【R18】退廃的な接吻を ー美麗な双子姉弟が織りなす、切なく激しい禁断愛ー

奏音 美都

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323.露呈

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 だが、それ以降も香織への嫌がらせはエスカレートする一方のようだった。

 鍵を換えたにも関わらず、香織が留守の間を狙って忍び込み、絨毯に包丁が突き刺さっていたり、アルバムに入っていた写真が抜き取られ、引き裂かれていたりしたそうだ。

 あの事件以降、浩平が職場と家までの送迎をしてくれているが、家の中にいつ侵入されるのではと気が気でない。怖くて夜眠れないのだという香織の顔には、普段は見られない隈が目の下にくっきりと刻まれていた。

「ねぇ、かおりん……もう一度、警察に相談した方がいいんじゃない?」
「うん……近所は巡回してくれてるらしいんだけど、やっぱり事件にならないと真剣に扱ってくれないみたい。藤岡はあれ以来怖がって私の家に来たがらないからホテルで会ってるし、話も聞いてくれなくて全然頼りにならないし。
 引っ越しも考えてるけど、なかなか条件にあったとこが見つからなくて」

 美羽の眉がピクリと引き攣った。
 
 まだ、藤岡先生と会ってるんだ。

 藤岡の妻が嫌がらせの犯人なのではと疑う気持ちを拭い切れない美羽としては、一刻も早く藤岡と別れた方がいいのではないかと思うのだが、だからといって二人のプライベートな問題に介入などできない。

「そうなんだ。不安だね……」

 暗い顔を見せた美羽に、香織が声をかける。

「あ、あのね……美羽」
「どうしたの、かおりん?」

 その時、萌が控室のドアを勢いよく開け、ふたりはビクッとして振り返った。

「かおたーん、休憩終わってるたーん! ヘルプミー!!
 いっぱいランチ並んでるたーん!!」
「あぁはいはい、今行くから」

 泣き真似をする萌に渋々といった様子で香織が立ち上がり、小さく「あとでね」と美羽に声をかけて去っていった。

 かおりん……何を、話そうとしたんだろ。

 気になりつつも、仕事が暇になった合間にでも聞けばいいかと気持ちを切り替え、あまり進んでいなかったランチに手をつけ始めた。


 美羽が仕事に戻り、替わりに萌が休憩へと入ってすぐ、カフェの扉が開いた。

 美羽より近くに立っていた香織が、お客様を案内に行く。



「あなたがうちの夫と不倫関係にある証拠は揃ってるのよ! 今すぐに別れてちょうだい!!」

 

 扉が開いた途端、香織は入ってきた女性に金切り声で言い寄られていた。

 ひとめで高級ブランドと分かるブランドロゴが大きくついた真っ赤なスーツに身を包み、大粒のダイヤのピアスとネックレスを身につけ、8センチヒールを履き、濃いめの化粧をしている中年の女性だった。



 藤岡先生の奥さんっっ!!



 恐れていた事態が、目の前で起こってしまった。
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