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しおりを挟むそれと同時に、浩峨さんはおかしなことを言うなと思っていた。
言われなくても、私は浩峨さんだけなのに。
その時の美花はまだ、想像の範疇を超える程、宣言通りにされてしまうことなど分かっていなかったのだけれど。
◆◆◆◆◆◆
今、一体何時なのだろう……。
目が覚めた美花は、間接照明だけが灯る薄暗い中、身体を起こそうとして力が入らないことに気付く。
下半身はだるく重いし、心無しか膝もがくがくする気がした。
「どうしたの?」
ふと影が掛かり顔を上げれば、そこには優しく微笑む浩峨の笑顔。
「あの、ずっと起きていたんですか? 」
ドキドキして俯こうとすると、スルリと顎を持ち上げられて触れるだけのキスをされた。
「勿体無くて眠ってなんかいられないよ 」
そんなことを言われたけれど、美花はこの笑顔に『騙されない 』と思う。
サラリと涼しげで、一見人畜無害に見せているくせに、この男はとんでもない肉食獣だった。
『あ、や……っ、んっ 』
『ほら、そんなに泣かないの 』
美花の感じるところを見付けると執拗にそこばかりを構って、ちゃんと口で言わないと許してはもらえない。
それは、やめてほしい時も、もっとして欲しい時も同じで、生殺しでいたぶるのを楽しんでいる
もう何度、しんでしまうと思ったか分からない。けれど……。
感じ過ぎて、爆発しそうな心臓。 苦しくて、助けてと手を伸ばしたら、取られた指先にキスされた。
『……本当に俺、らしくないんだよ 』
それだけにも身体が震える美花に、浩峨が弱ったように笑った気がする。
『今まで美花にこうしてきた奴らに、妬けて妬けて困るんだ 』
だから、それ以上にしたい。もっと奥まで行かせて?
そんなふうに甘えられたら、いくら怖くても、もし本当に嫌だと思っていても断ることなんか出来る訳がない。
しかもそれが嫉妬からくるものだと知れば……。
しゃくりあげながら頷くと、熱い屹立を押し当てられて、いつもより更に大きい気のするそれに息を飲む。
『ちっせぇ男でごめんね 』
けれど、自嘲する声に美花は何故か切なくなって、強張る身体を緩めた。
こっちは全然思っていないのに、そんなことを言うこの人がとても可愛く思えた。
『でも、大事にするから。 一生掛けて大事にして、めちゃめちゃ可愛がるよ 』
胸の奥に落ちるあまい蜜。
しかし、返事をする間もなく、ずるり……と大きなものが体内に割り入ってくる。
じりじりと進む圧倒的な存在にトロトロに溶かされながら、身体はなめらかにそれを受け入れてゆく。
クリームのような甘過ぎる快感に、堪えようのない声が漏れた。
目に見えない何かが、溢れて溢れて止まらない。
ーーー心の伴ったセックスがどんなにいいか、美花に教えてあげる。
その時、ぐちゃぐちゃな頭の中を浩峨の言葉がよぎった。
そして、どうして初めからこの人だけに身体が反応したのか、今更ながらに分かった気がした。
「……よ、美花ちゃん 」
「え……? 」
「えー? 聞いてなかったの? 」
頬杖を付いて美花を見詰めるサラサラとした綺麗な顔は、今さっきまであんなことをしていた同一人物とは思えない。
「……橘さん、何んか違った 」
「ん? 何が? 」
上掛けに顔を半分埋め、恨めしげに言った美花の髪を浩峨が長い指で弄ぶ。
「だっていつもはもっと優しいのに、激しいし、しつこいし、意地悪だし…… 」
真っ赤になりながら訴える美花に、浩峨が弱ったような曖昧な笑みを浮かべた。
「いや、これでも相当…… 」
「相当?」
嫌な予感に眉根を寄せれば、「あっ、そうだよ 」と、話を変えられる。
「美花、サプライズするから指環のサイズ教えて? 」
「はい? 」
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