424 / 498
418.香織の疑惑
しおりを挟む
くぐもった低い振動音が、躰の内奥で響いている。熱を、快感を産み出しながらも、求めるところまで辿り着かない。
汗がじわりじわりと滲み出し、欲情がジワジワと増幅されていく。
「ック……」
早く、行って……
けれど、類は立ち止まったまま会話を始めた。
「スパークリングウォーター取りに冷蔵庫行ったんだけどさぁ、見つかんなくて。どこにあるのかミューに聞きに来たんだけど、寝てた」
「ぇ。美羽、もしかして体調悪いの!?」
「ううん、疲れてるだけだと思う。だから、邪魔しないで寝かせてあげよ」
ふたりの会話を扉越しに聞きながら、躰の疼きに耐え、唇を強く噛む。
ック、類ぃ。かおりんを、早くっっ……!!
「で、でも……あんなに、長い間……」
「なに? 僕の言うことが信用できない?」
「そんなわけじゃない、けど……」
言葉を濁す香織に、類が挑発的に答える。
「それとも……僕とミューが、厭らしいことでもしてたんじゃないかって、疑ってるの?」
美羽の顔から一気に血の気が引き、蒼白になる。
何……言ってるの、類っっ!!
疑った香織に扉を開けられたら……この姿を見られたら、一巻の終わりだ。
香織の怒号が飛ぶ。
「やめてよ!! 美羽がそんなことするはずない!!」
「声、大きい」
「ぁ……で、でも、類くんが変なこと言うから」
「フフッ。恋人である僕じゃなく、ミューの方を、信じるんだ?」
「そ、れは……」
「寂しいなぁ」
扉に体重が伸し掛かる音が響き、ハッとして息を呑んだ。
ぇ。待って……
「ちょっ、こんな……とこで。やめ……!!」
香織の抵抗する声が聞こえ、美羽の唇に熱い感触が押し付けられる。
扉の向こうで、ふたりが……
そう思っただけで、胸がグリグリと鋭角なナイフで抉られ、血が滴り落ちる錯覚に囚われた。
ーー再び、あの恐怖の時間が始まる。
やめて! やめて、類ぃ!!
お願いっっ!!
もう、耐えられない……ッッ!!
舌が入り込み、口内を蹂躙される。扇状的な口づけに、肉欲が強く激しく焚き付けられる。下半身に与えられる刺激が何倍にも増大し、全身を快楽の濁流へと引き込んでいく。
「ッグ……ハ、ァッ……ッッ」
声を、出しちゃ……ダメ。
類の声が、胸に響く。
『ミュー、好き。大好きだよ……
何をしてても、ミューだけを想ってる』
甘く切ない感情がさざめきを起こし、蜜奥がそれに応えるようにビクビクと震撼する。
その一方では扉がギシッ、ギシッと軋む音が鼓膜を揺らす。どうしても、その向こうの気配を、熱を感じずにいられない。
嫌、嫌だ!! 聞きたくない!!
お願いっ、類。やめ、て……ッッ
『香織に知られたくないなら、僕を選ぶって言いなよ。
そしたら、やめてあげる』
汗がじわりじわりと滲み出し、欲情がジワジワと増幅されていく。
「ック……」
早く、行って……
けれど、類は立ち止まったまま会話を始めた。
「スパークリングウォーター取りに冷蔵庫行ったんだけどさぁ、見つかんなくて。どこにあるのかミューに聞きに来たんだけど、寝てた」
「ぇ。美羽、もしかして体調悪いの!?」
「ううん、疲れてるだけだと思う。だから、邪魔しないで寝かせてあげよ」
ふたりの会話を扉越しに聞きながら、躰の疼きに耐え、唇を強く噛む。
ック、類ぃ。かおりんを、早くっっ……!!
「で、でも……あんなに、長い間……」
「なに? 僕の言うことが信用できない?」
「そんなわけじゃない、けど……」
言葉を濁す香織に、類が挑発的に答える。
「それとも……僕とミューが、厭らしいことでもしてたんじゃないかって、疑ってるの?」
美羽の顔から一気に血の気が引き、蒼白になる。
何……言ってるの、類っっ!!
疑った香織に扉を開けられたら……この姿を見られたら、一巻の終わりだ。
香織の怒号が飛ぶ。
「やめてよ!! 美羽がそんなことするはずない!!」
「声、大きい」
「ぁ……で、でも、類くんが変なこと言うから」
「フフッ。恋人である僕じゃなく、ミューの方を、信じるんだ?」
「そ、れは……」
「寂しいなぁ」
扉に体重が伸し掛かる音が響き、ハッとして息を呑んだ。
ぇ。待って……
「ちょっ、こんな……とこで。やめ……!!」
香織の抵抗する声が聞こえ、美羽の唇に熱い感触が押し付けられる。
扉の向こうで、ふたりが……
そう思っただけで、胸がグリグリと鋭角なナイフで抉られ、血が滴り落ちる錯覚に囚われた。
ーー再び、あの恐怖の時間が始まる。
やめて! やめて、類ぃ!!
お願いっっ!!
もう、耐えられない……ッッ!!
舌が入り込み、口内を蹂躙される。扇状的な口づけに、肉欲が強く激しく焚き付けられる。下半身に与えられる刺激が何倍にも増大し、全身を快楽の濁流へと引き込んでいく。
「ッグ……ハ、ァッ……ッッ」
声を、出しちゃ……ダメ。
類の声が、胸に響く。
『ミュー、好き。大好きだよ……
何をしてても、ミューだけを想ってる』
甘く切ない感情がさざめきを起こし、蜜奥がそれに応えるようにビクビクと震撼する。
その一方では扉がギシッ、ギシッと軋む音が鼓膜を揺らす。どうしても、その向こうの気配を、熱を感じずにいられない。
嫌、嫌だ!! 聞きたくない!!
お願いっ、類。やめ、て……ッッ
『香織に知られたくないなら、僕を選ぶって言いなよ。
そしたら、やめてあげる』
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる