ってきて、美羽は瞼を開けた。目の前に、既に白シャツに黒パンツの仕事着に身を包んだ香織が立っている。
「かおりん、おはよう」
「おはよ! 私はもうシャワー浴びたから、美羽も浴びてきな!
朝ごはんはトーストとコーヒーしかないけど、いい? 美羽、いつもちゃんと用意してるんだよね?」
「ぁ、大丈夫。ありがとう」
そろそろと起き上がると、燻る火照りを感じてハッとし、パジャマに触れた。ボタンは全てきっちり留められている。
そうだよね、まさかいくら類でも、かおりんの家に侵入するなんてないよね。
あれはやっぱり、夢だったんだ……
これ、は……夢?
それとも、現実?
けれど濃い靄がかかった頭は、上手く判断してくれない。瞼は相変わらず重く、美羽は深い漆黒の海を漂っているかのようだった。
唇に温かくて柔らかい感触を覚え、美羽の心に絶望が広がっていく。
重苦しい漆黒の闇の中からぼんやりと浮かび上がってくる、美羽と同じ顔がニヤリと笑う。
類が、復讐しに来たのだ。
る、い……やっぱり、私を許さないのね。
心臓が一瞬で凍りついた。
あんなことをしておきながら、無事でいられるなど思っていなかった。これから自分は、禍々しく激しい憎悪の感情をぶつけられ、甚振られ、嬲られ、凌辱されるのだと覚悟した。
だが、類の唇は触れたと同時にすぐに離れていった。荒々しさなどまるでない、羽のような柔らかい口づけに美羽が戸惑っていると、類の指がパジャマのボタンに掛かり、ゆっくりと開かれていく。
ぁ、ダメ……
心の中で叫ぶことしか出来ない。喉も、腕も足も拘束されているかのように動かせず、美羽の美しく張りのある柔らかな乳房はいとも簡単に露わにされてしまう。
美羽の胸に圧力が掛かる。けれど、押し潰すような感じではなく、優しく撫で回されている。先端の蕾が熱くなり、ヌルヌルと濡らされながら上下左右に揺さぶられる。
「クフッ……」
類の真っ赤な舌が、執拗に敏感な蕾を何度も何度も舐め上げる。その度に腰がヒクヒクと痙攣し、蜜壺から愛蜜がジュワリと溢れ出す。
どこまでも優しく、慈しむような愛撫に胸が締め付けられ、涙が込み上げてくる。
ーー違う。類じゃ、ない。
あんな酷い仕打ちをしてしまった私に対して、類がこんな優しい愛撫をするはずがない。
これは、そうなって欲しいと願う私の思い描いた夢なんだ……
類の舌が美羽の躰のラインをなぞりながら下りてくる。時折ほどこされる口づけに、ピクンと腰が跳ねる。
あ、類……お願い、もっと下……
夢だと思った途端、夢の中だけでもいいから類に愛されたいという思いが突き上げてくる。
ぬるついた花弁が指で優しく開かれ、花芽が尖らせた舌の先で触れられる。それだけで電気が走ったようなショックが走り、快感が突き抜ける。
舌先だけで与えられる刺激はむず痒く、肉欲を激しく掻き立てられる。
もっと、ちゃんと舐めて……類。
強請るように腰を揺らすと、類は微笑んで美羽の股をゆっくりと開かせた。
舌が触れる面積が次第に大きくなると同時に、花芽に与えられる刺激も強くなっていく。それでも激しさはなく、一定のリズムでじわじわと快感を押し上げるように揺さぶられる。
「ハァッ、ハァッ、ハァッ……」
呼吸が、乱れてくる。躰の奥がどんどん疼いてくる。堪らなく、欲しくなる。
その絶妙なタイミングで、指が蜜壺にズブリと挿入された。クチュクチュと厭らしい水音を立てながら、襞を擦られ、ビクビクと震えが走る。
「ウクッ」
舌と指からの刺激に、あっけなく美羽は達してしまった。
だが、収縮する襞が類の指をしっかりと絡めとり、奥へ奥へと引き摺り込む。美羽の肉欲は、収まらない。
類の愛撫はやむことなく、舌と指で何度も何度も美羽を絶頂へと押し上げる。
ハッ……ま、た……
夢の中だというのに、その感覚は鮮烈なほどにリアルで、押し寄せる快感の波に呑み込まれていく。
美羽の頭が、真っ白な世界に染められていく。
『ごめんね……』
薄れゆく意識の中、遠くからそんな声が聞こえてきた気がした。
謝るのは、私の方。
ごめんね、ごめんね……類。
現実の貴方を受け入れられなくて、ごめんなさい。
「ぅ……美羽! ほら、もう起きないと!!」
香織に声を掛けられ、美羽はぼんやりと意識を覚醒させていった。
あれ、どうしてかおりんがここに……
それから、昨夜の記憶が蘇ってきて、美羽は瞼を開けた。目の前に、既に白シャツに黒パンツの仕事着に身を包んだ香織が立っている。
「かおりん、おはよう」
「おはよ! 私はもうシャワー浴びたから、美羽も浴びてきな!
朝ごはんはトーストとコーヒーしかないけど、いい? 美羽、いつもちゃんと用意してるんだよね?」
「ぁ、大丈夫。ありがとう」
そろそろと起き上がると、燻る火照りを感じてハッとし、パジャマに触れた。ボタンは全てきっちり留められている。
そうだよね、まさかいくら類でも、かおりんの家に侵入するなんてないよね。
あれはやっぱり、夢だったんだ……
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