【R18】退廃的な接吻を ー美麗な双子姉弟が織りなす、切なく激しい禁断愛ー

奏音 美都

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180.ミーティング

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 人数が多いため、場所を客席へと移し、ミーティングを始める。隼斗は皆が席についたのを確認すると、話し始めた。

「萌さんも既に知っての通り、芳子さんが入院することになって、暫く来られなくなった。恐らく退院しても絶対安静が続くだろうし、これから出産、育児も控えてるから長い間休養を取ることになるだろう。
 そこで昨日、偶然美羽の忘れ物を届けに来てくれた類くんが急遽手伝いに入り、正式に従業員として働くことになった」
「キャーッ、王子さまぁ!」

 歓声をあげた萌を香織が睨み、隼斗が続ける。

「今まで厨房は俺と浩平、接客は香織さんと美羽が入り、昼は芳子さん、夜は萌さんに入ってもらっていた。
 芳子さんの抜けた穴を新しく入った類くんに埋めてもらうのが順当かもしれないが、正直今の状態で厨房を2人で回すのは厳しい。美羽に洗い場に入ってもらったり、仕込みを手伝ってもらうことも度々あった。
 そこで、類くんには厨房に入ってもらおうと考えている。ランチタイムで接客が忙しくなる時には、浩平にヘルプで出てもらうことにしよう」
「あっ、冬休み中なら昼のシフト出られまぁす! これからはバイトに生きるたーん♪」
「萌たん、彼氏と別れたから暇っすもんねー」

 浩平の失言に、香織が頭をポカリと殴った。

「こら、浩平! あんたは余計なことを……」
「ってぇっすよ、かおりーん」
「こーたん酷ーい、つらみー!」

 いつも浩平と萌が揃うとこんな感じで、ミーティングがなかなか進まない。

「隼斗兄さん、コックコートっていつ来るの?」

 類の質問を機に皆がミーティングモードに戻り、隼斗がホッとしたように顔を向けた。

「来週には届く予定だ。それまでは、白シャツで頼む。
 じゃ、萌さんは冬休み中のシフト申請出しといてくれるか? 
 それと、今年はイブが定休日の月曜にあたって店をオープンしたから、その代わりに正月休みを1日増やして12月31日から1月4日にすることにした」

 浩平が両拳を突き立てた。

「マジっすか!? やったー!! スノボ楽しめるーっっ!!」
「浩平、まだミーティング終わってないわよ」
「あ、やべ。すんません、隼斗さん……」
「こーたん、とりま隼斗さんからお仕置きけってーたん♪」

 萌が右手の人差し指を目の下に持っていき、舌を少しだけ出した。『あっかんべぇ』にも可愛く見せるやり方があるのだ。

「うわっ、萌たんひどっ!」
「さっきのお返したん♪」
「はいはい、ミーティングー」

 香織のアイコンタクトに隼斗が頷く。

「今年もあと僅かだ。ベテランの芳子さんが抜けて新人の類くんが入り、大変なこともあるかもしれないが、皆それぞれ協力して店を支えてくれ。俺からは以上だ。あと、連絡事項はあるか?」

 ずっと静かに聞いていた美羽が軽く手を挙げた。

「隼斗兄さん、お客様や業者の方へ送る年賀状と年始に配るお餅の手配ってもう終わってるんだよね?」

 毎年、常連さんやお世話になっている業者の方に向けて送る年賀状のデザインを決める際に隼斗はいつも美羽に相談するのに、今年は何も聞かれていないので気がかりだった。

 隼斗の太い眉がピクリと痙攣し、表情を曇らせた。

「餅は手配したが、年賀状のことを忘れてた。今年はまだどんなデザインにするかも決めてない。
 美羽が言ってくれて、助かった」

 雑事が苦手な隼斗はいつも年賀状のデザインをぎりぎりの24日に決め、翌日の25日に発注している。だが、今年は芳子の突然の入院や類が入ったことによって、すっかり頭から抜けていた。

「来年いのししっすよねー。じゃ、ここはいっちょ俺がいのししの着ぐるみ着て……」
「バーカ、そんなふざけた年賀状、大切なお客様やお世話になってる業者さんに送れるわけないでしょ!
 隼斗さん、業者に頼むんなら早くしないと間に合わなくなるわよ! もう26日じゃない」
「あぁ、そうだな……」

 香織の苦言に隼斗が頷いていると、類が軽く手を挙げた。

「だったら僕がデザインと印刷、お手伝いしようか?」
「えっ、類くん出来るの!?」
「そんなに複雑でなければ大丈夫だと思うよ」
「うはーっ、類くん英語だけじゃなくパソコンも出来るってかっけー!!」
「アハハ……浩平くん大げさだよ。パソコンなんて、みんな触ってるじゃん」
「え。俺、スマホしかないから全然わかんないっす。今度教えてくださいよー」

 類を中心にして盛り上がる様子を、複雑な表情で美羽は類を見つめていた。胸の中に出来た小さな針穴が押し広げられていくような痛みが走った。
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